全国大会2018 中四国エリア予選 Bブロック決勝戦:うめ太(岡山) vs. しゃくれ副店長(愛媛)
中四国大会エリア予選は2日間と長い行程を辿ってきた、参加者は2日間合わせて260人強。それも、この試合ですべてが終わる。
初日のAブロックの代表は『赤青覇道』で猛進したkazu001が全国への切符を勝ち取った。
そして今、Bブロックの代表者が決まろうとしていた。
ここで本日の決勝に進んだ2人のプレイヤーを紹介しよう。
開催地である地元 岡山出身、うめ太。
地元のショップ、カードマイスター勢として調整相手であるエド2と共にBブロックの決勝トーナメント進出している。
だが、そのエド2はベスト16にて敗退。
観客席からは彼が見守ってくれている。
彼のためにも、カードマイスター勢としても負けられない。
使用デッキは『DG型サッヴァーク』
GP7thの決勝、ぎらさき、えんがわが繰り広げたあの伝説のミラーマッチで用いられたデッキの系譜を引き継ぐアーキタイプだ。
ただ、『DG型サッヴァーク』は有名になってしまったがゆえに研究をされ尽くされたといっても過言ではない。ゆえに、序盤戦や受けも意識した『絶十型』が、エリア予選においては『DG型』より席巻したのだ。
ではなぜ彼が、この『DG型』を使うに至ったか。
それはあえて『絶十型』が多くなるであろう環境において受けが弱い分、デッキとしての総合力が高く安定性のある選択をしたからに他ならない。
苦手であった部分は《堅珠ノ正裁Z》や《集結ノ正裁Z》などの既存の『DG型』にはとらわれないカードの採用でそういった部分の克服を試みている。
対するは愛媛のしゃくれ副店長。
HN通り愛媛のカードショップ「ファンクス」の副店長を勤める彼の使用するデッキは『白単重音メタリカ』。
広島の強豪ぎゃる男があえて九州エリア予選の使用を検討し、お蔵入りしていたリスト。
それこそが今回しゃくれ副店長の使う『白単重音メタリカ』であった。
九州エリア予選の結果を受け、ぎゃる男や前日の中四国大会 Aブロック ベスト16にも入った愛媛の蒼輝をはじめとする調整チームによる日々の精練の結果生み出された玉稿ならぬ玉デッキ、といえるだろう。
デッキのコンセプトとしては、《記憶の紡ぎ 重音》、《ナゾの光・リリアング》、《夜の青守銀 シャイン》をはじめとする「キズナ」を連鎖的に誘発させて展開を狙う中速ビートダウンである。
《龍装者 デュオ・コマンドー》と《夜の青守銀 シャイン》のシナジーを活用したタイプもあるが、しゃくれ副店長のリストには昨年度猛威を振るった『白単メタリカ』のエースカードである《赤攻銀 マルハヴァン》を採用。展開からのコスト軽減を生かし《龍装者 デュオ・コマンドー》を採用しているリストよりも、より前のめりな姿勢のデッキタイプとなっている。
さらに前日のAブロックと打って変わって、《ゼンメツー・スクラッパー》や《“乱振”舞神 G・W・D》などの複数除去を持つ『赤青覇道』が数を減らしたことも功を奏した。
対戦席に着くと、しゃくれ副店長はまずこう陳謝した。
「先ほどはお騒がせしてすみません……」
そう、彼は準決勝において、対戦終了後直後あまりの興奮で席を離脱して欣喜雀躍しまったためにジャッジから注意を受けているのだ。
だが裏を返せば、それは彼の熱意とデュエル・マスターズへの愛の表れであり、そして何より共に全国の切符に向け、調整してくれていた仲間の想いが彼の双肩に乗っていることの証左に他ならない。
しゃくれ副店長「今回は抑えて我慢します」
そして先攻後攻を決めるじゃんけん。
しゃくれ副店長「負けたぁぁ……」
頭を机に打ち付けるしゃくれ副店長。この男、リアクションの鬼である。
なにはともあれ、これが中四国エリア代表決定戦最後の試合。
締めくくりにふさわしい熱戦をお届けしよう。
先攻:うめ太
決勝戦は時間無制限、お互い1枚1枚のマナチャージを熟考しあう。
それもそのはず、うめ太、しゃくれ副店長のどちらも光が主軸のデッキ、マナや墓地回収のカードがないためマナチャージから慎重にならざるを得ないのだ。
この長い沈黙を破ったのは、先攻2ターン目うめ太の≪奇石 ミクセル≫。
しゃくれ副店長の《赤攻銀 マルハヴァン》のコスト軽減、《ヘブンズ・フォース》からの《龍装者 バーナイン》など、あらゆる手を潰す重い一手。
息を飲む観衆、手が止まるしゃくれ副店長。
返しのターンにしゃくれ副店長が重い手で埋めたマナは《夜の青守銀 シャイン》。
そして≪奇石 ミクセル≫を場に送り出す。
互いの≪奇石 ミクセル≫が睨みを利かせるこの状況。
≪奇石 ミクセル≫が重いのは何もしゃくれ副店長だけではない。うめ太の《戦慄のプレリュード》からの《サッヴァークDG》を阻むのもまた……≪奇石 ミクセル≫であった。
3ターン目から4ターン目にかけて、うめ太は《剣参ノ裁キ》で《憤怒スル破面ノ裁キ》を、《集結ノ正裁Z》で《サッヴァークDG》の2枚を手札に加える。
一方、しゃくれ副店長は《奇石マクーロ》で《正義の煌き オーリリア》を回収した後、《ナゾの光・リリアング》から《ジャスト・ラビリンス》を唱え、盤面の《ナゾの光・リリアング》、《奇石マクーロ》、≪奇石 ミクセル≫をタップし一挙に3枚ものドローを行い、手札を潤沢にしていく。
ゲーム上はまだ互いがキーパーツの回収を試みている準備段階。
と、ここでさらに2マナをタップするしゃくれ副店長。
《ナゾの光・リリアング》を場に出し《ヘブンズ・フォース》から《龍装者 バーナイン》を場に出した。
4ターン目にして一挙に5体ものクリーチャーが並んだ盤面を目の当たりにし、焦りを隠せないうめ太。
選択を誤れば、そのまま負けに直結しかねない。
先手5ターン目、うめ太は2体目の≪奇石 ミクセル≫を場に出すと、1体目の≪奇石 ミクセル≫で、しゃくれ副店長の≪奇石 ミクセル≫と相打ち。
しゃくれ副店長は、うめ太の踏み倒しを阻めなくなっただけでなく、うめ太の2体目の≪奇石 ミクセル≫により未だに攻撃と防御の要《赤攻銀 マルハヴァン》を出せないでいる。
しゃくれ副店長「チャージ考えます」
マナに置いたのは《奇石 タスリク》
これで5マナ。
しゃくれ副店長の手札から出てきたのは《記憶の紡ぎ 重音》だ。
攻撃時に自身の「キズナ・プラス」で≪ジャミング・チャフ≫をキャスト。一方的な攻撃により、一気にうめ太のシールドが割られていく。
うめ太「マジか……」
場に残った大勢のクリーチャーからの≪ジャミング・チャフ≫。《サッヴァークDG》を場に出すも、ターン終了時に「裁きの紋章」が唱えられない。
そして回って来たしゃくれ副店長のターン。
この攻撃が通れば終わる。
最後に手札から唱えられたのは、とどめの≪ジャミング・チャフ≫。
しゃくれ副店長の進撃を遮るものはもう、何もなかった。
Winner: しゃくれ副店長
対戦後にうめ太と握手を交わすしゃくれ副店長。
しゃくれ副店長「まだ……まだ我慢だ……」
「もういいですよ」
ヘッドジャッジがそう呟くと
しゃくれ副店長「っしゃぁあああああああああああああああ」
勝利の雄叫びを暖かい仲間たちに熱い声援で迎えられ、ここに新たなエリア代表が誕生した。
さあ、ファンクスの副店長の名を、全国にとどろかせよう。
中四国エリア Bブロックチャンピオンはしゃくれ副店長おめでとう!
初日のAブロックの代表は『赤青覇道』で猛進したkazu001が全国への切符を勝ち取った。
そして今、Bブロックの代表者が決まろうとしていた。
ここで本日の決勝に進んだ2人のプレイヤーを紹介しよう。
開催地である地元 岡山出身、うめ太。
地元のショップ、カードマイスター勢として調整相手であるエド2と共にBブロックの決勝トーナメント進出している。
だが、そのエド2はベスト16にて敗退。
観客席からは彼が見守ってくれている。
彼のためにも、カードマイスター勢としても負けられない。
使用デッキは『DG型サッヴァーク』
GP7thの決勝、ぎらさき、えんがわが繰り広げたあの伝説のミラーマッチで用いられたデッキの系譜を引き継ぐアーキタイプだ。
ただ、『DG型サッヴァーク』は有名になってしまったがゆえに研究をされ尽くされたといっても過言ではない。ゆえに、序盤戦や受けも意識した『絶十型』が、エリア予選においては『DG型』より席巻したのだ。
ではなぜ彼が、この『DG型』を使うに至ったか。
それはあえて『絶十型』が多くなるであろう環境において受けが弱い分、デッキとしての総合力が高く安定性のある選択をしたからに他ならない。
苦手であった部分は《堅珠ノ正裁Z》や《集結ノ正裁Z》などの既存の『DG型』にはとらわれないカードの採用でそういった部分の克服を試みている。
対するは愛媛のしゃくれ副店長。
HN通り愛媛のカードショップ「ファンクス」の副店長を勤める彼の使用するデッキは『白単重音メタリカ』。
広島の強豪ぎゃる男があえて九州エリア予選の使用を検討し、お蔵入りしていたリスト。
それこそが今回しゃくれ副店長の使う『白単重音メタリカ』であった。
九州エリア予選の結果を受け、ぎゃる男や前日の中四国大会 Aブロック ベスト16にも入った愛媛の蒼輝をはじめとする調整チームによる日々の精練の結果生み出された玉稿ならぬ玉デッキ、といえるだろう。
デッキのコンセプトとしては、《記憶の紡ぎ 重音》、《ナゾの光・リリアング》、《夜の青守銀 シャイン》をはじめとする「キズナ」を連鎖的に誘発させて展開を狙う中速ビートダウンである。
《龍装者 デュオ・コマンドー》と《夜の青守銀 シャイン》のシナジーを活用したタイプもあるが、しゃくれ副店長のリストには昨年度猛威を振るった『白単メタリカ』のエースカードである《赤攻銀 マルハヴァン》を採用。展開からのコスト軽減を生かし《龍装者 デュオ・コマンドー》を採用しているリストよりも、より前のめりな姿勢のデッキタイプとなっている。
さらに前日のAブロックと打って変わって、《ゼンメツー・スクラッパー》や《“乱振”舞神 G・W・D》などの複数除去を持つ『赤青覇道』が数を減らしたことも功を奏した。
対戦席に着くと、しゃくれ副店長はまずこう陳謝した。
「先ほどはお騒がせしてすみません……」
そう、彼は準決勝において、対戦終了後直後あまりの興奮で席を離脱して欣喜雀躍しまったためにジャッジから注意を受けているのだ。
だが裏を返せば、それは彼の熱意とデュエル・マスターズへの愛の表れであり、そして何より共に全国の切符に向け、調整してくれていた仲間の想いが彼の双肩に乗っていることの証左に他ならない。
しゃくれ副店長「今回は抑えて我慢します」
そして先攻後攻を決めるじゃんけん。
しゃくれ副店長「負けたぁぁ……」
頭を机に打ち付けるしゃくれ副店長。この男、リアクションの鬼である。
なにはともあれ、これが中四国エリア代表決定戦最後の試合。
締めくくりにふさわしい熱戦をお届けしよう。
先攻:うめ太
決勝戦は時間無制限、お互い1枚1枚のマナチャージを熟考しあう。
それもそのはず、うめ太、しゃくれ副店長のどちらも光が主軸のデッキ、マナや墓地回収のカードがないためマナチャージから慎重にならざるを得ないのだ。
この長い沈黙を破ったのは、先攻2ターン目うめ太の≪奇石 ミクセル≫。
しゃくれ副店長の《赤攻銀 マルハヴァン》のコスト軽減、《ヘブンズ・フォース》からの《龍装者 バーナイン》など、あらゆる手を潰す重い一手。
息を飲む観衆、手が止まるしゃくれ副店長。
返しのターンにしゃくれ副店長が重い手で埋めたマナは《夜の青守銀 シャイン》。
そして≪奇石 ミクセル≫を場に送り出す。
互いの≪奇石 ミクセル≫が睨みを利かせるこの状況。
≪奇石 ミクセル≫が重いのは何もしゃくれ副店長だけではない。うめ太の《戦慄のプレリュード》からの《サッヴァークDG》を阻むのもまた……≪奇石 ミクセル≫であった。
3ターン目から4ターン目にかけて、うめ太は《剣参ノ裁キ》で《憤怒スル破面ノ裁キ》を、《集結ノ正裁Z》で《サッヴァークDG》の2枚を手札に加える。
一方、しゃくれ副店長は《奇石マクーロ》で《正義の煌き オーリリア》を回収した後、《ナゾの光・リリアング》から《ジャスト・ラビリンス》を唱え、盤面の《ナゾの光・リリアング》、《奇石マクーロ》、≪奇石 ミクセル≫をタップし一挙に3枚ものドローを行い、手札を潤沢にしていく。
ゲーム上はまだ互いがキーパーツの回収を試みている準備段階。
と、ここでさらに2マナをタップするしゃくれ副店長。
《ナゾの光・リリアング》を場に出し《ヘブンズ・フォース》から《龍装者 バーナイン》を場に出した。
4ターン目にして一挙に5体ものクリーチャーが並んだ盤面を目の当たりにし、焦りを隠せないうめ太。
選択を誤れば、そのまま負けに直結しかねない。
先手5ターン目、うめ太は2体目の≪奇石 ミクセル≫を場に出すと、1体目の≪奇石 ミクセル≫で、しゃくれ副店長の≪奇石 ミクセル≫と相打ち。
しゃくれ副店長は、うめ太の踏み倒しを阻めなくなっただけでなく、うめ太の2体目の≪奇石 ミクセル≫により未だに攻撃と防御の要《赤攻銀 マルハヴァン》を出せないでいる。
しゃくれ副店長「チャージ考えます」
マナに置いたのは《奇石 タスリク》
これで5マナ。
しゃくれ副店長の手札から出てきたのは《記憶の紡ぎ 重音》だ。
攻撃時に自身の「キズナ・プラス」で≪ジャミング・チャフ≫をキャスト。一方的な攻撃により、一気にうめ太のシールドが割られていく。
うめ太「マジか……」
場に残った大勢のクリーチャーからの≪ジャミング・チャフ≫。《サッヴァークDG》を場に出すも、ターン終了時に「裁きの紋章」が唱えられない。
そして回って来たしゃくれ副店長のターン。
この攻撃が通れば終わる。
最後に手札から唱えられたのは、とどめの≪ジャミング・チャフ≫。
しゃくれ副店長の進撃を遮るものはもう、何もなかった。
Winner: しゃくれ副店長
対戦後にうめ太と握手を交わすしゃくれ副店長。
しゃくれ副店長「まだ……まだ我慢だ……」
「もういいですよ」
ヘッドジャッジがそう呟くと
しゃくれ副店長「っしゃぁあああああああああああああああ」
勝利の雄叫びを暖かい仲間たちに熱い声援で迎えられ、ここに新たなエリア代表が誕生した。
さあ、ファンクスの副店長の名を、全国にとどろかせよう。
中四国エリア Bブロックチャンピオンはしゃくれ副店長おめでとう!
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