全国大会2018 中四国エリア予選 Bブロック準々決勝:ゆうや(広島) vs. hetare(愛媛)
中四国エリア代表決定戦 Bブロックの参加者はのべ110人。
そして、決勝トーナメントに残っているのはたったの16人。
この決勝トーナメント2回戦に残っているのは……8人。
既にベスト8の集合写真を撮り終えた彼らには、ここまで来た、という自信に満ちつつも、まだこの場所では満足できないという勝利への渇望が見て取れた。
当然、残ったものはこの中四国エリア屈指の猛者ばかり。
今回お届けするカードもそんな猛者たちの中でも見逃せない対戦カードの1つだ。
hetareはDMPランキング愛媛3位。
数多くのCSに参加し、その上で入賞を果たしている愛媛を代表するプレイヤーの1人だ。
直近では7月~8月にかけて香川CS in流星のあらしで1位~3位と、上位に連続入賞を果たしている。
彼の使用デッキは『光水トリガーサッヴァーク』。
前日に行われた中四国エリア予選AでもΣが使用していたデッキタイプであり、圧倒的な受け性能をもってして環境上に存在する『赤白“轟轟轟”ブランド』、『赤青覇道』といった速攻から中速タイプのデッキを返り討ちにせんとする構築となっている。
対するゆうやは幼いながらにして今年度DMPランキング広島県堂々の1位。
全国ランキングおいても100位以内をキープしている稀代のプレイヤーの1人だ。
使用デッキは『絶十型サッヴァーク†』。
GP7th前は《戦慄のプレリュード》+《サッヴァークDG》という強力なドローソース及び踏み倒しのパッケージを有する『DG型サッヴァーク†』よりもさらにハンド消費が激しく、手札管理がシビアとなるため、『絶十型サッヴァーク†』の使用者はそこまで多くはなかった。
だが、GP後に発売された構築済みデッキ「超誕!!ツインヒーローデッキ80 Jの超機兵 VS 聖剣神話†」で《集結ノ正裁Z》が追加されたことにより、この問題を解決。
お誂え向きに「サバキZ」の枚数が嵩増しできるため、《煌メク聖戦 絶十》のカードパワーを十全に発揮できるようになったのだ。
聞くと、先述の香川CSin 流星のあらしにて対戦経験のある両者。
その時はhetareはゆうやに敗北を喫したという。
だが、今度こそは、このエリア代表決定戦という大きな舞台から全国への切符を手にしたい。
hetareの目に熱い闘志が宿る。
無論、ゆうやもむざむざ負けるために来たわけではない。勝つためにここにいるのだ。
ゆうやもまた、ベスト8という順位で甘んじる男ではなかった。
ヘッドジャッジから「デュエマスタート!」のコールが鳴り響く。
さあ、試合を始めよう。
先攻:ゆうや
先に動いたのはhetare。
《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》とマナにチャージしプレイされたのは≪奇石 ミクセル≫。
ゆうやの『サッヴァーク†』が『DG型』、『絶十型』どちらのデッキタイプであっても《戦慄のプレリュード》からの《サッヴァークDG》、《転生ノ正裁Z》からの《煌メク聖戦 絶十》の着地どちらをも咎めることができる順調な滑り出しだ。
対してゆうや、先攻3ターン目に《剣参ノ裁キ》をプレイ。《集結ノ正裁Z》を唱えて山札から必要なパーツをかき集めるプランを取った。
このようにして《剣参ノ裁キ》がシールドに表向きにして置かれるわけだが……《集結ノ正裁Z》を見たhetareは、ゆうやのデッキタイプを『絶十型』と判断。
不用意な「サバキZ」の誘発を抑えるために≪奇石 ミクセル≫で攻撃することを控える選択をした。
続くゆうやのターンはもちろん先ほど回収した《集結ノ正裁Z》をプレイ。
回収したのは《》。
返しのhetareは《終末の時計 ザ・クロック》をチャージし、《クリスタル・メモリー》。
山札を見た後に、マナと手札を確認。
そして一息つき、手札に加える。この一手、もちろんただ必要パーツを回収しただけでは、ない。
この流れはまずい、とゆうや、《転生ノ正裁Z》でシールド1枚を手札に加えると同時に「サバキZ」を宣言。
現れたのは《煌メク聖戦 絶十》。カードが表向きでシールドに置かれるたび、次にプレイする光のカードのコストを3軽減するというハイスペックシステムクリーチャーだ。
《煌メク聖戦 絶十》自身の効果と《転生ノ正裁Z》で2枚のカードがシールドに置かれたため、次にプレイする呪文は6コスト軽減される。
これによりゆうやは先ほど回収した≪ジャミング・チャフ≫を1コストで唱え、2ターン目のhetareの意趣返しとばかりに今度は《ドラゴンズ・サイン》からの《煌龍 サッヴァーク》の着地を封じる構えを取った。
ここで続くゆうやのターン、《煌メク聖戦 絶十》の真価が発揮される。
《剣参ノ裁キ》から2枚目の《剣参ノ裁キ》を引っ張ってくると、1枚目の《剣参ノ裁キ》がシールドに行くために《煌メク聖戦 絶十》の効果でコスト3軽減、たったの1コストで手札に加えた2枚目の《剣参ノ裁キ》をプレイ。そして、そこから引っ張ってきた≪ジャミング・チャフ≫を2コストで唱えて……とhetareの行動を束縛していく。
2ターンもの間、≪ジャミング・チャフ≫という鎖で動きを止められたhetare。
ゆうやのマナに1枚、墓地に2枚の《》があることを確認すると、《ポクチンちん》を場に送りだし、その効果で自身の山札を戻すにとどまった。
ゆうやはここから流れを自分の方向へと持っていきたいところ。
hetareのマナを確認し、採用されている《唸る鉄腕 ギリガザミ》、《ルクショップ・チェサイズ》と見えている「シールド・トリガー」の種類、枚数を確認する。
次に《転生ノ正裁Z》で、今まで唱えてきた「裁きの紋章」の重ねられたシールドを回収。
《剣参ノ裁キ》2枚と《集結ノ正裁Z》が手札に加わり、さらにここから「サバキZ」で今手札に加えられた《集結ノ正裁Z》がプレイされる。
こうして連鎖して唱えられた《転生ノ正裁Z》と《集結ノ正裁Z》がシールドに表向きにして置かれると、6コスト軽減。
《煌世主 サッヴァーク†》がなんと4コストでその御身を降臨させた。
攻勢に出たゆうや。
hetareも負けじと場に出したのは《煌龍 サッヴァーク》。
「サバキZ」を持つカードに対して、若干苦しい手ではあるが、先ほどのようなムーブを阻害するために、《煌メク聖戦 絶十》を一度シールドへ封印する。
だが、ゆうやは攻撃の手を緩めない。
8ターン目、そのまま《煌世主 サッヴァーク†》が攻撃宣言すると同時に《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を「アタック・チャンス」で宣言!
再び起き上がる《煌世主 サッヴァーク†》。
無論シールドに表向きのカードが3枚以上あるため、《煌世主 サッヴァーク†》は難攻不落の要塞と化している。
あとは、「ドラゴン・T・ブレイカー」をどう処理するか……
ここでゆうやは、「3枚のシールドを裏向きにして加える」ことを選択。シールドの枚数が一挙に増えた。………これが後々、運命の分岐点になる。
だが、hetareここで不敵にシールドから手札に加えられるカードを宣言する。
《終末の時計 ザ・クロック》!
猛攻をしかけようとしたゆうやはすぐさま出鼻をくじかれてしまった。
そう、既に先の《クリスタル・メモリー》によって、hetareはシールドに埋まっているカードが何か分かっていたのだ。
後は獲物が罠にかかってくれるのを待つだけでいい。
そして、強制的にターンが終了し回って来たhetareのターン。
《》をマナに置こうとする、……が一瞬これを逡巡し、あえてマナに置かなかった。
そう、hetareは気づいたのだ。
……ゆうやの山札が既に風前の灯だということに。
そうと決まれば《煌龍 サッヴァーク》で攻撃して不用意にハンドを増やす必要はない。
「アタック・チャンス」で唱えず、手札から唱えられたのは《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》。
これにより貴重なゆうやの攻撃ターンが1ターン消費される。
一転して絶体絶命のゆうや。だが、彼もまだあきらめてはいなかった。
強制効果である「ドラゴン・T・ブレイカー」を処理すれば山札が切れて負けてしまう。
殴れるクリーチャーが《煌世主 サッヴァーク†》しかいないのでは、どうやっても勝てないのでは? と思った方もいるだろう。
否、まだ突破口はある。
ここで今一度「ドラゴン・T・ブレイカー」のテキストを確認してもらいたい。
■ ドラゴン・T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする。各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚目を、裏向きのまま新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置くか、表向きにして自分のシールド1つの上に置く)
もし、自分のシールドが1枚もない状態で新しいシールドとして自分のシールドを増やすのではなく、表向きにして自分のシールド1つの上に置こうとしたら?
答えは、「山札は減らない」だ。
強制効果と言えど、デュエル・マスターズのルールではできることは全て行い、行えない部分は無視する。(「デュエル・マスターズ総合ゲームルール Ver.1.12」101.3より)
つまり、シールドを0枚にすれば山札を減らすことなく《煌世主 サッヴァーク†》と《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》でダイレクトアタックまでもっていくことは理論上可能。
2枚の《転生ノ正裁Z》でシールドを減らすゆうや。残り山札は、3枚。
だが、ゆうやの行動からその狙いに気づいていたhetare。
唱えたのは先ほどマナに置かずに取って置いた≪ジャミング・チャフ≫。これが勝負の決め手となった。
次のターンゆうやは《転生ノ正裁Z》を唱えることはできない。これで残りの山札は2枚
もう、ゆうやには後がなかった。
祈るようにしターンを返すhetare。
そして最後のゆうやのターン、《転生ノ正裁Z》でシールドをめくり、シールドから回収した《転生ノ正裁Z》でさらにシールドをめくり……続けるも「ドラゴン・T ・ブレイカー」で増やしてしまっていた裏向きのシールドを含め、すべて手札に加えるには《転生ノ正裁Z》を唱える回数が、どうしても足りなかった。
残りの山札は…1枚。
ゆうた「……………負けました」
彼はそう呟くとデッキの最後の1枚に手を置きhetareと手を交わすのであった。
Winner: hetare
終わってみれば、長丁場となった本ゲーム。
熾烈な≪ジャミング・チャフ≫の打ち合いの間隙をぬって、殴るプランから粘るプランへと変更したhetareに今回軍配は上がった。
だが、とっさに機転を利かせてシールドをすべて回収しようとするプランを取ったゆうやもまた、使用デッキに対する深い知識がなければ取れないプランだった。
この試合は、1つのプレイがその後のゲーム展開に大きな影響を及ぼした、まさしく最後まで勝敗がわからない展開となった名勝負と言っても過言ではないだろう。
熱戦を繰り広げた両者の健闘を、今一度ここに称えよう。
そして、決勝トーナメントに残っているのはたったの16人。
この決勝トーナメント2回戦に残っているのは……8人。
既にベスト8の集合写真を撮り終えた彼らには、ここまで来た、という自信に満ちつつも、まだこの場所では満足できないという勝利への渇望が見て取れた。
当然、残ったものはこの中四国エリア屈指の猛者ばかり。
今回お届けするカードもそんな猛者たちの中でも見逃せない対戦カードの1つだ。
hetareはDMPランキング愛媛3位。
数多くのCSに参加し、その上で入賞を果たしている愛媛を代表するプレイヤーの1人だ。
直近では7月~8月にかけて香川CS in流星のあらしで1位~3位と、上位に連続入賞を果たしている。
彼の使用デッキは『光水トリガーサッヴァーク』。
前日に行われた中四国エリア予選AでもΣが使用していたデッキタイプであり、圧倒的な受け性能をもってして環境上に存在する『赤白“轟轟轟”ブランド』、『赤青覇道』といった速攻から中速タイプのデッキを返り討ちにせんとする構築となっている。
対するゆうやは幼いながらにして今年度DMPランキング広島県堂々の1位。
全国ランキングおいても100位以内をキープしている稀代のプレイヤーの1人だ。
使用デッキは『絶十型サッヴァーク†』。
GP7th前は《戦慄のプレリュード》+《サッヴァークDG》という強力なドローソース及び踏み倒しのパッケージを有する『DG型サッヴァーク†』よりもさらにハンド消費が激しく、手札管理がシビアとなるため、『絶十型サッヴァーク†』の使用者はそこまで多くはなかった。
だが、GP後に発売された構築済みデッキ「超誕!!ツインヒーローデッキ80 Jの超機兵 VS 聖剣神話†」で《集結ノ正裁Z》が追加されたことにより、この問題を解決。
お誂え向きに「サバキZ」の枚数が嵩増しできるため、《煌メク聖戦 絶十》のカードパワーを十全に発揮できるようになったのだ。
聞くと、先述の香川CSin 流星のあらしにて対戦経験のある両者。
その時はhetareはゆうやに敗北を喫したという。
だが、今度こそは、このエリア代表決定戦という大きな舞台から全国への切符を手にしたい。
hetareの目に熱い闘志が宿る。
無論、ゆうやもむざむざ負けるために来たわけではない。勝つためにここにいるのだ。
ゆうやもまた、ベスト8という順位で甘んじる男ではなかった。
ヘッドジャッジから「デュエマスタート!」のコールが鳴り響く。
さあ、試合を始めよう。
先攻:ゆうや
先に動いたのはhetare。
《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》とマナにチャージしプレイされたのは≪奇石 ミクセル≫。
ゆうやの『サッヴァーク†』が『DG型』、『絶十型』どちらのデッキタイプであっても《戦慄のプレリュード》からの《サッヴァークDG》、《転生ノ正裁Z》からの《煌メク聖戦 絶十》の着地どちらをも咎めることができる順調な滑り出しだ。
対してゆうや、先攻3ターン目に《剣参ノ裁キ》をプレイ。《集結ノ正裁Z》を唱えて山札から必要なパーツをかき集めるプランを取った。
このようにして《剣参ノ裁キ》がシールドに表向きにして置かれるわけだが……《集結ノ正裁Z》を見たhetareは、ゆうやのデッキタイプを『絶十型』と判断。
不用意な「サバキZ」の誘発を抑えるために≪奇石 ミクセル≫で攻撃することを控える選択をした。
続くゆうやのターンはもちろん先ほど回収した《集結ノ正裁Z》をプレイ。
回収したのは《》。
返しのhetareは《終末の時計 ザ・クロック》をチャージし、《クリスタル・メモリー》。
山札を見た後に、マナと手札を確認。
そして一息つき、手札に加える。この一手、もちろんただ必要パーツを回収しただけでは、ない。
この流れはまずい、とゆうや、《転生ノ正裁Z》でシールド1枚を手札に加えると同時に「サバキZ」を宣言。
現れたのは《煌メク聖戦 絶十》。カードが表向きでシールドに置かれるたび、次にプレイする光のカードのコストを3軽減するというハイスペックシステムクリーチャーだ。
《煌メク聖戦 絶十》自身の効果と《転生ノ正裁Z》で2枚のカードがシールドに置かれたため、次にプレイする呪文は6コスト軽減される。
これによりゆうやは先ほど回収した≪ジャミング・チャフ≫を1コストで唱え、2ターン目のhetareの意趣返しとばかりに今度は《ドラゴンズ・サイン》からの《煌龍 サッヴァーク》の着地を封じる構えを取った。
ここで続くゆうやのターン、《煌メク聖戦 絶十》の真価が発揮される。
《剣参ノ裁キ》から2枚目の《剣参ノ裁キ》を引っ張ってくると、1枚目の《剣参ノ裁キ》がシールドに行くために《煌メク聖戦 絶十》の効果でコスト3軽減、たったの1コストで手札に加えた2枚目の《剣参ノ裁キ》をプレイ。そして、そこから引っ張ってきた≪ジャミング・チャフ≫を2コストで唱えて……とhetareの行動を束縛していく。
2ターンもの間、≪ジャミング・チャフ≫という鎖で動きを止められたhetare。
ゆうやのマナに1枚、墓地に2枚の《》があることを確認すると、《ポクチンちん》を場に送りだし、その効果で自身の山札を戻すにとどまった。
ゆうやはここから流れを自分の方向へと持っていきたいところ。
hetareのマナを確認し、採用されている《唸る鉄腕 ギリガザミ》、《ルクショップ・チェサイズ》と見えている「シールド・トリガー」の種類、枚数を確認する。
次に《転生ノ正裁Z》で、今まで唱えてきた「裁きの紋章」の重ねられたシールドを回収。
《剣参ノ裁キ》2枚と《集結ノ正裁Z》が手札に加わり、さらにここから「サバキZ」で今手札に加えられた《集結ノ正裁Z》がプレイされる。
こうして連鎖して唱えられた《転生ノ正裁Z》と《集結ノ正裁Z》がシールドに表向きにして置かれると、6コスト軽減。
《煌世主 サッヴァーク†》がなんと4コストでその御身を降臨させた。
攻勢に出たゆうや。
hetareも負けじと場に出したのは《煌龍 サッヴァーク》。
「サバキZ」を持つカードに対して、若干苦しい手ではあるが、先ほどのようなムーブを阻害するために、《煌メク聖戦 絶十》を一度シールドへ封印する。
だが、ゆうやは攻撃の手を緩めない。
8ターン目、そのまま《煌世主 サッヴァーク†》が攻撃宣言すると同時に《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を「アタック・チャンス」で宣言!
再び起き上がる《煌世主 サッヴァーク†》。
無論シールドに表向きのカードが3枚以上あるため、《煌世主 サッヴァーク†》は難攻不落の要塞と化している。
あとは、「ドラゴン・T・ブレイカー」をどう処理するか……
ここでゆうやは、「3枚のシールドを裏向きにして加える」ことを選択。シールドの枚数が一挙に増えた。………これが後々、運命の分岐点になる。
だが、hetareここで不敵にシールドから手札に加えられるカードを宣言する。
《終末の時計 ザ・クロック》!
猛攻をしかけようとしたゆうやはすぐさま出鼻をくじかれてしまった。
そう、既に先の《クリスタル・メモリー》によって、hetareはシールドに埋まっているカードが何か分かっていたのだ。
後は獲物が罠にかかってくれるのを待つだけでいい。
そして、強制的にターンが終了し回って来たhetareのターン。
《》をマナに置こうとする、……が一瞬これを逡巡し、あえてマナに置かなかった。
そう、hetareは気づいたのだ。
……ゆうやの山札が既に風前の灯だということに。
そうと決まれば《煌龍 サッヴァーク》で攻撃して不用意にハンドを増やす必要はない。
「アタック・チャンス」で唱えず、手札から唱えられたのは《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》。
これにより貴重なゆうやの攻撃ターンが1ターン消費される。
一転して絶体絶命のゆうや。だが、彼もまだあきらめてはいなかった。
強制効果である「ドラゴン・T・ブレイカー」を処理すれば山札が切れて負けてしまう。
殴れるクリーチャーが《煌世主 サッヴァーク†》しかいないのでは、どうやっても勝てないのでは? と思った方もいるだろう。
否、まだ突破口はある。
ここで今一度「ドラゴン・T・ブレイカー」のテキストを確認してもらいたい。
■ ドラゴン・T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする。各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚目を、裏向きのまま新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置くか、表向きにして自分のシールド1つの上に置く)
もし、自分のシールドが1枚もない状態で新しいシールドとして自分のシールドを増やすのではなく、表向きにして自分のシールド1つの上に置こうとしたら?
答えは、「山札は減らない」だ。
強制効果と言えど、デュエル・マスターズのルールではできることは全て行い、行えない部分は無視する。(「デュエル・マスターズ総合ゲームルール Ver.1.12」101.3より)
つまり、シールドを0枚にすれば山札を減らすことなく《煌世主 サッヴァーク†》と《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》でダイレクトアタックまでもっていくことは理論上可能。
2枚の《転生ノ正裁Z》でシールドを減らすゆうや。残り山札は、3枚。
だが、ゆうやの行動からその狙いに気づいていたhetare。
唱えたのは先ほどマナに置かずに取って置いた≪ジャミング・チャフ≫。これが勝負の決め手となった。
次のターンゆうやは《転生ノ正裁Z》を唱えることはできない。これで残りの山札は2枚
もう、ゆうやには後がなかった。
祈るようにしターンを返すhetare。
そして最後のゆうやのターン、《転生ノ正裁Z》でシールドをめくり、シールドから回収した《転生ノ正裁Z》でさらにシールドをめくり……続けるも「ドラゴン・T ・ブレイカー」で増やしてしまっていた裏向きのシールドを含め、すべて手札に加えるには《転生ノ正裁Z》を唱える回数が、どうしても足りなかった。
残りの山札は…1枚。
ゆうた「……………負けました」
彼はそう呟くとデッキの最後の1枚に手を置きhetareと手を交わすのであった。
Winner: hetare
終わってみれば、長丁場となった本ゲーム。
熾烈な≪ジャミング・チャフ≫の打ち合いの間隙をぬって、殴るプランから粘るプランへと変更したhetareに今回軍配は上がった。
だが、とっさに機転を利かせてシールドをすべて回収しようとするプランを取ったゆうやもまた、使用デッキに対する深い知識がなければ取れないプランだった。
この試合は、1つのプレイがその後のゲーム展開に大きな影響を及ぼした、まさしく最後まで勝敗がわからない展開となった名勝負と言っても過言ではないだろう。
熱戦を繰り広げた両者の健闘を、今一度ここに称えよう。
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