超CSⅥ群馬 Round 7:小判 vs. 黒兎
ライター:秋山 大空
撮影者:瀬尾 亜沙子
出場権が確定する優勝以外は大型大会での入賞も安全圏でなく、平日の大会に参加するのはもはや当然。
4ヵ月のCS参加数が150回を超えるプレイヤーもいるほど、白熱したポイントレース。
大会会場までの交通費、大会参加費、カードの購入費、平日や休日の時間。
あらゆる時間を注ぎ込んでなお、ランキング上位の門はあまりにも狭い。
惜しくも全国大会への切符を逃した小判も、全てを注ぎ込み、届かなかったプレイヤーの一人である。
小判「強いデッキで優勝一点狙いです」
使用する【水火マジック】は、今一番パワーが高いと言ってもいいデッキだ。
大型大会ではより安全に勝利できる【フィオナアカシック】の人気が高いが、環境の中心と言えば間違いなく【水火マジック】だろう。
トップメタと言うだけあり全てのデッキから警戒され、環境デッキに入る条件は「【水火マジック】に勝ち目があること」と言っても過言ではない。
対する黒兎の使用デッキは【水闇COMPLEX】。
【水火マジック】にとってはやりづらいが、いけないこともないと言ったところ。
どう転ぶかはわからないが、全国大会2023の出場は今大会がラストチャンス。
どうせ最後なら強気に行こう。
先攻:小判 小判の初動は2ターン目の《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》。
黒兎の《同期の妖精 / ド浮きの動悸》召喚を見て、小判は2体目の≪歌舞音愛 ヒメカット≫。
小判「マジック・フレンド・バースト使うか考えます」
小判はこの時悩んでいた。
《芸魔王将 カクメイジン》も無く、《氷柱と炎弧の決断》のようなドローカードもない。
下手に待ち、致命的なタイミングで《終末の時計 ザ・クロック》を踏むよりは、相手のトリガーの価値が低いうちに仕掛けた方が良い。
【水闇COMPLEX】に対して、本来の動きができるのであればゲームエンドまで持ち込める《単騎連射 マグナム》をマナに切る。
事故を起こしたときこそ、ブレずに自身のプランを通し貪欲に勝利を拾いに行くしかない。
一方黒兎は《終末の時計 ザ・クロック》と動く。
場にはクリーチャー4体。4マナで《飛翔龍 5000VT》を出し≪歌舞音愛 ヒメカット≫で1点、更に2体目でもう1点。
黒兎のターンだが、眼を見開き輝かせる小判。
全てを賭けた者の眼が、そこにあった。
黒兎の《奇天烈 シャッフ》も、《飛翔龍 5000VT》の効果で出すことが出来ずターンエンド。
ここが小判の仕掛けどころ。
マナチャージ無しの《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で《飛翔龍 5000VT》と≪歌舞音愛 ヒメカット≫に2回攻撃を付与し攻撃に入る。
《飛翔龍 5000VT》で、魂を込めたトリプルブレイク。
しかし小判の前に立ちはだかるのは、【水火マジック】を使うときに受け入れたリスク。 《電脳の女王 アリス / 不埒な再侵入》で《飛翔龍 5000VT》が飛び、《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》で≪歌舞音愛 ヒメカット≫2体が飛ぶ。
更地になった盤面に、小判の手札は戻った≪歌舞音愛 ヒメカット≫2枚を含めた3枚。
黒兎はシールドこそなくなったが、《アーテル・ゴルギーニ》効果で落ちた《奇天烈 シャッフ》を蘇生し宣言「3」。
トリガーした《終末の時計 ザ・クロック》も残り、無事安全圏。
小判は≪歌舞音愛 ヒメカット≫2体を出し直し、マジック・フレンド・バーストで《奇天烈 シャッフ》と《終末の時計 ザ・クロック》を戻し様子を伺うが、黒兎の《飛翔龍 5000VT》≪同期の妖精≫添え。
手札から≪♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて≫を唱えた小判。
黒兎は≪同期の妖精≫と《アーテル・ゴルギーニ》を出し直し、≪電脳の女王 アリス≫が増える。
《飛翔龍 5000VT》の制限を凌ぎ、《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》で手札を回す。 そんな小判に、黒兎はタイムリミットを告げる。
《奇天烈 シャッフ》召喚の宣言「3」。もう一体《奇天烈 シャッフ》追加で宣言「4」。
そのまま《飛翔龍 5000VT》、《アーテル・ゴルギーニ》、≪電脳の女王 アリス≫の攻撃で勝負が決まった。
Winner:黒兎
小判「今期は終わっちゃったので、しばらくは溜めの期間ですね」
全てを賭けた者の気持ちは、全てを賭けた者にしかわからない。
多くの人間は、その背中から気持ちを推し量ることしか出来ない。
だが、わからないからこそ惹かれるし、わからないからこそ息災を願うのだ。
我々は、彼らが来年度も元気にデュエル・マスターズをしているところを見たいのである。
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