デュエル・マスターズ

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金沢超CSⅡ 3位決定戦:はらのおと vs. ダイヤマンX

 超CS前に最も注目を集め、かつ最も好成績を残したデッキ……
 それは"瀬戸内のカリスマ"こと、ぎゃる男が公開した《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》入りデスザークに他ならない。

 《堕魔 グリール》ビートからの《追憶人形ラビリピト》といった強力な動きを敢えて廃し、《堕魔 グリペイジ》などの細かい動きで序盤を凌ぐ。
 細かいアドバンテージの取り合いを制した末、《卍 デ・スザーク 卍》≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫ などといった大型で蓋をする。
 最終的には≪法と契約の秤≫から《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》でトリガーからの逆転すらも許さない、徹底したコントロールとして組まれたデスザーク。

 ベスト4に入ったプレイヤーのうち、半分がこのタイプのデスザークを使用していた。

 片や原作者であるぎゃる男から直接手ほどきを受け、DMPランキングポイント10,000超えの強豪、ランディーなどを退け勝ち上がったダイヤマンX。
 片や前回超CSベスト8のMmjと共に調整し、sabakiなど関西の古豪と交流が深いはらのおと。

 惜しくもベスト4で2人とも敗れはしたが、3位決定戦の場にいること自体がプレイヤーとしての名誉。繊細なプレイを求められるデッキを使ってここまで来ていることから、その腕前も相当なものだろう。
 であれば……この3位決定戦で決めることは、どちらの順位が上かだけではない。

 1,200人を集めたこの石川県産業展示館で。
 誰が最強のデスザーク使いか、だ。



Game 1

先攻:ダイヤマンX

 お互いコントロール寄りのデスザークということもあり、その始動はかなり遅い。事実、先攻ダイヤマンXの動きは3ターン目まで迷いなく小型魔導具をチャージし続けてエンド。
 スタートははらのおとの《堕魔 グリペイジ》。これが《卍 デ・スザーク 卍》を撃ち抜くが、墓地にいても効力を発揮するこのカードはハンデスされてもそこまでの痛手ではない。はらのおとにしてみればアンラッキーだろう。
 ダイヤマンXは《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴォーミラ》回収。はらのおとも《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴォガイガ》回収。
 ダイヤマンXは《堕魔 ヴォーミラ》から《堕魔 グリギャン》、そして先ほど墓地に落とされた《卍 デ・スザーク 卍》を宣言し、無月の門から漆黒の朱雀が降臨する。
 これによりはらのおとの《堕魔 ヴォガイガ》が場から離れるとともに、ダイヤマンXの墓地にいる《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》が睨みを利かせ始める。

 はらのおとは回収した《堕魔 ヴォガイガ》から《堕魔 ヴォガイガ》を回収。《堕魔 ヴォガイガ》の撃ち合いが続く。
 ここではらのおとの終了時、墓地の魔導具を素材とし≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫が降臨。ミラーマッチでは実質除去体制持ちのアタッカーという重要カードを先に着地させた。

 ダイヤマンXは《堕魔 ヴォーミラ》効果を使わず、手札から《堕魔 グリペイジ》
 ここに《卍 デ・スザーク 卍》の宣言も合わせる。戦闘破壊と合わせて、はらのおとの場を≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫のみに。

 ただし、この一連の動きでダイヤマンXの手札は1枚。リソース源は1枚の《堕魔 ヴォーミラ》に頼り切り。
 ここまで生き残ったデスザーク使いが、その隙を見逃すわけもない。

 はらのおとは《堕魔 ヴォガイガ》から《堕魔 グリペイジ》、そして《卍 デ・スザーク 卍》
 このハンデスと除去、そして戦闘破壊でダイヤマンXのリソースはゼロ。はらのおとも手札を切らしているが、盤面には2体のドルスザク。はらのおとが一気に有利となった。

 ドローエンドで終えたダイヤマンXに対し、はらのおとはまず墓地の状況を整理。
 考えた末、引いた《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》をセットし……《卍 デ・スザーク 卍》≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫がビートダウンを開始!!
 Wブレイク2回、4枚の中にトリガーはなくはらのおとは文字通りの不死鳥、ガリュザークを安定着地できる状態。

 ただし、デュエル・マスターズにおいてシールドをブレイクされた時は、いつだってチャンスの始まり。
 カードリソースが重要なデスザークミラーマッチにおいて、ダイヤマンXは4枚ものリソースを獲得した。

 その中には1枚で恐ろしいアドバンテージを獲得する、デスザークの新たな武器も。
 《》を出し、それを生贄に捧げ《卍月の流星群》
 これが《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴォーミラ》を一気に呼び出し、余った1マナで《》からの《卍 デ・スザーク 卍》!はらのおとの《卍 デ・スザーク 卍》が墓地に葬られる。
 さらにこの墓地肥やしで≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫まで到達。何もない盤面からここまで一気に展開できるのが《卍月の流星群》獲得後のデスザークである。

 一転苦しくなったのはリソース不足のはらのおと。
 ≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫という不死アタッカーがいるものの、シールドは残り1枚で噛み合わない。
 とはいえ攻めないことには勝機はないので、≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫が最後のシールドをブレイク。

 そしてリソースで圧倒したとはいえ、この不死アタッカーに対する解答が薄いのはダイヤマンX。
 ただの不死アタッカーならいいのだが…… ここにきてマナ制限能力がきつい。5マナあれば≪法と契約の秤≫からの《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》で勝てたのだが、マナがフルタップされた状態から使えるのは…… チャージ込みで4マナだ。

 仕方なく《堕魔 グリギャン》を2体立て……
 ターン終了時に≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫。これで次のターン致死打点となる……

 ……が、ここでダイヤマンXに1つの綻び。
 墓地の魔導具が足りず、代わりに無月の門の素材にしたのは…… 《堕魔 グリギャン》

 つまり、はらのおとの眼前にブロッカーは1枚。
 そしてはらのおとの手札には……8マナの《卍 デ・スザーク 卍》

 これが《堕魔 グリギャン》を討ち取り、はらのおとが長いゲームを1本先取した。

はらのおと 1-0 ダイヤマンX



 Game2が始まる前、はらのおとがジャッジ同伴でトイレ休憩に向かう。その間にダイヤマンXが反省の弁。

ダイヤマンX「相手のエンド時≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫でよかったなぁ……」

 そう、ダイヤマンXがミスと語ったのは≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の素材ではなく≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を出すタイミング。
 自分のエンド時に≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を出す必要はなく、相手の≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の攻撃を止める貴重なブロッカー、《堕魔 グリギャン》を場に残し、仕事が終わったタイミングで≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の素材にするべきだった。
 仮に《堕魔 グリギャン》が戦闘破壊されて墓地に送られたとしたら、それは無月の門の素材として再利用されるため、結果的にはブロッカー1体が仕事をした分得をしているのだ。

 長い超CSも最後の試合、疲労からか勝敗を分ける致命的なミスをしてしまったダイヤマンX。
 しかし、疲労以上にここまで勝ち上がってきた矜持、そしてこのデッキの強さを教えてくれたぎゃる男の強さを証明する使命がある。切り替えて次のゲームへと臨む。



Game 2

先攻:ダイヤマンX

 後攻はらのおとが2ターン目に動き出す、《》
 それに対しダイヤマンXは《堕魔 グリペイジ》《堕魔 ドゥポイズ》を抜き取る。
 はらのおとも《堕魔 グリペイジ》《堕魔 グリペイジ》が抜き取られる。

 本命を撃ち抜かれなかったダイヤマンX、《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴォーミラ》を回収。
 対するはらのおとは《堕魔 ヴォガイガ》から《卍月の流星群》回収。お互いに動きは順調、まだ互角といったところか。

 だからこそ、ワンプレイの運がどちらに傾くかが勝敗を左右することもある。
 《堕魔 ヴォーミラ》から墓地の《堕魔 グリペイジ》
 はらのおとの2枚の手札に放たれたハンデスは…… 《卍月の流星群》を撃ち抜く!
 これが通ればはらのおとが一気に優勢になっていたところ、ここぞの1/2をしっかり撃ち抜いた。
 さらに《卍 デ・スザーク 卍》を重ねてはらのおとの《堕魔 ヴォガイガ》を破壊。リソースと展開速度を同時にもがれたはらのおと、苦しい立ち回りを強いられる。
 《堕魔 ヴォガイガ》を出したはらのおとは、少しでも相手のキルターンを遅らせるため、仕方なく《堕魔 ドゥポイズ》回収から《卍 デ・スザーク 卍》。この2枚の効果で《堕魔 ヴォーミラ》《卍 デ・スザーク 卍》を破壊。

 が、墓地に魔導具が増えたことにより、もう1枚のドルスザクが起動する。
 ≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫が降臨、さらにその横に《堕魔 ヴォーミラ》《堕魔 ヴォガイガ》を並べる!!
 先のターンでリソースを吐き切ってしまったはらのおと、手札1枚と縛られた3マナでこの凶悪な盤面に対処する術はない。

 ダイヤマンX、まずは《堕魔 ドゥポイズ》≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を破壊。
 次いで《堕魔 ドゥンブレ》《堕魔 ヴォーミラ》でリソースを獲得し、はらのおとがキープした《》《堕魔 グリペイジ》で撃ち抜く。
 そこから再度無月の門が2つ開き、《卍 デ・スザーク 卍》≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の盤面を形成する。

 マナは先のターンより増えたものの手札は相変わらず1枚、盤面は《堕魔 ヴォーミラ》が増えた分前よりも凶悪。
 《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ドゥポイズ》《卍 デ・スザーク 卍》で時間を稼ぎ、≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫の降臨までは辿り着けた…… が。
 そのリソース差を覆すには至らない。除去しても除去しても舞い戻ってくるダイヤマンXの《堕魔 ヴォーミラ》が重すぎる。

 そこからしばらく膠着状態が続く。
 より確実なフィニッシュを求めてダイヤマンXは敢えて動かない。あらゆるリソースで完敗しているはらのおとは全く動けない。

 そうしているうちに、ダイヤマンXの墓地に《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》が落とされる。
 ≪法と契約の秤≫が12枚の進化元を有した《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》を作り、勝負は3本目へ。

はらのおと 1-1 ダイヤマンX



Game 3

先攻:はらのおと

 後攻ダイヤマンXが≪ルソー・モンテス≫のハンデスからスタート。
 それに対してはらのおとが《堕魔 グリギャン》、ダイヤマンXが《堕魔 グリペイジ》。序盤からハンデスの応酬、Game1のゆったりしたゲームが嘘のようだ。
 ダイヤマンXのハンデスを受け続けたはらのおとだが、このカードだけは死守していた。《堕魔 ヴォガイガ》、回収も《堕魔 ヴォガイガ》
 そしてここまでハンデスを受け続け、《堕魔 グリギャン》《堕魔 ヴォガイガ》と7枚を増やした墓地…… その全てがこの門が開く布石となった。
 先攻4ターン≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫!!
 ここにきて先攻ガン回り。いきなりの不死アタッカーにダイヤマンXも少し厳しい表情。
 さらにここでもう1つの不運、ここまで妨害に徹してきたダイヤマンXはデスザークのリソース源である4コスト魔導具にアクセスできない。仕方なくここはチャージからの《堕魔 グリギャン》
 はらのおとはその隙を見逃さず《堕魔 グリペイジ》をプレイし、ダイヤマンXの最後の手札を撃ち抜く。

 結果的にこれが決定打となった。
 その中身は、ダイヤマンXがこのリソース差を覆すためにキープしていた《卍月の流星群》
 それを墓地に送る表情、手つきからは悔しさが滲み出る。

 ダイヤマンXはトップした《堕魔 ドゥンブレ》をトリガーに《卍 デ・スザーク 卍》を着地。《堕魔 ヴォガイガ》を破壊する。
 対してはらのおとは《堕魔 グリペイジ》でダイヤマンXにリソースを与えない。
 ダイヤマンXは《》《堕魔 グリギャン》を討ち取りつつ、《堕魔 グリペイジ》を戦闘破壊。

 はらのおとは《堕魔 ヴォガイガ》から《卍月の流星群》を回収。
 これが1枚通ってしまえばダイヤマンXのリソース負けは必至……

 であれば、先にシールドを叩き割るのみ。

 トップで引いたカードはプレイせず、《卍 デ・スザーク 卍》《》≪ルソー・モンテス≫がビートダウンを開始!
 はらのおとのシールドは1枚。ダイヤマンXの盤面に《》はまだ見えないものの、今のデスザークミラーでビートに移るという選択肢は悪くない。相手の動きが芳しくなければ≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫がワンチャンスを通してくれる。

 ……が、はらのおとの手札にエンドカードが握られていることは、ダイヤマンXも分かっている。
 先ほど回収した《卍月の流星群》!!

 《堕魔 ヴォガイガ》を爆破し、《堕魔 ヴォガイガ》が2体に増える。
 一気に8枚の墓地肥やしを行い、《》から2つの無月の門が開く。《卍 デ・スザーク 卍》が2体降臨!
 戦闘破壊と合わせて、ビートダウンに向かわせたダイヤマンXの盤面は壊滅。

 ダイヤマンXはトップで引いた《堕魔 ヴォガイガ》から《堕魔 ドゥンブレ》でターンを終える。
 その動きの最中にこのターンで時間切れとなったが、あまり関係ないだろう。
 圧倒的優勢のはらのおとにはエクストラターンの2ターン…… いや、1ターンあれば十分だった。
 その手からは≪法と契約の秤≫。墓地からは《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》
 黒く染まった盤面で、一筋輝いた光はそのままアタックし……

 超CSⅡ2018金沢において、決勝ラウンドに進んだ中でも3番目に多かったデスザーク。
 プレイを極めれば、それだけで栄誉として称えられるような難易度の高いコントロールデッキ。

 その最強の使い手は、はらのおとに決まった。

WINNER:はらのおと
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