デュエル・マスターズ

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超CSV大阪 決勝Round 4:reo#えもかふぇ vs. ブラックブレット

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:出端 敏夫

 勝者の頂点、その山頂まであと半歩。

 だがその半歩がどこまでも、果てしなく遠い。

 予選と決勝、計11回戦を終え、約2000名いたプレイヤーは16名にまで絞られた。

 すなわち、一つの節目であり《我我我ガイアール・ブランド》のプロモももらえるトップ8まで、あとたったの1勝ということだ。

ブラックブレット「フィーチャー席ってこんな感じだったんかー」

reo#えもかふぇ「うわ、ここに来るの感動しますね……」

ブラックブレット「YouTubeの配信でよく見るやつ」

reo#えもかふぇ「そうですね、後ろにカードのパネルあるの格好良いですね」

 初めて入るフィーチャーマッチエリアを見て感慨深そうに語ったのは、超CSⅣ宮城でもベスト64に入賞した経験を持つ7月29日現在DMPランキング全国55位の強豪、reo#えもかふぇだ。

 大勝負に臨む自らの勇姿を見届けて欲しいとばかりに、Twitter……ではなくXのハッシュタグ#フィーチャーmeで元気良くアピールしてくれていたことが呼ばれるきっかけとなった。おそらく自らを追い込んで鼓舞する意図もあるのだろう。

 一方、対戦相手のブラックブレットはスマートフォンアプリ「デュエル・マスターズ プレイス」も精力的に嗜んでいるようで、デュエマ全般に関する地力の高さが窺える。

 入念なシャッフルを終え、対戦準備を済ませると、どちらからともなく吐いた深い息の音が互いに重なる。

 一度きりの晴れ舞台。一度きりの全力。一度きりの真剣勝負。譲る気など毛頭ない。

 だがそれでも、勝者は常にただ一人だ。  勝者の頂点(ビクトリーBEST)、その縁に手をかけるのははたしてどちらか。

Game

 予選順位で先攻となったのはreo#えもかふぇ。《》チャージで「サガループ」であることを実質宣言したのに対し、ブラックブレットは《Disジルコン》チャージで応える。  返すreo#えもかふぇのアクションは《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》チャージからの《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》で、《邪神M・ロマノフ》を捨てて動きは順調そのものだが、2ドローを見て少し首を傾げた様子から《絶望神サガ》は持っていなさそうな雰囲気だ。

 他方のブラックブレットは、とはいえそんな頼りない外部情報を鵜呑みにするわけにはいかないとばかりに、《Disジルコン》チャージから《とこしえの超人》を立て、3ターンキルをしっかりとケアしていく。

 するとreo#えもかふぇは長期戦を見据えてか、《邪招待》チャージから《》を唱えてブラックブレットの足回りを崩しにかかる。  だが、公開されたブラックブレットの手札は《キユリのASMラジオ》《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》《天災 デドダム》《天災 デドダム》という強力な内容で、reo#えもかふぇは多色ドローでかろうじて裏目が作れそうな《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を落とすしかない。

 対するブラックブレットは引き込んだ《CRYMAX ジャオウガ》ほぼ躊躇なく(・・・・・・)チャージすると、《天災 デドダム》を召喚。《キユリのASMラジオ》をマナに置き、《幻緑の双月/母なる星域》を墓地に落としてターンを終える。 reo#えもかふぇ「考えます」

 そしてこの一連は、reo#えもかふぇに疑念を抱かせるには十分すぎた。

 少考ののち、reo#えもかふぇの応手は《邪招待》チャージから再びの《》

 そして公開された3枚は、既知の《キユリのASMラジオ》《天災 デドダム》と……《幻緑の双月/母なる星域》

 手札破壊がなければ、次のターンに《天災 デドダム》から後攻4ターン目《CRYMAX ジャオウガ》着地まで決まっていた。《天災 デドダム》で見えた3枚の中に《幻緑の双月/母なる星域》が2枚あり、《幻緑の双月/母なる星域》を見せざるをえなかったブラックブレットの不運もあるが、reo#えもかふぇの巧みな手札読みが刺さった格好だ。 ブラックブレット「墓地確認してもよろしいでしょうか?」

 一方、ターンが返ってきたブラックブレットはreo#えもかふぇの墓地を確認する。次は5マナ目、《龍素記号wD サイクルペディア》がある。ゆえの確認だろう。

 そう思われた。だが。

 《キユリのASMラジオ》チャージからの《天災 デドダム》《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》をマナに置いたブラックブレットのアクションは……何と3枚目の《幻緑の双月 / 母なる星域》!!  かくして、後攻4ターン目に《CRYMAX ジャオウガ》が降臨する。

 そう、墓地確認は単にジャスキルを防ぎうるトリガーがあるかどうかの確認だった。reo#えもかふぇの楯2枚が焼却され、《CRYMAX ジャオウガ》がT・ブレイクしに行く。reo#えもかふぇの手札からは、抱えていた《飛翔龍 5000VT》が出番なく墓地に送られる。

 祈るように3枚の楯を見るreo#えもかふぇ。はたしてトリガーしたのは……《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》のみ。

ブラックブレット《天災 デドダム》でダイレクトで」

reo#えもかふぇ「……通ります。ありがとうございました!」

Winner: ブラックブレット

reo#えもかふぇ「悔しい~!」

ブラックブレット「そっちのプランの裏目を引かせちゃった感じですね……申し訳ないんですけど《幻緑の双月/母なる星域》落とされた後のトップが《幻緑の双月/母なる星域》でした」

reo#えもかふぇ「脇に《天災 デドダム》1枚だけなら3点で殴ってこないかなーという淡い期待もあったんですけどね……こっちは《飛翔龍 5000VT》出せることを祈るしかなかったので」 ブラックブレット《絶望神サガ》を引いてなさそうな場合は《飛翔龍 5000VT》をケアしないといけないので、《CRYMAX ジャオウガ》着地後の状況は《飛翔龍 5000VT》の線を捨てるか2コス除去+《絶望神サガ》の線を捨てるか、みたいな感じでしたね。それで《飛翔龍 5000VT》を持ってそうだなーということで殴りました。そちらの手札2枚だったんで、トリガーで耐えられたとしても返しでループが決まる確率もそこまで高くないかなーと」

reo#えもかふぇ「なるほど。今回そのデッキでここまで勝ち上がるほど慣れてらっしゃるのが相当すごいですね」

 トップ8進出を決め、晴れ晴れとした表情でフィーチャーテーブルを後にするブラックブレット。

 フィーチャーマッチエリアに最後に残ったのは、reo#えもかふぇの去り際の慟哭だけだった。


reo#えもかふぇ「悔しいーーー!!!」

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