超CSV新潟 決勝Round 1:どんよく vs. みうら。
ライター:白戸 龍之介(ドラ介)
撮影者:堀川 優一(アノアデザイン)
この二人も例外ではないだろう。
DMPランキング兵庫県1位のどんよく。
そして強豪ひしめく東京都のプレイヤー、みうら。
どんよくは予選を27位で抜けており、そしてみうら。は102位で突破している。
超CSのような大型大会は予選を超えるだけでも通常のCSを優勝するレベルの勝利数をこなす難関であり、間違いなくここに立つプレイヤーの実力は折り紙付きだ。
大事な決勝ラウンド1回戦を前に、ピリピリと張りつめた空気が…と思いきや、二人とも談笑をしていた。
強豪が戦い続けているうちに交流が出来ることは珍しいことではない。
しかしここに来たからには真剣勝負。どちらかが勝利し、どちらかが立ち去ることとなる。
どんよくの操る【サガループ】と、みうら。の【水闇自然ジャオウガ】。
強力な二つのアーキタイプ同士、プレイヤー同士。
和やかに、されど緊張感のあるゲームが始まる。
Game
先攻:どんよく 決勝トーナメント1回戦は順位先攻。どんよくのターンからスタート。1ターン目はお互いにマナチャージのみ。
先に動き出したのはどんよくだ。
《機術士ディール / 「本日のラッキーナンバー!」》をチャージすると《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を召喚。
……どうやら手札交換のカードが手札に無いようである。
《絶望神サガ》の蘇生効果を使うためにはクリーチャーが3枚墓地にある必要がある。そのため最速の墓地肥やし兼手札交換の重要性は高い。
それでも《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》のターン終わりに発生する墓地肥やしがある。《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》が墓地に落ち、ターンを終了する。
《CRYMAX ジャオウガ》をチャージし、みうら。は《幻緑の双月 / 母なる星域》を召喚し、《Disメイデン》を置く。
ここまでは順調な滑り出しのように見えるが、相手は【サガループ】とどんよく。次のターンにでも運が良ければ決着する可能性もある。そのプレッシャーは甚大だ。
返しのターン、どんよくはここで《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》を唱える。 手札を確認し、ノータイムでループの妨げとなる《とこしえの超人》を墓地へ送る。
ここまで何段階も進化してきた【サガループ】、所謂ダンタル型の強みのひとつである。
サガ包囲網ともいうべき対策カードたち。しかしどんな対策カードも軽いゆえに、使わなければ簡単に引き抜かれ、対策手段を失ってしまうのだ。
《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》をチャージしてここで4マナ。みうら。は《キユリのASMラジオ》を唱える!! 【水闇自然ジャオウガ】の強さを支えるこの1枚。
このカードでリソース止めたクリーチャーを同時に確保できるとみうら。は大分ゲームの主導権を握れそうだが…出てきたのは《極楽鳥》2体。 リソースを稼げなかったのも、メタクリーチャーを立てられなかったのも痛いタイミングだ。
どんよくはこのチャンスを本来ならモノにしたいところであるが、手札は芳しくない様子。ここでキーカード《絶望神サガ》を召喚。
ループのキーカードとなる《絶望神サガ》。パーツというだけでなく、所謂置きドローとして使っても悪くないスペックを誇り、手札が思わしくなくても召喚する価値はあるカードだ。
その効果で《邪神M・ロマノフ》を墓地へ落とし、《絶望神サガ》の効果ですかさずバトルゾーンへと送り出す。
Mデッキ進化により《勝熱と弾丸と自由の決断》、《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》2枚がめくれているが…
《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》を進化元に《邪神M・ロマノフ》を場に出すと、考えるどんよく。
《絶望神サガ》による無限墓地肥やしがない状態ではすぐにはフィニッシュルートには入れない。
《邪神M・ロマノフ》はメテオバーンでマナゾーンから6以下の呪文を唱えることが出来る殿堂カード。
元プレミアム殿堂というこの煉獄の神は再びこの地に舞い降りてほどなくしてゴッド、墓地肥やし、呪文の詠唱、全てが噛み合いの良い【サガループ】に欠かせないレベルのカードとなった。
メテオバーンを起動するタイミングは今か…?
みうら。「お互い渋いねえ~」
どんよく「うーん……」
どんよく、ここは攻撃せずターンを終える。
みうら。は《天災 デドダム》を召喚。
ようやくリソースとなるクリーチャーの登場だ。
みうら。は少し考えると、《とこしえの超人》をマナ、《天災 デドダム》を墓地に送り込む。
さらに2体の《極楽鳥》からマナを生み、《キユリのASMラジオ》を唱える。《Disジルコン》を2体場へ。
またメタクリーチャーがない……
どんよくの【サガループ】にとって、これは大きなチャンスである……!
どんよくのターン。
みうら。「あるならあるといってね」
どんよく「いや~……」
どんよくは《龍素記号wD サイクルペディア》を召喚。
《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》を墓地から唱え、山札を掘り進めるのだが…どうやら探し物は見つからない。
先ほど場に出した《邪神M・ロマノフ》のメテオバーンで《蝕王の晩餐》を唱え、
《邪神M・ロマノフ》が破壊され、《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》を場へ。
その効果で《蝕王の晩餐》と《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》を墓地から唱える。
《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》の効果で掘り進めるが…やはり《絶望神サガ》の2枚目が来ない。
《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》を墓地へ送り《蝕王の晩餐》で2ターン目からずっと場にいた《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を破壊し《絶望神サガ》を出す。
《龍素記号wD サイクルペディア》を捨て《邪神M・ロマノフ》が再び場へ。
しかしM進化でも2枚目の《絶望神サガ》は見当たらない。
《邪神M・ロマノフ》を攻撃させ、メテオバーンで《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を唱え、《絶望神サガ》が場へ。
なかなかパーツが揃わないどんよくは思わず頭を抱える。
それでも処理は残っている。《蒼狼の大王 イザナギテラス》を効果で場に出し、山札の上5枚から1枚手札に加える。
そしてその効果で《蝕王の晩餐》を詠唱。
《龍素記号wD サイクルペディア》の効果で2回目が約束される。
《蝕王の晩餐》で《邪神M・ロマノフ》が《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》へと変換され、その効果が待機される。
二度目の《蝕王の晩餐》によって《龍素記号wD サイクルペディア》を破壊し、《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》が再び場に出る。
《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》で《絶望神サガ》を場に出し、さらに《絶望神サガ》の効果で《蒼狼の大王 イザナギテラス》をバトルゾーンへ出す。
その効果で山札の上5枚からカードを回収し、最後の準備は整ったようだ。
待機していた《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》の効果で《蝕王の晩餐》と《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を唱える。
これによって《蒼狼の大王 イザナギテラス》が《龍素記号wD サイクルペディア》へと変わり、《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》で《絶望神サガ》が場に出た。
何度も何度も探し、ついに見つかった絶望神。
ここから《絶望神サガ》のループ証明が始まる。 無限に墓地が超えていく。
みうら。「ここまで来るともうありえないミスを期待するしかないんだよな~~~」
もちろん、強豪どんよくはミスをすることなくカードをプレイ。
《蒼狼の大王 イザナギテラス》→《蝕王の晩餐》→《龍素記号wD サイクルペディア》→《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》と続いていく。
そしてここでフィニッシュへの証明が始まる。 ここに来るまで、何度も見てきた光景を前にして、みうら。は敗北を認めるのだった。
Winner:どんよく
みうら。「今期も全一で頼む!」
どんよく「いや、優勝!」
試合の後もそうした会話をしながら、みうら。はどんよくの勝利を期待し、場を去った。
どんよくも自身の勝利への意欲を応える。
中々パーツの揃わない厳しいゲームを潜り抜けたどんよく。
ダンタル型の【サガループ】を操り、その強さを遺憾なく発揮できるその強さはさすがの一言。
ここで惜しくも敗れてしまったが、みうら。もここまで来る実力者。再び大舞台に上がってくる時が来るはずだ。
決勝ラウンドは始まったばかり。
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