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超CSⅣ静岡 3位決定戦:けんけんラーメン vs. 黒助

ライター:塚本 樹詩
撮影者:瀬尾 亜沙子

 決勝ラウンドに残ったプレイヤーの内、唯一負けても次に戦える機会が与えられるのが準決勝進出者だ。だが、そこで勝っても優勝は無く、ポイントや商品の増減しか目に見えた変化がないとするならば、この戦いに何を求めればいいのだろうか?

 それは愚問なのかもしれない。目の前に対戦相手が座り、お互いにシールドと手札を5枚配置するだけで、試合が始まる。

 そうなれば、後は勝利を求めるしかないだろう。こんな試合では、特に。

 準決勝での負けもそういうに、タイムスケジュール通り、ある意味非情なタイミングで始まる3位決定戦、試合の準備が終われば、後は戦うだけとなっていた。

Game1

先攻:黒助
 予選ラウンドの順位に従い、先攻を手にした黒崎。《Disジルコン》《禁断英雄 モモキングダムX》《自然の四君子 ガイアハザード》とマナチャージをしての初動は《天災 デドダム》。この動きから、黒助が使うのは【ガイアハザード退化】だとわかる。

 先月末に発売されたばかりの『王来MAX最終弾 切札!マスターCRYMAX!!』に収録されている高コストのレクスターズ《自然の四君子 ガイアハザード》《未来王龍 モモキングJO》の代わりに退化させることで、相手のクリーチャーの登場を制限するコンボが核となるデッキだ。
 退化手段として採用された《生魂転霊》は、低コスト帯の優秀な多色クリーチャーと組み合わせることで大幅なマナブーストも見込めるので、コントロールやビックマナといった方向性で自由度の高い構築が可能となっているのが最大の魅力だろう。

 新しくもポテンシャルの高いアーキタイプの誕生にはすぐに注目が集まり、今日までの短期間で様々なプレイヤーが研究を重ね、今大会でも全国出場プレイヤーをはじめ、多くのプレイヤーが【ガイアハザード退化】を選択することになった。

が、しかし、同時に台風の目となった【ガイアハザード退化】は良くも悪くも目立ちすぎてしまい、ラウンド数を重ねるごとに、淘汰されていった。

 そんな中で唯一TOP8まで残ったのが黒助であった。惜しくも準決勝で敗れてしまったものの、新規アーキタイプを使い高い勝率を叩きだしたここまでの結果には地力の高さが伺えた。

 そして、目の前の席に座るのがけんけんラーメン。

 同じく、準決勝で敗れてしまったものの、今大会のメタゲームの答え合わせでは限りなく正解に近いであろう【光水闇退化】を使い、ここまで来た。

 形は全く違うものの同じ退化の名を冠したデッキを使ったデッキ同士の対決となった3位決定戦。

 後手のけんけんラーメンは《∞龍 ゲンムエンペラー》《終末の時計 ザ・クロック》から《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》を使って、2枚カードを引いた後に《竜魔神王バルカディア・NEX》を墓地に落とし、次のターンにも《戯具 ヴァイモデル》マナチャージからの《サイバー・チューン》で3枚引き《終末の時計 ザ・クロック》を2枚捨てる。
 ここで、順調に墓地退化の準備を進めていくけんけんラーメンに対して、黒助の手札から突き付けられたのは《》!けんけんラーメンの墓地のカードが全て山札に戻されてしまう。

 対策カードが刺さり、しばらくの猶予を得た黒助は《》を討つ前に挟んでいた《生魂転霊》でマナも潤沢に揃っていたのでマナから《Disジルコン》を召喚して、優位を固めるカードを探した後、退化相手には滅法強い《》も追加で召喚。

 後は《自然の四君子 ガイアハザード》の登場を待つだけとなった。

 墓地がリセットされ呪文も封じられ、まさに八方塞がりなけんけんラーメンだったが、それでも動きが止まることはない。

 《伊達人形ナスロスチャ》を召喚して再び《竜魔神王バルカディア・NEX》を墓地に落とすと、次のターンには《死神術士デスマーチ》を墓地進化。そして、唯一の解答である《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》を召喚して《死神術士デスマーチ》だけをシールドにすると、進化元であった《竜魔神王バルカディア・NEX》が黒助に襲い掛かった!

 《》から続く後続に辿り着けなかった黒助、これにはなす術もなく、まずはけんけんラーメンが1勝。

けんけんラーメン 1-0 黒助

Game2

先攻:黒助

 前のゲームに負けた黒助が再び先攻。

 ここで負けると、試合が終わってしまうのでまずは1本を返したい所だ。

 序盤から《地龍神の魔陣》《Disジルコン》と毎ターン動き、リソースを増やしていくと、その間に《エマージェンシー・タイフーン》《サイバー・チューン》を使って《The邪悪 寄成ギョウ》《竜魔神王バルカディア・NEX》を墓地に送り込んでいたけんけんラーメンに、またしても《》を使って出鼻を挫く!

 墓地がリセットされてしまったけんけんラーメンだったが、淡々と《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》を2連打して、墓地に《竜魔神王バルカディア・NEX》を送る。

 前のゲームに比べて《》であまり猶予を稼げなかった黒助は《天災 デドダム》から《禁断英雄 モモキングダムX》に繋げ《自然の四君子 ガイアハザード》を敷き、後は退化するだけの状態まで準備を進めてターンエンド。

 ここまで墓地に退化先を捨てるために使ってきた全ての呪文は、本来の強みである手札の循環によって、けんけんラーメンの手札を完璧な状態に仕上げていた。

 前の試合同様、《死神術士デスマーチ》《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》の退化コンボを決め、《竜魔神王バルカディア・NEX》がゲームを破壊する!

 攻撃時の能力で《Disジルコン》を破壊して山札から《The邪悪 寄成ギョウ》を呼び出すと、万事休す。

Winner:けんけんラーメン

 3位決定戦も決勝も、1回戦目も全ては等しく勝敗を決める試合である。その中で自己表現をしたり、己の強さを誇示したりと、プレイヤー毎に十人十色のプレイスタイルがあるだろう。新進のデッキを誰よりも使いこなして、トーナメントを通して地力の高さを見せた黒助や、メタゲームの最適解に辿り着き、そのデッキを使いこなし勝ち上がったけんけんラーメンの活躍が本人たちに、またはデュエル・マスターズにどういった影響をもたらすのか?

 それが例え、微々たる影響だとしても、今までの歴史で幾度も行われてきた試合全ての結果が今に繋がっている。

 それこそが、物語がつむがれているということではないだろうか?

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