デュエル・マスターズ

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超CSV新潟 決勝戦:ユウキング/わいきん vs. 烈

ライター:秋山 大空
撮影者:堀川 優一(アノアデザイン)

《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》、上も下も強いです」

 準々決勝から【火自然アポロヌス】、【火単】と言う2種類の対速攻3本勝負を制し、決勝の席に着く烈の手には、使い慣れた【水闇自然ジャオウガ】。

 【ダンタルサガ】には効果は薄いが、他の妨害クリーチャーの対【サガ】性能を信頼しているからこそ、対速攻に厚い《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を採用できているのだろう。

 烈は、信じたデッキ、信じたカードと共に立ちはだかる【ダンタルサガ】に挑む。

ユウキング「めちゃくちゃ暑がりなのもあるんですけど、Tシャツで来た方が勝てそうな気がするんすよ」

 10年以上前から続いている、いつもの軽装で席に着くユウキング。

ユウキング「2019年のランキング走ってから、CSに行きたいと言うより、行かなきゃいけないみたいになっちゃったんです。まぁ今期はあんまり走ってなかったんですけど、【サガ】練り込んでたら勝っちゃって。ちょっと前に11位~16位も全国に出られることを知ったんで、頑張ろうと思ってます」

 公認CS黎明期から強豪プレイヤーだった彼は、10何年経った今も強豪プレイヤーであった。

 僅かな休憩時間を経て、準備は整った。

 疲れた体に鞭打って、闘志を燃やしてここにいる。

 これで最後と覚悟を決めて、全てを賭けた勝負に挑む。

Game 1

先攻:ユウキング/わいきん  ユウキングのスタートは2ターン目の《》の呪文側。更にターンを跨いで《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文側をプレイ。烈は《若き大長老 アプル》《天災 デドダム》でのスタート。

 すかさず《邪招待》《若き大長老 アプル》を除去。

 烈はマナチャージ無しで《Disジルコン》を召喚。《∞龍 ゲンムエンペラー》を墓地へ置き、すかさず次の妨害《とこしえの超人》を場に補充する。

 場には《天災 デドダム》《Disジルコン》《とこしえの超人》
 墓地には《∞龍 ゲンムエンペラー》

 手札に除去はなく、「どうしよっかなぁ…」と呟くユウキング。

 2枚の≪ローレンツ・タイフーン≫で《絶望神サガ》《龍素記号wD サイクルペディア》を墓地へ送りターンを渡す。

 幸い手札に余裕はあった烈だが、通るのであれば早い方がいい。
 《とこしえの超人》召喚から即ムゲンクライムを使用し《∞龍 ゲンムエンペラー》が着地する。

 流石の【ダンタルサガ】と言えど、《∞龍 ゲンムエンペラー》を超えるのは難しい。

ユウキング/わいきん 0-1 烈

 再現性の高い【ダンタルサガ】についていこうとすると、《CRYMAX ジャオウガ》でのTブレイクと言う賭けを強要される【水闇自然ジャオウガ】。

 烈にとっては《∞龍 ゲンムエンペラー》と言う、要求値は高いものの【ダンタルサガ】側が対処しづらいプランを通せたのは非常に大きい。

 【ダンタルサガ】のペースに呑まれようとも、あと2回の試行回数があるのだから。

Game 2

先攻:ユウキング/わいきん  2ターン目の《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》の呪文側に対し、烈が見せた5枚は《天災 デドダム》《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか?」》《Disメイデン》《キユリのASMラジオ》《幻緑の双月/母なる星域》
 ≪天体妖精エスメル≫での2ターンスタートこそ許すが、《天災 デドダム》の着地に比べれば許容範囲内だ。

 烈は、ユウキングが≪ローレンツ・タイフーン≫で墓地に落としたカードを確認しつつ、順当に《キユリのASMラジオ》を唱え《極楽鳥》《若き大長老 アプル》を出す。

 だが当然、妨害は《蒼狼の大王 イザナギテラス》からの《ドアノッカ=ノアドッカ / 「…開けるか?」》の呪文側が許さない。

 手札の確保と絶え間ない妨害札の展開。
 安定した基盤を持つ【水闇自然ジャオウガ】と言えど、両方をやり続けるのは困難である。
烈はこのターン、リソース確保を選択せざるを得ない。

 《Disメイデン》召喚し、マナから《Disジルコン》。そして《Disジルコン》を墓地へ。

 ユウキングは、烈の場に妨害が存在しない空白の1ターンに《絶望神サガ》をねじ込むが蘇生対象無し。

 烈のターン。マナは6、手札に《CRYMAX ジャオウガ》。ユウキングの場には《絶望神サガ》。ここで走るか否か。

「もう一回墓地見ても良いですか?」

 まだ走らなくてもいい。
 墓地から《Disジルコン》を召喚。追加で《極楽鳥》《とこしえの超人》を召喚。

 《龍素記号wD サイクルペディア》で≪「…開けるか?」≫を使いまわし《とこしえの超人》を破壊。

 そして、【水闇自然ジャオウガ】のゲームレンジはここまで。

 場に妨害はなく、手札が枯渇したため、近いうちに《CRYMAX ジャオウガ》で走るしかない。
 数ターン待ってもいいが、《Disジルコン》も無い中で場で存在感を放つ《絶望神サガ》を放置し続けて問題ないはずはない。

 打点は十分だが、妨害さえなければ何とかなり得るのが【ダンタルサガ】だ。

 【ダンタルサガ】が仕掛けたゲームに乗ることを選んだ烈は、《CRYMAX ジャオウガ》召喚。そのまま《蒼狼の大王 イザナギテラス》をどけながらシールドに攻撃するが、《龍素記号wD サイクルペディア》に阻まれる。

 続けて≪天体妖精エスメル≫で攻撃、トリガーは無し。《Disメイデン》で攻撃、《ドアノッカ=ノアドッカ / 「…開けるか?」》がトリガーした。場には《極楽鳥》《Disジルコン》が2体ずつ。

 《極楽鳥》を見るユウキング。

「これシールドブレイク出来ないですよね?」

 残りのシールドは1枚。≪ドアノッカ=ノアドッカ≫で2体の《Disジルコン》を破壊。

「ターン始め《絶望神サガ》の効果」

 《蒼狼の大王 イザナギテラス》を挟んで山札の下を確認しつつ、サガループ開始。

 墓地にラッキーナンバーがあることを確認し、烈は投了した。

ユウキング/わいきん 1-1 烈

 最後のシールドでは間に合わなかった≪ドアノッカ=ノアドッカ≫。ギリギリでシールドから来た2枚目の《絶望神サガ》

 少しでもズレていれば負けているはずだが、ユウキングは勝った。  もう一勝を勝ち取るべく、半袖のTシャツ袖を更に捲るユウキング。

 それは10年以上前から見る、ユウキングの験担ぎ。

Game 3

先攻:烈

 烈は2ターン目に《極楽鳥》、3ターン目に《天災 デドダム》《極楽鳥》と一気にマナを伸ばすが、妨害札に恵まれない。

 一方、ユウキングは3ターン目のループこそないが≪ローレンツ・タイフーン≫から《絶望神サガ》に繋ぎ、《蒼狼の大王 イザナギテラス》蘇生。
≪「…開けるか?」≫で《極楽鳥》を除去し、ペースを掴んでいく。

 《キユリのASMラジオ》《若き大長老 アプル》を拾い、《Disメイデン》で増えたマナも使用して《天災 デドダム》を召喚。

 盤面展開には除去で返すのが【ダンタルサガ】の在り方。《勝熱と弾丸と自由の決断》が、《Disメイデン》《若き大長老 アプル》を山札の下へ送る。

 妨害を絶やしたくない烈。《キユリのASMラジオ》を再び唱え、場に出たのは《Disメイデン》《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》

 残りの手札は1枚。場にはサガループを根本から止める妨害はない上、《龍素記号wD サイクルペディア》から再び《勝熱と弾丸と自由の決断》を唱えられると本当に取り返しがつかなくなる。

 あまり走りたくないが、行くなら今か。

 《Disメイデン》効果を使用し、≪母なる星域≫から《CRYMAX ジャオウガ》

 シールドの《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》が墓地へ送られ、ユウキングは頭を抱える。

 《CRYMAX ジャオウガ》の攻撃時《蒼狼の大王 イザナギテラス》を破壊。今度は《龍素記号wD サイクルペディア》にブロックされることもなく、盤面には打点が3。

 シールド・トリガー1枚では止まらない3面要求。一番引かれたくないシールド・トリガーも1枚墓地へ行き、賭けはやや烈に分があるか。  しかし、シールド・トリガー≪ドアノッカ=ノアドッカ≫!更に《邪招待》

 《邪招待》《天災 デドダム》。≪ドアノッカ=ノアドッカ≫で《天災 デドダム》《極楽鳥》を除去し、攻撃を捌き切った。

 ターン開始時、震える手でカードをプレイするユウキングの姿は、最強位決定戦 決勝戦の◆ドラ焼きを思い出す。

 終止冷静だったプレイヤーの手が震える時、改めてここが大型大会の決勝戦だと言うことを実感させられる。

 《絶望神サガ》を召喚。

 しかし…

ユウキング「≪ボン・キゴマイム≫のテキストいいですか」
「…あ、そういうことか」

 烈も気づいた。【ダンタルサガ】のループ証明には、《蒼狼の大王 イザナギテラス》から《蝕王の晩餐》を唱えるのが手っ取り早い。
 しかし、ユウキングの《蝕王の晩餐》2枚はそれぞれマナと墓地にあり、《蒼狼の大王 イザナギテラス》で触れることが出来ない。
 《蒼狼の大王 イザナギテラス》ではなく《邪神M・ロマノフ》でマナの《蝕王の晩餐》を唱えなければならないが、≪ボン・キゴマイム≫がそれを邪魔しているのだ。

 苦い顔のユウキング。「『投了します』の『と』まで出かけた」と試合後に語るほどの長考の末、気づいた。

ユウキング「あっ 考えます」

 あと一息。自身の胸を叩き、気合を入れる。

ユウキング《絶望神サガ》効果、《蒼狼の大王 イザナギテラス》で」

『≪「迷いはない。俺の成すことは決まった」≫』

 《絶望神サガ》を場に出し再びサガループ。
 《疾封怒闘 キューブリック》を捨て、≪ボン・キゴマイム≫を手札に戻した。

ユウキング「《疾封怒闘 キューブリック》忘れとった!投了しかけた!」 ユウキング/わいきん 2-1 烈

Winner:ユウキング/わいきん/b>  ユウキングの目に、歓喜の涙が光った。


 最強位決定戦から4ヶ月、DMGP2023-1stから3ヶ月。

 デッキ、三日会わざれば刮目して見よ。

 両大会で惜しくも優勝を逃した【サガループ】は、短期間で目まぐるしい進化を遂げ、ついに優勝へと至った。

 優勝おめでとう!【サガループ】!

 一方、惜しくも優勝を逃した烈も決勝Round4で語った目標を達成することが出来た。

 DMPランキング長野県暫定1位おめでとう!烈!

 そして、手に汗握るギリギリの勝負を制した、本日の勝者に最大の賛辞を。

 超CSⅤ新潟優勝おめでとう!ユウキング/わいきん!
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