ライター：塚本 樹詩
撮影者：堀川 優一

　ここまで全勝と、順調なスタートを見せたプレイヤーの中からフィーチャーマッチに選出されたのは、ともに全国大会に出場の経験がある強豪であった。

　まだまだ序盤のラウンドではあるものの、予選ラウンドの順位が高かったプレイヤーが決勝ラウンドからは先攻を得ることができるので、なるべくなら勝ち続けて予選ラウンドを突破しておきたいところだ。

　勝ちやすい土壌を作るためには勝つしかないという勝負の過酷さが、人一倍身に染みているであろう二人の試合、果たしてどうなるのか？

　いざ、尋常にデュエマ・スタート。


先攻：北のあーさん
　ジャンケンに勝ち先攻を得た北のあーさんが、まずは《禁断のモモキングダム》をチャージしてターンを返すと、マ・ヒーローも《無双龍騎 ボルバル・モモキング》をマナチャージ。この瞬間に北のあーさんが反応を見せた通り、この試合が同系対決だとわかる。

　そんな前提のもとに進行される2ターン目に北のあーさんはきっちりと《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚。

　そして、マ・ヒーローのターンが来るとドローの内容を見てのけ反る。後手で北のあーさんに追いつくためには、同じく《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚しておきたいのだが、ドローの内容を見た瞬間にそれは叶わないものだと判明し《》をマナチャージして、ターンエンド。

　こうして先攻3ターン目になると、北のあーさんは《進化設計図》を挟んでからきっちりと《バッドドッグ・マニアクス》で退化を決める完璧なムーブを決める。

　そこからは《未来王龍 モモキングJO》で攻撃し、先ほど《進化設計図》で入手した《キャンベロ ＜レッゾ.Star＞》や《無双龍騎 ボルバル・モモキング》に進化していくと、マ・ヒーローのシールドはあっという間に無くなってしまう。

　なんとかG・ストライクでダイレクトアタックを防いだものの、ドローの後に、ここから返す術は無いとマ・ヒーローは投了を宣言したのだった。
Winner：北のあーさん


　殿堂改定前最後の大型大会に、オリジナル環境の番長として君臨してきた【JO退化】を選択した二人であったが、移り行くメタゲームへの解答として両者ともが《クリティカル・ラブ》を新たに採用していた。それに加えて《》の枠も削り《怒りの影ブラック・フェザー》まで採用し、安定性の向上を図ったマ・ヒーローであったが、運命のいたずらに翻弄される形となった。

　また、最適な3ターン目フィニッシュに巡り合えたように見える北のあーさんだが、マ・ヒーローの採用していた見えざる《クリティカル・ラブ》をきちんと予想した上で《未来王龍 モモキングJO》の効果を処理していたので、そういった細かいようにみえるテクニックの積み重ねが、今の戦績を生んでいることは間違いないだろう。


　最後の花火を上げるべく【JO退化】を選んだ二人に、メタゲームの包囲網がどう牙を剥くのか？北のあーさん曰く、北海道や関西のビックネームとデッキを調整したとのことなので、残りのラウンドも【JO退化】と強豪プレイヤーのタッグの活躍に期待だ！