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超CSⅣ静岡 Round 1:もふたろう vs. アーチー/はっちcs

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:瀬尾 亜沙子

 山形で開催された超CSⅢ、そして静岡で開催されたグランプリ9thから、3年

 デュエル・マスターズがついに、再び大型イベントを開催する運びとなった。

 2ヶ月にわたり静岡、福岡、宮城、京都と全国4か所で開催される超CSⅣ。初戦となる今回の静岡には参加者900名弱が集い、オリジナル・フォーマットでスイスラウンド8回戦を行ったのち、上位128名が決勝トーナメント7回戦に進出する。

 そしてその開幕、第1回戦のフィーチャーマッチエリアに現れたのは東海の強豪、アーチー/はっちcs

 グランプリ9thでの4位入賞の実績に加え、革新的な構成の水闇自然「墓地退化」を次々と世に送り出したことでも知られ、先月開催された全国大会2019 日本一決定戦にもDMPランキングの上位枠で出場。さらに競技シーンの最前線で戦うプレイヤーというだけでなく、最近ではYouTuberとしての活動も精力的に行っている。

 対するのはもふたろう。宮城からの遠征勢で、王来篇から小学生ぶりにデュエル・マスターズに復帰したとのこと。

 だがどんな背景があろうと、テーブルを介して向かい合えば一人の決闘者同士。

 強豪も、新参も、誰でも等しく激突する可能性があるのが大型イベントの醍醐味だ。

 そう、私たちはこの時を待っていた……待ち焦がれていた。やはり暑い夏には、熱い勝負こそが相応しい。

 誰もが待ち望んでいた3年ぶりの大型イベント。長い一日の始まりを告げる1回戦目が、ついに幕を開けた。

Game

 先攻のもふたろうが《蒼狼の大王 イザナギテラス》をチャージしてターンを終えたのに対し、アーチー/はっちcsは《Disジルコン》チャージでエンド。この段階では、互いのデッキタイプは特定できない。

 だがもふたろうが2ターン目に《》チャージから《飛ベル津バサ「曲通風」》を送りだすと、「光水火《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》」であることがほぼ透ける形となる。

 一方、返すアーチー/はっちcsは……《砕慄接続 グレイトフル・ベン》チャージでエンド。……《砕慄接続 グレイトフル・ベン》《Disジルコン》と同じデッキに??

 これはまさか……《闇王ゼーロ》なのか???

 そんな意外なデッキ選択に驚いている暇もなく、《その子供、可憐につき》チャージでターンを返したもふたろうに対して、アーチー/はっちcsは《秩序の意志》チャージからの《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》でシールド1枚を手札に加えつつ《飛ベル津バサ「曲通風」》を破壊してターンを終える。

 だが、ここで4ターン目を迎えたもふたろうは《》チャージから《エヴォ・ルピア》を召喚すると、デッキの核である《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》へとしっかり進化させる。登場時効果で出したのは《蒼狼の大王 イザナギテラス》で、1枚を回収しつつ呪文は唱えない。

 さらに続けて《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》での攻撃時に《奇天烈 シャッフ》を着地させると、《闇王ゼーロ》「8」を宣言。早くも4枚となっていたアーチー/はっちcsのシールドをW・ブレイクで攻め立てる。

 それでも、ここでアーチー/はっちcsは楯からめくれた《新世界王の破壊》を捨てて《秩序の意志》を「S・バック」《奇天烈 シャッフ》を「封印」すると、返すターンには《闇王ゼーロ》をチャージして4マナから手打ちの《秩序の意志》《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》をも「封印」し、攻勢を押しとどめようとする。

 しかし、もふたろうが冷静に2体目の《奇天烈 シャッフ》を召喚すると、再びの「8」宣言に加えてコマンドの登場により1体目の《奇天烈 シャッフ》が「封印」から解き放たれてしまう。さらにその1体目による攻撃時の宣言でしっかりと《》をケアした「5」をも宣言し、残るシールドは1枚。

 あとは《蒼狼の大王 イザナギテラス》で最後のシールドを割るかどうか。

 少考ののち、もふたろうは《蒼狼の大王 イザナギテラス》を攻撃に向かわせる……そして、S・トリガーはない。

 すべてのシールドが割られ、事実上のラストターン。「5」と「8」の呪文が封じられたアーチー/はっちcsは、それでも必死に返す手段を考える。

 そして《天災 デドダム》チャージから《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》を召喚し、元からいた《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》の攻撃と合わせて2体の《奇天烈 シャッフ》を処理することに成功する。

 アーチー/はっちcsは俯かない。たとえ1%の奇跡しか逆転の可能性がなくても、その可能性は手放さない。「ニンジャ・ストライク」や「革命0トリガー」のブラフも、できることは全てやった。勝負が決するその瞬間まで、堂々と胸を張って対戦相手に向き合い続ける。

 それでも、勝負は時に非情だ。

 もふたろうがダメ押しに《》を唱えてから最後に残った《蒼狼の大王 イザナギテラス》によるダイレクトアタックを宣言すると、あとたったの一手が足りなかったアーチー/はっちcsは、「はい、通りました」と静かに敗北を受け入れたのだった。

Winner: もふたろう

 対戦後、二人に簡単なインタビューをお願いした。

--「もふたろうさんがデュエマに復帰されたのは、どういった点が大きかったのでしょうか?」

もふたろう「直接のきっかけは友達に誘われたことだったんですが、やっぱり王来篇の時に20周年で盛り上がっているのを見て、実際紙で触ってみて面白いなと感じたのが大きかったですね」

--「鬼羅.Starというデッキ選択の理由についてはいかがでしょうか?」

もふたろう「復帰したのがちょうど第1弾の『王星伝説超動』の時で、そこで《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》というカードと出会って凄く好きになったので、一年間使い続けてきたデッキなんです。ずっと使ってきたので自信があります」

--「今回フィーチャーマッチで対戦してみていかがでしたか?」

もふたろう「有名な方に当たれて、特別な場所に来たなという感じがします」

アーチー/はっちcs「……そんな有名でもないですけどw」

もふたろう「いやいやそんな、ファンなんでチェックしてますよ」

アーチー/はっちcs「嬉しいですけど……悔しいな……」

--「アーチー/はっちcsさんの方は、どうして《闇王ゼーロ》というデッキを選択されたんでしょうか?」

アーチー/はっちcs「CSには実はちょくちょく母数はいるんですけど、今回競技勢の何人かでリストを隠して持ち込んだんです。大型イベントということもあって、このデッキのことを詳しく知らないプレイヤーも多いんじゃないかと思って。初見殺しができるデッキなんですよね。初見での対応が難しいデッキなので。それで勝ちやすいのかなと思いました。あと墓地退化を使ってたイメージから、《天災 デドダム》《Disジルコン》をチャージすると退化だと思ってくれることが多くて、そのアドバンテージも少しありますね」

--「《闇王ゼーロ》は、環境内のデッキとどういった相性なんでしょうか?」

アーチー/はっちcs「相性で言うと、全体的に見れば五分寄りのマッチアップが多いんですけど、4~6割で相手のプレイング次第で揺れる感じですね。このデッキのことを知ってれば不利、知らなければ有利といった感じで。さっきの《奇天烈 シャッフ》の宣言とかも、《闇王ゼーロ》のデッキだと見抜ければ的確に宣言できますが、知らなければそうではないので」

--「最後に、何か伝えたいことがありましたら教えてください」

アーチー/はっちcs次は勝つ試合を見せるんで、また注目しておいてください!

 スイスラウンド8回戦終了までに3敗すると強制的にドロップとなるが、逆に言えば開幕で負けたとて、まだ決勝ラウンド進出のチャンスは残されている。もちろん勝ったもふたろうとて、山頂までの第一歩目を踏み出しただけに過ぎない。

 長い一日は、まだまだ始まったばかりだ。

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