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全国2019 3位決定戦 おんそく(千葉県) vs. ◆ドラ焼き(京都府)

ライター:塚本 樹詩
撮影者:後長 京介

 この時点で既に2019年度のDMPランキング1位が確定した◆ドラ焼き。暫定1位という肩書から暫定の文字を取ることはできたものの、準決勝で惜しくも敗退してしまった。

 最近では公式YouTubeにも出演し、今大会でも”DMマシーン”の肩書通り、精密なプレイングを見せ我々を震え上がらせた。そんな彼であるが、普段は超有名チャンネル『フェアリーch』でフェアリーの相方としても日々活躍を見せていた。

 そして3位決定戦で相対するのはおんそく

 オリジナルのデッキこそ違えど、アドバンスではZwieLanceと【5cドラグナー】をシェアし、予選ラウンドの前半の勝ち星を稼いでいた。

 この二人の対決の裏にどんなプロジェクトが隠されているのかは定かではないが、全国大会の3位決定戦にはとても重要な意味がある。より高い順位を目指し戦うという大前提はあるものの、勝者にのみスペシャルイラスト版の《蒼き団長 ドギラゴン剣》が与えられる。

 負けてしまえば得られるものがないだけでなく、それを今後数年は話の種にされ、時がトリップしまうという。ウィザーズ社に入社でもしないと癒えないような傷を負うのはいったいどちらなのか?

 試合の準備をしている途中では、準決勝での敗退により虚無感に包まれている◆ドラ焼きを励ますおんそくという微笑ましい場面が見られたが、先攻の確認をするタイミングになると「予選の順位は1位っす」と◆ドラ焼きの宣言により試合が始まった。

Game1

先攻:◆ドラ焼き
 ◆ドラ焼きのマナチャージは《雪溶の鎖/堕牛の一撃》、続いて《禁断のモモキングダム》。そう、彼が使うのは今大会の最大勢力である【JO退化】。最強が最強を使う、これ以上に何の理由があるだろうか?

 しかし、対戦相手はそうではなかった。
 おんそくのマナチャージは《一王二命三眼槍》、そして《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ /「未来から来る、だからミラクル」》
 メタゲームを読み切り、常に最善のデッキ選択を行い勝つおんそくが選んだのは【4c邪王門】。◆ドラ焼きが剛の者であるというなら、おんそくもまたそれに引けを取らない剛の者であることも間違いないだろう。何せここは3位決定戦のテーブル。

 マナチャージのみの凪のターンも束の間、◆ドラ焼きは3ターン目に《進化設計図》を使い《禁断のモモキングダム》《キャンベロ <レッゾ.Star>》を2枚ずつ、計4枚を獲得。

「4枚は上振れ!!!」とお互いに盛り上がりながらも返しのターンにはおんそくも《天災 デドダム》で動き出す。

 《フェアリー・Re:ライフ》を墓地へ《単騎連射 マグナム》をマナへ送り、残りを手札に加えるおんそくに対して、◆ドラ焼きは《バッドドッグ・マニアクス》のマナチャージのみでターンを終える。

 おんそくの次のアクションは《奇天烈 シャッフ》召喚、宣言は1。
初速こそ良さそうに思えた◆ドラ焼きであったが、目の前の脅威に対して何をすることもなくターンを終える。

 これは好機とおんそくは2体目の《奇天烈 シャッフ》を追加。1体目同様、ここでの宣言も1として、少しの悩んだ末に最初に召喚していた方の《奇天烈 シャッフ》で攻撃、続けざまに2も宣言し、シールドをブレイク。

 2体の《奇天烈 シャッフ》による包囲網で絶体絶命の窮地に立たされた◆ドラ焼きは次のドローを見ると思わず笑みをこぼした。《神帝英雄 ゴッド・モモキング》をマナチャージしてエンドするが、その真意は如何に?

 だが、盤面上の優位はどう見てもおんそくが握っていた。2枚目の《一王二命三眼槍》マナチャージから勢いよく《生命と大地と轟破の決断》をプレイ!マナから2体の《一王二命三眼槍》が飛び出すと、瞬く間に◆ドラ焼きのシールドは無くなった。



 2体の《一王二命三眼槍》が、ゲームを決め、まずはおんそくの勝利。



 ん?……2体の《一王二命三眼槍》???

 2本の槍?

 これはZweiLance!!!

 やはりこの試合、代理戦争であったか。

 おんそく 1-0 ◆ドラ焼き

Game2

先攻:◆ドラ焼き
 ◆ドラ焼きのデッキに妖精の要素は無いので、この件はここまでだが、今日初めてデッキが事故ったという◆ドラ焼き、さっきの笑みの正体はこれだったか。

 再び先攻を手に入れたものの、おんそくがマナ加速連打から《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚し、《一王二命三眼槍》という安全策も確保している間ずっと、◆ドラ焼きはマナチャージのみでターンを過ごしていた。

 だが、5ターン目、今までの鬱憤を晴らすかのように《禁断英雄 モモキングダムX》《未来王龍 モモキングJO》へ退化させるとこの試合で初めてのアタック!《キャンベロ <レッゾ.Star>》の侵略の後に《神帝英雄 ゴッド・モモキング》へ進化すると、大量に手札を増やしながらシールドをブレイクする。

 おんそくはその中から《フェアリー・Re:ライフ》を公開してG・ストライクで《未来王龍 モモキングJO》の連続攻撃を防ぎ、更には次のターン《奇天烈 シャッフ》の召喚により延命を図る。

 しかし、そこには2体目の《未来王龍 モモキングJO》が用意されていた!!またしてもここから進化するのはカードパワーの化身《神帝英雄 ゴッド・モモキング》!!無限にも思えるリソースを確保した◆ドラ焼きの連続攻撃におんそくも《一王二命三眼槍》《百鬼の邪王門》と抵抗をするものの、それを上回るシンカパワーによって◆ドラ焼きが星を取り返した。

勝負は最終ゲームへともつれ込む。

 おんそく 1-1 ◆ドラ焼き

Game3

先攻:おんそく
 二人にとっての2019年がようやくエンディングを迎えようとしている。
しかし、グッドエンドのルートは1つだけ。

 3年越しの総決算のデュエマが、スタートした。

 2ターン目◆ドラ焼きの《進化設計図》による《アルカディアス・モモキング》《禁断英雄 モモキングダムX》入手以外、目立った動きも無く、おんそくは4ターン目にやっと動き出す。

 《奇天烈 シャッフ》を召喚し、宣言は1でエンド。

 《怒りの影ブラック・フェザー》以外による退化手段を封じられてしまった◆ドラ焼きであったが《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚して退化の下準備だけは最低限整え、ターンを終える。

 そして、おんそくの5ターン目、逡巡の後に「うん」と声を出し頷き《鬼ヶ鬼 ジャオウガ》を召喚、死中に活を求める!!

 《一王二命三眼槍》《百鬼の邪王門》といった鬼エンドを利用した戦略こそがこのデッキの真骨頂であるが、大一番の舞台でこの選択肢は精神にかなりの負荷を掛けただろう。

 後は攻めるのみ、とまずは《奇天烈 シャッフ》で攻撃。能力による数字の宣言は5としたのだが、ここで◆ドラ焼きのシールドから《バッドドッグ・マニアクス》がトリガーし、退化のついでにと《奇天烈 シャッフ》が破壊されてしまう。深追いは危ないと判断し、おんそくは《鬼ヶ鬼 ジャオウガ》での攻撃は止め、ターンを終えた。

 ◆ドラ焼きは自分のターンに入るが、《奇天烈 シャッフ》の置き土産で《未来王龍 モモキングJO》は攻撃できなくなってしまっているので、ダイレクトアタックも叶わず、《キャンベロ <レッゾ.Star>》に進化をしてターンを終える。
 《キャンベロ <レッゾ.Star>》によって登場制限がかかっていることを確認したおんそくは、ここでは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚。これでこのターンにクリーチャーを出すことはできなくってしまったが、これで十分。自身の能力で山札の上から追加の《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を手札に引き入れた後に《キャンベロ <レッゾ.Star>》をバウンス。

 そして自身が鬼エンド状態ということは革命0状態であるので、サイズの膨れ上がった《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》はマッハファイターでスター進化の剥がれた《未来王龍 モモキングJO》を討ち取る!

 ダイレクトアタックが遠のいた◆ドラ焼きは、反撃に転じることができなかった。

 《キャンベロ <レッゾ.Star>》の制限ターンが解き放たれたおんそくは2体目の《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》の召喚を皮切りに、《百鬼の邪王門》《一王二命三眼槍》を絡めた超打点を形成し、勝利を掴み取った!

 Winner:おんそく

 【4c邪王門】という会場唯一のアーキタイプを操り3位にまで登り詰めたおんそく。それはさながら、DMGP8thのDAY1で「したい会」が作り出した【火自然スタンプパラス】を使って優勝した時のようだった。試合後の感想戦で◆ドラ焼きからデッキ選択の理由を聞かれたおんそくは、最大勢力と予想していながらも【JO退化】を使う勇気がなかったからだ、と答えた。

 しかし、最大勢力に対する解答として用意した【4c邪王門】を使いこなして3位まで登り詰めた結末は、おんそくの自分らしさの表れではないだろうか?

 3年連続全国出場やDMGP覇者といった輝かしい戦績を持つおんそく。再び動き出したトーナメントシーンで次に手にする栄冠は何なのであろうか?期待して待とう。

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