デュエル・マスターズ

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超CSⅣ福岡 準決勝:shore vs. けんし

ライター:高橋 穂
撮影者:後長 京介

 4/676

 今、この広大な会場に残っているプレイヤーの割合である。

 そして、そのうちの二人こそがわずか2卓にまで狭まったテーブルに座してシャッフルを行う、けんしshoreだ。


 準決勝ともなれば、シャッフルやセルフカットにも気合が籠る。

 ディール・ファロー・カット等を複雑に組み合わせた指示で山札の無作為化を図る両者。

 ここまでやって来たならば、悔いのないようにじっくり時間をかけたい……というのも人情だろう。

 コロナ対策として、相手のデッキに触れずに無作為化を行うために広まったこの行為。

 だが、この時間が生まれたことで対戦相手とのコミュニケーションが生まれる……という思わぬ副次効果もある。

 けんし「そちら、予選何位でした?」

 shore「いや、127位で……。おそらく、そちらが先攻ですね」

 言葉を交わすたびに、張り詰めた雰囲気は少しずつ解れていく。

 コロナ禍という状況が生んだ、思わぬ影響と言えるだろう。


 片や環境屈指のループデッキ【水タッチ闇スコーラー】、片や今なお高tierを堅持する【光水闇墓地退化】というコンボデッキを駆り、ここまで勝ち続けてきた二人。

 ヘッドジャッジの試合開始のコールとともに、その雰囲気は再び張り詰める。

 遥か昔から今に至るまで、上位卓特有のこの空気感は変わることはないだろう。
 そして。

 そんな準決勝戦という場にこそ、悪魔は潜んでいた。

Game 1

先攻:けんし

 お互いじっくり考えながら、それぞれ《堕呪 カージグリ》《エマージェンシー・タイフーン》、2ターン目に《堕呪 カージグリ》《死神術士デスマーチ》とマナに置いていく静かな立ち上がり。

 後攻2ターン目のツインパクト版《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》《竜魔神王バルカディア・NEX》を捨てるおなじみのムーブで、戦いは幕を開けた。

 そして迎えた先攻3ターン目だが、けんしの様子がおかしい。

 手札を凝視した後、溜息の後に3枚目の《堕呪 カージグリ》をマナに送る。

 《堕呪 ゴンパドゥ》《ア・ストラ・センサー》と手を進めても、その表情は晴れない。

 同じカードを3枚マナに送っているなど、けんしの手札は相当まずいことになっているようだ。

 これ幸いと《∞龍 ゲンムエンペラー》をタップイン処理し、定番となる4ターン目の安全な退化&ワンショットにリーチをかけるshore。

 なんとしてでも状況を打開せねばならないけんしだが、引いたカードを見て複雑な表情。

 しばらく悩みながら、意を決して唱えたのは《ストリーミング・シェイパー》

 ここで4枚めくったカードからキーパーツの《月下旋壊 ド・リュミーズ》を引き込めれば、0マナとなったドローを連鎖させることでここからでもループに持ち込める……はずだった。
 なんと、めくれたのは《堕魔 ヴァイプシュ》2枚に《デビル・ドレーン》、そしてドローに直結しない《神出鬼没 ピットデル》

 デッキに4枚しか存在しない闇のカードのうち3枚をめくってしまうというとんでもない下振れにけんしの表情は歪み、反対にshoreは思わずガッツポーズ。

 だが、それでも。残った1マナで《セイレーン・コンチェルト》を使用し《堕魔 ヴァイプシュ》2枚を回収。

 【スコーラー】使いなら馴染み深い「そのターンに唱えた呪文を盤面に置いて回数をカウントしていく」ムーブを始動する。

 1枚確保していた《月下旋壊 ド・リュミーズ》《堕魔 ヴァイプシュ》をコストに踏み倒したのちに《卍 ギ・ルーギリン 卍 / 卍獄ブレイン》を使って詠唱回数を稼いでいくが……《超宮兵 マノミ》すら引けないまま《次元の嵐 スコーラー》のG・ゼロ条件にギリギリ届かない4回で止まってしまう!

 もはやこれまでとターンを終えたけんしに対し、shoreは《死神術士デスマーチ》《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》《竜魔神王バルカディア・NEX》を降臨させて《禁断竜王 Vol-Val-8》とともに速やかに介錯を行った。

けんし 0-1 shore

 片や理想ムーブ、片や下振れという「天国と地獄」が顕現したGame1。

 しかしけんしの引きがあと1枚噛み合っていれば、もしくはshoreの引きがあと1枚噛み合わなければ、《次元の嵐 スコーラー》降臨からこの結果がひっくり返っていたかもしれない……というのも事実。

 次のゲームでもshoreはこの流れを維持できるか、逆にけんしはこの流れを断ち切ることができるか。

Game 2

先攻:けんし

 「負け先」を確保したけんしは、《次元の嵐 スコーラー》チャージからの《ア・ストラ・センサー》《ア・ストラ・センサー》を回収して戦いの口火を切る。山札の下を確定させる作用も期待できる、いい滑り出しだ。

 対するshoreは《∞龍 ゲンムエンペラー》をチャージ。タップインを処理してターンを返す。

 あとで回収すればいい《I am》をマナに送り込み、再び《ア・ストラ・センサー》を使うけんし。《「見よ、これぞ超科学の神髄なり!」》で次のターンの動きを確定させ、順調に手を整えていく。

 しかし、shoreの返しの動きはGame1と同じく《エマージェンシー・タイフーン》からの《竜魔神王バルカディア・NEX》を捨てる理想ムーブ。一気にゲームに制限時間が発生する。

 予告通りの《「見よ、これぞ超科学の神髄なり!」》で手札を稼ぎ、今度こそ4ターン目に勝負を決める準備を整えるけんしに、shoreは《影世界のシクミ》をチャージして文明を確保。Game1の展開をなぞらんとする。

 そして訪れた運命の4ターン目。このターンで勝負を決めるべく、手札を見てじっくり考えるけんし。

 長考の末に選んだのは、《堕魔 ヴァイプシュ》チャージで闇マナを確保してからの《デビル・ドレーン》!シールドを一挙に回収し、5枚もの手札を確保する。

 そして潤沢な手札から魔導具を切りまくり、《月下旋壊 ド・リュミーズ》を二連打!手札が派手に回転するとともに、呪文と墓地のカウントが着々と積み上がっていく!

 大量の手札を確保して絶好調のはずのけんし。しかし何か様子がおかしい。

 初期手札5枚、通常ドロー3枚、《ア・ストラ・センサー》2回で2枚、《「見よ、これぞ超科学の神髄なり!」》で2枚、《デビル・ドレーン》で5枚、《月下旋壊 ド・リュミーズ》2回で6枚。合計23枚ものカードを手札に加えているにもかかわらず、1ゲーム目に引き続きここまで1枚も《超宮兵 マノミ》が見えていない!
 《ア・ストラ・センサー》で山札の下に送りすぎたのかは定かではないが、このデッキの根幹を為す「0マナ2ドロー」が使えない今、けんしは残る1マナであと2回の呪文を詠唱しなければ《次元の嵐 スコーラー》……ひいては勝利に辿り着けない。

 そして、どうやら(実質)0マナで唱えられる《月下旋壊 ド・リュミーズ》《セイレーン・コンチェルト》は今の手札には存在しない様子。

 つまりこの瞬間、けんしは残り1マナで何らかの呪文を使用し、デッキに残り2枚の《月下旋壊 ド・リュミーズ》を探さなければならなくなった(《セイレーン・コンチェルト》は探すために1マナ使うと唱えられなくなるので不適)のだ!

 ここでけんしが使ったのは、ゲームの始まりを告げたのと同じ《ア・ストラ・センサー》。三枚の中から手札に加わったのは……

 《堕呪 ゴンパドゥ》《月下旋壊 ド・リュミーズ》ではない!

 またも呪文4回で止まってしまったけんしは、ターンが帰ってくるという一縷の望みを賭けて《神出鬼没 ピットデル》を繰り出し《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》のシンパシーを進めてターンを返す。

 それに対してshoreは、Game1と全く同じ《死神術士デスマーチ》《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》《竜魔神王バルカディア・NEX》を降臨させ……たところで、けんしは潔く負けを認めた。

けんし 0-2 shore

Winner:shore

 どんな場であろうと、容赦なく引きムラや不運という悪魔は訪れる。

 それを知ってなおデュエル・マスターズというゲームに真摯に挑み続けたからこそ、彼らは4/676まで辿り着けたのだろう。

 そして、2/676となったshoreは次なる戦いに向かう。1/676……最後にして、最強の一人となるために。


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