超CSⅣ静岡 決勝戦 :イクラさん vs. 雀
ライター:秋山 大空
撮影者:瀬尾 亜沙子
感染症の影響で、大型大会が開かれなくなって2年以上過ぎた。
ついに、ついに開かれた大型大会。その最初の会場での最後の試合が訪れようとしている。
最後の試合、決勝戦に現れたのは、【グラスパーループ】を使用するイクラさんと、【JO退化】を使用する雀。
果たして、「最初の久しぶり」の優勝者となるのは一体どちらか。
大型大会と言えば、やはり開始の合図はこれしかない。
「行くぞ!デュエマ、スタート!」
Game 1
先攻:雀雀は2ターン目に《進化設計図》。
効果で表向きになった進化クリーチャーは《禁断英雄 モモキングダムX》が2枚、《禁断のモモキングダム》、《アルカディアス・モモキング》の4枚。
揃えられる全てが揃ったような4枚に、思わず苦笑するイクラさん。
順当に《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚し、次ターンをマナチャージのみで終える雀を見つつ、イクラさんは《地龍神の魔陣》でマナを追加。
更に、次のターンの《フェアリー・Re:ライフ》と《地龍神の魔陣》で早くも6マナ。
続くターン、マナチャージと《蒼狼の王妃 イザナミテラス》から勝ちに行けるマナ域に到達したイクラさん。
だが、イクラさんは知っている。
雀が《進化設計図》で手札に加えたカードを。
後は《禁断英雄 モモキングダムX》を剥がすカードを引かれていないことを祈るのみ。
雀の4ターン目。
まずは《進化設計図》。《禁断のモモキングダム》2枚を手札へ。
そして、≪堕牛の一撃≫。
《禁断のモモキングダム》3枚と《アルカディアス・モモキング》による攻撃を捌けるデッキは、今の環境でもあまり見ることはないだろう。
イクラさん 0-1 雀
次の対戦の準備を始める二人。
両者ともに疲労でシャッフルをする手が震え、手汗でカードが貼りつく。
「落ち着いてやりましょう」と雀。
大会は体力勝負だ。
しかし、疲労があるからと言って、負けるわけにはいかない。
お互いに。
Game 2
先攻:イクラさんイクラさんは2ターン目の《ジャスミンの地版》、3ターン目の《フェアリー・Re:ライフ》と《ジャスミンの地版》によるマナブーストで6マナ到達。
Game1と同じ滑り出しは、2コストのブーストカード12枚、3コストのブーストカード4枚による再現性の高さによるものだろう。
雀は2ターン目の《進化設計図》で《禁断英雄 モモキングダムX》と《アルカディアス・モモキング》の2枚を回収。
更に続くターンには《雪溶の鎖/堕牛の一撃》をチャージし、《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚。
《雪溶の鎖/堕牛の一撃》をチャージしたということは、《未来王龍 モモキングJO》を出すカードは手札にあると言うこと。
回収した《アルカディアス・モモキング》もあり、《未来王龍 モモキングJO》で走り切るには十分足りるはずだ。
ただ、今回はイクラさんの先攻。4ターン目に《蒼狼の王妃 イザナミテラス》が間に合った。
効果で《グレート・グラスパー》を場に出し、更に攻撃時に《グレート・グラスパー》効果で《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》。
そのまま2枚目の《グレート・グラスパー》からループを証明し、無限にマナを増やすループに突入。
山札をギリギリまで削ると、《水上第九院 シャコガイル》と《流星のガイアッシュ・カイザー》で最後の山札を引き切った。
イクラさん 1-1 雀
「要求値が高くてキツかった」と話すイクラさん。
しかし、不利なデッキ相手に一本を取り返したのだ。
デッキのブースト枚数による再現性と速度は、強力なデッキ相手に勝つだけのパワーを持っている。
それにこれはデュエル・マスターズ。不利なデッキにもう一本取るなんて、ありふれた話。
水分補給、OK。手汗、OK。シャッフル、OK。
久しぶりの大型大会、久しぶりの長丁場、そしてその決勝戦。
最後まで全力でやらないなんて、もったいない。
Game 3
先攻:雀再び先攻の雀は、《進化設計図》こそ撃てないが《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚。
一方で、イクラさんは2ターン目にマナをチャージしてターン終了。
2ターン目に相手のマナブーストはなく、こちらの場には《禁断英雄 モモキングダムX》がある。
雀に、絶好のチャンスがやってきた。
《バッドドッグ・マニアクス》で《未来王龍 モモキングJO》が登場、攻撃時に《禁断のモモキングダム》。
更にもう一度《禁断のモモキングダム》、そして再攻撃時に《アルカディアス・モモキング》に進化。
そしてダイレクトアタック…は、G・ストライクで阻まれ、雀はターンを終える。
現在2マナ、シールドはゼロ。相手のバトルゾーンには《アルカディアス・モモキング》。
この状況で、『グラスパーループ』に出来ることは3つある。
相手のターン終了時に《流星のガイアッシュ・カイザー》を出すこと。マナを増やすこと。そして、自分のターンを終えることだ。
イクラさん 1-2 雀
Winner:雀
試合後、イクラさんは対戦したデッキについて話してくれた。
「『ガイアハザード退化』に強く出られるんですけど『JO退化』や『光水闇退化』はやや苦手で、先攻を取れば勝てるようにはしています」
「『光水闇退化』は1勝1敗なんですけど、『ガイアハザード退化』と『JO退化』は決勝まで当たらなかったですね」
幸か不幸か、《禁断英雄 モモキングダムX》以外を蹴散らし、最後に苦手な方の《禁断英雄 モモキングダムX》に当たってしまったようだ。
「みんなごめん!」と言うイクラさんに、見守っていた仲間達は「よくやったよ」と健闘を称える言葉を贈った。
自身の優勝を「まず、驚きました」と言う雀。
「もっと有名な人じゃなくていいのかな、とか」
いや、間違いなく、この日この場所で、一番強かった選手が優勝を掴み取ったのだ。
その選手は無論、雀以外いないだろう。
※撮影時のみマスクを外しています。
おめでとう!超CSⅣ静岡チャンピオン!
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY