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超CSV大阪 決勝Round 2:こっちゃー vs. ZweiLance

ライター:清水 勇貴(yk800)
撮影者:出端 敏夫

 決勝ラウンド2回戦、ベスト32の座を賭けて向かい合うのはお互いに歴戦の猛者と相なった。

 かたや言わずと知れた【サガループ】使いの強豪ZweiLance。かたや天才デッキビルダーと名高きこっちゃー。

 フィーチャーテーブルに座する両者に気負いはないが、気合いなら十分だ。慣れた手付きでシールドを5枚、手札を5枚並べ、デュエマスタートの合図が会場に響き渡る。

Game

先攻:こっちゃー  1ターン目のこっちゃーのマナセットは《終末の監視者 ジ・ウォッチ》

 このカードを使うデッキといえば、クリーチャー名がそのままデッキ名となった【水闇自然ジ・ウォッチ】だろう。

 マナ加速でスキップして《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》《流星のガイアッシュ・カイザー》からさらなる重量級フィニッシャーへ繋ぐ、というのが一般的な構成だ。

 こっちゃーの構築も基本としては変わらないが、《龍頭星雲人 / 零誕祭》《運命の親衛隊シウバ / 「その運命、我らもそれに従おう」》といったツインパクトを組み込み、受けやハンデス、マナ加速の枠に他の役割も持たせてデッキを圧縮。

 空いたデッキの枠をメタクリーチャーに回し、妨害でテンポを取っていくプランも基幹戦術の中に組み込んでいる。

 2ターン目にZweiLanceがこっちゃーのマナセットした≪運命の親衛隊 シウバ≫のテキストを確認し、「なるほどね」と笑みを浮かべる場面もあったが、全体としては緊張感を保ちつつも穏やかにゲームが進んでいく。

 最初にゲームが動いたのはこっちゃーの3ターン目。

 彼が《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》をプレイすると、2ターン目にルーターを唱えてクリーチャー2体が控えていたZweiLanceの墓地は空に。

 出鼻を挫かれたZweiLanceだったが、これに対してZweiLanceは《絶望神サガ》を召喚。手札を入れ替えつつ、置きドローソースとしての役割を果たしに行く。

 冷や汗をかいたのはこっちゃーだ。このタイミングで出てくる《絶望神サガ》は、とりもなおさず「墓地リセットがなければコンボに突入されていた」ことに他ならないのだから。

 苦しい顔を見せながらも、《天災 デドダム》で単色マナを確保して《リツイーギョ #桜 #満開》を召喚。安易なループは許さない構えだ。  ZweiLanceの4ターン目、開始時にカードを引いて《絶望神サガ》をディスカード。

 4マナをタップして召喚した《蒼狼の大王 イザナギテラス》がカードを手札に加えるが、ここで迂闊に呪文を踏み押すようではトッププレイヤーは務まらない。

 《終末の監視者 ジ・ウォッチ》の相方とも言える《流星のガイアッシュ・カイザー》が飛び出してこないよう、手札だけを整えてターンを返す。

 先攻5ターン目、ここでこっちゃーが大きく仕掛けた。多色カードをマナに埋めるなり、バトルゾーンにある4体のクリーチャーを指し示し、4マナで繰り出すのは《飛翔龍 5000VT》

 ZweiLanceのマナや墓地にも顔を見せているこのクリーチャーだが、先に登場させたのはこっちゃーだ。

 バウンス能力は機能しないものの、次のターン中のパワー5000以下の登場を封じる。根幹をなすクリーチャーの大半がパワー5000以下の【サガループ】はこれを着地されるだけで大きな動きが取れなくなってしまう。

 呪文を唱えるぐらいしかやれることのないZweiLance。返すターンの動きは手札の《絶望神サガ》をマナに埋めて、《邪招待》《リツイーギョ #桜 #満開》を除去するにとどまる。

 ようやく1ターンが経過してロックが解除されたかに思えたが、こっちゃーは追い討ちを掛けるように2体目の《飛翔龍 5000VT》を投下。ロックする姿勢を崩さない。

 引き続き動きが大きく制限されてしまったZweiLanceだったが、ここでその後の展開をじっくりと検討。《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文側をプレイしてさらに手札を整え、《邪招待》《天災 デドダム》をボトムに送り、打点を削いでいく。

 そして迎えた、先攻こっちゃーの第7ターン。

 そこまで剛毅果断にゲームを進めてきた彼が手を止め、自らの手札と向き合い唸り声を上げる。

こっちゃー「ごめん、少し考えます」

ZweiLance「もちろん大丈夫です」

 この時彼の頭にあったのは、《CRYMAX ジャオウガ》《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》の二択。

 《CRYMAX ジャオウガ》に全てを賭けるか、墓地リセット+メタクリーチャーの構えを作って時間を稼ぐかの分岐点だ。

 《CRYMAX ジャオウガ》は何もなければそのまま勝てる極めてわかりやすい選択肢だが、一方で今現在彼のバトルゾーンには《飛翔龍 5000VT》2体のみしかクリーチャーがいない。

 トリガーを踏み抜いてしまえば抗う手段は一切なく、裏目のリスクも大きい選択肢だ。

 《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》で墓地を返し、メタクリーチャーを建てられればひとまず即座に負けることはない。

 しかしこっちゃーは、この時の手札にメタカードを持てていなかった。《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》でゲームを引き延ばすのであれば、デッキトップから何がしかの有効牌を引き込むことが前提となっていた。

こっちゃー「……いや、もう覚悟決めるしかないか」

 7マナをタップして《CRYMAX ジャオウガ》の召喚を力強く宣言するこっちゃー。急転直下のフィニッシャー登場に、ZweiLanceの表情も苦しい。

 まずはシールドを3枚になるまで墓地に置く登場時能力の解決だが、ZweiLanceにとってとにかく見えてほしくないのは《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》だ。1枚で逆転しうる唯一の有効トリガーであるだけに、墓地に落ちてしまうと勝利はもはや絶望的だろう。

 緊張に手を震わせ、ZweiLanceは自身のシールドを左端から2枚表向きにする。

 ……が、ここで公開されたうちの片方に、《疾封怒闘 キューブリック》の姿が! 快哉を上げるZweiLance、悲鳴を上げるこっちゃー。

こっちゃー「うっそでしょ!?」
ZweiLance「あるあるある、まだある!」

 《疾封怒闘 キューブリック》のどこからでも墓地に置かれた際の能力で《CRYMAX ジャオウガ》が押し返され、こっちゃーに残された打点は《飛翔龍 5000VT》2体のみ。

ZweiLance「頼む頼む頼み頼む」
こっちゃー「ブルースはダメ、それ以外はいける。ブルースはダメ」

 決勝トーナメント4回戦まではシングルエリミネーション。負ければ即トーナメントから脱落となる。

 2人のプレイヤーの明暗が懸かった《飛翔龍 5000VT》のT・ブレイク。ここで全てが決まるとわかっているためか、ZweiLanceはシールドを1枚ずつ確認していき、こっちゃーもそれをよしとする。

 最初の1枚を覗き込む手はゆっくりと。そして、表向きにする手つきは素早く。

ZweiLance「絶対全国行きますから」

 S・トリガーの解決を高らかに宣言するZweiLance。彼の目に、もはや迷いはなかった。

Winner:ZweiLance

こっちゃー「いやもうループから先は省略してもらって大丈夫です。ミスんないでしょ?」

ZweiLance「ぜ〜〜〜ったいミスらんっす!」

 全てのシールドが手札か墓地に加わった今、キーパーツのシールド落ちによるプラン変更すらあり得ない。こっちゃーはループを待たずして投了を宣言した。

 試合後、最終局面を振り返るこっちゃー。

こっちゃー「こっち(《CRYMAX ジャオウガ》)かこっち(《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》)かで迷ってたんだよねぇ」

ZweiLance「いや、《CRYMAX ジャオウガ》で突っ込まれる方が全然キツかったですね。長期戦のが目あると思ってました」

こっちゃー「最低でも《リツイーギョ #桜 #満開》)、もっと言うと《とこしえの超人》立ててから詰めたかったんだけどね。《邪招待》が2枚も見えてたから、残りの除去は相当限られてただろうし。

 ただ、相手がZweiくんなら墓地リセット見えてる相手にルーターをキープしないなんてことはないからもう1枚持ってるだろうし、《飛翔龍 5000VT》で返した《絶望神サガ》を途中でマナに埋めたってことはそれとは別に手札にも抱えてるはず。……持ってたよね?」

ZweiLance「どっちも持ってました」

こっちゃー「だよね。何も持ってなさそうなら墓地リセットでよかったんだけど、ルーターと《絶望神サガ》がセットであったら厳しいし、後ろに伸ばせば伸ばすほど不利になると思って攻め込んだんだけど。いや〜、通んなかったかぁ〜」

 《飛翔龍 5000VT》を2体連続でバトルゾーンに送り込み、中盤までは優勢にゲームを進めていたこっちゃー。

 対戦相手の実力を信頼するがゆえに、強引にでもフィニッシュへ向かう方が勝率が高いと考えての見事な決断だったが、最後の最後、たった1枚のS・トリガーに泣かされる結果となった。

 しかし、だからデュエル・マスターズは運だけでゲームが決まるのかと言われれば、それは違う。

 こっちゃーがトリガーを割り切らざるを得ないところまで追い込んだ、そこまでのZweiLanceのプレイングがあってこその結末なのだ。

 緻密なプレイングの応酬の果てに、たった1枚、まさに紙一重の差が明暗を分ける。デュエル・マスターズの真髄が宿ったゲームだった。

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