全国大会2024 東北エリア予選:TOP5カード紹介
ライター:河野 真成(神結)
エリア予選の第2ラウンドは、刻一刻と冬が迫る東北だ。今回は「本州で最も寒い県庁所在地」という盛岡を舞台に、龍飛崎から白河までのプレイヤーたちが集合。全国の切符を懸けた、熱い戦いが行われた。
そんな東北エリアにおいて、活躍が光ったカードたちを紹介していこう。
5位:《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》
東北エリアも北海道エリアに続き、環境の中心となったのは【水自然ジャイアント】だった。また水晶ギミックを使った【火水ターボマジック】や、北海道エリア以上の躍進を魅せた【光水自然ゼニス・セレス】など、自身のリソースを伸ばして戦うデッキは多かったと言える。
それらに共通して採用されていたフィニッシャーが、《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》だ。
《超重竜 ゴルファンタジスタ》や《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》など山札枚数を大きく消費するカードを使ってマナ・手札を伸ばしていき、最後に添える。これで安全にフィニッシュだ。
「ビッグマナ系は≪♪必殺で つわものどもが 夢の跡≫でフィニッシュ出来る」というのは環境の1つのベースとも言え、デッキを選択する・対策する上で前提として抑えていなければいけない事実である。
なおクリーチャー面についても貴重な除去カードでもあるので、本大会では≪der'Zen Mondo≫として使う場面もしばしば見られた。
4位:《獲銀月 ペトローバ》
一方で北海道大会以上に活躍を見せたデッキとして、【光闇メカ】の存在は上げられるだろうか。その中でも「メカとメカ以外を繋ぐ」カードとして活躍していたのが、《獲銀月 ペトローバ》であろう。
メカは序盤の展開を決めた後に《死神覇王 ブラックXENARCH》に繋ぐという構築が一般的になっているが、そこで活躍するのがハイパーモードを解放した《獲銀月 ペトローバ》だ。
手札にある《死神覇王 ブラックXENARCH》の取り回しの悪さを解決してくれる1枚と言えよう。
《ヴェネラック-F5》や《星姫械 エルナドンナ》といったカードたちを並べ、それを《死神覇王 ブラックXENARCH》が守るような状況を作れば勝利は目前である。
他にも《アーテル・ゴルギーニ》など、強力なクリーチャーを盤面に投下する手段としてわかりやすい1枚である。
3位:《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》
今期の2ブロックを長く引っ張っているゼニス・セレスたちだが、その主役は《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》や《「呪怨」の頂天 サスペンス》、そして《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》という3枚に絞られていた。しかし今大会で活躍を見せたのは、《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》だった。
これは【光水自然ゼニス・セレス】に採用されており、《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》で伸ばしたマナを有効に使ったり、或いは逆に《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》の着地に邪魔となるクリーチャーをバウンスして掃除したりと、重要な役割を示していた。
ジャストダイバーをもったドローソースになっているのも強く、ゼニス・セレスのミラーゲームで《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》の標的にならなかったり、或いは《「呪怨」の頂天 サスペンス》を当てられても最低限1ドローは貰えるためゲームに復帰することが出来たりと、渋い活躍も光っていた。
自身でドローを進めていくことが≪♪必殺で つわものどもが 夢の跡≫でのフィニッシュにも繋がるため、デッキコンセプトともよくマッチしている。
これまであまり注目されていなかったカードが大活躍をしたことを考えると、2ブロックもまだまだ開拓の余地を残しているのかもしれない。
2位:《アシスター・Mogi林檎》
比較的ゆっくりとゲームをするデッキが増えた環境の中だからこそ活躍を見せたのが、いわゆる水晶マナ絡みの混ぜ物がない“純正”の【火水マジック】である。圧倒的な速度を武器に、早期の《芸魔王将 カクメイジン》で決着を付けるというコンセプトは、2ブロックではなお健在だ。
そんな現在のマジックを象徴するカードが、《アシスター・Mogi林檎》だろう。
一見すれば単なるコスト軽減クリーチャーではあるが、マジックに於いては序盤から終盤まで活躍の場が用意されている。
初動として使えば3ターン目の≪Napo獅子-Vi無粋≫がプレイ可能となり、早期の《芸魔王将 カクメイジン》を強く後押し。
特に《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が殿堂した後のマジックは、速度をどういった形で出して行くかが課題となっていたため、こういったプランが増えたのは大きい。
そして終盤であれば、《芸魔王将 カクメイジン》の攻撃中に《氷柱と炎弧の決断》から登場しつつ、ジャストダイバーを生かして最後の詰めを出来る、という役割も兼ねている。
そんな《アシスター・Mogi林檎》の活躍もあり、【火水マジック】は見事に優勝。東北エリアを制したのだった。
1位:《爆藍月 スケルハンター》
以上のように東北エリアでは様々なデッキが活躍してきた。そしてその中でも、独自の構築を組み上げて決勝まで駆け上がったのがいけだった。
彼が使用したのは【火水ハイパーエナジー】とも言えるような、ハイパーエナジーを軸としたビートダウンデッキである。
そのデッキの中心を担うのが、《爆藍月 スケルハンター》だ。
先に盤面に置いた低コストのメタクリーチャーたちをタネに繰り出し、ドローでリソースを稼ぎつつ蓋ともなる。
1,2とクリーチャーを並べると3ターン目に登場することも可能で、《ロック・ポロン》などとの相性も抜群だ。
事前メタゲームでの情報もなく、北海道大会で活躍があったわけではなかった。
しかしこうしたデッキが勝ち上がってくるというのは、先にも述べたようにやはり2ブロックには開拓の予知を残しているのかもしれない。
次のエリアでは、果たしてどのようなカードやデッキが活躍するのだろうか。
楽しみにしたい。
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