超CSⅣ静岡:メタゲームブレイクダウン
ライター:河野 真成
約3年ぶりの大型大会となった超CSⅣ静岡。
全国大会2019の興奮も冷めやらぬ中で、全国各地のプレイヤーは一体どのようなデッキを選択したのだろうか?
予選を突破した128のデッキ分布やプレイヤーたちのインタビューを元に、今大会のメタゲームについて紐解いていきたい。
プレイヤーたちの事前メタゲーム予想
まず初めに、今回の事前メタゲーム予想について簡単に触れておこうと思う。全国大会2019での『JO退化』の躍進は著しく、極めて支配的であったのは記憶に新しい。しかし大会後に登場した《飛ベル津バサ「曲通風」》や《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》などの新規メタカードにより、環境には一定の変化が見られた。
特に『JO退化』や『グルメ墓地ソース』、『火単我我我』といった従来の強力なデッキほどこれらのメタカードが刺さりやすい。
この辺りについて、当の全国大会に出場したあーくんは次のようなことを話してくれた。
あーくん(2019年度DMPランキング 6位)「『鬼羅.Star』、『水闇自然ハンデス』といったメタカードを上手く使うデッキと『JO退化』、『グルメ墓地ソース』という基盤は強いがメタが刺さりやすいデッキ。そして『水魔導具』、『ガイアハザード退化』といった構造上メタが効きにくいデッキという3グループが主だと考えました。その他、『火自然アポロ』や『水単スコーラー』といったオールインデッキや『MDW』『光水闇バルカディアNEX退化』という受けの固いデッキの存在もあり、幅広く色々な対面に当たると想定しました」
現在のオリジナル環境には多くのデッキが存在するが、それぞれメタカードに対するスタンスは異なってくる。
そんな中で、「メタカードを相手にしない」という恩恵が大きいとみたか、『水魔導具』がトップメタだろうと考えた上位プレイヤーは多かったようだ。
アーチー(全国大会2019出場)「多いと思っていたのは『水魔導具』と『鬼羅.Star』ですね。『ゼーロベン』を使ったのは、両者にちゃんといけるからです」
アユニ・Dの顔ファン(現DMPランキング 1位)「『水魔導具』と『ガイアハザード退化』が中心で、そこに『鬼羅.Star』が加わってくる環境だと思っていました」
おんそく(全国大会2019 3位)「『水魔導具』+その他、といった環境だと思っていました。デッキとしては『JO退化』が一番強いとは思っていますが、そのJOや『グルメ墓地ソース』といったデッキはやや下火になると予想していました」
『水魔導具』は大抵のメタカードを無視しやすいデッキであり、また《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》による追加ターンの獲得という要素が多くのデッキに対して有効である。特に超CSという幅広いデッキの存在が予想出来る大会においては、こうした安定感は重視されて然るべきだろう。
一方で『JO退化』がやや下火になるという予想は、やはりメタカードの存在が大きいだろう。どんなデッキと対戦するかわからない環境ということは、どんなデッキから《飛ベル津バサ「曲通風」》が飛んできてもおかしくはない。安定感という基準で考えると、選択するにはそれなりに勇気か覚悟は必要だっただろう。
こう見てみると、新規メタカードが環境に与えている影響は大きい。
メタカードを使うか、立ち向かうか、相手にしないか……それぞれのプレイヤーに判断が委ねられたというわけだ。
では、実際のメタゲームは一体どういったものになったのだろうか?
今大会メタゲームについて見ていこうと思う。
今大会のメタゲームについて
予選を突破した128のデッキは、次のような分布となった。TOP128 デッキ分布
【光水闇バルカディアNEX退化】 14
【火自然アポロヌス】 13
【ガイアハザード退化】 11
【JO退化】 11
【鬼羅.Star】 11
【火単我我我】 9
【水タッチ闇スコーラー】 8
【水魔導具】 6
【水闇自然ハンデス】 5
【4c邪王門】 4
【グルメ墓地ソース】 4
【火自然ボルシャック】 4
【マーシャルループ】 3
【チェイングラスパー】 2
【4cガイアッシュ覇道】 2
【天門ヒャクメベン】 2
【5cネバー】 2
【光水闇ギャラクシールド】 2
【水闇自然ゲンムエンペラー】 2
【4cバルカディアNEX退化】 2
【その他】 11
このうち、TOP8入りを果たしたのは以下の通りとなっている。
TOP8 デッキ分布
【光水闇バルカディアNEX退化】 1
【ガイアハザード退化】 1
【JO退化】 2
【チェイングラスパー】 2
【4cガイアッシュ覇道】 1
【グルメ墓地ソース】 1
予想通りの活躍を見せたデッキ、予想以上の活躍をしたデッキ、予想ほど活躍出来なかったデッキとそれぞれあるが、ここではメタゲームの中心となったデッキについて言及していきたい。
火自然アポロヌス
分布上だと少し順番前後するが、まずこのデッキについて触れておく。元々このデッキはJO退化と差別化できる点がほぼ存在せず、その上でJO退化の方が優秀なデッキだということもあり、メタゲーム上からは長らく消えていたデッキであった。
しかし今回、「メタカードを相手にしない」デッキとなったことで、環境への返り咲きを果たしたのである。
もちろん侵略というギミックがある以上は《異端流し オニカマス》のような旧来のメタカードとの駆け引きはある。しかしJOが苦しめられている《飛ベル津バサ「曲通風」》には充分対抗できるし、『火単我我我』が白旗を上げる《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》も苦としない。
《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》のおかげで、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》のようなカードも突破出来るのも強みだ。
その上で環境最速のデッキであり、プレイ難度も低い。トップメタと考えられた『水魔導具』や『鬼羅.Star』に対して強いデッキでもある。選択するには、充分すぎる理由がある。
実際のところ、直近のCSでも徐々に結果を残していたデッキであり、それを考えると今回の台頭も納得いくものがある。
一方でこのデッキは「アポロヌスを出すこと」に特化しているため、それ以外のサブプランと言えるようなものは存在しない。ゆえにデッキの対応幅は狭く、少し古いメタゲームで活躍していた『5cネバー』などの受けるデッキに対してはかなり脆さを見せてしまう。
そしてこのデッキがメタゲーム上で一定の存在感を放ったことは、他のデッキたちに思わぬ波及効果を生み出すことにもなった。
光水闇バルカディアNEX退化
光水闇バルカディアNEX退化は、プレイヤー間では通称『ドロマー退化』などと呼ばれている。《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》の登場により成立したデッキではあるが、退化ギミックそのものの不安定さからトップメタデッキとは到底言い切れない存在ではあった。
しかし、このデッキは他のデッキにはない大きな利点があった。
それはアグロ系の殴ってくるデッキに異様に強いこと、そして受けが強いデッキには珍しく、4ターン退化という押しつけがあることという2点だ。
このデッキは《終末の時計 ザ・クロック》という大きな受けの軸があり、素のトリガーはもちろんのこと、《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》でシールドに埋め直しての再利用や、《シラズ死鬼の封》や《影世界のシクミ》といった他のトリガーを利用して場に出すことが出来る。
シールドからクロック(およびクロックに繋がるカード)と一緒に≪エマージェンシー・タイフーン≫などを踏ませることで相手の攻撃を止め、返しにカウンターで《竜魔神王バルカディア・NEX》への退化を決めて勝つ、というプランを実行しやすい。
そしてこれが、火自然アポロヌスが台頭している環境と上手くハマったように見える。アポロも、《終末の時計 ザ・クロック》は本当にどうにもならない。元々一定レベルの力はあるデッキだったが、追い風が吹いたことで一気に数を増やした。
また、受けデッキにありがちな「アグロには勝てるけどコントロールにはボコボコにされがち」という点についても、このデッキは4ターン退化という強力な動きを持っていることが大きい。決して安定したルートとは言えないものの、不利を捲るには充分すぎる上振れ要素だろう。
加えてゲーム序盤の《自然の四君子 ガイアハザード》を除去できる《オリオティス・ジャッジ》をすんなり採用出来るデッキだったことも、プラスだったと言える。実際、今回3位となったけんけんラーメンのリストには、《オリオティス・ジャッジ》が3枚採用されていた。
けんけんラーメン デュエル・マスターズ 超CSⅣ 静岡 オリジナル構築 |
|
|
ちなみにこのデッキも、「メタカードを相手にしない」分類のデッキである。
今後も超CSでも入賞する可能性は大いにあり、要注目のデッキだろう。
ガイアハザード退化
『ガイアハザード退化』は超CSの開催を目前にして台頭してきた、かなり新しいタイプのデッキだった。
黒助 デュエル・マスターズ 超CSⅣ 静岡 オリジナル構築 |
|
|
新デッキである故に、(部分的には刺さるケースもあるが)基本的には「メタカードを相手にしない」。
《禁断英雄 モモキングダムX》から《自然の四君子 ガイアハザード》に退化する、というのがデッキの主軸だと考えると《飛ベル津バサ「曲通風」》が苦しいように見えるが、
あーくん「最速3ターン退化の上振れを備えつつ、《生魂転霊》によるリソースを使いこなすコントロールデッキ」
というように、実は《Disジルコン》などに《生魂転霊》を撃ってリソースを稼ぐというビッグマナコントロール系のデッキに近い。なんなら相手が《飛ベル津バサ「曲通風」》を出して手札を消費しようものなら、ゴキゲンで《絶望と反魂と滅殺の決断》が飛んでくることだろう。
おんそく「(話題になっているため)ハザード退化を知らない人はいないとは思うけど、実際に戦った人はそこまで多くないため初見勝ちも狙えると思った」
まだ広まりきってないということもあって、単純なギミック勝ちを狙えたという点も、このデッキが多くのプレイヤーを惹きつけた要因でもあるだろう。
またこのデッキと相性のいい《闘争と成長の決断》がカード破壊を行えるという点も見逃せない。『水魔導具』の要である《卍 新世壊 卍》を割ることが出来る。
多くのプレイヤーが『水魔導具』をトップメタと考えていたとすると、これは大きくプラスに働いたはずだ。
こう考えると、もっと数がいてもいいように思える。
しかし新デッキであるため練度を高める時間が少なく、またコントロールデッキであるというプレイ難度の高さはやや足枷となっただろうか。
それでも多くのプレイヤーが予選を勝ち抜いたものの、本戦では『水タッチ闇スコーラー』などに行く手を阻まれてしまい、思っていたほどの戦果を挙げることは叶わなかった。
JO退化
前環境の最強デッキであったが、現環境では「メタカードに立ち向かう」デッキという立ち位置になる。とにかく《飛ベル津バサ「曲通風」》+ハンデスといった構図が厄介で、使用者数を大きく落としてしまった。一方で新たな『JO退化』の在り方を模索する動きもあった。
今大会でベスト16の成績を残したフェアリーは、新しいJOについて次のように話していた。
フェアリー/AYN デュエル・マスターズ 超CSⅣ 静岡 オリジナル構築 |
|
|
フェアリー「従来のリストから変わった点として《クリティカル・ラブ》の採用と、《未来王龍 モモキングJO》の4枚目採用、そして《無双龍騎 ボルバル・モモキング》の増量というものがあります」
これらは一見バラバラな内容のようで、明確に一つの線でつながっている。
フェアリー「鬼羅.Starなどに《飛ベル津バサ「曲通風」》+《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》などの場面を作られるようになり、これを突破するには従来までの《バッドドッグ・マニアクス》の4枚だけでは足りないと判断しました。相手のメタカードと同じ枚数である8枚除去が欲しかったため、《怒りの影ブラック・フェザー》を抜いて《クリティカル・ラブ》を採用しています」
そしてこれは、《未来王龍 モモキングJO》の増量にもつながっていく。
フェアリー「このデッキで5マナを溜めて動く、というシーンは必ずしも多くはなかったのですが、除去を増やしたことでゲームを伸ばせるようになり、5マナに到達するシーンも増えました。そのため手出しからの《未来王龍 モモキングJO》が強くなり、4枚採用しています。JOを手で出せるようになったため、曲通風をスルーしてテスタのみを破壊して動く、なんてことも出来るようになりましたね」
《無双龍騎 ボルバル・モモキング》が増えて《アルカディアス・モモキング》が減ったのも、JO退化のレンジの変化によるものと見ていいだろう。中盤域では、ある程度相手に動かれている筈だ。そのため、封殺目的のアルモモよりも、破壊が出来るボルモモの優先度が勝る、というわけだ。「メタカードに立ち向かう」デッキとしての苦心と工夫を読み取ることが出来る。
そして結果として今大会も最後に笑ったのは『JO退化』であった。上に行けば行くほどJO退化を駆逐するデッキは減っていき、最後は生き残ったJOにとっては美味しい狩場になっていた、ということだろう。
鬼羅.Star
光水火の構築が大半を占めていたが、ごくわずかながら他の文明の組み合わせもあったため、この表記としている。こちらはもっとも明快な「メタカードを使う」デッキである。複数のメタカードで相手の動きを抑え込み、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》からの展開で鉄壁の盤面を築き、封殺する。
直近でも多くのCSで結果を残しており、トップメタの一角と見られていた。しかしその割には、思ったほど数は伸びなかったというのが正直な印象だろう。
要因としてはやはり「メタカードと戦わない」デッキが増加したことだろう。この分類の代表デッキである『水魔導具』には《メッチャ映えタタキ》で対抗するのがこのデッキの基本であったが、アポロやバルカディアNEXに蹂躙されたプレイヤーも少なくなかった筈だ。
決して強力とは言えないデッキ基盤を支えるためのメタカードだっただけに、それが刺さらない相手には純粋にパワー負けしてしまうのだ。
また対面によって有効なメタカードを引く必要もあるというのも、このデッキの不安定さを示すものだろう。《飛ベル津バサ「曲通風」》を引きたい相手に《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》しか引けない、逆も然り……といったことは、このデッキを使ったことあるプレイヤーであれば経験がある筈だ。
いずれにせよ、今後はメタカードが有効でないデッキが増えてくることは間違いない。
その際にこのデッキは消えてしまうのか、はたまた別な形で生存の道を探すのか……注目していきたいところだ。
水タッチ闇スコーラー
このデッキは、ちょっと立ち位置が珍しい。多くのメタカードに引っかかってしまうし、それに立ち向かえるだけの構造もしてない。その上でアグロ耐性もなく、一旦動き始めても案外フィニッシュまで到達出来ないと、悪い点を挙げていけば正直キリがない。
しかしそうした欠点を補うだけの魅力は、確かにある。
このデッキは、自分より遅いデッキには滅法強いのだ。4ターン目にはループで勝てる、というデッキの構造がもたらしてくれる恩恵である。
そして今回挙げていく中で、自分より遅いデッキというのが『水魔導具』に『ガイアハザード退化』となる。そう、環境上のトップメタたちである。このデッキ、立ち位置的には大当たりだったのだ。
そうした観点で言うと、宮城県のUMEBAというプレイヤーから興味深いエピソードを聞いた。
UMEBA「東北は受け山(受けるデッキのこと。特に東北では«甲型龍帝式 キリコ³»のデッキなどが活躍している)が多くて、最近では水のムートピアが筆頭みたいな環境になっていて。実は(この超CSでも)ムートピアが強いのでは? と思っていました」
UMEBA本人はアグロデッキと鬼羅.Starがチラついて使用に踏み切らなかったようだが、このデッキが如何に特定の環境下で強いか、をよく示した話であると思う。
こうしたデッキ特有の利点を生かし、予選では大いに躍動。道中でアポロに粉砕されたプレイヤーもいた筈だが、それでも多くが本戦まで生き残った。
そして本戦序盤では、上がってきたガイアハザード退化たちを次々と葬っていく。
しかし回戦が進むにつれて、ここまで耐えて生き残ったJO退化の餌になってしまった、というのが結末だろうか。
不利な相手にはとことん不利というデッキだけに、TOP8まで生き残るのは厳しかったのだろう。
水魔導具
「メタカードを相手にしない」デッキであり、今回のトップメタの一角、人によっては大本命と見る向きもあった。しかし結果として、そこまで本戦進出者は多くはならなかった。
「おおよそ5ターン目に《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》で追加ターンを得て勝つ」という安定性の高いフィニッシュ方法だけに、道中でアクシデント負けした、というケースはそこまで多くはない筈だ。となると、単純にメタゲーム上で敗れてしまったということになる。
実際ここまで挙げたデッキたちの中で、水魔導具が大きく有利を取っているというデッキは少ない。どのデッキも魔導具に対する明確な勝ち筋を持っていたり、《卍 新世壊 卍》を割れたりするデッキたちだ。
そうなるとこのデッキが伸び悩んだのは生存競争に負けたというシンプルな理由のようだ。このデッキは思いっきりメタられたときに、それを覆すほどの絶対的パワーを有しているわけでもない。
もっともこのデッキに有利なデッキが本戦に数多く進出していることを考えると、使用者数自体は多かったのだろう。プレイヤーたちの見立ては、だいたい合っていたように思える。
グルメ墓地ソース
JOに並ぶ前環境の支配者で、今回は「メタカードに立ち向かう」側のデッキとなる。≪巨大設計図≫を止める《飛ベル津バサ「曲通風」》や、《樹食の超人》や《暴走龍 5000GT》の召喚を大きく妨害してくる《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》が両方とも重いため、メタカードに対する耐性はかなり低い。
加えてこのデッキは『水魔導具』に対してやや不利でもあり、メタゲーム上の都合もよかったわけでもない。
しかしそれらの弱点があってなお、魅力的だと捉えたプレイヤーも多かったようだ。
実際、現在のDMPランキング1位・2位がこのデッキを使用していたというのも面白い。
天馬(現DMPランキング 2位)「グルメはデッキパワーが高く、環境外の幅広いデッキに大きく有利を取っています。大型大会となると、こういう要素は大事だと思っています。また別に強いデッキと当たっても、別に不利というわけでもありません」
アユニ・Dの顔ファン「グルメ墓地は多くのデッキに有利を取れています。その上で、今回『水魔導具』を見て《龍装者 ジスタジオ》を採用し、鬼羅.Starのメタカードを突破するために≪7777777≫を採用しています。JOはそこまで多くないと思っていました」
4~5ターン目に《ブラキオ龍樹》や《大樹王 ギガンディダノス》といったカードを繰り出して、以降それらを複数並べて完全に逆転の芽を摘んでいく。パワーの落ちるデッキに対して、無類の強さを発揮してくれる。
そうしたデッキの特徴もあってか、決して追い風とは言えないメタゲームの中でもTOP8に1名送り込んでいる。このデッキの地力の高さをよく表していると言えよう。
つきせん デュエル・マスターズ 超CSⅣ 静岡 オリジナル構築 |
|
|
チェイングラスパー(キリコグラスパー)
最後になるが、このデッキについても簡単に触れておきたい。
予選突破数は2名だったこのデッキだが、なんとその2名はそのままTOP8まで到達してみせた。
要因を一言で表すのは難しいが、従来まで苦手としていたアグロデッキに対して《バイケンの海幻》という回答を用意出来るようになった、というのは大きいだろう。
またコントロール系のデッキには《蒼狼の王妃 イザナミテラス》1枚から勝つことも可能で、元々相性がいい。『ガイアハザード退化』などに対して、相応の成績を残したのではないだろうか。
イクラさん デュエル・マスターズ 超CSⅣ 静岡 オリジナル構築 |
|
|
以上が今大会におけるメタゲームブレイクダウンである。
大型大会ということもあって、多種多様なデッキが本戦へと勝ち進んできた。その裏には、メタカードを巡るプレイヤーたちの選択と決断があった。
メタカードを使うのか、立ち向かうのか、相手にしないのか……。
次回の福岡では、新たなカードプールも追加される。そこでは当然、別のメタゲームが展開されるだろう。
新たな戦いが、待ち遠しい。
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY