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超CSⅤ大阪 :サブヘッドジャッジインタビュー:遊佐俊則氏

ライター:河野 真成(神結)
撮影者:出端 敏夫

 大阪から遠く離れた杜の都、仙台。名将伊達政宗の最高傑作とも言えるこの城下町で、活動を続けているジャッジがいた。

 彼の名は遊佐俊則。プレイヤーとしてはkairenの名でも活動している。

 彼は仙台を中心とした宮城県内でジャッジ活動を続けており、またジャッジの中でも特にルールに明るいという。そうした実績・そして知識を買われたのだろう。今回の超CSⅤ大阪において、サブヘッドジャッジに抜擢された。
 
 実際、宮城県のCSと聞けばだいたい彼がジャッジをしているというイメージが、筆者にもある。
 
 しかし、その人となりについてはあまり知られていないように思う。実際、ジャッジの個性や個人的な活動について、フォーカスされるケースは少ないように思う。
 では、彼の人となりはどういったものなのだろうか。また現在、何を想い、どういった活動をしているをしているのだろうか。
 
「ないと思っていたのに……」と冗談めかしながらも、今回インタビューに応じてくれた。

総合ルールは面白い!


――本日はよろしくお願いします。
遊佐「あの、その前に1ついいですか?」

――なんでしょうか?
遊佐「新潟の時って、前日に森さんとか小林さんに予め『明日はインタビューするので、お願いします』って連絡が来ていたんですよ」

――はい。
遊佐「それで、昨日は特に連絡なかったので。『よかった、明日はインタビューないんだ』とホッとしていたんですが……」

――サブヘッドジャッジが遊佐さんと聞いていましたので、私の方から、是非と。
遊佐「油断していました」

――改めて、よろしくお願いします。今回サブヘッドジャッジということでしたが、以前公式大会でヘッドジャッジをしてらしたこともありましたよね?
遊佐「あれは東北エリア予選でした。2019年だったかと思います」

――ありがとうございます。それではまず、遊佐さんがジャッジになったきっかけを教えてください。
遊佐「元々プレイヤーとしてデュエル・マスターズを遊んでいたんですけど、2018年に盛岡(岩手県)でジャッジ試験があったんですね。その当時、CSの運営側にも興味があったんです」

――それで受験をしようと。
遊佐「ここまでデュエマで長く遊ばせてもらっていたので、盛り上げるようなことをしたい。何か恩返し出来るようなことがあれば……と思っていて、その中でジャッジ資格があった方が動きやすいかな、と思って受験しました」

――なるほど。ジャッジになってからはどのように経験を積んで来たのでしょうか?
遊佐「公式大会……エリア予選とかGPはなるべく参加するようにしていました。あとは自前のCSもやっています。あとはジャッジの皆さんとのコミュニティを持つことで、交流をしたり、経験を共有してもらったりして、それも参考にさせていただきながら、ジャッジ活動を続けている感じですね」

――聞いた話によると、遊佐さんはジャッジの中でもかなりのルールオタクだとか……。
遊佐「そう……ですね。『よくある質問を見る会』とか、有志のルールまとめサイトを作ったりとか、あとは(総合ルールの)読み合わせとか……。そういったこともやっています。あの、総合ゲームルールを読むのって面白いなって思ってて、ここ数年はそういった活動もしています」

――総合ルールを読むのが面白い……?
遊佐「うーん、そうですね……。例えば、よくある質問が更新された時なんかがそうなんですけど、プレイヤー間で裁定変更が話題になることってあるじゃないですか。でもあれって、実は変更というよりも『ルールとしては未定義だった』という場合も結構あるんですよ」

――法律の抜け穴的な部分も、どうしても生じているということですね。
遊佐「それで更新された内容を見て、『確かに言われてみればあの部分はあんな感じだったな……』という発見が後からあったりして。そういうのって、面白いなって思っているんですよね」

――なるほど……プレイヤー側が裁定変更として話題になることも、ジャッジ側としては違う印象を受けていることがある、っていうことでしょうか。
遊佐「そうですね、プレイヤー側から見ている景色と、ジャッジからとでは違うこともあるだろうな、とは思っています。この前の《星龍の記憶》に関する裁定なんかも、それ一例だと思います」

――ルールを読み込むと、そういうことにも気付く、と。
遊佐「よくある質問が更新されたことで、改めて気付ける……という感じですね。面白いです」


宮城のプレイヤーが活躍できる環境を


――遊佐さんは宮城で活動していると思うんですけど、地域で活動する上での目的とか目標、或いはご自身で活動する上での工夫といったものがあったら、教えてもらってもいいですか?
遊佐「(低い声で)これ、ちょっと時間を貰うかもしれないです」

――ど、どうぞ。
遊佐「まずこれは語弊のないのように書いて欲しいんですけど、自分の活動目標として大型大会で宮城のプレイヤーが結果を残せるような土壌・環境を作りたいと思っているんです」

――プレイヤーに肩入れするというわけではなく、『地元のプレイヤーが強くなれる』或いは『強いプレイヤーが活動しやすい』ような環境を作りたい、ということですね?
遊佐「そうです。ですのでそのために自分でCSを開催したり、或いは仙台CSさんに協力させていただいたりといった形で、CSの開催数を担保しつつみんなが遊べる環境を作るのが1つの目標だったんですよ」

――そういった環境を主催・ジャッジとして整備する、ということですね。
遊佐「ただ最近ですと、『最強位決定戦』にUMEBAさんが出場したり、あとはDMGP2022で上田秋斗くんが勝ってくれたりして……この目標は達成しつつはあります。今後はそうですね……やっぱりランキングを走るにはちょっと厳しいので、そこはランキング制度の是正を期待しつつ、他のイベントとも連携を取っていきたいと思っています」

――連携というと、開催日や時間をずらしたり、といった調整、ということですか?
遊佐「結構頑張って調整しているんですよ(笑)ただ東北はどうしてもプレイヤー総数が確保しづらい状況ではあるので、そこをどうやって人を持ってくるかな、というのは課題ですね」

――プレイヤーの数というお話ですと、遊佐さん……もとい、kairenさん自身も結構CS出てらっしゃいますよね? なんならこの前優勝していましたよね?
遊佐「そうですね。プレイヤーとしても、デュエル・マスターズが好きなんですよ。それで自分も県内ランキングでスリーブ貰えるくらいには頑張ろうと思っているんですが……」

――やはりライバルが強い?
遊佐「いや、そうではなくて、例えば仮に自分が勝って1000pts獲得したとして。翌日、今度は自分がやっているCSで、1200とか2400ptsとかを他のプレイヤーに配るんですよ」

――あっ……。
遊佐「ジャッジボーナス差もありますし、気付けば1回入賞分くらいの差が出ちゃって(笑)」

――そうなると、ご自身のためにも同じ宮城県内で後進のジャッジを育てる必要が……?
遊佐「実際ジャッジに興味を持って、東京で試験した際に受かってきた子も結構いるんですよ」

――ではそういった新しい人たちを、自分のCSで育成するようなこともあるということですか?
遊佐「そうしたい想いもあるのですが、小さめのCSですとジャッジを複数付けるのが難しかったりもするので。中々上手くはいかないんですよね」

――私もCSの主催をしているのでその辺りの難しさはわかります。となると、大きなCSを開催する、みたいなことを考えていますか?
遊佐「やりたいですよね、大きなお祭りみたいなCS。それはそれとして箱とか別な問題もあるので、簡単にはいかないんですが……。とにかく、自分もデュエマを楽しめるというようにはしたいので、後進の育成というのも1つの方法ですし、何か考えてはいきたいですね」


理想のジャッジ、目指すコミュニティ


――ところで、超CSⅤのインタビューで森さんや小林(遼平)さんのインタビューってお読みになりました?
遊佐「あ、見ました見ました」

――森さんのインタビューの中で「ジャッジとしての強み」といった話題があったと思うんですけど、遊佐さんは自身のジャッジとしての強みがどんなにところにあって、そして「こういう部分を伸ばしたい」といったような部分ってありますか?
遊佐「うーん、ちょっと難しい……(笑)現状だと、ルールには強いとは思うんですよ」

――まぁ、そうなりますよね。
遊佐「ただフロア、特にプレイヤーとの付き合い方という点ですかね。問題が起こったとき、どういった対応をすればいいのか、どういった話し方をすればいいのか、そういったところの経験値がまだ自分には足りていないかなぁ、と思っています」

――プレイヤーとのコミュニケーション力、といった点ですかね?
遊佐「そうですね。東北のプレイヤーの皆さん、本当にいい人が多いんです。だからあまり、トラブル自体が少なくて……」

――逆に。
遊佐「トラブル起こりづらいからこそ、起こったときの対処法という……アドリブ力と言うんですかね? そういったものが培えていないなぁと思っていて、そこは伸ばしていくべき課題かなぁ、と認識しています」

――特にSNSなどでは、トラブル報告も多いですからね。
遊佐「その点で思っていることとして言えば、何かしらプレイヤー同士のトラブル……攻撃的な発言とかですね。そう言ったものが起こらないよう、互いに互いを注意し合えるような、そんな環境は作りたいと思っています」

――遊佐さんが目指しているコミュニティの形として、ということですね。
遊佐「そうですね。負けて気が立ってちょっと攻撃的になるのもわかりますけど、会場にいるのはみんな同じデュエマで遊んでいる仲間ですから。『まぁまぁ』『ちょっと落ち着こうぜ』みたいな声掛けが自然と起こるといいですね。最初はジャッジが注意するでいいんですが、あとは自ずからそういう空気になっていくといいのかなぁ、と思っています」

――この辺りはデュエマのコミュニティ全体の課題でもありますね。改めて、本日はありがとうございました。ちなみに仙台で大型CSを開催するのなら、私も遊びに行きます。
遊佐「実現したらぜひ。お待ちしております(笑)」


 「kairenさんはルールオタク」なんて話を、他のジャッジから何度が耳にしたことがある。特にスペシャリストが集まるジャッジの中でもそういった評判なのだから、恐らくその分野に関しては頭抜けているのだろう。

 その上で彼は、広い範囲での「デュエル・マスターズ」が好きなようだった。それはルールはもちろんだが、プレイヤーとしても楽しむし、また地元のプレイヤーのための環境を作ることも惜しまないし、プレイヤーコミュニティの成熟も願っている。
 
 そんな彼の豊富な知識や、デュエル・マスターズへの愛情は、今後も様々な場面で必要とされるはず。
 
 彼の活躍によって宮城県、そしていずれはもっともっと広い地域で、デュエマのイベントシーンが成熟していく――そんな未来を、元宮城県民としての筆者は願っているし、楽しみにしたい。


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