最強位決定戦 Round 2:ぜ vs. ひんた
ライター:秋山 大空
撮影者:後長 京介
『サガループ』を使用するぜと、『水火アポロヌス』を使用するひんたが席に着く。
ぜは2022年下期DMPランキング9位、ひんたは7位。共にDMPランキングで一桁を記録した強者同士のマッチアップだ。
DMPランキング上位に位置するには、一つのCSで上位に入賞するだけでなく、何度もCSに参加し続ける体力や精神力が必要となる。
その数多の戦いを経験した二人が選択したデッキは、共に最速3ターンキルを可能とする高速デッキ。
カードパワーの上昇に伴い高速デッキの選択肢も大幅に増えたものの、今も昔も先攻3ターン目に勝負を決めるデッキに対してプレイヤーが取る方針は絞られる。
一つ。2ターン目までに《若き大長老 アプル》等の相手の動きを止めるメタカードを置いて時間を稼ぐ。
二つ。相手の先攻3ターンキルは割り切り、それ以外に全力を注ぐ。
ぜとひんたが選んだ、あるいはデッキ選択上選ばざるを得なかったのは後者。
3ターンキルはあくまで「最速」。勝負を決めるパーツが揃わなければ3ターンキルは成立しない。
【サガループ】は1種類のカードを2枚。【水火アポロヌス】は2種類のカードを1枚と、侵略持ちのカードを1枚。
手札交換やサーチカードがあるとは言え、実際に求められる手札の要求値は決して低くないのだ。
どちらが先手を取るのか、3ターンキルが決まるか決まらないか。
それは、あの言葉を聞くまでわからない。
「いくぞ、デュエマ・スタート!」
先攻:ぜ 先手を取ったぜは、《ブラッディ・タイフーン》をチャージ。
2ターン目には≪エマージェンシー・タイフーン≫で《一なる部隊 イワシン》と《禁断竜王 Vol-Val-8》を捨てる、いつも通りの『サガループ』のスタート。
一方ひんたも、《アストラルの海幻》で《禁断の轟速 レッドゾーンX》を墓地に送りワンショットの準備を進める。
ぜの3ターン目。《セイレーン・コンチェルト》で《ブラッディ・タイフーン》を回収し、そのまま唱え墓地にカードを追加する。
3ターン目が回って来たひんた。《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で《ネ申・マニフェスト》を2体出し、大幅に手札の質を上げる。
大きなアクションを起こさなかった両者。最速の動きこそ叶わなかったものの、どちらが先に動いてもおかしくない。
やるべきことは、動くためにデッキを掘り進めるのみ。
ぜの4ターン目。《ブラッディ・タイフーン》。
更に墓地を増やすが、残りは2マナ。《絶望神サガ》を出すには至らずターンを渡すぜに、前のターンに準備が整ったひんたが仕掛ける。
《ネ申・マニフェスト》を《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》に進化。
そして、墓地から《禁断の轟速 レッドゾーンX》、手札から《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》の侵略を発動しぜのシールドを消し飛ばす。 ぜの墓地には《絶望神サガ》こそないものの、《終末の時計 ザ・クロック》がある。
《ネ申・マニフェスト》のシンカパワーがある以上、凌ぎ切る方法は《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》のトリガーだけだろう。
あとはシールドにあることを祈るのみ。
ぜのトリガーチェック。
シールドの中身は…
《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》×2。 Winner:ひんた
ぜ「山札掘るカード無くなっちゃったから、初手の《ブラッディ・タイフーン》埋めはよくなかったな。《一なる部隊 イワシン》埋めるべきだった」
ひんた「《セイレーン・コンチェルト》で手札減っちゃったしね」
ぜ「でも、どのみち負けてたね。山札下の20枚に《絶望神サガ》が4枚とも埋まってたし、トリガーも≪エマージェンシー・タイフーン≫だけだったし」
感想戦を行う二人。
見直す部分はあれど、やはり決着が早い試合ほどドローの重要度が高くなってしまう。
キーカードがシールドに行くかもしれない。山札の底に眠り続けるかもしれない。
それでも勝つためには、引けることを信じて、勝利を目指して山札を掘り進めるしかない。
ドロー。それは過ぎ行く時の中でもたらされる、熱かりし一瞬のめぐり逢い。
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