超CSⅨ福岡 決勝Round 4:どこ vs. 天咲
ライター:加藤 太一
撮影:坂井 郁弥
各人に、信じるものがある。サイドイベントもひと段落つき始め空席も多くなる中、朝の時点で約1600人いた参加者は、わずか16人に絞られた。
朝は狩人だったプレイヤーたちも、ここまで激戦を幾度となく乗り越え、その度に好敵手たちの思いを背負い、共に参加した地元の仲間たちの声援を一身に浴して戦う戦士となった。
どこは、広島県で活動するプレイヤーだ。仲間たちの見守る中、応援に手を振って応えており、リラックスしている様子。地元広島の同志であるくろと. から託されたデッキを信じて、その力を証明しここまできた。
向かうは緊張した面持ちの天咲。九州は宮崎県を拠点とし、今週はアドバンスのCSでも入賞して調子も万全。デッキ選択に苦悩し、変更を検討したこともあったが、仲間がそのままいこうと背中を押してくれた。そうして再び自身の相棒を信じ、勝利を積み重ねてきた。
準備中はリラックスしていても、対戦準備を終えれば、辺りは緊張感に包まれる。
次の準々決勝からはマッチ戦。どうしても負けられない、本日最後の一本勝負が、幕を開ける。
Game
先攻:どこ
手札を見たどこは開口一番に「ええ!?」と叫んだ。それもそのはず、手札には大量の《カンゴク入道の巻》が。ただ、これだけあれば迷うこともない。とりあえず1枚はマナに埋めてスタート。
どこは「悪感謝祭 カリスマBEST」で強化された「デモニオ」を持ち込んでいた。
登場以降オリジナルでは既に環境を席巻しており、デッキパワーは折り紙つき。その力でアドバンスにも「支配」の手を広げようという格好だ。
驚きのスタートとなったどこだがすぐに立て直し、2ターン目に《キャンベロ <レッゾ.Star>》をチャージすると《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚。「デモニオ」において《禁断英雄 モモキングダムX》を最速で召喚できるというのは理想的な展開だろう。
負けじと天咲も2ターン目から動きだす。《アシダケ・テレポートホール》で《ドリーム・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》をマナに置きながら《時空のコスモ アンタッチャブル》を跳次元召喚。マナ加速とメタ(妨害)クリーチャーの両立は「5cテレポート」を支える重要な戦術だ。さらに対戦相手のデモニオは強力な攻撃時能力を使って攻めてくるデッキ。超次元ゾーンから状況に応じたメタクリーチャーを出す、アドバンスならではの駆け引きが序盤から行われる。3ターン目、初手から4枚抱えている《カンゴク入道の巻》をプレイ。
オリジナル構築では採用が珍しいカードに思えるが、アドバンスならではの強みがある。ターン開始時のシールド回収は「水闇デスパペット」のハンデス(手札破壊)を躱し、《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を採用しているデッキにもプレイしやすい。どここだわりの一枚だ。さらにレクスターズが出たことで《禁断英雄 モモキングダムX》の下に2枚目のカードが追加され、カウントダウンが進んでいく。
対して《ロイヤル・エイリアン ~熱奏のファーザー~》のパンドラ・シフトから《千両力士 多禍の泥粋》を送り出し、どこの手札を削りつつ、マナ加速を行う。だが《アシダケ・テレポートホール》を使用している天咲も手札は少ない。お互いに選択肢が少ない中でのプレイを強いられる展開だ。
そうなれば《カンゴク入道の巻》が一層輝きを増す。毎ターン手札を補充してくれる存在はジリ貧の消耗戦でこそ生きてくる。どこは2体目の《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚。強力なクリーチャーが並びやすい「5cテレポート」に対して複数回カウンターを狙っていく姿勢だ。さらに自身もレクスターズを持つため1体目のカウントが進み、残り2枚。
しかし毎ターン手札補充できるのは「デモニオ」だけの特権ではない。天咲は《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を召喚。攻撃を咎める効果も持つこのカードの存在は、早急に対処しなくてはデモニオとって追加ターンの宣告に等しい。さらにこれに反応して《千両力士 多禍の泥粋》が≪大感動!ディス・イズ・大横綱≫に覚醒し、ここまでノンストップでカードをプレイしてきたマナゾーンを整えつつ、次のターンからは墓地やマナからクリーチャーを召喚できるようになる。睨み合いだったゲームが天咲の方に大きく傾く。
ジャストダイバーの《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》をすぐ対処できるデッキは多くない。しかし、どこの操る「デモニオ」はその数少ない回答をいくつか持っている。現時点で《禁断英雄 モモキングダムX》に含まれるカードは4枚。つまり、このターンに「レクスターズ」を2枚プレイできれば、パワーマイナス効果により天咲の盤面を一掃できる。
どこはふぅ、と息をついて《ヘルコプ太の心絵》をプレイ。《禁断英雄 モモキングダムX》のような低コストのレクスターズを探しに行くが……逡巡ののち手札に加えたのは《CRY-S-MAX ジャオウガ》。デッキを象徴する強力なカードだが、マナが足りずこのターンにはプレイすることができない。
《禁断英雄 モモキングダムX》のカウントは残り1。ターンが終わる。
次のターンには《禁断英雄 モモキングダムX》の除去がほぼ確定している局面、一見鉄壁の布陣に見える天咲の盤面も次のターンの保証はない。早期の決着を望んでいた。
《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》以外のクリーチャーをタップしてハイパーエナジーを使用しつつ≪大感動!ディス・イズ・大横綱≫の効果で、序盤にマナチャージしていた《ドリーム・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を召喚!
2枚の手札から、先ほど見えた《CRY-S-MAX ジャオウガ》を落とす。ここまで死線を潜り抜けてきた最高の相棒に手をかけ、残り3枚となったシールドをすべて、ボルメテウスの炎が直接焼き尽くした。
そのまま息つく間もなく《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》で直接攻撃を宣言。
決着を予感したその時、どこの眼が待ってましたとばかりに輝き、残された手札を勢いよくバトルゾーンへ!
ハンデスを耐え続け、手札に唯一残されていたのは《一王二命三眼槍の封》!鬼札アバクの持つ槍を模ったこのカードが、絶体絶命のどこに鬼の力を与える! レクスターズが出たことにより《禁断英雄 モモキングダムX》もその封じられた力を解き放つ! ついに辿り着いたパワーマイナス効果により、勝利を掴みかけた天咲のクリーチャーは全て破壊される!
しかし、この展開にも天咲は動揺することなく《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》の相手がカードを実行した時の能力を発動し、1ドロー。「デモニオ」と戦う上で避けては通れない《一王二命三眼槍の封》によるカウンターを受けてなお、次こそは仕留めると闘志をたぎらせる。
どこにとってついに迎えた「自由」なターン。逆転するには《CRY-S-MAX ジャオウガ》をバトルゾーンに出すことは必須。万感の思いを込めて引いた《鬼黒皇グレイテスト・ジャオウガ》を召喚! ……するが、まだ足りない!
ゲーム序盤から《CRY-S-MAX ジャオウガ》を蘇生できる強力なカードだが、手札のない今は効果を発動できず、バトルゾーンで他に攻撃できるのは《禁断英雄 モモキングダムX》のみ。天咲のシールドは5枚無傷で残っており、直接攻撃まであと一歩届かない。どこは攻撃せずターンを終了。次のターンに2体目の《禁断英雄 モモキングダムX》を解放しての逆転を狙うも……
再び回ってきた天咲のターン。《鬼修羅と跳次元の決断》から《ロイヤル・エイリアン ~熱奏のファーザー~》がスピードアタッカーを連れてきて、ダイレクトアタック。
最後の最後に勝敗が揺れ動いた手に汗握るシーソーゲーム、制したのは天咲となった。
Winner:天咲
どこ「流石にあの手札(《カンゴク入道の巻》4枚)は無理だよー!」
試合後にどこの口から語られた1ターン目の顛末に、張り詰めていた空気が少し和む。しかしどこは同じカードが4枚というショッキングな手札の中、その《カンゴク入道の巻》を見事に操り、巧みなゲームを展開してみせた。そうして掴み取ったベスト16という結果は「デモニオ」のパワーがオリジナルだけにとどまらないと世間に、広島の同志に証明できただろう。観戦していた仲間と合流し、次の戦いへ向かっていく。
天咲「ここまで来たので。優勝を目指して頑張ります」
一方天咲の信じた証明の旅は続く。どこの想いも新たに乗せて。
チームと別れ、仲間と別の席に座り、緊張の中始まったこの大会。気づけばベスト8という大台に、仲間と作ったデッキと共に進もうとしている。
ここまで来れば対戦数は10を超え、疲労もピークを更新し続ける。
それでも、大型大会の高揚が、愛用のデッキが、声をかけてくれる仲間が、戦ってきた相手の想いが、何度でも心を奮い立たせる。何度でもプレイしたくなる。
デュエル・マスターズは、君をひとりにしない。
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どこ 超CSⅨ福岡 アドバンス構築 |
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天咲 超CSⅨ福岡 アドバンス構築 |
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