超CSⅤ大阪 TOP5カード
ライター:山口 海斗(ジャイロ)
大盛況のうち幕を下ろした超CSⅤ大阪。本大会の注目カードを5つ挙げて解説していこうという本コーナー。環境そのものに注目して掘り下げるメタゲームブレイクダウンや、1戦1戦の対決に注目して掘り下げるテキストカバレージ、それらの記事と併せて読んでいただくことで、皆さんの理解に繋がれば幸いである。堅苦しいご挨拶はここまで!さっそくカードを見ていきましょう!
5位 《飛翔龍 5000VT》
直近のデュエルマスターズはメタカード祭といっても差し支えないでしょう。右を見れば《とこしえの超人》、左を見れば《若き大長老 アプル》、空を仰げば《ルピア炎鬼》、目の前に立つのは《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》。ここまでの環境になった理由はあのカードなのですが、ここではいったん割愛。そんなメタカード祭に待ったをかけるのがこの《飛翔龍 5000VT》なのです。
クリーチャーが並べば並ぶだけ軽くなるコスト、次の展開すら咎める強力なロック性能、申し分のないパワーと打点、おまけにジャストダイバーまで!
クリーチャーを並べて押し切ろう、というデッキ(【水闇自然ジャオウガ】や【光水火鬼羅.Star】など)は根本から構築を見直さなけらばならないレベルで影響力の強いカードと言えます。
また、メタクリーチャーにも大幅な見直しが必須です。従来《若き大長老 アプル》を採用していたデッキは、《飛翔龍 5000VT》の着地を咎める《キャディ・ビートル》に切り替わったり、相手ターン中はパワー6000になるため効果の対象から外れる《リツイーギョ #桜 #満開》が注目されたり。
対面した時だけでなく、《飛翔龍 5000VT》という存在そのものが環境を大きく変化させています。今後もデュエルマスターズというゲームに大きく影響を与えることでしょう。特に水文明を採用しているデッキと対戦する際は要注意ですね。
4位 《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》
《飛翔龍 5000VT》の登場によって環境は大きく変化しました。そんな環境の荒波を乗りこなしたのが【光火サムライ】をはじめとしたサムライデッキです。ここでは代表として《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》を挙げます。《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》は、1枚で何でもこなせるスーパーカード。メタカードの見直しがなされた現環境において、それでも刺さるメタカードを使われた際は持ち前のエレメント除去で対応。自身の展開能力に繋げます。おまけに【水魔導具】の《卍 新世壊 卍》のようなフィールドまで除去できる器用さもあります。【光火サムライ】の強さは彼だけではありません。
まず挙げられるのは持ち前のパワー。《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》も《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》もパワー6000!《飛翔龍 5000VT》が効きません。また、クロスギアによる展開は相手の妨害を受けにくく、《》のクリーチャー側による呪文メタでとあるデッキのループを阻害したりと、環境的な立ち位置が良かったと言えますね。
まさか令和の世にクロスギアが強くなるとは…!超次元ではない《スカイ・ジェット》や《オレは決闘者!!》が採用されたデッキが入賞していたりと、まだまだ研究途中のデッキなので今後の動向に注目です。
3位 《邪幽 ジャガイスト》
《飛翔龍 5000VT》が強いなら、そもそも土俵に乗らなければいいじゃないかという話もあります。【火単我我我】や【火自然アポロ】のように《飛翔龍 5000VT》を出される前にゲームを決めてしまおうというのも考え方のひとつです。3ターン以内にゲームを決めることは、環境最大手のあのデッキへの回答にもなりうるので、今後見かけることも増えるのではないでしょうか。それを踏まえて、今回の《邪幽 ジャガイスト》を語らせてください!実はコイツ、ブロッカーなんです!
……そんな今更なことを大声で言っても仕方ないかもしれませんが、このブロッカーというテキストがやたらと強いのは事実です。
直近まで環境を騒がせていた【闇火テレスコ】の防御カードである《百鬼の邪王門》から出てくるカードとして、《邪幽 ジャガイスト》は明確に当たりのカードです。割られたシールドをそのままメクレイドのコストにすることでより上質な墓地を準備できますし、持ち前のパワーの高さでバトルしても、ブロッカーとして運用しても強いです。メクレイドで展開できるのは言わずもがなですね。
従来の《百鬼の邪王門》の当たり枠として積まれていた《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》に比べ、手札から使っても十二分に強いのが差別点。《鬼寄せの術》で3ターン目に着地して《謀遠 テレスコ=テレス》を2体呼んだり、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》でピンポイントに手札破壊をしたり。
アビスの新たな選択肢としても期待ができるこの1枚、真っ先に使いこなすのはあなたかもしれません!
2位 《絶望神サガ》
あのカードとかとあるデッキとか言葉を濁していたのですが、全部コイツです。皆さんはもうご存知かと思います。完璧で究極のカードとはまさにこのこと。金輪際現れないと思います。
本大会TOP128進出デッキも【サガループ】が問答無用で使用率1位。6回戦、7回戦と進むにつれ、カバレージ班の近くにある上位卓は【サガループ】がどんどん増えていったのは流石の実力です。
主にデュエルマスターズの最前線を走るトップランカーの使用率が高く、誰もが信じ崇めてる、まさに最強で無敵のデッキ。弱点なんて見当たらない…と言い切ってしまうのは早計かもしれませんが、明確な不利対面が存在しないのも事実。
前述の《飛翔龍 5000VT》をメタクリーチャー除去として運用するのはもちろん、《飛翔龍 5000VT》で除去できないフィールドやタマシードは《邪招待》で対応。火文明を入れた【水闇火サガ】は《「必然」の頂 リュウセイ / 「オレの勝利だオフコース!」》を入れていたのも面白い試みです。【晩餐サガ】のループ中に、7コストのクリーチャーを《蝕王の晩餐》で《飛翔龍 5000VT》に変換するなど、カードの特性を骨の髄までしゃぶり尽くす貪欲さも。最新の強力なカード達を惜しみなく使い、得意のループで環境を荒らしてきました。超CSⅤ新潟のTOP5カードに続いて堂々のランクインです!
1位 《CRYMAX ジャオウガ》
《飛翔龍 5000VT》で環境は再定義されました。横並びをするデッキは軒並み向かい風です。【水闇自然ジャオウガ】が優勝するなんて誰が想像できたでしょう!もちろん、何の理由も無く勝ったわけではありません。優勝したブラックブレット選手の【水闇自然ジャオウガ】の本質は従来のコントロール寄りの戦い方とは違い、4ターン目に《CRYMAX ジャオウガ》を安定してプレイする中速のビートダウンデッキでした。
メタカードの再定義によって《幻緑の双月 / 母なる星域》の呪文側が通りやすくなった一瞬の隙を狙っての強行!【火自然アポロ】には有効に働かないG・ストライクの採用率が減った今、この瞬間!【水闇自然ジャオウガ】ではお馴染みの《天災 デドダム》《Disジルコン》《キユリのASMラジオ》といったリソースお化けを従え、安定性を限りなく高めた上で《CRYMAX ジャオウガ》を早期に着地させて決着を狙うコンセプト。《母なる大地》+《無双竜機ボルバルザーク》を搭載した【ボルバルブルー】に近しい強さが令和の世に再現されています。
《CRYMAX ジャオウガ》というカードのフィニッシュ性能の高さを、早期着地によって更に根底から押し上げる。この混沌とした環境にまさかこのような解答があろうとは…!文句なしの注目カード1位です!!
そろそろお開きの時間です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは!
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