デュエル・マスターズ

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超CSV大阪 Round 2:ミノミー vs. 地雷屋

ライター:齋藤 陽(あーくん)
撮影者:出端 敏夫

 DMPランキングを走ることは、最も確実に全国大会に行ける方法だ。

 これは2017年からずっと変わらない。競技デュエル・マスターズにおける普遍的なルールである。
 だがしかし、物事は何事も月日とともにインフレしていく。
 そして2023年のDMPランキングは、そのインフレの極みとも言える。

 毎日行われるCSに、1日2回参加は当たり前。集計期間が終わっていないのに、その勢いは22年度後半をゆうに超えている。
 人間の限界に挑むような、最大限に加速しきったポイントレースが日々繰り広げられているのだ。
 彼らが目指すのは全国大会の出場。そして全国1位の実績。
 それらは何物にも変えられない価値を持っている。
 
 そして、現在のランキング1位に君臨するのがミノミーという男である。
 インフレするポイントの波を乗りこなし、ただ一人30000ポイントの大台に足を踏み入れている。
 超CSⅢの優勝や、最強位決定戦の出場経験もあり、フィーチャーテーブルという場でもその表情は穏やかなままだ。

 対する地雷屋は「フィーチャー、初めてなんですよね」と少し緊張している様子を漏らす。
 地雷屋はランキングを走っているわけではない。しかし、超CSもまた全国大会への道である。
 この場においては二人は対等。超CSという場所において目指す場所は同じなのだ。
 やがてシールドを並べ終わると程なくしてジャッジが試合開始のコールを入れた。

 ここで負ければトーナメントからは実質敗退。
 ミノミーという大きな壁を、地雷屋は超えることができるだろうか。

先攻:ミノミー  手札を確認すると、一切迷わず《堕呪 エアヴォ》をチャージしてターンを終える。
 彼の使用デッキは【水魔導具】。長年ミノミーを支えるパートナーだ。

 対する地雷屋は、《"逆悪襲"ブランド》チャージからの、《凶戦士ブレイズ・クロー》  【火単我我我】か【火自然逆悪襲】か……。
 どちらにせよあまり時間がないことを突きつけられたミノミー
 手札には頼みの綱である《卍 新世壊 卍》もなく、少し表情が曇る。  2ターン目、ミノミーは《堕呪 バレッドゥ》で回答を探しに行き、一度手を止める。
 マナにも手札にも闇文明がない状態で、《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》が一枚。
 他のカードは魔導具呪文と《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》だ。

 速攻デッキに対して、≪凶鬼98号 ガシャゴン≫をブロッカーとしてプレイすることは珍しくない。
 しかし、今このカードを持ったとしてこの後プレイできるのだろうか。
 しばらく悩むと、使わないだろうということで墓地に捨てる。

 地雷屋は対象的に即決即断。

 《カンゴク入道》プレイから《凶戦士ブレイズ・クロー》で即1点。
 実質的な王手をかける。

 ミノミーは《堕呪 カージグリ》で少しでも延命を図る。
 【火自然逆悪襲】であれば、まだ間に合ったかも知れない。
 だが、《カンゴク入道》のプレイから分かる通り、地雷屋のデッキは【火単我我我】だ。
 そして、【水魔導具】と対面したとき、【火単】の3ターン目は止まらない!  地雷屋はテンポよく《ホップ・チュリス》をプレイすると、そのまま《我我我ガイアール・ブランド》に進化!  クリーチャーを順番に寝かし、行く手を阻むトリガーがないことを確認すると、地雷屋が吠えた。

Winner:地雷屋

ミノミー「これは無理w」

 広げたカードを畳みながら、受け入れたように笑う。

 【水魔導具】の選択理由は、「上位に行った際に【サガループ】に有利がつくようになるから。【サムライ】とか速攻系は割り切る」と、ハイリスク・ハイリターンを意識した選択だった。
 そのため、このマッチアップになった時点である程度覚悟はできていたのだろう。

地雷屋「勝ち進むにつれ【水魔導具】は増えると思っていたから、《爆鏡 チッタ》《ホップ・チュリス》を入れて速度を大事にしました」

 【火単我我我】を選択したのはまさしくこの【水魔導具】を強く意識したためだ。
 お互いに【サガループ】を使用しない中で、地雷屋のメタ読みが上手くハマった。
 その結果地雷屋は、しっかりとランキング1位に勝利を収めたのだった。

 最後に、ミノミーに半ば確認する形でこの後の予定を尋ねてみた。

ミノミー「もちろん、サブイベントのCSでポイントで稼いでくるよ」

 そう言うと、現ランキング最強の男は笑って席を離れた。

 大会が終わっても、また次の大会へ。
 ランキング1位は、日々の積み重ねにより成り立っている。


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