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超CSV大阪 Round 5:すばるな vs. すざきゅ

ライター:河野 真成(神結)
撮影者:出端 敏夫

 2022年は、約2か月を掛けて4回の超CSが開催された。

 その最後となった京都大会で優勝したのが、すばるなだった。彼が使用した【火自然アポロヌス】は、最後までその勢いを落とすことなく勝ち続けた。まさに「超神羅星」の煌きである。  そして年が変わって2023年。超CSのフィーチャーエリアに、すばるなが帰ってきた。
 
 だが今回彼が携えているのはアポロではない。デュエマ界のエターナルブルーこと、【水魔導具】だ。 「卍壊」でターンを取り、《神の試練》の無限ループでゲームを締める。一度パターンに入ってしまうと、相手にターンは返さない。

 ここまでのラウンドは順調に勝ち星を挙げていたものの、4回戦でサガに敗北。ここはなんとしても踏ん張りたいところだ。

 対するすざきゅは、デュエマ自体は長くやっているが、大会への参加は約3年振りだという。
 超CSの王者に対して、何処まで食い下がることが出来るだろうか。 先攻:すばるな  すばるなの初手チャージは《堕呪 カージグリ》
 対してすざきゅは《ボルシャック・栄光・ルピア》をチャージする。アドバンスであれば【モルトNEXT】や【ガイアッシュ覇道】などで使用されるメジャーなカードであるが、オリジナルでは比較的珍しい。
 
 すばるなが2ターン目の《堕呪 バレッドゥ》とまずまずの動きだったのに対し、すざきゅは《メンデルスゾーン》。マナに置かれたのは《》
 
 もしや……とすざきゅの手札を見ると、あった。ビクト……ではなく、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》だ。  元々刃鬼を使っていたというすざきゅ。先日新たに登場した《「勝利」の頂カイザー「刃鬼」》を使い、更にそこに必勝も上乗せしてしたという、新旧混合の刃鬼だ。  新刃鬼はもちろん、旧刃鬼も未だに破壊力抜群である。一度降臨したら、その時ゲームは終わってしまうだろう。まさしく「必勝」であり、「ビクトリー」だ。

 しかし「必勝」という点で言えば、【水魔導具】は負けてはいない。……いや、むしろ上回っているとすら言えるかもしれない。「卍壊」もまた、概念で言えば刃鬼と同じだ。
 
 であらば、どちらが先に大技を決めるか。
 
 素直に両者が押し相撲をしたら、「卍壊」の方が起動まで早いだろう。すざきゅとしては、《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》の呪文側などで《卍 新世壊 卍》を剥がすといった工夫が必要になる。
 
 さて、すばるなは3ターン目に《卍 新世壊 卍》を展開すると、そのまま《堕呪 ゾメンザン》と順調にゲームを進める。
 一方のすざきゅも《ボルシャック・栄光・ルピア》で追加の2ブーストを決めて、すばるなを猛追する。
 
 4ターン目、《堕呪 ゴンパドゥ》から《堕呪 バレッドゥ》と唱えて、《卍 新世壊 卍》のカウントは3つ。これで王手だ。  なんとかしたいすざきゅだったが、2コストで唱えたのは……《メンデルスゾーン》だった。奇しくもマナに≪超英雄タイム≫が落ちていき、そのままターンエンドとなる。
 
 それでもすざきゅのマナは9まで伸びた。《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を引かれていない、あるいはその後に出てくる《「無月」の頂 $スザーク$》の枚数次第では……。
 
 だがその希望を打ち砕くように、すばるなはカウントを進めて《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》へと至る。
 そう、必殺の「卍壊」だ。
 
 そして手札から、墓地から《「無月」の頂 $スザーク$》が出てくる。
 
 ……それも、4体。  すざきゅの手札は全て叩き落とされ、逆にすばるなは最大12枚ドローが可能となった。
 これが「卍壊」の威力ということだろうか。
 
 《「無月」の頂 $スザーク$》のドロー効果で「1枚ずつ」と宣言したすばるなだったが、途中からその動きに澱みがなくなる。残り山札を数え、3枚となったところでストップした。
 
 こうして得た追加ターンで、唱えたのはやはり当然の《神の試練》。更にターンを追加していく。
 
 そしてドラゴンデッキに、追加ターン込みの打点を捌く防御力は持ち合わせていない。

 4体の《「無月」の頂 $スザーク$》が駆け、必殺の「卍壊」が見事に「必勝」を打ち破った。

Winner:すばるな


 超CS王者のすばるなが、貫録の勝利を見せた。
 比較的早い段階で《卍 新世壊 卍》へと辿り着けたこと、そしてそれを維持出来たことが直接的な勝因と言えるだろう。
 
 対してすざきゅとしてはしっかり初動を引けていただけに、後続がなかったのが悔やまれる。
 すざきゅに《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《蒼狼の大王 イザナギテラス》があれば、また違ったゲーム展開になっていただろう。≪超英雄タイム≫の直引きでも良かった。
 
 その上で《卍 新世壊 卍》を割られたとしても、墓地に落ちた魔導具から《「無月」の頂 $スザーク$》が出て……というのもまた、1つのゲームである。
 
 もちろん、少し《卍 新世壊 卍》が遅れていれば、マナ加速をしっかり決めていたすざきゅに「必勝」の展開が訪れていたかもしれない。

 要するに「必勝」にせよ「卍壊」にせよ、大技を持つデッキ同士の対戦というのは――それを巡る駆け引きも含めて――とても面白いものである。

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