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超CSⅣ京都 Round 3:乙骨憂太 vs. しのもか

ライター:金子 幹
撮影者:堀川 優一

 本年夏季通して4度行われた超CS。
 ここ最後の京都会場では、はやくも3試合目と相成った。

 ジャッジに案内され、早速席に座る両者。

 と、その時
 筆者がイベントへ足を運ぶ度、いつもジャッジスタッフとして黒服を身にまとっている見覚えのある人物が…なんと私服でそのまま対戦席に着席したではないか。

 何を隠そう、乙骨憂太こと古賀大地は認定ジャッジの中でも、とりわけ選ばれたジャッジにのみ与えられるLv.2シルバージャッジの有資格者だ。
 そんな彼がなぜプレイヤー参加を!?
 その答えはぜひこの記事を最後まで読んでいただきたい。

 閑話休題。そんな古賀は今回はHN乙骨憂太として現在2勝中の快進撃を続けている。

 対するは愛知を拠点とするしのもか
 こちらも現在2勝中、ここで勝って更に勢いをつけたいところだ。

 両者入念なシャッフルを終え、第3ラウンドの試合が始まる。

Game

 先攻はじゃんけんに勝利したしのもか

 「今日は後手ばっかやな~」と苦笑する乙骨憂太を後目に、1ターン目のしのもかのマナチャージは《「光魔の鎧」》  しのもかが今回持ち込んだデッキは、昨今の【火単ブランド】や【アポロヌス】系のデッキをはじめとする超攻撃的なデッキに対する回答として、いわゆる「受け」のデッキに該当する【青白ライオネル】を選択したようだ。

 対する乙骨憂太のデッキタイプが開示されたのは、2ターン目の《禁断英雄 モモキングダムX》  進化元は当然《自然の四君子 ガイアハザード》だ。  そう乙骨憂太の使用デッキは、ここまでの3回開催された超CSでも多くの実績を残した【ガイアハザード退化】だ。

 そして3ターン目に《生魂転霊》《禁断英雄 モモキングダムX》の衣が剥がれると、《自然の四君子 ガイアハザード》がバトルゾーンに降誕。

 【ガイアハザード退化】の理想かつ、最速の動きをされ、あわやこのままなしくずしにゲームが決まるかと思われたが…

 しのもかは次ターン《護天!銀河MAX》《自然の四君子 ガイアハザード》をバウンスすることでこの状況をうまく切り抜ける。  しかし、最速の動きをケアされた乙骨憂太の返しの動きも冷静だ。

 《天災 デドダム》でマナを伸ばし《禁断英雄 モモキングダムX》を再度キャストすることで、二の矢となる《自然の四君子 ガイアハザード》を進化元に準備する。

 だが、しのもか《自然の四君子 ガイアハザード》のロックが解けているこの機を逃さない。

 プレイしたのは《スロットンの心絵》だ。  「進化クリーチャーを出すモード」を選択し《アルカディアス・モモキング》へとそのまま進化。
 ここで攻撃するかの一瞬の逡巡をするが…トリガーの《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を警戒してか、ここはそのままターンを返す。  《アルカディアス・モモキング》の呪文ロックにより《生魂転霊》を撃たせないことで《自然の四君子 ガイアハザード》の着地を妨げるのがしのもかの算段といったところか。

 今度は逆にしのもか乙骨憂太にロックをしかける構えとなった。

 しかし、乙骨憂太もまた、これを上手く切り返す。
 手札に抱えていた《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《アルカディアス・モモキング》をバウンスすることでロックから脱することに成功。

 軽くロックをあしらわれた続くしのもかは返しのターンに《「絶対の楯騎士」》を「ギャラクシールド」でプレイ。  《「光魔の鎧」》をシールドに置くものの…乙骨憂太は2枚目の《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》から《生魂転霊》を回収することで、そのまま2体目の《禁断英雄 モモキングダムX》から《自然の四君子 ガイアハザード》が降臨した。

 これにはしのもかがたまらず相手のマナを確認すると

 「13マナです」と伝える乙骨憂太

 …到底届かない。

 しのもか《自然の四君子 ガイアハザード》の回答を引くまでマナを置くことしかできず…

 7ターン目、とうとうフィニッシャーとなるあのカード乙骨憂太の手から繰り出される。

《Q.Q.QX. / 終葬 5.S.D.》だ。

 「5.S.D.」による敗北のカウントダウンが始まる。

 しのもかは祈る手で2ターン、3ターンとトップを見続けるが…

 ついに山札の一番上のカードが横向きになると、しのもかは諦念しデッキに手を置く。

 しのもか「…負けました」

Winner: 乙骨憂太


 試合後、熱戦を繰り広げた2人はお互いのプレイやデッキの選択理由などを語り合う。

乙骨憂太「今朝ね。初手の5枚のドローを何回かチェックしてたんですよ。そしたら《禁断英雄 モモキングダムX》引けるなって。それで今日はこのデッキに託したんですよ」

 驚きの選択理由を話す乙骨憂太。この試合もきっちり3ターン《自然の四君子 ガイアハザード》を決めているのだから末恐ろしい。

しのもかブランドアポロヌス読みでこのデッキを握ったんですが…いやー悔しいです」

 しのもかは乙骨憂太の巧みなプレイとその勝負運の強さを称え、次の卓に向け席を立った。


 さて、最後に蛇足になるかもしれないが乙骨憂太…というよりは、ジャッジ古賀大地として今回あえてプレイヤーとして出場する理由を聞いてみることにした。

 すると古賀は簡潔にこう答えてくれた。

古賀「そんな特別なことでもないんですが、自分は超CSⅣ福岡ではジャッジとして参加していたんですよ。ただ、それだけじゃ運営スタッフとして、選手目線の思考が足りないかなって思って。今回はプレイヤーとして参加することで、選手と同じ目線に立って何がジャッジには求められてるんだろうって思いながら参加してます」

 ジャッジとしての学びを得るために選手として参加する。単純なことかもしれないが中々この気概を持って参加しようとするジャッジは少ないだろう。

 そのような努力もまた氏がLv.2シルバージャッジとして活躍する礎となっているのだなとひたに感じつつ、筆者が礼を述べたのち彼もまた次の試合へと赴くのだった。


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