ライター：原田 武(たけじょー)
撮影：後長 京介

#フィーチャーme_Day1

識別番号 0060
HN:みらくる。

因みに今日の服装はこれです、呼ばれたら上着脱ぎます‼️だから呼んでください‼️ pic.twitter.com/XDZOBJp7oW

— ゆうせいみらくる (@yuseimiracledmp) April 20, 2024

　インパクト抜群の《アビスベル=ジャシン帝》Tシャツを纏ってフィーチャーテーブルに現れたのはみらくる。。X（旧Twitter）上での恒例企画、＃フィーチャーmeでの投稿がカバレージ班の目に留まったこともあり、フィーチャーされることとなった。

　勿論、決勝3回戦にまで残っている時点で彼の実力は折り紙付きと言える。加えて直近の超CS群馬ではベスト8に入賞しており、プレイスキルとユーモアの双方を持ち合わせたプレイヤーであることが伺える。

　さて、そんな彼の対戦相手はというと……あれ。

　なんとそこにいたのは、直前の決勝2回戦でもフィーチャーされたみみみであった。準決勝や決勝以外での2試合連続フィーチャーは滅多に起こらない。これもまた巡り合わせ……あるいは、運命と呼ぶべきか。

　みみみもプレイスキルのみならず、そのエキセントリックな言動で多大な注目を集めるトリックスターとして知られる。

　奇しくも実力派面白プレイヤー対決の様相を呈し始めたこの試合。だが舞台が舞台故、今回は双方とも真剣な表情。勝って笑うのはどちらになるのか。

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Game

　予選順位より、先行はみみみ。１ターン目は《憤怒スル破面ノ裁キ》チャージ、２ターン目には《DG　〜ヒトノ造リシモノ〜》チャージから《正義ノ裁キ》で動き出す。令和に蘇った平成のコントロールデッキ【光ゼロサバキZ】が今回のみみみの相棒だ。

　対するみらくる。は《芸魔王将 カクメイジン》、《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処？好きと謂ひて》とチャージして《AQvibrato》でスタート。 　こちらは令和の速攻番長【水火マジック】だ。《アビスベル=ジャシン帝》Tシャツはどうやらブラフだったらしい。

　とはいえ、【光ゼロサバキZ】が速度に劣るという訳ではない。決勝2回戦でも見せたように、このデッキには2コスト〈裁きの紋章〉+3コスト《転生ノ正裁Z》による最速3ターン〈裁きの紋章Z〉暴発というルートも搭載されている。

　しかし3ターン目のみみみのアクションは《DG　〜ヒトノ造リシモノ〜》チャージのみ。2試合連続の大暴れ、とはならなかった。

　では同じく3ターン目に爆発しうる【水火マジック】のみらくる。はというと……《氷柱と炎弧の決断》で1枚捨てて2枚ドローを2回。ここでターンエンド。不服そうに頬を膨らませる様子から見るに、こちらもカードが足りなかったようだ。 　最速ムーブを決めかねたみみみは、一旦自身のリソースを整えにかかる。4ターン目、《集結ノ正裁Z》で《集結ノ正裁Z》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を回収。どっしりと構えていく。

　一方みらくる。もまだ動かない。《煌世主ノ正裁Z》を咎める《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》とそれを守る《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を送り出してターンを終えた。依然にらみ合いが続く……かと思われた。

　が、5ターン目を迎えたみみみが《音奏 ハイオリーダ / 音奏曲第3番「幻惑」》のクリーチャー側を召喚したことで流れが変わる。シールドを一枚増やしてGR召喚し、《ポクタマたま》が登場。みらくる。の墓地をリセットする。

　≪音奏 ハイオリーダ≫自身がブロッカーということもあり、【水火マジック】の突発的な攻勢に釘を刺す形となった。と、ここでみみみからジャッジコール。

みみみ「もしプレマ（プレイマット）の幅超えるくらいシールドとクリーチャー増えたら、どうしますか？」

　実は対戦開始前、フィーチャーマッチ特有の注意点がジャッジからプレイヤー二人に伝えられていた。カードを重ねずに並べること。試合の模様がライブ配信される都合上、盤面の状況やプレイのやりとりをなるべく明瞭に写す必要があるためだ。

　では中継カメラの画角からはみ出すほどの大量展開を行った際も、重ねずにカードを並べた方がよいのか？———というのがみみみの質問の意図というわけだ。それは予告に等しい。

「これからシールドもクリーチャーも増やしまくりますよ」という、【光ゼロサバキZ】必勝パターンの予告。

　少し確認に時間をとったジャッジが「その場合は可能な限り並べて、はみ出してしまう分は重ねるようにしてください」と返答すると、みみみは納得したように頷いた。 　この「予告」を受けたみらくる。はまたも《氷柱と炎弧の決断》で≪音奏 ハイオリーダ≫のブロックを止めつつ山札を掘り進める。一刻も早くこちらからゲームを畳みたいところだが……ここはターン終了。どうやらキーパーツの一つ、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》が見えていないようだ。

　みみみは6ターン目を《集結ノ正裁Z》のプレイに充て、〈サバキZ〉暴発の要となる《転生ノ正裁Z》を回収、先程唱えた《転生ノ正裁Z》と同じシールドの上に重ねる。≪音奏 ハイオリーダ≫によるGR召喚からは《パス・オクタン》が飛び出す。

　返すみらくる。は《イシカワ・ハンドシーカー / ♪聞くだけで 才能バレる このチューン》呪文側でのドローののち、≪歌舞音愛 ヒメカット≫を出して〈マジック・フレンド・バースト〉を起動。≪音奏 ハイオリーダ≫と《パス・オクタン》を手札に戻すも、これでターンを終える。 　《瞬閃と疾駆と双撃の決断》も《単騎連射 マグナム》もあるのに、走れば勝てるのに。あと1枚の《芸魔隠狐 カラクリバーシ》にだけ手が届かない。

　そしてみみみの7ターン目、ついに予告された裁きの瞬間が訪れた。 　まずは《転生ノ正裁Z》で《集結ノ正裁Z》2枚重ねのシールドを回収。そのまま《集結ノ正裁Z》2枚を捨てて〈サバキZ〉、《煌メク聖戦 絶十》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を宣言！

　《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》が≪同期の妖精≫を仕留めたことで〈メガ・ラスト・バースト〉が発動して《煌メク聖戦 絶十》を手札に送り返すも、既に《煌メク聖戦 絶十》のコスト軽減効果は起動した後だ。

　1コストで《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を唱えて《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を処理、流れるように《煌世主ノ正裁Z》から≪音奏 ハイオリーダ≫をバトルゾーンへ！

みみみ「重ねちゃって大丈夫ですか？」

　最後にそうジャッジに確認したかと思うと、流れるようにコンボを指導させるみみみ。≪音奏 ハイオリーダ≫自身の登場時能力と唱え終わった《煌世主ノ正裁Z》で2枚シールドが増え、2度GR召喚。《バルバルバルチュー》と《バツトラの父》が躍り出る。 　《バルバルバルチュー》が裁きの紋章4枚重ねの極厚シールドを回収し、〈サバキZ〉で《煌世主ノ正裁Z》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を宣言。


　まずは《煌世主ノ正裁Z》から2体目の≪音奏 ハイオリーダ≫を出し、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で≪歌舞音愛 ヒメカット≫をシールドに貼り付ける。シールドゾーンに2枚の裁きの紋章が置かれて4回のGR召喚が起動、2枚目の《バルバルバルチュー》が姿を現す！

　≪音奏 ハイオリーダ≫登場時の更なるシールド追加に《バルバルバルチュー》からの〈サバキZ〉、それらすべてのオマケで起動するGR召喚。あれよあれよという間にバトルゾーンをGRクリーチャーが埋め尽くす。 　《予知 TE-20》による山札操作と《ヘルエグリゴリ-零式》+《シャギーⅡ》によるマナ改修、《ヘルエグリゴリ-零式》+《白皇鎧の意志 ベアスケス》によるシールド追加まで行ったみみみはダメ押しに《無双の縛り 達閃 / パシフィック・スパーク》のクリーチャー側までも着地させ、みらくる。に唯一残された《AQvibrato》を打ち取ってターンを終えた。

　クリーチャー14体、シールド6枚。≪無双の縛り 達閃≫に《全能ゼンノー》。重ねてスペースを空けてもなお、予告した通りにプレイマットを覆い隠すみみみの大軍勢を切り崩す術は《飛翔龍 5000VT》不採用のみらくる。の【水火マジック】には存在しない。

　最後は《煌世主ノ正裁Z》から《煌龍 サッヴァーク》を降臨させ、一斉攻撃。みみみがフィーチャーマッチ二連勝を果たした。

Winner：みみみ

　勝利者インタビューに向かったみみみに代わって、みらくる。が今回の試合の裏事情を語ってくれた。

みらくる。「ずっと【水火マジック】を教わってた師匠のこんぼいさんが今回のグランプリで【光ゼロサバキZ】使ってて。その対策だけ教えてもらえなかったんですよね」

みらくる。「《芸魔隠狐 カラクリバーシ》がなかったので厳しかったですけど、やることはやれたかなと思います」

　悔しさを滲ませつつ、ベストは尽くしたと語るみらくる。。

みらくる。「直近の超CS群馬、あとはグランプリ2023-2ndでも【水火マジック】で予選抜けてて。3回連続で結果残せたのは良かったです」

　明日は勝ちたいな、と呟いてみらくる。はフィーチャーテーブルを後にする。翌日、彼が相棒たる【水火マジック】とともに巻き起こしたドラマについては……テキストカバレージで是非、ご照覧あれ。