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全国大会2023 Round 1:monokuro vs.◆ドラ焼き

ライター:齋藤 陽(あーくん)
撮影者:後長 京介

日本一決定戦。

 それぞれ、最強を名乗るのに相応しい人物が招待されるのがこの大会だ。

 それは毎日行われるCSで戦い続け、全国ランキングで上位に入ったり。
 それは年に数回しかないDMGPや超CSといった超大型大会で好成績を残したり。
 それは前年度の日本一になったり。
 そんな選りすぐりの48人がその年の最強を決める、特別な大会。
 それが日本一決定戦だ。

 今回カバレージ卓に選ばれたのは、DMGP2023-2ndの優勝者のmonokuro。
 そして、最強位決定戦優勝者である◆ドラ焼きの二人だ。

 予選の前半3回戦はアドバンスフォーマットということで、お互いに超次元をはじめとした外部ゾーンのチェックを行う。
 monokuroの超次元では《魔導獣イエス・コレヨリ》が目を引くが、残りの7枚は【光自然ヘブンズ・ゲート】のもの。
 ◆ドラ焼きは最近のアドバンスフォーマットではあまり見ることのなかった«零龍»が置かれており、デッキの中身がわからないながら不穏な雰囲気を醸し出している。

「この次元ならまあ負けてもいいや」と、【光自然ヘブンズ・ゲート】の強さを認めているため冗談を飛ばす◆ドラ焼き。
 monokuroも「«コレヨリ»?いいでしょ」と自慢気に話す。  お互い笑いながらだが表情は真剣。ヘッドジャッジのアナウンスを聞くとジャンケンまで済ませる。
 泣いても笑っても今年最後の大会。日本一を決める戦いが、今始まる。

Game

先攻:monokuro  ジャンケンに勝利し、先攻を取ったmonokuro。
 《閃光の神官 ヴェルベット / フェアリー・パワー》を埋めてターンを返す。
 使用デッキはやはり【光自然ヘブンズ・ゲート】だ。

 対する◆ドラ焼きは《堕呪 カージグリ》をセット。
 これを見て複数回、確かめるようにmonokuroが頷く。

 monokuroは《ヘブンズ・ゲート》を埋めて終了。
 ターン開始のドローを行うと、◆ドラ焼きは少し考える。
《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》を埋めて《堕呪 バレッドゥ》を唱える。
 2ドローした後、苦しそうな表情で《堕呪 ゴンパドゥ》を墓地に送る。

 monokuroの3ターン目は《「根性」の頂 メチャデ塊ゾウ / 「大親分、ここにあり!」》の下面をプレイ。
 捲れた2枚は《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》の2枚。

 何も考えなければ《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》を手札に加えるため、山札の上に置きそうなものだ。
 しかしこの時のmonokuroの手札は《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》《闘門の精霊ウェルキウス》《冥界を統べる新月のハーデス》《超七極 Gio / 巨大設計図》とレインボーカードまみれだった。

 続くターンの動きを考え、最終的に《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》をマナに置き、《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》を山札の上においてターンを終了した。

 ◆ドラ焼きの3ターン目は《堕呪 ゴンパドゥ》
《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》を手札に加えて、ターンを返す。

 monokuroはドローした≪ギャラクシー・チャージャー≫を唱えると《冥界を統べる新月のハーデス》を手札に加え、アンタップインしたマナを使って≪巨大設計図≫をプレイ。
 《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《「根性」の頂 メチャデ塊ゾウ / 「大親分、ここにあり!」》《闘門の精霊ウェルキウス》の3枚が手札に入り、次のターンのビックアクションを確約する。

――そしてその考えが活きるのは次のターンが返ってくれば、の話ではある。

 ◆ドラ焼きの4ターン目はノーチャージで始まる。
 まずは≪龍・獄・殺≫をプレイして手札を整え、《堕魔 ドゥザイコ GR》をGR召喚。
 残った1マナで《堕魔 ザンバリー》をプレイすると今回のデッキの核であるカードが姿を現す。 ――そう、◆ドラ焼きのデッキは【水闇卍夜の降凰祭】。最速2ターンキルという非現実的な速度を持った、デュエル・マスターズ史上最速のコンボデッキだ。

 ◆ドラ焼きは山札を確認して《堕魔 ドゥベル》3枚と《罪無 ズゴブ垓 / 堕呪 バケドゥ》を墓地に落として≪龍月 ドラグ・スザーク≫を踏み倒す。
 GR召喚で《堕魔 ドゥザイコ GR》が4体並ぶと、《暗闇の裏闇市》の詠唱を宣言。盤面のクリーチャーを3枚破壊しながら6ドローを行う。 ◆ドラ焼き「おっけおっけ」

 引いた6枚の中に回答がちゃんとあったようで安心した◆ドラ焼き。ここからはミスをしないように手を進める。
 まずは破壊の儀で《卍夜の降凰祭》を回収して、そのまま2回目の《卍夜の降凰祭》

◆ドラ焼き「デッキ見るか考えます」

 宣言してから長考すると、墓地と手札の枚数を何度か数えた後に「山札を見ます」と宣言する。

 デッキから魔導具を1枚。手札から3枚捨てて、再度≪龍月 ドラグ・スザーク≫を降臨させる。

 計11回になったGR召喚からは3枚の《堕魔 ドゥザイコ GR》《ツタンメカーネン》 が呼び出され、さらに《堕魔 ドゥベル》が3枚蘇生される。

 ◆ドラ焼きの手札から《ジョルジュ・バタイユ》が盤面を壊しながら登場すると、山札の上から13枚を墓地に落として山札を1枚まで圧縮する。

 再び《暗闇の裏闇市》を唱えると、《ジョルジュ・バタイユ》《ツタンメカーネン》《堕魔 ドゥザイコ GR》を選択。
《ジョルジュ・バタイユ》の効果で墓地を6枚山札に戻して6ドローを行いループの初期盤面を揃えに行く。 ・バトルゾーンにGRクリーチャーが《堕魔 ドゥザイコ GR》12体と《ジョルジュ・バタイユ》
・墓地に魔導具が4枚。《堕魔 ドゥベル》が2枚。《暗闇の裏闇市》《卍夜の降凰祭》《ジョルジュ・バタイユ》《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》を1枚ずつ。
・デッキは魔導具が2枚
手札に《暗闇の裏闇市》と魔導具が1枚ずつ。

――慣れた手つきで証明を開始する。

1.《ジョルジュ・バタイユ》《堕魔 ドゥザイコ GR》3体をタップして《暗闇の裏闇市》を宣言。破壊対象は《ジョルジュ・バタイユ》《ツタンメカーネン》《堕魔 ドゥザイコ GR》の3体。
2.《ジョルジュ・バタイユ》の効果で墓地の《卍夜の降凰祭》《暗闇の裏闇市》《ジョルジュ・バタイユ》《堕魔 ドゥベル》以外の魔導具2枚、《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》を山札に戻す。
この時、山札の下2枚が魔導具と《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》になるように積み込み、6枚ドローを行う。
3.ドゥザイコ2枚、墓地のドゥベル以外の魔導具2枚をコストに《卍夜の降凰祭》を詠唱。
デッキから《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》を出し、手札の魔導具2枚を下敷きにする。
4.≪龍月 ドラグ・スザーク≫の効果でGR召喚を行い、《ツタンメカーネン》の効果でお互いにドロー。そして墓地から《堕魔 ドゥベル》を2体出す。
5.《堕魔 ドゥベル》2体と≪龍月 ドラグ・スザーク≫とタップ状態の《ジョルジュ・バタイユ》をコストに手札から《ジョルジュ・バタイユ》を召喚。

これで初期盤面に戻すことで、無限に《ツタンメカーネン》が回りだし、相手の山札を0枚にする証明が完了した。 Winner:◆ドラ焼き

monokuro「いやなんかあったかなー。手札、多色まみれで全然動けなかったわ」

 悔しそうにmonokuroが語る。
 本人は早い段階で【水闇卍夜の降凰祭】という事に気づいたが、手札の噛み合いが悪く、勝つためのプランが上手く見いだせなかったことを振り返る。

 そして【水闇卍夜の降凰祭】という、あまり有名ではないデッキを持ち込んだ◆ドラ焼き。
 相手の手札事故もあったとはいえ、その結果は圧巻。完璧なループを証明してみせた。

 本人はあまり発信していなかったがCSなどでも稀に使っていたようだ。「強いんだよね」「ずっと練習していて~」「昔は【アナジャ】のメタクリが重くてね~」とデッキについて話を聞く中で一つ気になることを訊いてみた。それは「このデッキ、いつから触り始めていたの?」ということだ。

 すると笑顔でとんでもないことが返ってきた。

1年くらい前かなー。本格的に弄り始めたのは《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》が発表されてから。そこからはこういう大型大会で使うだろうなって思って、情報は秘匿しながら毎日一人回ししてたよ

 ◆ドラ焼きが最強と呼ばれるのは、最強位になったからではない。
 最強であるために日々の努力を積み重ねているからである。

 そして、最強になるためには、そのチャンスが自分に巡ってくるのかどうかではなく、いつ来たっていいように練習を重ねる。そんな◆ドラ焼きの思想が垣間見えるような返答だ。

◆ドラ焼き「まあ自信あるよ。ループルートも4つくらいあるし、頑張って最適化したつもり」

 サラッとものすごく気になる情報を口にしながら、今年も最強を証明するために、◆ドラ焼きは次のラウンドへと向かった。

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