全国大会2025 Round 6:デンネ vs. ペリュ
ライター:河野 真成(神結)
撮影:堀川 優一
全国プレイヤーは、どうして全国大会にいるのだろうか。上手いから、というのはもちろん当たり前だとは思うのだが、この「上手い」を説明しようとすると、これが難しい。
ただそうした疑問に対して、実際の試合を見ることでヒントになることはあるだろう。
予選Round6のフィーチャーマッチは、ここまで1敗同士の試合となった。
一方は、前回戦で延長ターンのギリギリとなった勝負を制したTeamSAGAのデンネ。対して「関西のむーちゃん」でお馴染み、スライ無のお手製デッキを使うのがペリュだ。
強力なデッキを使いこなすデンネと、癖のあるデッキで相手の虚を突くペリュ。
まさに王道vs.邪道。王道W篇の全国大会らしい一戦と言えるだろう。
先攻:デンネ
デンネの使用は、王道の【ゴルギーオージャー】。初手のマナチャージも、まずは《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》から。対してペリュのマナ置きは、《「GG」-001》。
一瞬スルーしたはずのデンネが、思わずマナゾーンを二度見して思わず溢す。
デンネ「昨日のCSから始まってたんだ」
ペリュ「あれは僕らも想定外です」
……少し解説をすると、前日のCSでTJM、スライ無、ペリュは全員で【火水闇邪王門】を使用しており、その上でTJMが優勝(ペリュの言う「想定外」の部分)。
その優勝を、デンネは見ていたらしい。
前回戦の配信にスライ無が登場していたため、配信を観ていたならばデッキが判明していた筈なのだが、直前の回戦でギリギリまで試合をしていたデンネにはその情報はなく、《「GG」-001》のチャージに驚愕した、とのこと。
と、互いに笑い合ったところで、2ターン目のデンネは《ジャスミンの地版》からスタート。対してペリュは《リツイーギョ #桜 #満開》を召喚してターンを終える。

こちらはざっくり言えば1ターン中にクリーチャーを2体までしか出せないという妨害クリーチャー(いわゆるメタクリーチャー)なのだが、最近だとかなり珍しい1枚だ。
これを見たデンネは、一旦《ソウルサンライト コハク》から《~西方より来る激流の竜騎公~》と繋ぐ。【ゴルギーオージャー】の王道とも言える動きの1つだ。
ここでペリュはしばし長考する。
やがて《キユリのASMラジオ》を埋めると、《偽りの希望 修羅丸「終斗」》を召喚。《~西方より来る激流の竜騎公~》はバトルゾーンを離れないが、バトルには勝ったので1ドロー。これでターンを終了だ。
ゲームを整理しておくと、現在後攻3ターン目を終えたところで、盤面状況はデンネが4マナで《ジャスミンの地版》と《ソウルサンライト コハク》を進化元にした《~西方より来る激流の竜騎公~》。そしてペリュが3マナで《リツイーギョ #桜 #満開》と《偽りの希望 鬼丸「終斗」》が並んでいる。
わざわざ状況を整理したのは、この試合はここからが本当に面白いからだ。
まずターンを貰ったデンネは、《リツイーギョ #桜 #満開》のカウントを意識しながら、4マナで《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》を《ジャスミンの地版》に進化させると、そして《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を《~西方より来る激流の竜騎公~》に重ねて召喚する。
3マナブーストしたのち、デンネの選択は《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》のみ回収。
そしてマッハファイターで《偽りの希望 修羅丸「終斗」》を処理してターンを終了。
《リツイーギョ #桜 #満開》を残すかわりに《剣轟の団長 ドギラゴン王道》などの脅威を排除し、そして豊富なマナと、後続の《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を確保に成功した。
この状況はマズいペリュだが、スライ無お手製のデッキにはしっかりと秘策が用意されていた。
ここで繰り出したのは、《刀舞の3号 カツえもん》。

この盤面への完璧な回答だ。2体のブロッカー処理が可能であり、《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》を破壊しつつ、更に《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》の進化元を引き剝がすことに成功する。
しかし冷静なデンネは、まずは《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を召喚して《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》の横に置くと、その上に7マナで《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を進化させる。
マナゾーンのカードを吟味すると、《ソウルサンライト コハク》と《大集合!アカネ&アサギ&コハク》、そして《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を回収し、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》で《刀舞の3号 カツえもん》を破壊してターンを終了した。
返しのペリュの動きはというと、なんと2枚目の《刀舞の3号 カツえもん》。今度は進化元のある《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を狙い撃ちし、破壊する。恐らく並のプレイヤーであれば、この2枚目の《刀舞の3号 カツえもん》のプレイは決定打になっていたかもしれない。ゲームプランを切り替える、或いは《水上第九院 シャコガイル》を探しにいくといった隙が生じ、そのタイミングで主導権を奪い返す……なんて動きになったのだろう。
そもそも、前のターンに2枚目の《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》が着地していないかもしれない。
しかし今回の相手は、GP三冠王のデンネだった。
ターンが返ってきたデンネは、ここで先に回収していた《大集合!アカネ&アサギ&コハク》をまずプレイすると、先ほどと同じく7マナで《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を召喚。効果で《吟弾の妖精》と《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を回収し、マッハファイターで《刀舞の3号 カツえもん》を破壊。
闇文明でもないのに、ゾンビのように湧いてくる《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》。そして手が切れない、デンネの見事すぎるデッキ捌き。
デンネとしては、とっくに10枚揃えた《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》に特殊勝利は狙っていなかったのかもしれない。
多彩すぎるデンネのスキルと、多様なプランを可能にする【ゴルギーオージャー】は、あまりにも相性が良かった。
対してペリュは、リソースを抱えながら動けている訳ではない。
本来ならば「ドローを進める」ようなターンを想定していたかもしれないが、デンネの動きがそれを許さなかった。
ここはノーチャージを選択すると、2枚目の《リツイーギョ #桜 #満開》をプレイしてターンを終了する。
返しにデンネは、先に回収していた《大集合!アカネ&アサギ&コハク》をプレイすると、そこに同じく回収した《吟弾の妖精》を進化で重ね、2体の《リツイーギョ #桜 #満開》をフリーズ。
それぞれ《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》でバトル破壊し、遂にギリギリでペリュの戦線を支えていた《リツイーギョ #桜 #満開》の処理に成功した。
しかしペリュにも意地がある。
こちらも三度の《刀舞の3号 カツえもん》を繰り出して《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を破壊し、なんとか対抗の姿勢を見せる。
気づけば、残り3分。
《リツイーギョ #桜 #満開》から遂に逃れたデンネは、《ソウルサンライト コハク》+《一音の妖精》に《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》を用意し、反撃を風実《巨魔天 アオフェシー》まで手出しすると、そのまま攻撃を開始。
元より、メタクリーチャーで相手を抑えつけるペリュのリストには、逆転のキッカケとなるトリガーは用意されていない。
全国プレイヤーは、どうして全国大会にいるのだろうか。
その答えをプレイで示した、デンネの鮮やかな勝利であった。
WINNER:デンネ
勝者となったデンネはこの後見事に予選を突破し、敗れたペリュは予選を抜けることは叶わなかった。
余談だが、大会翌日のCSに遊び行くと、そこにはペリュの姿があった。
ペリュと言えば2024年下期に、こんなエピソードがある。
この時にランキングで全国出場は叶わなかったものの、その後集計期間もCSに出場を続けて、気付けば2月・3月にポイントを盛り、CSにも出続けていた。結果全国大会に出場することなく、7位という最終順位でのフィニッシュとなったのだ。ちょっとした恐怖すら感じるエピソードだった。
だからGPで優勝を決めたときは、そうした地道な積み重ねが報われたのだろうと、個人的には凄く嬉しかったのだ。
そして25年下期。全国大会を決めた後の彼はやはり、CSに参加し続けた。
彼の名前は現在、全国2位に刻まれている。
そんなペリュとCSの開始前に話をしていたのだが、その際に漏らした言葉が、印象に残っている。
「全国大会、もう1回出たいんですよ」
それが実現するか、今日の時点ではもちろんわからない。
全国プレイヤーは、どうして全国大会にいるのだろうか。
デンネは圧倒的なスキルをもって、これの回答とした。
もしかしたらペリュは、情熱をもってこれの回答とするのかもしれない。
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デンネ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
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ペリュ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
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