全国大会2018 Round 4:ランディー(奈良) vs. ユーリ(千葉)
今年度の日本一を決する最後の戦いも、2ブロック構築によるふるい落としを抜けて殿堂レギュレーションに移る。
選手達もこのタイミングで配られた「日本一決定戦」のロゴの入ったポロシャツに身を包み、いよいよヒートアップしてきているこの戦いだが、彼らにしてみればここからが正念場なのだろう。
予選を確実に抜けるには5-1の戦績が必要だ。2ブロック構築を3-0で折り返したならばとても気が楽だろうが、2-1になってしまうと一転、もう負けられないという重い枷を背負うことになる。
この卓についたランディーとユーリも、そんな二人だった。
お互い向かい合って座る彼らは勿論、その隣で戦うばんぱく、えんがわとも既知の間柄であることもあって、カードをシャッフルする間も雑談や突然のカラオケ大会など和やかに準備が進む。
だが、戦績は2-1。
今年の過酷なDMPランキングを1年通して勝ち続け、ここまでそれぞれ2位、そして1位に君臨しているこの二人ですら敗北を喫してしまう程に厳しい戦いが続いてるのだ。
そんな崖っぷちの状況で、普段応援し合うような知友同士で当たってしまうとは。
ひとしきり笑顔で話を弾ませた後、アツい握手と共に試合が始まる。
試合が終わった頃この笑顔をもう一度見せてくれるのは、果たしてどちらか。
先攻:ランディー
両者力のこもったじゃんけんの結果、先手となったランディーは《ドンドン吸い込むナウ》《》をチャージして《異端流し オニカマス》を召喚する。
2ブロックに引き続き殿堂も『火水覇道』を選択してきたようだ。
対するユーリは《真・龍覇 ヘブンズロージア》、《怒流牙 サイゾウミスト》チャージでターンを終える。こちらは《》系のデッキだろうが、まだ全貌を明かさない。
3ターン目、そのマナ置きを見てピタリと手を止めたランディー。
長考した後、もう1体の《異端流し オニカマス》を召喚し、元居た方でシールドをブレイクしにいく。
だが、ここでユーリのシールドから飛び出たのは値千金の《フェアリー・シャワー》。
効果で《ニコル・ボーラス》が埋まった事で、ユーリのデッキが『ドンジャングルコントロール』である事も露になる。
そしてマナが伸びて4になったユーリは、≪六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~≫を唱えてターンを返した。
受けるカードが4マナ以上であることが多いこのデッキにとって、早い段階で4マナに到達出来るかどうかはとても大事だったのだ。
このターンに殴り切れなくなったランディーは、ミドルゲームを見据えて《奇天烈 シャッフ》を召喚する。宣言は5。そして《異端流し オニカマス》でシールドブレイク。
だがユーリはそれを意に介さない様子だ。≪白米男しゃく≫でマナを伸ばし、≪「本日のラッキーナンバー!」≫。
ランディーのマナは4枚、手札1枚。《“必駆”蛮触礼亞》は使えない。4を宣言してターンを返す。
5ターン目、いよいよ厳しくなってきたランディー。《“轟轟轟”ブランド》を引けれ…という所だが、ドローしてから手札を置き、肘をついて長考。どうやら引けなかったらしい。
暫く考えた末、マナチャージしてからゆっくりと《奇天烈 シャッフ》をアタックに向かわせた。宣言はもう一度「5」だ。
それに対してユーリはニンジャストライク《怒流牙 佐助の超人》を召喚。マナを伸ばしてからアタックを受ける。
それを受けてランディーは2体の《異端流し オニカマス》でユーリのシールドを0にするが、シールドからは再びのSトリガー《Dの牢閣 メメント守神宮》が飛んできた。
ユーリのターン。ついに彼のデッキの真骨頂を発揮する時が来た。
8マナをタップし、手札、墓地、マナゾーン、全ての領域を何度も確認した末に召喚したのは、このデッキの代名詞《ドンジャングルS7》!
効果でマナゾーンから《真・龍覇 ヘブンズロージア》を場に出し、バウンスされるものの《真聖教会 エンドレス・ヘブン》を盤面に残した。
そしてマッハファイターにより討ち取られる《奇天烈 シャッフ》。
ランディーにターンが渡るも、ユーリは無慈悲な《Dの牢閣 メメント守神宮》起動によりワンチャンスを残さない。
だが、殴り切るチャンスがあるとしたら呪文をまともに使えるこのターンしかないのだ。彼の2枚の手札が《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》ならばあるいは・・・!
だがそんな願いも虚しく、プレイしたのは《ドンドン吸い込むナウ》。
《ドンジャングルS7》は除去したものの、殴り手が用意できない。出来る事はターンエンドのみ。
そして今度こそユーリは再度《ドンジャングルS7》召喚からの≪龍装艦 チェンジザ≫で≪ジャミング・チャフ≫を捨て更に≪奇石 ミクセル≫を召喚。《ドンジャングルS7》を除去できない盤面を作り出す。
無論マッハファイターで《異端流し オニカマス》を1体削るのも忘れない。
《Dの牢閣 メメント守神宮》、タップされた《ドンジャングルS7》、≪ジャミング・チャフ≫、≪奇石 ミクセル≫。この盤面を5マナしかないランディーが突破するのは最早不可能だった。
バウンスされ再召喚した≪龍装艦 チェンジザ≫《龍素記号Sr スペルサイクリカ》により使いまわされる≪ジャミング・チャフ≫、更に張り直される《Dの牢閣 メメント守神宮》と、じわりじわりと制圧され切る盤面。
最後に手札の《時の法皇 ミラダンテⅫ》が≪「本日のラッキーナンバー!」≫を携えて動き出した時、ランディーは《異端流し オニカマス》のバウンスも諦め投了を宣言したのだった。
Winner:ランディー
デッキを片づけながら、暫く悔しそうに俯いていたランディー。
それはそうだ。「踏まない前提で走り切るしかない」と感想戦で漏らすほどに有利不利が明確な対面できっちりSトリガーを踏んで負けてしまったのだ。懸かっているものの大きいこの舞台で。
でも、だからこそランディーは顔を上げその手を差し出す。懸かっているものが大きいのはユーリもまた同じだったのだから。
ランディー「がんばってや。」
ユーリ「ありがとう。」
そう言って最初のようにアツい握手を交わした二人の顔には、また最初のような笑顔が戻っていた。
共にランキングを走った友に見送られ、ユーリは次の戦いへと向かう。
選手達もこのタイミングで配られた「日本一決定戦」のロゴの入ったポロシャツに身を包み、いよいよヒートアップしてきているこの戦いだが、彼らにしてみればここからが正念場なのだろう。
予選を確実に抜けるには5-1の戦績が必要だ。2ブロック構築を3-0で折り返したならばとても気が楽だろうが、2-1になってしまうと一転、もう負けられないという重い枷を背負うことになる。
この卓についたランディーとユーリも、そんな二人だった。
お互い向かい合って座る彼らは勿論、その隣で戦うばんぱく、えんがわとも既知の間柄であることもあって、カードをシャッフルする間も雑談や突然のカラオケ大会など和やかに準備が進む。
だが、戦績は2-1。
今年の過酷なDMPランキングを1年通して勝ち続け、ここまでそれぞれ2位、そして1位に君臨しているこの二人ですら敗北を喫してしまう程に厳しい戦いが続いてるのだ。
そんな崖っぷちの状況で、普段応援し合うような知友同士で当たってしまうとは。
ひとしきり笑顔で話を弾ませた後、アツい握手と共に試合が始まる。
試合が終わった頃この笑顔をもう一度見せてくれるのは、果たしてどちらか。
先攻:ランディー
両者力のこもったじゃんけんの結果、先手となったランディーは《ドンドン吸い込むナウ》《》をチャージして《異端流し オニカマス》を召喚する。
2ブロックに引き続き殿堂も『火水覇道』を選択してきたようだ。
対するユーリは《真・龍覇 ヘブンズロージア》、《怒流牙 サイゾウミスト》チャージでターンを終える。こちらは《》系のデッキだろうが、まだ全貌を明かさない。
3ターン目、そのマナ置きを見てピタリと手を止めたランディー。
長考した後、もう1体の《異端流し オニカマス》を召喚し、元居た方でシールドをブレイクしにいく。
だが、ここでユーリのシールドから飛び出たのは値千金の《フェアリー・シャワー》。
効果で《ニコル・ボーラス》が埋まった事で、ユーリのデッキが『ドンジャングルコントロール』である事も露になる。
そしてマナが伸びて4になったユーリは、≪六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~≫を唱えてターンを返した。
受けるカードが4マナ以上であることが多いこのデッキにとって、早い段階で4マナに到達出来るかどうかはとても大事だったのだ。
このターンに殴り切れなくなったランディーは、ミドルゲームを見据えて《奇天烈 シャッフ》を召喚する。宣言は5。そして《異端流し オニカマス》でシールドブレイク。
だがユーリはそれを意に介さない様子だ。≪白米男しゃく≫でマナを伸ばし、≪「本日のラッキーナンバー!」≫。
ランディーのマナは4枚、手札1枚。《“必駆”蛮触礼亞》は使えない。4を宣言してターンを返す。
5ターン目、いよいよ厳しくなってきたランディー。《“轟轟轟”ブランド》を引けれ…という所だが、ドローしてから手札を置き、肘をついて長考。どうやら引けなかったらしい。
暫く考えた末、マナチャージしてからゆっくりと《奇天烈 シャッフ》をアタックに向かわせた。宣言はもう一度「5」だ。
それに対してユーリはニンジャストライク《怒流牙 佐助の超人》を召喚。マナを伸ばしてからアタックを受ける。
それを受けてランディーは2体の《異端流し オニカマス》でユーリのシールドを0にするが、シールドからは再びのSトリガー《Dの牢閣 メメント守神宮》が飛んできた。
ユーリのターン。ついに彼のデッキの真骨頂を発揮する時が来た。
8マナをタップし、手札、墓地、マナゾーン、全ての領域を何度も確認した末に召喚したのは、このデッキの代名詞《ドンジャングルS7》!
効果でマナゾーンから《真・龍覇 ヘブンズロージア》を場に出し、バウンスされるものの《真聖教会 エンドレス・ヘブン》を盤面に残した。
そしてマッハファイターにより討ち取られる《奇天烈 シャッフ》。
ランディーにターンが渡るも、ユーリは無慈悲な《Dの牢閣 メメント守神宮》起動によりワンチャンスを残さない。
だが、殴り切るチャンスがあるとしたら呪文をまともに使えるこのターンしかないのだ。彼の2枚の手札が《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》ならばあるいは・・・!
だがそんな願いも虚しく、プレイしたのは《ドンドン吸い込むナウ》。
《ドンジャングルS7》は除去したものの、殴り手が用意できない。出来る事はターンエンドのみ。
そして今度こそユーリは再度《ドンジャングルS7》召喚からの≪龍装艦 チェンジザ≫で≪ジャミング・チャフ≫を捨て更に≪奇石 ミクセル≫を召喚。《ドンジャングルS7》を除去できない盤面を作り出す。
無論マッハファイターで《異端流し オニカマス》を1体削るのも忘れない。
《Dの牢閣 メメント守神宮》、タップされた《ドンジャングルS7》、≪ジャミング・チャフ≫、≪奇石 ミクセル≫。この盤面を5マナしかないランディーが突破するのは最早不可能だった。
バウンスされ再召喚した≪龍装艦 チェンジザ≫《龍素記号Sr スペルサイクリカ》により使いまわされる≪ジャミング・チャフ≫、更に張り直される《Dの牢閣 メメント守神宮》と、じわりじわりと制圧され切る盤面。
最後に手札の《時の法皇 ミラダンテⅫ》が≪「本日のラッキーナンバー!」≫を携えて動き出した時、ランディーは《異端流し オニカマス》のバウンスも諦め投了を宣言したのだった。
Winner:ランディー
デッキを片づけながら、暫く悔しそうに俯いていたランディー。
それはそうだ。「踏まない前提で走り切るしかない」と感想戦で漏らすほどに有利不利が明確な対面できっちりSトリガーを踏んで負けてしまったのだ。懸かっているものの大きいこの舞台で。
でも、だからこそランディーは顔を上げその手を差し出す。懸かっているものが大きいのはユーリもまた同じだったのだから。
ランディー「がんばってや。」
ユーリ「ありがとう。」
そう言って最初のようにアツい握手を交わした二人の顔には、また最初のような笑顔が戻っていた。
共にランキングを走った友に見送られ、ユーリは次の戦いへと向かう。
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