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超CSⅣ宮城 Round 6:ばやし。 vs. ZweiLance

ライター:高橋 穂
撮影者:堀川 優一

 予選も6回戦ともなれば、上位層には強者が揃ってくる。

 そして、このフィーチャー卓にはそんな中でも飛び切りの強者の中の強者が集っていた。

 片や、公式動画やYoutubeでおなじみZweiLance。デュエマ界屈指の知名度と数々の大会で結果を残す実力を誇る、言わずと知れた強者だ。

 北関東を中心に活躍するばやし。もまた、全国大会2017に出場するなど実績多数の強豪。その強さに疑う余地はない。

 お互い慣れっこなのか、フィーチャー卓特有の張り詰めた感覚も両者とも見せず、傍から見ればリラックスしているかのような雰囲気すら感じさせる。
 
 だが、もちろんその心の中には勝利への飽くなき意思が燃えているのは言わずもがなだ。

 故郷の宮城に錦を飾れるか。はたまた、群馬に勝利という最高の土産を持ち帰れるか。

 二人の強者が、一つしかない勝者の椅子を賭けて激突する。


先攻:ZweiLance
 初手を一瞥するや否や即座に《禁断のモモキングダム》をチャージしたZweiLanceに対し、じっくり考えながら《アルカディアス・モモキング》をチャージするばやし。という立ち上がり。

 この時点で、このゲームが【JO退化】のミラーマッチであることに両者が気付いたのは言うまでもない。

 デッキタイプの確立からあとわずかに控えた殿堂改定に至るまで、トップメタとして駆け抜け続けてきたこのデッキ。もちろん、両者とも仮想敵として相当な練習を積んできているはずだ。

 この大会の翌々日にはプレミアム殿堂コンビとなる《禁断英雄 モモキングダムX》《未来王龍 モモキングJO》。彼らに愛されたほうが、勝利を手にすることになるだろう。  2ターン目、勝負は急展開を見せる。

 《クリティカル・ラブ》をチャージしたZweiLanceが《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚して《未来王龍 モモキングJO》へリーチをかけると、ばやし。も《新世界王の闘気》チャージから《禁断英雄 モモキングダムX》召喚!

 鏡打ちのように最速の退化へと歩みを進めた両者だが、先攻を取った上でマナチャージから「手札に退化札がある」と予告しているZweiLanceが一歩有利に見える。

 しかし、このミラーマッチにおいては仕留めそこなった瞬間に「ブレイクによって大量の手札を得た相手によって逆にワンショットを決められる」という死の気配が濃厚になるのもまた事実。

 勝負はどう動くか。


 先攻3ターン目。じっくり考えた末のZweiLanceの行動は、予告通りの《クリティカル・ラブ》

 両者に除去を強いる効果により、二体の《禁断英雄 モモキングダムX》が同時に退化。二人の場に《未来王龍 モモキングJO》が降り立つ!

 そのまま攻撃時効果とシンカパワーで《禁断のモモキングダム》で2点、《アルカディアス・モモキング》で3点と全力でゲームを畳もうとするZweiLanceだが、ここで痛恨のG・ストライクを踏んでしまい攻撃がストップ。そのままターンを返すこととなる。

 大量の手札と盤面の《未来王龍 モモキングJO》を眺めつつ、顔に手を当ててじっくり考えるばやし。《アルカディアス・モモキング》で手札補充ができない今、この一手は重要だ。

 悩んだ末《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚すると、山札の下から3枚目まで掘り尽くしてやっと出てくる《未来王龍 モモキングJO》。めくれた大量のカードを見ながら、両者ともじっくり戦略を立てていく。

 両者がこの先の展開を計算し終えたタイミングでばやし。の《未来王龍 モモキングJO》《アルカディアス・モモキング》めがけて攻撃、そしてすかさず《無双龍騎 ボルバル・モモキング》に進化!

 合計2回のバトルで、ZweiLanceのバトルゾーンを空っぽにすることに成功する。  そのままシンカパワーでアンタップしてターンを返すと、一転苦しいのがZweiLance。次のターンにばやし。の《禁断英雄 モモキングダムX》に退化されると、攻撃を受け切るためのシールドの要求値は急激に高まってしまう。

 それでも《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚してさらなる切り返しに望みをかけてターンを終了する。
 そして、ばやし。による「答え合わせ」が始まる。

 《雪溶の鎖/堕牛の一撃》《禁断英雄 モモキングダムX》を退化させ《進化設計図》3枚ヒットからさらに大量の手札を確保すると、ついにシールドめがけて《未来王龍 モモキングJO》が走り出す!

 まず、《禁断のモモキングダム》に進化して2打点。

 防御札に出てきてほしいZweiLanceだが、シールドの中には《進化設計図》のみ。

 今度は《キャンベロ <レッゾ.Star>》を挟み込んで《クリティカル・ラブ》のトリガーをケアしつつ、《禁断のモモキングダム》に進化して2打点。

  ZweiLanceのシールドからはまたも《進化設計図》

 同じように《キャンベロ <レッゾ.Star>》を挟みつつ《無双龍騎 ボルバル・モモキング》で最後のシールドをブレイクにかかる。そして、両者とも最後のシールドから何が出てもこの盤面からはゲームが覆らないことを知っている。

 ZweiLanceは最後のシールドを見届けると、続く《未来王龍 モモキングJO》のダイレクトアタックを受け入れた。


Winner:ばやし。


 おそらく練習でも何度も何度も繰り返されたであろう、ミラーマッチにおける「最速退化からの切り返し」パターンで幕を閉じたこのゲーム。

 お互いが最善を尽くした彼らの結果を分けたものは、おそらくほんの少しの時の運のみ。

 だがそれも、そこに辿り着くまでに練り上げられた鍛錬あってのもの。それらだけが、彼らを「強者」たらしめているのだ。

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