デュエル・マスターズ

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最強位決定戦 Round 1:ゆう vs. のすけ/浅果七美P

ライター:津乗 新(ばんちき)
撮影者:後長 京介

 長期にわたって続く流行り病の影響によって、どうしても難しいということで開催が見送られた2022年度DMPランキングの全国大会日本一決定戦。

 しかし、やっぱり何かやりたいという運営のアツい想いから、「デュエル・マスターズ グランプリ2022」と「22年度下期DMPランキング」の成績優秀者が集う、2022年度下期のデュエル・マスターズ日本一を決定する大会が開催されることとなった。

 大会の正式名称は最強位決定戦だが、公式からの企画発表段階では「下記チャンピオンズカーニバル(仮)」という名称だったことから、「チャンカニ」という愛称で、カニの絵文字と共に扱っている参加資格者も多く見受けられた。

 今大会は、予選全6回戦のうち最初の3戦をアドバンスフォーマットで戦う形式となっている。
 最近は全国各地でオリジナルフォーマットが主流になりつつあり、アドバンスフォーマットの大会がやや少ない状況のため、大会結果を元に強いデッキを洗い出すような調整方法が取りづらい。

 アドバンスの環境に存在するデッキの強度を確認するために、一通り多くのデッキを実際に回してみて、その中から優秀なデッキをかいつまんでいく作業を要するため、デッキ選択にかなり時間がかかることとなる。

 「チャンカニ」という愛称の影響からユーモラスな雰囲気で迎えた最強位決定戦だが、重要な全国大会であることに変わりはない。
 優秀な成績を持つプレイヤー同士が膨大な調整結果をぶつけ合う、アドバンスフォーマットにおける最高峰の対戦がはじまる。

Game

先攻:ゆう

 先攻のゆうは《流星のガイアッシュ・カイザー》をチャージ。使用デッキはメタクリーチャーを多く採用することで対【サガループ】性能が高い【水闇自然ジャオウガ】だ。

 ゆうはGP2022Day1で【水闇自然グラスパー】を乗りこなし、4位という結果を残して今大会への参加資格を獲得している。
 その際と同じ文明の組み合わせであるデッキを持ち込んだ背景には、《天災 デドダム》《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》という水闇自然の三色における二大巨頭とも言えるカードの存在があるだろう。
 
 対する後攻ののすけ視点では、《流星のガイアッシュ・カイザー》のチャージだけではまだゆうの使用デッキが割り出せない状況だ。

 アドバンス環境における《流星のガイアッシュ・カイザー》の採用は、【水闇自然ジャオウガ】よりは【4cマグナ】の方が主流であるため、相手を【4cマグナ】と仮定した上でのマナチャージが無難な選択となる。

 結果的に、《とこしえの超人》によって使いづらくなる展開が予想される《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》をチャージしてターンを返す。

 続く2ターン目、ゆうは《CRYMAX ジャオウガ》チャージから《キャディ・ビートル》を召喚してターンを返す。
 のすけのマナチャージから考えられるデッキとしては【4cマグナ】が最も有力で、《流星のガイアッシュ・カイザー》の採用が考えられる。

 自分のデッキのフィニッシャーが《CRYMAX ジャオウガ》である以上、《流星のガイアッシュ・カイザー》による足止めを喰らってしまう展開が予想されるため、《流星のガイアッシュ・カイザー》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のコンボに対してあらかじめ対策を打っておくという意図だろう。

 ゆうのデッキが《流星のガイアッシュ・カイザー》入りの【水闇自然ジャオウガ】と判明したのすけは、《新世界王の闘気》をチャージして《地龍神の魔陣》をプレイ。《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》をマナに送り、スピードアップしてターンを返す。

 対するゆうは、《異端流し オニカマス》チャージから《天災 デドダム》を召喚し、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》をマナ、《闇参謀グラン・ギニョール》を墓地に送ってリソースを伸ばしていく。

 先ほど盤面に出しておいた《キャディ・ビートル》も活かしやすい、理想的なスタートを決めた形だ。

 返しのターン、のすけも負けじと《イデア・パラドックス》チャージから《天災 デドダム》を召喚。捲られたのは《天災 デドダム》2枚と《とこしえの超人》だ。
 捲った3枚と手札の内容を照らし合わせながら少考し、《とこしえの超人》をマナ、残った《天災 デドダム》2枚をそれぞれ手札と墓地に送ってターンを返す。

 本来メタクリーチャーは手札に持っておくのが理想だが、《とこしえの超人》が必要になるような相手の突然の動き出しに対しては、《クリスマⅢ》から回収して対応する構えだ。
 アドバンスフォーマット特有の選択肢の広さが顕著に現れた形と言えるだろう。

 返すゆうは、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》をチャージして《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》をプレイし、《異端流し オニカマス》《闇参謀グラン・ギニョール》をマナに送ってのすけの《天災 デドダム》を破壊。
 いわゆる「デドダムオリフィナ」と呼ばれるかなり強力な流れを決め、フィニッシャーの《CRYMAX ジャオウガ》を召喚する準備を着々と進めていく。

 ゆうが7マナ域に到達したことで、後が無くなったのすけ。  意を決して《新世界王の権威》をチャージし、マナゾーンに2枚目の火文明を用意した上で、《天災 デドダム》を捨てて軽減効果を発動しながら4マナで《“魔神轟怒”万軍投》をプレイする。
 狙いはゆうの《CRYMAX ジャオウガ》を叩き落す《カット 丙-二式》と、1ターンの足止めとなる《全能ゼンノー》だ。

 この試合の運命がかかった3回のGR召喚が《サザン・エー》《クリスマⅢ》《回収 TE-10》の3体を呼び込み、《“魔神轟怒”万軍投》の2発目が確約される形となり、のすけはもう一度《CRYMAX ジャオウガ》に抗うチャンスを得る。

 《サザン・エー》《クリスマⅢ》でリソースを伸ばした後、《回収 TE-10》で墓地の《“魔神轟怒”万軍投》を回収してもう一度プレイ。
 この3回のGR召喚で《カット 丙-二式》《全能ゼンノー》のどちらかを捲らないと、概ね手札に抱えているであろうゆうの《CRYMAX ジャオウガ》がゲームを制することとなるが...

「っっっし!!」  言葉にならない声を発したのはのすけ。  3回のGR召喚から《カット 丙-二式》2枚と《続召の意志 マーチス》が飛び出し、《続召の意志 マーチス》の効果で《天啓 CX-20》が捲れる。

 《カット 丙-二式》によって公開されたゆうの手札は《CRYMAX ジャオウガ》《とこしえの超人》《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》の3枚。
 その中から《CRYMAX ジャオウガ》《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》の2枚を墓地に叩き落し、《天啓 CX-20》でリソースを膨らませてターンを返す。

 返すゆうのターン。のすけのリソース状況からすると、おそらくこれが最後のターンになるだろう。
 祈るように引いた最後のドロー。デッキトップが《CRYMAX ジャオウガ》であればという状況だが、内容は芳しくない様子だ。

 自然マナを2回捻って《とこしえの超人》を2体召喚し、出した《とこしえの超人》2体と水闇の2マナをタップして墓地から《闇参謀グラン・ギニョール》をムゲンクライム。
 盤面を触っていても埒が明かないので、山札を掘り進める効果を選択し、《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を加えてターンを終える。

 《CRYMAX ジャオウガ》の恐怖を乗り越えたのすけのターン。
 潤沢な手札から選んだフィニッシャーは、皮肉にもゆうがたどり着けなかった《CRYMAX ジャオウガ》だ。

 登場時効果でゆうのシールドから《異端流し オニカマス》《幻緑の双月 / 母なる星域》が墓地に送られ、《CRYMAX ジャオウガ》がプレイヤーに向かって攻撃する。

 ブレイクされた3枚のシールドに、《回収 TE-10》《続召の意志 マーチス》《天啓 CX-20》の3体を受け切るトリガーは現れなかった。

Winner:のすけ

 大事な初戦で勝ち星をあげ、ほっとした様子ののすけ。

 対戦終了後、ゆうは「《とこしえの超人》さえ引ければ...」と悔しい胸の内を明かしていたが、当然目は死んでいない。

 22年度下期の日本一を決める戦いは、まだ始まったばかりだ。

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