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超CSⅦ横浜 決勝戦B席:taki vs. 月嶋

ライター:河野 真成(神結)
撮影者:瀬尾 亜沙子

 いよいよ全国大会の出場を懸けた決勝が始まる。
 ……のだが。

「お前だけだよ、気楽なのは!」

 何やら妙な言葉とともに、決勝のフィーチャー席に入ってきたチームがあった。言葉の主は、チーム3面三十路眼鏡リルクである。
 そしてその言葉の先にいるのは、リーダー的な役割を担っているtakiである。

 そう、この男。なんと既に全国大会の出場権を持っている。4月に行われたGPにおいて準優勝を達成しているのだ。
 つまるところ、公式大型大会2連続決勝ということになる。

 これが史上初かというと、先日のジュニアグランプリにおいてKANNが2年連続決勝進出を果たしたためちょっと断言しにくいところではあるのだが、とはいえかの最強クラスの小学生に続き、この三十路も偉業を成したことに変わりはない。

 そしてご存じの方も多いと思うが、超CSでは全国権利は優勝でしか手に入らない。

 だからこそ、これからその権利を懸けて両者決死の覚悟で戦う、というのがわかりやすいストーリーではあるのだが、今回は何故か勝っても負けても全国大会にいける気楽な男が1人だけいる、という話なのである。

 故に、冒頭の発言である。微妙に一蓮托生ではない。

 ただtakiが気楽であるかさておき、優勝という称号には大きな重みがあるのは客観的に見ても間違いないだろう。
 加えてGPで準優勝だったなら、なおのこと。takiもやはり、優勝トロフィーは欲しいとのことだ。

 ここで勝てば、チームの仲間と共に全国大会へ出場が叶う。GPのメンバーであったあーくんえむつーと合わせて、五人で一蓮托生とならば、練習の質やアイデアの量などを考えても、心強いだろう。  さて、決勝を戦う6人のメンバーが揃い、写真撮影も終わった。
 takiはB席へと着席し、対面にはおもちゃのアオキ2月嶋が座る。

 デッキは3面三十路眼鏡がA席から順にゴスペル、ゴスペル、水闇COMPLEX。おもちゃのアオキ2が巨大天門、光水天門、ファイアー・バード。

 水闇COMPLEXとファイアー・バードのマッチアップは《異端流し オニカマス》の存在が大きく、COMPLEXが非常に有利とされている。このマッチアップを崩すのは、かなり厳しい。

 一方でゴスペルと天門の対戦となると、天門がいずれの型であっても《∞龍 ゲンムエンペラー》がゴスペルに対して強く、天門側が有利とされている。が、ゴスペルが全く勝てないかというとそうではなく、先に《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を添えて走れるゲームも勿論存在している。

 故に決勝の見所は、天門がキッチリとその役割を遂行するか、或いはいずれかのゴスペルが天門の牙城を崩すのか、という点になるだろう。
 
 takiのゴスペルに、それがやってみせるのか。  それとも月嶋の光水天門が退けるのか。  決勝が、これより始まる。

Game1

先攻:月嶋  先攻は予選順位が上の月嶋
 1ターン目から《集結!夜の四天王!!》を唱えると、《闘門の精霊ウェルキウス》を回収する。
対してtaki《ロスト・ウォーターゲイト》から《水晶の王 ゴスペル》をサーチし、そのままデッキトップに固定。互いに、最序盤から動きを見せていく。

 2ターン目に《勇愛の天秤》で墓地の枚数を確保したtakiに対して、月嶋は≪ギャラクシー・チャージャー≫とこちらも順調。続くターンには5マナの≪スターゲイズ・ゲート≫からの展開も見えるといった状況になった。
 
 対してtakiはというと、3ターン目は《水晶の王 ゴスペル》をチャージするのみで、ターンを終えた。

 4ターン目。
 月嶋は一応≪スターゲイズ・ゲート≫から《闘門の精霊ウェルキウス》を投げる択はあったものの、《∞龍 ゲンムエンペラー》は手札になく、展開したとてゲームを決められるかは微妙なところ。

 そして、takiの墓地はまだ3枚。
 “よほどのこと”がない限り、次のターンに《水晶の王 ゴスペル》から走られることはない。

 そのためこのターン、月嶋は手札の多色を逃がすと、《理想と平和の決断》を唱えた。手札を4枚増やし、次のターンこそ展開しますよ、と圧力を掛けた。

 taki《バッドドッグ・マニアクス》をチャージし、マナが4枚で墓地の呪文は3枚。
 《キリモミ・ヤマアラシ》から入ったとて、《水晶の王 ゴスペル》は届かない。

 しかし、“よほどのこと”は起こった。

 takiが持っていたのはなんと《セイレーン・コンチェルト》
 これでマナを消費することなく墓地を増やすと、そのまま《キリモミ・ヤマアラシ》からぴったり足りて、《水晶の王 ゴスペル》がバトルゾーンへやってくる。  しかし、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》までは引けていなかった。やむを得ず、そのままターンを終了する。

 月嶋はホッとしたことだろう。
 5ターン目、まずは《ヘブンズ・ゲート》を唱えると《闘門の精霊ウェルキウス》を2体送り込む。《闘門の精霊ウェルキウス》を更に連鎖させつつ≪支配の精霊ペルフェクト≫に≪星門の精霊アケルナル≫を設置して、ターンを返す。

 これで月嶋の盤面の数が5体。差分4体ということで、taki《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》のクリーチャー側が宣言され、バトルゾーンへ着地する。  最悪の状況は免れたものの、≪支配の精霊ペルフェクト≫の存在はやや重い。
 
 takiはルーターを2枚唱えて手札を回す。
 ここまでで《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》さえ引ければ……という状況だったが、まだ辿り着くことが出来なかった。

 そしてこのターン、呪文は残り1回しか唱えられない。

 まだ一応、いくつかの選択肢はある。

 《水晶の王 ゴスペル》で攻撃をして手札の呪文を唱える択、≪ブルー・インパルス≫で攻撃して≪「真実を見極めよ、ジョニー!」≫を撃つ択。撃つにしても自身を戻してアタキャンする択、そのまま3点入れる択。

 あとはこのままターンエンド、という択もあるだろう。

 だがtakiは1ターン目に《ロスト・ウォーターゲイト》を使っているため、自身の楯の中身は把握している。

 そしてその結果、少なくともこの盤面を放置しておくのはマズいと判断したようだ。

 横のリルクと相談した後に、「踏んだらいずれにせよ負け」と割り切ったか、≪ブルー・インパルス≫から攻撃を開始。
 スマッシュ・バーストを使って≪「真実を見極めよ、ジョニー!」≫を唱え、《闘門の精霊ウェルキウス》らを手札に戻して、T・ブレイクを宣言した。
 
 つまり一旦脅威を手札に戻してシールドを減らしておき、返しに《ヘブンズ・ゲート》から《闘門の精霊ウェルキウス》が絡んで《∞龍 ゲンムエンペラー》が着地されたとて、≪ブルー・インパルス≫が殴ればクリーチャーは手札に帰っていくし、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》絡めば殴り切ることも出来るでしょう、ということだ。《ヘブンズ・ゲート》から直接的な除去が飛んでくるケースは少なく、あっても《閃光の精霊カンビアーレ》が数枚入っている程度だろう。
 
 現状の盤面では不利であるから、この線を通すしかない。

 しかし結果は無情。月嶋の楯からは《ヘブンズ・ゲート》が宣言される。  手札に戻した筈のクリーチャーは再度展開され、あれよあれよと盤面が増えていき、更に《聖霊超王 H・アルカディアス》までもがやってきてしまった。  ゴスペルにとって聖霊王という存在は、もはや処刑人も同然だ。
 
 月嶋にとっては、後はクルトの手を捻るよりも簡単なゲームである。
 まずは《聖霊超王 H・アルカディアス》のハイパーモードを解放し、呪文を封殺。

 そして先に展開したクリーチャーたちが攻撃を仕掛けていくと、あっさりとゲームは決まってしまった。

taki 0-1 月嶋

Game2

先攻:taki  直前のゲームで負けたtakiが先攻。
 2ターン目に《バーニング・フィンガー》、3ターン目に《T・T・T》と呪文を唱えていく。

 対して月嶋も3ターン目に《ケンザン・チャージャー》でスタート。ここでデッキトップから嬉しい《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》を捲り、これを加えてターンを返した。

 先のゲームと同じくマナ4枚で墓地3枚の展開ではあるが、ここから《水晶の王 ゴスペル》を走らせるには何かしらの殿堂カードを引くか、或いは《キリモミ・ヤマアラシ》を2枚引いている必要がある。

 とはいえ、幾ら《T・T・T》を撃っていたといえどそんな嬉しい話が何度も続くわけがない。このターンは2コスの呪文を2枚唱えて、ターンを月嶋へと返した。

 実際ターンを返したとて、光水の天門の場合はチャージャーの前に手札を増やす《巨大設計図》のようなカードはなく、4ターン目に展開を決めるのはそれなりに困難が多いのだ。(それゆえに月嶋《集結!夜の四天王!!》を採用し、4ターン目に展開出来る試合を増やす工夫をしているのだろう)

 とはいえ、である。
 相手がゴスペルであるならば。
 
 ターンを貰った月嶋は5マナ目をチャージして、≪スターゲイズ・ゲート≫を唱える。効果で《光開の精霊サイフォゲート》を出すと、《闘門の精霊ウェルキウス》を経由して《聖霊超王 H・アルカディアス》が着地する。
 半端な展開は相手に対処する余地を与えてしまうが、ゴスペル相手であれば《聖霊超王 H・アルカディアス》が着地するだけでいい。

 《光開の精霊サイフォゲート》をタップし、《聖霊超王 H・アルカディアス》をハイパー化。これで、呪文は唱えられない。ゴスペルというデッキの9割が、死に札と化した。

 takiは手札にあった《水晶の王 ゴスペル》を連打し、場にクリーチャーを2体用意。タップされたクリーチャーを踏むことによって、なんとか呪文封殺から逃れようとする。

 しかし《聖霊超王 H・アルカディアス》は凄まじいカードだ。
 場に出たときに3ドローまで付いてくるので、一度自分が着地してしまえば後続の用意も賄ってしまう。  月嶋は続くターンでも《闘門の精霊ウェルキウス》を送り込み、展開していく。更に《聖霊超王 H・アルカディアス》のハイパー化素材を≪支配の精霊ペルフェクト≫にすることで、「タップしているクリーチャーを処理することで呪文を使えるようにする」という一縷の望みすらも握りつぶしていく。

 この月嶋の展開によって≪ブルー・インパルス≫が着地するものの、これも役割を果たさない。《聖霊超王 H・アルカディアス》の支配の元では、ジョニーに真実を見極めさせることは叶わないからだ。

 最終的に月嶋《閃光の精霊カンビアーレ》を繰り出して盤面をフリーズ。これを踏み潰しながら《闘門の精霊ウェルキウス》の効果で《∞龍 ゲンムエンペラー》等を送り込んでいく。  あとは、残ったクリーチャーで攻撃を宣言するだけ。

taki「あのさ、ハイパーアルカディアスだけは無理」

 2連続決勝進出という偉業を成したtakiでも、無理なものは無理だった。
 こうしてB席はおもちゃのアオキ2の月嶋が勝利し、貴重な1勝をチームにもたらした。

taki 0-2 月嶋

 ほぼ同時刻、C席も決着が付いた。三面三十路眼鏡のかつんがCOMPLEXを使い、あらすかのファイアー・バードを破った。これは、ある程度互いに織り込み済だろう。
 
 そしてこの結果、チーム成績は1-1に。
 
決着は残るA席へ委ねられ、そして運命の三本目が始まろうとしていた。

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