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超CSⅣ福岡 決勝Round 3:那由多 vs. あーちゃんTV

ライター:高橋 穂
撮影者:後長 京介


「これってカバレージに載るんですか?」

 気さくにこちらに向かって話しかける那由多

 読者の皆様が今見ているように、もちろんその通りである。

那由多「いやー、いい思い出になるな……」

 饒舌に話しながらもシャッフルを進める彼だが、その言葉の裏にはもちろん真意が隠れている。

 思い出だけでは足りないという、闘志だ。

 もちろんその意志は、対面で寡黙にシャッフルを続けるあーちゃんTVの心にも静かに燃えている。

 この超CSⅣ福岡が二人にとって「いい思い出」になるのか、「それ以上の何か」になるのかは。

 目の前の決戦に勝利した者だけが知ることができる。
先攻:あーちゃんTV

 波乱は早速訪れる。

 あーちゃんTVが《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》をチャージすると、返す那由多も《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》をチャージ。

 そして、2ターン目のあーちゃんTVのチャージも《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》!まさかの3連カツキングに、那由多も驚き顔だ。

 デッキを絞らせないあーちゃんTVに対して、那由多は《絶望と反魂と滅殺の決断》チャージからの《禁断英雄 モモキングダムX》で自らデッキを開示する構え。

 そして、ここにも波乱が。

 めくってもめくっても、非進化レクスターズが出てこない!
 途中から半ば祈るような手つきでデッキを公開し続けた末、山札の一番下にいたのは《自然の四君子 ガイアハザード》

 これで那由多のデッキが【ガイアハザード退化】であることが明らかになる。

 「禁断スター進化」から高速登場する《自然の四君子 ガイアハザード》を活かし、マナやパワーで劣る相手のムーブを一切許さない「横綱相撲」を得意とするこのデッキ。

 最速3ターン目に事実上のロックが決まる必殺ムーブだけでなく、強固なアドバンテージ性能とコントロール性能までも併せ持つ新進気鋭のデッキと言えるだろう。

 すべて公開されてしまった山札をじっくり目に焼き付ける両者。

 あーちゃんTVにとって相手のデッキ構成を予測する恰好の材料となるだけでなく、那由多にとっても自分のシールドの内容を完全に把握するチャンスでもあるのだ。

 納得いくまでしっかりカードを確認したのち、「何でこんな序盤で……」「長いターンだった」とぼやきつつ那由多はターンエンドを宣言。
 相手のデッキが分かったところで、あーちゃんTVもデッキの正体の片鱗を見せる。《》チャージからの、《ボルシャック・栄光・ルピア》

 見えているあーちゃんTVのカードは、ドラゴンだらけ。当然2マナ加速を成立させ、安易な《自然の四君子 ガイアハザード》のロックを許さない体勢だ。

 一気に苦しくなった那由多だが、リソース勝負に追い付くべくここは即座の退化ではなく《天災 デドダム》で手を進めていく。

 だが、あーちゃんTVの手札にはことリソース勝負において無類の強さを誇る一枚が眠っていた。
 すなわち、《メガ・マナロック・ドラゴン》

 出がかりに那由多が持つ4マナ中3マナを「ロック」し、激烈な相対的リソース差をもぎ取っていく!

 返しのターンにチャージしかできない那由多を尻目に、《》《ボルシャック・栄光・ルピア》でさらにマナを伸ばすあーちゃんTV。

 《メガ・マナロック・ドラゴン》と前のターンからいた《ボルシャック・栄光・ルピア》の合計3ブレイクで、マナもシールドもごっそり削っていく。おまけにトリガーもないということで、那由多にとっては相当厳しい展開だ。

 しかし那由多はここから切り返すべく、残り少ないマナからの《生魂転霊》《禁断英雄 モモキングダムX》を退化させ《自然の四君子 ガイアハザード》を降臨させる!

 2マナ加速でマナの差を8:9まで縮め、マッハファイターで《メガ・マナロック・ドラゴン》を討ち取る那由多。脅威に対処し、逆に盤面に巨大な脅威を残すビッグムーブだ。

 しかし息をつかせる暇もなく、「次の」脅威がB・A・Dとともに那由多の前に立ちはだかる。
 《ブランド <NEXT.Star>》だ!

 出たばかりの「マスター・ファイナル・メモリアル・パック」のカードの登場に、思わず那由多もテキストを確認する。

 そう、あーちゃんTVのデッキはこの新カードを大きくフィーチャーした独自の【火自然モモキングRX】。

 圧倒的なマナ加速性能と踏み倒しを活かした「全カードがフィニッシャー」と言わんばかりのヘビー級の構成で、那由多を仕留めにかかる!
 まずは《自然の四君子 ガイアハザード》へ攻撃時の6000以下火力で《天災 デドダム》を焼き払い、続く「龍マナ武装5」効果で降臨するのは《》

 《ブランド <NEXT.Star>》自身はパワー20000の《自然の四君子 ガイアハザード》の前に破壊されるが、置き土産のアンタップで打点自体は減っていない。

 続く《》の攻撃時のガチンコ・ジャッジで山札から呼び出したのは、《禁断竜王 Vol-Val-8》

 手札とシールドを充実させたのち、返り討ちに遭った《》の恨みを晴らすかのように、パワー54321の禁断竜王が自然の四君子を打ち砕く!

 その余波となる全体火力で自身の《ボルシャック・栄光・ルピア》2体も巻き添えを食うが、それによって追加ターン獲得が確定。《禁断竜王 Vol-Val-8》が無人の野を駆ける構図だ。

 そして迎えた追加ターン。満を持して出てきたのはこのデッキの主役こと《王来英雄 モモキングRX》!しかも即座に革命チェンジで《蒼き団長 ドギラゴン剣》まで引き連れて!

 ファイナル革命で手札に戻った《王来英雄 モモキングRX》を出し直すと、新旧主役ドラゴン+ボス格というストーリー的にも圧倒的な布陣が完成する。

 そのまま残った二枚のシールドを粉砕する《蒼き団長 ドギラゴン剣》。だが、那由多は怯まない。何故ならば。
 2ターン目の山札全公開により、そのシールドが《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《地龍神の魔陣》だとすでに知っていたからだ!

 《王来英雄 モモキングRX》を手札に戻し、《禁断竜王 Vol-Val-8》の攻撃を止めることで猛攻からからくも生き延びる那由多。

 とはいえ、大ピンチであることには変わらない。

 じっくり考えたのち、那由多が選んだのは(知っての通り)退化先の存在しない《禁断英雄 モモキングダムX》の召喚。そして、《闘争と成長の決断》を3マナで唱えてバトル効果を2回宣言!

 パワー99999と54321という超獣世界でも稀に見るハイレベルな力比べが二回行われ、《禁断竜王 Vol-Val-8》をEXライフごと処理することに成功する。

 あとは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《蒼き団長 ドギラゴン剣》を殴り倒せば盤面は解決するのだが……

 先ほどあーちゃんTVの手札に戻った《王来英雄 モモキングRX》を止める手立てがない!

 打開策を求めて先ほど手札に加わった《地龍神の魔陣》を使うも、ここに来てついに那由多の応手が尽きてしまう。

 そして迎えた次のターン、《王来英雄 モモキングRX》《ブランド <NEXT.Star>》《禁断竜王 Vol-Val-8》という流れで豪華な主役龍たちを再び揃えたあーちゃんTVが勝負に終止符を打った。

Winner:あーちゃんTV

那由多「不利対面だったなぁ……」

 「自分よりマナが伸びる相手に弱い」という【ガイアハザード退化】の弱点が出た形となったこの試合。

 本来ならマナでもパワーでもそうそう当たり負けしないはずのデッキなのだが、デュエマ史に残るドラゴンオールスターの前にはさすがに分が悪かったというところか。

 それでも、度重なる波乱と逆境を幾度も乗り越えた経験は、きっと那由多にとっても「いい思い出」となることだろう。

 「貴重な経験になりました!」「頑張ってください!」という最後まで饒舌な那由多のエールを力強く頷いて受け止めたあーちゃんTVは、そんな「思い出」を受け継いで次の戦いに臨む。

 その向こうにある、思い出以上のもの……優勝を目指して。

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