超CSⅣ静岡 決勝Round 1:イーツー vs. フェアリー/AYN
ライター:河野 真成
撮影者:瀬尾 亜沙子
時刻は16時。日も傾き始めたところだ。
しかし8ラウンドの死闘を乗り越えても、まだまだ戦いは続くのだ。
しかもここから始まるのは、一発勝負のトーナメントである。
負けてしまえば、その場で終了。予選で全勝していようと、3敗の末に抜けたとしてもそこに平等だ。
さて、フィーチャーエリアへとやってきたのは、フェアリー/AYNだ。
動画投稿者として有名なフェアリー/AYNではあるが、元より優れたプレイヤーであることに疑いはない。特に彼の高いデッキ構築力については、日々の動画からも伺い知ることが出来るだろう。
そんなフェアリー/AYNが今回の相棒に選んだのは……《未来王龍 モモキングJO》だ。
やはり、このデッキは強い。
JOが全国大会を制したのは、もう一ヶ月ほど前のことだ。様々なメタカードなどが登場してもなお、このデッキには力がある。
対してイーツーのデッキについては、まだ情報がなかった。しかし予選順位はむしろフェアリー/AYNよりも上。相応に強力なデッキであることは、間違いない。
さて、本戦が始まるということで、改めてルールの説明がなされている。
少し前まで歓談していたフィーチャーエリアの2人も、こうなると重く緊迫した雰囲気に変わってくる。
イーツーも、フェアリー/AYNも互いに無言で開始を待つ。
やがてヘッドジャッジより試合開始の合図がなされた。
負ければ終わりの戦いが、いよいよ始まった。
先攻:イーツー
本戦は、予選順位の高い方が先攻となる。
先攻を得たイーツーは、初手でまず《天災 デドダム》をチャージしてターンを終了した。この時点ではまだ、デッキは確定しない。
一方のフェアリー/AYNは、《禁断のモモキングダム》をチャージしてターンを終了。『JO退化』であることが、イーツーには伝わっただろう。
そのイーツーは2ターン目、《モンキッド <ライゾウ.Star>》をチャージして《ジャスミンの地版》をプレイする。効果でマナに落ちたのは《蒼狼の王妃 イザナミテラス》だった。
果たしてイーツーのデッキは、どのようなものなのか。
カードに対して豊富な知識を持つフェアリー/AYNは、相手のデッキをどう推測したか。
フェアリー/AYNは《キャンベロ <レッゾ.Star>》をチャージして《禁断英雄 モモキングダムX》をプレイする。山札からしばらくカードを捲った後に、《未来王龍 モモキングJO》が姿を見せる。
イーツーとしては何か強い動きが欲しいところだったが、プレイしたのは《フェアリー・Re:ライフ》のみ。
とはいえフェアリー/AYN視点だと、《蒼狼の王妃 イザナミテラス》からの《モンキッド <ライゾウ.Star>》はかなり怖い。まして、相手のデッキの全容もわからない。こうなると、さすがにウカウカ出来ないだろう。
フェアリー/AYNは1つマナをチャージしてから≪堕牛の一撃≫を唱えると、《未来王龍 モモキングJO》からの攻撃を決行する。
まずは《禁断のモモキングダム》を絡めた2点。ここでトリガーはない。
続けて、《アルカディアス・モモキング》を構えての3点。仮にG・ストライクを踏んでしまった場合でも、《アルカディアス・モモキング》の効果によってある程度カウンターを防げるという算段だろう。
イーツーは神妙な面持ちで残るシールドを見たが……3枚のカードはそのまま手札へと加わっていった。
期待していたトリガーも、G・ストライクも、そこにはなかった。
フェアリー/AYNはそのまま《未来王龍 モモキングJO》と共に走り切った。
Winner:フェアリー/AYN
試合後、イーツーのデッキについて筆者は内容を尋ねてみた。すると、2枚のカードが提示された。
《CRYMAX ジャオウガ》と《異端流し オニカマス》だった。
イーツー「《蒼狼の王妃 イザナミテラス》に《モンキッド <ライゾウ.Star>》を載せて、そこから《CRYMAX ジャオウガ》を出すデッキなんですよ」
本来ならば横に並んだ《異端流し オニカマス》などとともにそうしたルートから勝ちを狙うデッキだったようだが、残念ながらこの試合では披露出来なかった。欲しかった《異端流し オニカマス》は、残念ながら引けなかったのだ。
フェアリー/AYN「《蒼狼の王妃 イザナミテラス》が見えた時点でいろいろ考えて、《グレート・グラスパー》の線も考えましたが、《異端流し オニカマス》を引かれていたらマズかったですね……」
ともあれ、JOは見事にその力を発揮して勝利をもたらした。
負ければ終わりの戦いは、まだまだ続いていく。
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY