超CSⅤ新潟 Round 1:どぅ-。 vs. すずの音
ライター:河野 真成(神結)
撮影者:堀川 優一(アノアデザイン)
信濃川が流れ、日本海を望む新潟の街が、今年の会場である。
超CSは夏の一大イベントであり、全国大会の出場権が発生する他、前期のランキングレースにも大きな影響を与える。
そしてその1回戦、フィーチャーされたのは、春のGP王者すずの音であった。
関東を本拠とする彼だが、既に全国大会への出場を決めているにも関わらず、相棒である【光水火ライオネル.Star】を手に、CSへの出場を続けている。
それだけランキング争い……つまりは総合順位に対する、強い想いがあるのだろう。この日も朝一番の新幹線で、会場へとやってきた。
一方、どぅ-。は地元新潟のプレイヤーだ。
地元と言っても様々な解釈があるが、この日は会場まで徒歩で来たということで、地元の中でもトップオブ地元のようだ。CSへの参加はそれほど多いというわけではないようだが、この大会に向けて久々にCSにも参加した、とのことである。
こう聞くと、二人のプレイヤーはかなり対照的にも見える。
しかし、その中で共通している部分もあった。
すずの音「緊張しますね……」
どぅ-。「そうですね……」
大型大会の初戦は、誰でも緊張する。
そしてそれは、GP王者でも同じらしい。
先攻:どぅ-。
まずは緊張の1手目、どぅ-。のマナチャージは《Disジルコン》。となると、水闇自然系統のデッキであろう。
一方、すずの音は《T・T・T》をマナチャージした。こちらはやはり光水火の《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》のデッキのようだ。
2ターン目もチャージのみで終えたどぅ-。に対して、すずの音は《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》をプレイする。水闇自然の展開カードである《キユリのASMラジオ》を大きく制限した恰好だ。
こうなると《天災 デドダム》を引きたいところだが、どぅ-。がここでプレイできたのは《極楽鳥》と、やや苦しい。
それをみたすずの音は悠々と《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》でドローを進めていく。そして《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を動かすかをやや考えて、ターンを終えた。
思ったゲームを展開出来ないどぅ-。は、殴り返しの意味を込めてか《とこしえの超人》を召喚するのみで、ターンを終えた。
すずの音の4ターン目。
4マナを使って召喚したのは、《エヴォ・ルピア》。そして効果で《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》へ進化し、《奇天烈 シャッフ》をバトルゾーンに送り込む。かなり好調だ。
《奇天烈 シャッフ》で「2」を宣言し、返しの≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫を防ぐと、続けて《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》の攻撃で追加の《奇天烈 シャッフ》を送り込む。今度は「5」を宣言。
このW・ブレイクは《若き大長老 アプル》のG・ストライクを踏むものの、むしろここで踏む分にはラッキーと言えるだろうか。そのままターンを終了する。
広い対応力が魅力の【水闇自然ジャオウガ】ではあるが、一度押しこまれてしまうと挽回するのは容易ではない。どちらかと言えば先に有利な盤面を作りたいデッキであり、シールド・トリガーから逆転するデッキではないのだ。
頼みの《CRYMAX ジャオウガ》もチャージしても5マナしかなく、《キユリのASMラジオ》や≪母なる星域≫が《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》に止められている状況では着地できない。
更に更に、相手のリソースを狩って時間を作れる《絶望と反魂と滅殺の決断》も、《奇天烈 シャッフ》に止められてしまった。
それでも活路を求めるべく、まずは《天災 デドダム》プレイし、そして残るマナと《極楽鳥》を使って《》をブロッカーとして送り込む。
だが返しのターン、すずの音は追加の《エヴォ・ルピア》を召喚すると、今度は《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》へと進化。タマシードは続かなかったが、大きな打点増強だ。 そして勝負を決めるべく、《奇天烈 シャッフ》がブロッカーを止める「3」を宣言しつつ攻撃を開始する。トリガーはない。G・ストライクもない。
やがて残る2枚のシールドを《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》が破ると、残る3体の攻撃を止める手段はなかった。
WINNER:すずの音
GP王者のすずの音が、まずは幸先のいいスタートを見せた。対してどぅ-。は、思ったようなゲームは出来なかった。
もっとも、今日の戦いは始まったばかりである。
新潟-東京間は新幹線で2時間ほどであるが、大型大会での戦いとなるとそれ以上の長さを感じることだろう。
故に、だろうか。
二人のプレイヤーは互いの健闘を祈ると、グータッチを交わしてからフィーチャー卓を後にしたのだった。
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