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超CSV大阪 Round 3:ひんた vs. いれぎゅらー

ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影者:出端 敏夫



 呼んだ。全国2位に呼べと言われて呼ばない方が難しい。  歴代最強デッキとも言われる【晩餐サガ】を握るひんた、ランキングでの勢いは大阪でも健在だ。初戦は【水魔導具】という不利対面を捌き、2戦目は先攻3ターン目にループ始動という上り調子。トップランカーの強さを魅せつけている。

 対するは西の古豪いれぎゅらー。同じく【晩餐サガ】を握り、【光火サムライ】【火自然RX】というイレギュラー対面を難なく制して連勝中だ。

 デッキとプレイヤーの実力がぶつかる超CS3回戦、さっそく追っていこう。 先攻:ひんた

 《飛翔龍 5000VT》を埋めてターンを渡すひんた。これに対していれぎゅらーは頭を悩ます。

 「DM23-EX1 デュエル・マスターズTCG 大感謝祭 ビクトリーBEST」屈指のパワーカードである《飛翔龍 5000VT》は水文明を使うデッキ全てに採用が検討されているといっても過言ではない。つまり、いれぎゅらーは対面するひんたのデッキを特定できずにいるのだ。
 自身の強いプレイより対応力を採ったいれぎゅらーは《》を埋めてターンを返す。《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》の下面で相手の出方を伺うプランを選択したようだ。  いれぎゅらーの使用デッキが自身と同じ【晩餐サガ】と特定できたひんたではあるが、手札があまり喜べない。《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》の上面を召喚し、最低限の墓地肥やしを望むも、墓地に落ちたのは呪文の《蝕王の晩餐》《絶望神サガ》の効果起動には道のりが遠い。

 いれぎゅらーは≪ウォズレックの審問≫で追い打ちをかける。ひんたの手札に眠る《絶望神サガ》を墓地に落とすが、ひんたもただではやられない。≪「迷いはない。俺の成すことは決まった」≫で先ほど落とされた《絶望神サガ》を蘇生、その効果が起動!

 ……が、《絶望神サガ》の効果対象はみつからず、いれぎゅらーにターンを渡す。  いれぎゅらーは《ドアノッカ=ノアドッカ / 「…開けるか?」》の呪文側によって《絶望神サガ》を丁寧に処理。お互いに自身の強い動きをできないまま、ゲームはどんどんもつれ込む。

 ひんたはマナチャージのみでターンを終えるが、ターン終了時に≪冥界の不死帝 ブルース≫が墓地に落としたのは《邪神M・ロマノフ》《絶望神サガ》の蘇生先を用意できたひんたはいれぎゅらーの首元に迫る。
 いれぎゅらーも《蒼狼の大王 イザナギテラス》から《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文側を唱え、墓地に《蒼狼の大王 イザナギテラス》を落とすと準備完了。しかし先にチャンスを掴んだのは先攻のひんただ。

 《蒼狼の大王 イザナギテラス》を召喚し、手札に加えた≪「迷いはない。俺の成すことは決まった」≫をそのまま唱えると本日2度目の《絶望神サガ》を場に出す。蘇生対象はもちろん先ほど用意した《邪神M・ロマノフ》。Mデッキ進化で2枚目の《絶望神サガ》を探しにいくがゴッドもオリジンも見つからない。  ひんたは考えた。マナゾーンに≪「迷いはない。俺の成すことは決まった」≫はある。墓地に《絶望神サガ》もある。しかし蘇生対象がいない。《絶望神サガ》の登場時1ドローで回答が引けるか?もし無ければ?《邪神M・ロマノフ》の攻撃でいれぎゅらーに手札を与えた上でターンを返さなければならない。いれぎゅらーはまだ≪エマージェンシー・タイフーン≫のような手札入れ替えを1回しかしていない。手札も3枚だけ。

 検討の末、ひんたは《邪神M・ロマノフ》で攻撃しなかった。この時点でいれぎゅらーの手札には《絶望神サガ》が1枚のみ。選択としては正しかった。否、この時点"では"正しかった!

 いれぎゅらーのターン、山札の一番上から駆けつけたのは《絶望神サガ》!!  《絶望神サガ》が召喚されると《絶望神サガ》が墓地に行く。

いれぎゅらー《絶望神サガ》の効果で1枚引いて1枚捨て、《絶望神サガ》を出します。」  《絶望神サガ》によるドローループを丁寧に説明し、《龍素記号wD サイクルペディア》《蒼神龍ヴェール・バビロニア》が墓地に落ちた段階で一気に山札を掘り進める。《龍素記号wD サイクルペディア》の登場時効果を使い続けるループまで証明を終えると、《蒼神龍ヴェール・バビロニア》によってひんたの山札と手札を完全掌握。
 ここまでの証明を終え、ひんたは自身の勝ち筋が無いと悟ると負けを認めた。

Winner:いれぎゅらー


いれぎゅらー「初手の《飛翔龍 5000VT》埋めでアナカラー系想定だったんですけどやられました。」
ひんた「イザナギさえ見えてたらなぁ…」

 派手なループに目を奪われがちな《絶望神サガ》ではあるが、そこに辿り着くまでのドロー、手札破壊、キープといった行為はデュエルマスターズの基本のキである。そんな基本のやり取りの重要さが彼らの感想戦から想像できるのではないだろうか。
 壮絶なつばぜり合いを魅せてくれた両名に拍手を送りつつ、本文を締めたい。

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