DMGP2023-2nd 3位決定戦:青木瑠璃 vs. にわか
ライター:秋山 大空
撮影者:後長 京介
デュエル・マスターズに限らず、カードゲームにはコミュニケーションツールと言う側面がある。
対戦テーブルに座った相手が初対面でも、同じ趣味を持つ者同士。
合縁奇縁とは言えど、話の合う相手を探すのは珍しくない。
更にDMPランキングを走っているプレイヤーは、出るCSの数も多く、対戦で知り合う機会もその分多い。
にわか「俺らなんで知り合ったんだろうね」
青木瑠璃「なんでだろうね」
3位決定戦の場ではあるが、フリーをしているかのように雑談を交わす2人も、DMPランキングを走っている間に気づけば知り合いになっていたと言う。
デュエマに熱中し、デュエマで知り合い、DMGPの3位決定戦と言う大舞台で戦う。
2人はいつものテンションで対戦の準備を進めるが、ここはDMGPの3位決定戦。
ちょっとだけ、試合が始まるときにやることがある。
「いくぞ、デュエマスタート!」 開始の合図と共に拳を合わせ、3位決定戦が始まった。
Game 1
GPの決勝Roundは、順位で先攻と後攻が決まる。青木瑠璃「俺4位」
にわか「46位ですぅ…」
青木瑠璃「もっと頭下げて」
深く頭を下げるにわか。
にわか「後で覚えてろよ」
先攻:青木瑠璃 冗談の応酬から始まった2人の初動はマッチアップ通りと言うべきか、2ターン目の《淡いと濃い ケローラ / ♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》対《ドミー=ゾー / 「倒したいか?」》。
青木瑠璃は更に3ターン目、《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》と序盤は盤石。
《鬼寄せの術》のシールド回収を見つつ、軽減した《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》でブロッカーを用意し使った《鬼寄せの術》を回収。
相手の≪ボン・キゴマイム≫によるドローを避け、継続的なリソースを確保できるブロッカーを置く堅実なプレイ。
手札維持のため、4ターン目の青木瑠璃のマナチャージは無し。《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を召喚し、力を込めて2ドロー。
更に≪ボン・キゴマイム≫を革命チェンジし《芸魔隠狐 カラクリバーシ》。
効果で1ドローするが、表情が曇る青木瑠璃。
手札には《瞬閃と疾駆と双撃の決断》、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》、《芸魔王将 カクメイジン》、そして戻って来た≪ボン・キゴマイム≫と先程ドローした《ストリーミング・シェイパー》。
引いたカードがマジックであれば、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》から≪ボン・キゴマイム≫と《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を出し、手札を入れ替えながら≪フットレス=トレース≫の動きを見るプランも取りやすかった。
しかし、《ストリーミング・シェイパー》はマジックではないため、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》では捨てられない。
同時に、一度唱えれば相手のゆっくりとした展開にも付き合えるほどの手札を齎してくれるかもしれない強力なカードでもある。
《アビスベル=覇=ロード》が入っている相手に≪ボン・キゴマイム≫の維持を放棄するのはリスキーだが、≪フットレス=トレース≫が場にいる以上《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で中途半端に展開するより≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫として手札に持ちつつ《ストリーミング・シェイパー》で次のプランを組み立てる方が、にわかの今後の動きに付き合いやすいか。
悩んだ末、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》の効果で唱えるのは《ストリーミング・シェイパー》。《飛翔龍 5000VT》を含む4枚が手札に加わり、手札の枚数が倍増。
にわかは横の《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》の革命チェンジを警戒し≪フットレス=トレース≫でブロックせず、トリガー無し。
自身のターン、にわかは《ア:エヌ:マクア》で2ブースト&マナ回収を選択。ここで《アビスベル=覇=ロード》がマナに落ち、手札に加わる。
マッハファイターで《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を攻撃しながら革命チェンジ。《アビスベル=覇=ロード》で《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を破壊。
続く攻撃で≪フットレス=トレース≫と《芸魔隠狐 カラクリバーシ》を相討ちし、ターン終了時《アビスベル=覇=ロード》の効果で《ア:エヌ:マクア》を場に出し2ブースト&マナの《百鬼の邪王門》を回収。
青木瑠璃のトップデックは《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》。
前ターンのにわかの展開は控えめであったし、《ストリーミング・シェイパー》4ヒットのおかげで手札には余裕がある。多少損失があっても、リターンが大きい選択が出来る。
青木瑠璃は、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》2枚をバトルゾーンに出す。
デッキを4枚掘り進め《アビスベル=覇=ロード》の貫通を狙うが、貫通に必要な《芸魔隠狐 カラクリバーシ》と《瞬閃と疾駆と双撃の決断》は揃わず。
そのままターンを返す青木瑠璃。
にわかのターン。《鬼寄せの術》で軽減し、《謀遠 テレスコ=テレス》召喚。更に≪フットレス=トレース≫召喚。
マッハファイターが付与されている《謀遠 テレスコ=テレス》と≪フットレス=トレース≫で《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》に攻撃し、《アビスベル=覇=ロード》でシールドを詰めに行く。
ターン終了時≪フットレス=トレース≫効果で落ちた《百鬼の邪王門》を即回収し、手札に《百鬼の邪王門》は最低でも2枚。
青木瑠璃「うーん」
ターン終了時に《ア:エヌ:マクア》を出して2ブースト&マナの《ア:エヌ:マクア》回収。
青木瑠璃は、≪ボン・キゴマイム≫と《飛翔龍 5000VT》を召喚。
にわかの『闇火自然アビス』には《飛翔龍 5000VT》に触れるカードが殆ど無い。
故に、確実に《芸魔王将 カクメイジン》を通しに行くための一手。
一方のにわかとしては、やや《飛翔龍 5000VT》が厄介だが、前のターンにシールドを詰めているおかげで十分対応可能な動き。
《鬼寄せの術》でシールド枚数を1枚に調整し、《「必然」の頂 リュウセイ / 「オレの勝利だオフコース!」》で≪ボン・キゴマイム≫を除去。
そして≪ドミー=ゾー≫のアビスラッシュから2枚ブレイク。《芸魔隠狐 カラクリバーシ》のG・ストライクで《アビスベル=覇=ロード》が止まる。
だが、まだダイレクトアタックまではいける打点だ。《ア:エヌ:マクア》で攻撃。
青木瑠璃「おっ」 《芸魔隠狐 カラクリバーシ》のG・ストライクで2体目の《ア:エヌ:マクア》が止まる!
《飛翔龍 5000VT》が響き、《アビスベル=覇=ロード》では何も出さずにターンエンド。
青木瑠璃のターン開始、マナチャージ、3マナタップ。
《機術士ディール / 「本日のラッキーナンバー!」》
青木瑠璃「6!」
残った3マナで《瞬閃と疾駆と双撃の決断》。モード選択は
「出してSAかな」
《単騎連射 マグナム》をバトルゾーンへ。
《飛翔龍 5000VT》攻撃時に《芸魔王将 カクメイジン》に革命チェンジ。
ブレイク時の《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で≪ボン・キゴマイム≫を場に出してSAを付与。
《百鬼の邪王門》を二重に封じられた今、1体しか止められないG・ストライクでは青木瑠璃の攻撃を防ぎきることはできない。
青木瑠璃 1-0 にわか
青木瑠璃「あちぃ~」
にわか「やられた」
ここまでの試合でも、負け筋を徹底的に潰す冷静なプレイを見せているにわか。
にわか「気抜けてんのかな」
青木瑠璃の『水火マジック』に《終止の時計 ザ・ミュート》が入っていないことは知っているはず。
あの負け筋しかなかったからこそ、あのタイミングで躊躇なくシールドに攻撃出来たのだろう。
しかし、細い負け筋だったとは言え、より「負けない」選択肢を取れたかもしれない。
その反省と共に、にわかは深く息を吸う。
Game 2
先攻:にわか青木瑠璃は、いつも通りの≪♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル≫。
一方にわかのスタートはエンジン全開と言うべきか、《フェアリー・ギフト》。
青木瑠璃「それきちぃよ」
しかし……
にわか「出るのこれなんだよね」
《信眼!ジェンゲガーvs.シェケダン》を召喚し、シールド1枚と《フェアリー・ギフト》を回収。
青木瑠璃の3ターン目、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》召喚。
「プレイヤー」
革命チェンジ。当然出るのは《芸魔隠狐 カラクリバーシ》。
《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を出し直し、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》アンタップ。
トリガーは無く、革命チェンジ《芸魔王将 カクメイジン》。
ブレイク時に唱えられる《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の選択モードは
「うーん、出してアンタップでいいか」 にわか「ねぇ~なんで持ってんの~」
青木瑠璃は1枚目のブレイク時に唱えた≪♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル≫で、しっかり《単騎連射 マグナム》を拾っていた。
《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》で最後のシールドを攻撃し、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》に再革命チェンジ。
青木瑠璃「《瞬閃と疾駆と双撃の決断》2枚目引いたら熱いで~」
流石に追加の打点は無く、攻撃出来るクリーチャーはアンタップした《芸魔王将 カクメイジン》のみ。
にわか「止めちゃうよ~ん。あなたさっき止めたよ~」
青木瑠璃「そうなんだよね」
前ゲームでは《芸魔隠狐 カラクリバーシ》2枚のG・ストライクで勝利を掴み取った青木瑠璃。
ここで《「必然」の頂 リュウセイ / 「オレの勝利だオフコース!」》のG・ストライクを踏んでも、おあいこと言うものだろう。
にわかは右手を構える。 青木瑠璃「1点!」 あおいこは次回の勝負に持ち越された。
2-0
CSに出続ける以上、試合をする機会は何度もあるだろう。
だが、デュエマは何度やっても楽しいものである。
2人は今の健闘を讃え合い、もう一度拳を合わせた。
Winner:青木瑠璃
仲間たちの「おめでとうー!!!!」と言う声に、体で喜びを表現しながら「ありがとー!!!!」と返す青木瑠璃。
しかし、今回のフィーチャー席はいつもより高い。「危ないのでご遠慮ください」と制するジャッジ。
にわか「すみませんね、うちの馬鹿どもが」
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