ライター：秋山 大空
撮影者：堀川 優一(アノアデザイン)

　今大会は煮詰まった環境下での開催もあってか、環境に存在するデッキが多い傾向にある。

　【サガ】【水闇自然ジャオウガ】【アポロヌス】【火単】【水魔導具】……

　しかし、これらのデッキがひしめく中でも、環境外のデッキの灯が消えることはない。

　【アーマード】を使用するさんあきも、その灯を持って本戦を勝ち進んできているプレイヤーだ。

　【アーマード】は『アビス・レボリューション 第1弾 双竜戦記』でデッキコンセプトが、『アビス・レボリューション 第2弾 忍邪乱武』でデッキ基盤が整った新しいデッキタイプで、まだまだ強化が控える中での本選進出は予想外である。

　対する烈のデッキは先述の【水闇自然ジャオウガ】。

烈「一番使い慣れてるデッキタイプを選びました、デッキレシピを作った友人は【火自然アポロヌス】に負けちゃったんで頑張ります」

　【水闇自然ジャオウガ】の妨害クリーチャー達を、さんあきの【アーマード】はどう貫くのだろうか。

　そして、登場したばかりの【アーマード】を、烈はどうねじ伏せるのだろうか。

先攻：烈 　2ターン目に《アシスター・コッピ》でスタートするさんあきに対し、烈は3ターン目に《Disメイデン》を召喚し、増えたマナで《とこしえの超人》を追加。

　さんあきは、1コスト軽減し≪「暴竜爵は不滅なり！」≫でメクレイド。《とこしえの超人》下だがマナを増やすことはできる。

　ひとまず《とこしえの超人》でメクレイドを牽制している烈。《キユリのASMラジオ》から《Disメイデン》と《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか？」》、手札から《天災 デドダム》を出し、墓地に《Disジルコン》を落とす。

　《クック・轟・ブルッチ》で軽減した《ボルシャック・アークゼオス》を召喚。
　メクレイドから唱えた《ボルシャック・ヒート・ドラゴン / ヒートブレス・チャージャー》の呪文側で2枚目の《ボルシャック・アークゼオス》を回収しつつ増えたマナで《アシスター・コッピ》を追加。更に《ボルシャック・アークゼオス》が効果で《とこしえの超人》を粉砕する。

　さんあきの手札は残り1枚。その内容は《ボルシャック・アークゼオス》だ。 　まずは墓地から《Disジルコン》を召喚しドローを見る。

　さんあきの手札とマナ数を確認した烈は、《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》と《とこしえの超人》を召喚。【アーマード】のゲーム速度的に、どちらかを突破されてもそのターン中に負けることはないと言う判断だ。

　≪ボン・キゴマイム≫は面倒だが、《とこしえの超人》の除去が最優先だ。《アシスター・コッピ》で2軽減し、《クック・轟・ブルッチ》。先ほどと同じく《ボルシャック・アークゼオス》が《とこしえの超人》を破壊。

　軽減から2枚目の《ボルシャック・アークゼオス》でメクレイドし、既にシビル・カウント5を達成している《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》が登場。
　しかし、≪ボン・キゴマイム≫が《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》の無限攻撃を阻む。

　一方、≪ボン・キゴマイム≫で猶予を貰ったとは言え、相手の動きが止まっているうちにトリガーを踏んでおきたい烈。
　《天災 デドダム》を2体召喚、《幻緑の双月 / 母なる星域》の呪文側で《天災 デドダム》と《CRYMAX ジャオウガ》を入れ替える。
　そして≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫で5を宣言し、さんあきの盤面の主要なクリーチャーの動きは全て停止した。

　あとは殴るのみだが、まず警戒すべきは《ボルシャック・コーヤ・ドラゴン》。少しでもリスクを減らすべく≪天体妖精エスメル≫でブレイク。トリガーは無し。
　《CRYMAX ジャオウガ》の攻撃でもトリガーはなく、《天災 デドダム》の攻撃が通った。

Winner:烈

烈「【アーマード】は、自分より【水闇自然ジャオウガ】上手い人が対面やってたので、それでどんな動きをするのか覚えてましたね。そこで≪ボン・キゴマイム≫と《とこしえの超人》のセットが刺さることを確認しました」

　《ボルシャック・コーヤ・ドラゴン》では≪ボン・キゴマイム≫を除去できず、《ボルシャック・NEX / スーパー・スパーク》の呪文側では≪ボン・キゴマイム≫のせいで追加の打点を作れない。

　シールド・トリガー≪スーパー・スパーク≫+《ボルシャック・コーヤ・ドラゴン》でギリギリ打点が足りるかどうかのラインまで詰め切った烈。

　≪ボン・キゴマイム≫を要に据え、【アーマード】に見事に対応してみせた。

　妨害クリーチャーを相手に押し付けることで幅広いデッキに対応できる【水闇自然ジャオウガ】だが、当然どう妨害を押し付けるかによって試合展開は大きく変わる。

　彼を知り己を知れば百戦殆からず…とまではいかないかもしれないが、対戦相手のデッキタイプがどんな動きをするのか知っていれば、それだけ有利に戦える。

　烈の知識と経験が、その背を押した試合であった。

烈「長野県のDMPランキングで一瞬、暫定1位のポイントになったんですけど、反映される間に抜かれちゃいました。なので、今回は長野県のDMPランキング1位になりたいですね」

　次の戦いへ向かう烈。目標はもう目の前だが、まだ先へ進める。

　目標の先、超CSⅤ新潟優勝まであと4試合。