超CSⅣ静岡 Round 8:UMEBA vs. なへ
ライター:清水 勇貴
撮影者:瀬尾 亜沙子
上位128人が上がれるこの大会において、3敗はほぼ確実な敗退を意味する。
OMW%で決勝トーナメントに上がるプレイヤーもわずかながら存在するが、ここでの1勝を取れるか取れないかが明暗を分けることに間違いはない。
この場に呼ばれた選手たちは、共に5勝2敗を背負った者同士だ。
方や東北の古豪、UMEBA。
方や関東の気鋭、なへ。
負けられない戦いが、ここでもまた始まる。
先攻:UMEBA
先攻UMEBAの1ターン目、マナに置かれた赤いカードを目にしたなへが、早速カードの確認を取る。
なへ「《“必駆”蛮触礼亞》……で、間違いないですよね?」
UMEBA「はい!」
このカードを使うデッキはそれほど多くはない。さらに言えば、どのバリエーションであろうと《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をメインアタッカーに据えていることは間違いないだろう。
なへがマナセットした《シラズ死鬼の封》を見届け、続く2ターン目には《異端流し オニカマス》を召喚。
UMEBAの選択したデッキは、【火水“覇道”】。最近では《流星のガイアッシュ・カイザー》と手を組むことが多い《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》だが、UMEBAが持ち込んだのは「本家本元」のようだ。
なへも《エマージェンシー・タイフーン》で手札を調整しながら《∞龍 ゲンムエンペラー》を捨て、自身のデッキが【光水闇墓地退化】であることを明かす。
3ターン目を迎えたUMEBAの方針は、手札と《異端流し オニカマス》の維持だ。何もプレイせずに《異端流し オニカマス》でシールドを詰めていく。
一度に大打点を出すことが不得意な【火水“覇道”】。小型クリーチャーでのこまめなビートダウンはお家芸だが、この1点でなへのシールドから《終末の時計 ザ・クロック》がこぼれ出てしまう。
《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》で踏まなくてよかったという考え方もできるが、その一方で《異端流し オニカマス》が殴り返せれてしまうのはメタの面でも打点の面でも痛手となる。
どちらかというとリスクの面を重く捉えているのか、首を傾げるUMEBAの顔は苦々しげだ。
果たして、このゲームでは吉と出るか、凶と出るか。
返すターンのなへは多色マナをタップインさせ、2枚目の《エマージェンシー・タイフーン》で《竜魔神王バルカディア・NEX》を墓地へ。
もちろん《終末の時計 ザ・クロック》で《異端流し オニカマス》へ殴り返すことも忘れない。
墓地退化コンボに王手をかけられ、承諾を得る声とともに熟考へと潜り込むUMEBA。
1分ほど考えた末に《ゴリガン砕車 ゴルドーザ / ダイナマウス・スクラッパー》を出してシールドをブレイクしにかかるが、ここで追い討ちをかける《サイバー・チューン》のトリガー。
ブレイクした2枚中2枚がトリガーという結果、これにはUMEBAが首を傾げる角度もさらに深くなる。
しかし、もしも。
もしも、なへの手札にコンボが揃っていなければ——。
ここで勝ちを諦めるようでは、静岡まで来た意味がない。UMEBAはアンタップした《ゴリガン砕車 ゴルドーザ / ダイナマウス・スクラッパー》で2回目の攻撃を繰り出さず、最後の1ターンに望みを託す。
後攻なへの4ターン目。
なへが慣れた手付きで4枚のマナを1枚の闇文明と光文明を含む残り3枚に分割すると、UMEBAの眉がピクリと揺れる。
なへ「1マナで《死神術士デスマーチ》を召喚して、3マナで《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》を召喚、《死神術士デスマーチ》の一番上をシールドへ」
やはり。良きにしろ悪しきにしろ予測された通りに、なへの下へと《竜魔神王バルカディア・NEX》が顕現する。
攻撃時の能力でUMEBAの戦場から《ゴリガン砕車 ゴルドーザ / ダイナマウス・スクラッパー》が失われ、入れ替わるようになへの戦場へ《∞龍 ゲンムエンペラー》が現れる。
ブレイクされた5枚のシールドから《飛ベル津バサ「曲通風」》を公開し、唯一の打点となる《終末の時計 ザ・クロック》をストップ。どうにかこのターン中のダイレクトアタックを避けたUMEBAだ。
しかし、軽量カードを中心に構成されたUMEBAのデッキでは《∞龍 ゲンムエンペラー》を突破できない。しばらく手札と向かい合って唸り声を上げたUMEBAだが、唐突に声を止め、表情を和らげる。
そして、そのまま彼は自身の敗北を受け入れた。
Winner:なへ
UMEBA「実は、3ターン目から《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》は揃ってたんですよ。《異端流し オニカマス》が生き残っていれば3ターン目に切って打点を通しに行けたんですが、《終末の時計 ザ・クロック》に殴り返されて計算が狂って……」
受けの硬さには定評のある【光水闇墓地退化】。それでもUMEBAは変わらず、細かい打点を通しにいくプレイを心がけていたようだ。
UMEBA「《異端流し オニカマス》がいなくなったら無理に打点を通しても相手にリソースを与えるだけなので、《ゴリガン砕車 ゴルドーザ / ダイナマウス・スクラッパー》がバトルゾーンを残したまま次のターンに《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を通しに行くしかなかったですね。《ゴリガン砕車 ゴルドーザ / ダイナマウス・スクラッパー》をアンタップで残したのは、墓地退化クリーチャーで殴り返されないようにするためです」
なへ「自分は名前が知られてるような有名な方が相手だと緊張しちゃう悪癖があるんですよね。だから今回もヤバかったんですけど……」
一方、ある意味では「順当」にデッキが動いて勝利を手にしたなへ。
「このデッキ(【光水闇墓地退化】)はちゃんと動けばちゃんと勝てるデッキだと知っていたので、デッキを信じて突っ走りました。勝ててよかったです!」
まさしく、有言実行。その言葉通りに勝利をもぎ取ったなへは、決勝トーナメントへ駒を進めた。
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