山形超CSⅢ 決勝第2回戦:「くんさん」 vs. ミノミー
総人口1,400万人。日本の最大都市と言えば?
そう、もちろん東京都だ。
この大都市に君臨するTOP2を争うプレイヤーが、山形の地に降り立った。
1人目は、DMPランキング東京都1位「くんさん」。
「自分、今東京都1位ですけど知ってますか?」
元々カバレージチームで面識があった筆者に、彼は朝一番で主張した。
元々プレイヤー名あーくんとして、カバレージや大型大会のサポートでデュエマを賑わせていた彼であるが、今年は「くんさん」としてデュエマ競技イベントを賑わしている。(名前変わっていたので、筆者はその大躍進に気付けていなかったのは秘密だ)
元々人当たりが良くムードメーカーな彼ではあるが、今日の彼は真剣そのもの。
これまで優勝したCSもすでに5つと、その実力を疑う者はいないだろう。
“勝負師”「くんさん」がそこにいた。
「今年は競技本気で頑張るんで」
その宣言通り、本大会も順調に予選を突破。
決勝ラウンド1回戦も勝ち残り、遂にTOP64にまで駒を進めた。
握ったデッキは環境トップ『水闇自然デッドダムド』だ。
そんな、ノリに乗っている今年の「くんさん」の前に立ちはだかったのは東京都2位ミノミーだ。
彼が握るデッキは『水魔導具』。選択理由は至ってシンプルで、「ドルスザクが好きだから」だ。
デッキ選択には様々な方法がある。環境を読んだり、単純に勝った実績のあるデッキを使うことが多いだろう。
しかし彼の理由はとてもシンプル「ドルスザク愛」である。
環境で通用するのか? そんなミノミーの心配はすぐに杞憂に終わる。
第11回『茨城CS』優勝、『DMトレカマーケットCS』優勝。
愛で選択した『水魔導具』はデュエマ環境に風穴を開けた。
そこから約1カ月、本大会のTOP128デッキ分布で『水魔導具』は採用率2位。
まさに“水魔導具の起源”とも言えるミノミーは、今日もドルスザクを従え「くんさん」の前に立つ。
東京でも本戦で当たったことがない2人は、遂にここ山形で激突した。
先攻:ミノミー
先手はミノミー。
《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》をチャージしてエンド。
「くんさん」は《テック団の波壊Go!》をチャージしてエンド。
返しでミノミーはデッキの核である《卍 新世壊 卍》をプレイ。
『水魔導具』の始まりであり終焉でもあるこのカードを前に「くんさん」も苦い顔をし、《悪魔妖精ベラドンナ》で1マナ加速してターンエンド。
続くミノミーは《》の呪文をプレイし、さらに《堕呪 ウキドゥ》を唱えたことで《卍 新世壊 卍》の下にカードが1枚増えた。
これを受けて「くんさん」は少考。
3マナで≪水晶の記録 ゼノシャーク≫を召喚してターンを返す。
ミノミーのターン。
2回の《堕呪 バレッドゥ》により《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》と《》を無駄なく墓地に送り、ターンエンド。これにより《卍 新世壊 卍》の下に更にカードが3枚増えた。
返しのターン、「くんさん」は動いた。
「行け!!!!!」
力強い声と共に召喚されたのは《超奇天烈 ギャブル》。
デッドダムドデッキで採用されているこのカードは『水魔導具』デッキへの明確なメタカードだ。
《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を唱えられれば追加ターンを得て一気に攻め込めるし、豊富な呪文の中には盤面を打開する解答が含まれていることが多い。
めくられた5枚の中に《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》はなかったが、「くんさん」は《堕呪 エアヴォ》を選択。
無月の門99(ザイン)が開きかけた《卍 新世壊 卍》を選択して手札に戻した。
テンポを崩されたミノミーは、続くターンで《卍 新世壊 卍》、《堕呪 シュノドゥ》、《》を唱え、何とか立て直しを図る。
これを受け「くんさん」は再度少考。
《天災 デドダム》を召喚し、リソースの充実を図りターン終了。
返しのミノミーは《堕呪 ゴンパドゥ》を2回、《堕呪 ウキドゥ》を1回唱え、無月も門99の条件を達成。
ターン終了時に《卍 新世壊 卍》は世界の終焉を告げた。
《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》が唱えられ、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》3体と《》が場に現れる。
1体目の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》のブレイクで「くんさん」は《テック団の波壊Go!》をトリガーし、《》の破壊に成功するが、2体目以降の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》のブレイクに対し、有効札は無かった。
ミノミーは手を緩めず2つ目の無月、無月の門:絶も開門。
《》を降臨させつつ追加ターンに突入した。
再度《》を召喚して《光牙忍ハヤブサマル》もケアしつつ、ミノミーのダイレクトアタックが通るのであった。
WINNER:ミノミー
「あーーーーー、完敗だ、頑張って!!」
「くんさん」はミノミーに想いを託した。
2人は「今年になってDMPランキングトッププレイヤーになった」という共通点を持っていて、同世代のライバルと言えるだろう。
まだまだ今年のランキングは始まったばかりだ。
新進気鋭の2人が作るこれからの競技デュエマ、注目である。
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