DMGP2025-2nd Day1(アドバンス)3位決定戦:OKAFUKU vs. ミア..
ライター:清水 勇貴(yk800)
撮影:瀬尾 亜沙子
その日の常滑は、日がな一日悪天候に見舞われていた。
開会を迎えた朝8時には雨雲を吹き飛ばさんばかりだった熱気も、ことここに至ってはもはやない。あと二つの試合を残すばかりとなった会場は、外の雨音が聞こえないのが不自然なくらいの静けさに包まれていた。
3800人が居並んだテーブルはもはや役目を終え、早くも撤収が始まろうとしていた。決戦の舞台となるフィーチャーテーブルを挟んで向かい合う2人の顔には、色濃い疲労が浮かんでいる。
ミア..「明日もあるけど絶対無理……チーム2人で頑張ってって言っときます」
OKAFUKU「絶対その方がいいっすよ……」
「今日ここまでやって、明日オリのデッキ使える気しねー」とOKAFUKUが力無く笑う。
肩で息をする。頭がふらふらと揺れる。シャッフルの手付きは覚束ない。
もはや今にも精魂が尽き果てんばかりだが、デッキを配置につけ、シールドを並べ、5枚の手札を伏せると、両者の目には闘志が漲っていく。
日本一決定戦の権利が……などと書き連ねることすら、野暮かもしれない。どちらも、そんなことはおくびにも出さず、目の前の試合へと向き合っていた。ただ、勝って今日という日を終えるために。
雨が降っている。
泥濘に塗れた二人の死闘が、幕を開けた。
Game1
先攻:ミア..
予選順位により先攻となったのはミア..。2ターン目を迎えた彼のマナには《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》と《流星のガイアッシュ・カイザー》が並び、《メンデルスゾーン》からのロケットスタートとはいかなかった。
ミア..のデッキは【火水自然ドラグナー】。デュエキングWDreaMに収録された《双龍覇王 モルトVERSUS》によって大幅にアップデートされたアドバンスにおける大人気デッキの1つだ。
ベスト4に3人を輩出する大躍進を見せ、本大会において台風の目となったデッキでもある。
対するOKAFUKUは《∞龍 ゲンムエンペラー》、《忍蛇の聖沌 c0br4》とマナに置き、2マナで《異端流し オニカマス》を召喚して口火を切る。
OKAFUKUの【水闇COMPLEX】はメタ(妨害)クリーチャーでの遅延とハンデス(手札破壊)によって相手の選択肢をじわじわと狭め、逆転困難な状況を作り上げてから小型クリーチャーのビートダウンで勝負を決するデッキだ。
その名を冠する《DARK MATERIAL COMPLEX》の殿堂入りで素早くゲームを畳むことは難しくなったが、メインコンセプトとなる妨害要素に関しては一切手が入っていない。
目指すところはシンプルだが、メタクリーチャーの出し方や詰め筋の組み立て方に対面するデッキへの理解が必要な、玄人好みのデッキタイプと言える。
《異端流し オニカマス》は革命チェンジやデッキトップからの踏み倒し、《双龍覇王 モルトVERSUS》の超次元ゾーンからの展開を一手に制限できる。このマッチアップにおいては4ターン目までには添えておきたい重要なメタクリーチャーだ。
返すミア..の3ターン目。2ターン目《メンデルスゾーン》こそなかったものの、《ボルシャック・栄光・ルピア》で一挙に2マナを加速。次のターンの6マナに向けて弾みをつける。
OKAFUKUが戦線に2体目の《異端流し オニカマス》を追加してミア..へとターンを渡すと、ミア..は《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》をアンタップインし、6マナで《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を召喚する。
攻撃制限が輝くマッチアップではないが、OKAFUKUはカードを実行するたびにミア..へと1ドローを献上することになる。ハンデス戦術に対して大きくブレーキを掛ける強烈な一手だ。
OKAFUKUの4ターン目、2枚目の《忍蛇の聖沌 c0br4》をマナに置いて4マナを数えると、《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》をクリーチャーとして召喚。ミア..の手札からは《夢双龍覇 モルトDREAM》がこぼれ落ちる。
《異端流し オニカマス》が2体並んでいなければ、先ほどマナに置かれた《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》の呪文側から《夢双龍覇 モルトDREAM》が《無敵剣 プロト・ギガハート》と《熱血剣 グリージーホーン》と《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を携えて飛び出し、そのままゲームセットもありえたかもしれない。
図らずも危機を脱していたOKAFUKUだが、まったく安心はできない。今しがた削った手札は《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》に補填されたばかりだ。
追い討ちをかけるように、ミア..はノーチャージで手札を使わず《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚し2ドロー。安易なハンデスを通さぬよう構えつつ、《夢双龍覇 モルトDREAM》の召喚にも近付いていく。
こうなると苦しいのはOKAFUKUだ。潤沢なミア..のリソースの前に、ハンデスが上手く機能していない。致命的なドラグナーにアクセスされていないことが救いだが、時間の問題だろう。
少考の末、OKAFUKUが召喚したのは《冥土人形ヴァミリア・バレル》。《流星のガイアッシュ・カイザー》をバウンスし、同時に手札の《地封龍 ギャイア》を捨てさせる。≪修羅の死神フミシュナ≫で自分がドローし、《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》で相手もドロー。ミア..の手札が減る気配を見せない。
《異端流し オニカマス》をタップし、《冥土人形ヴァミリア・バレル》をハイパー化。先ほど手札に戻した《流星のガイアッシュ・カイザー》のドローに制限をかけてOKAFUKUはターンを終了する。
先攻ミア..の6ターン目。《メンデルスゾーン》をマナに埋めて6マナをタップすると、ミア..は《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》をクリーチャーとして召喚。
≪修羅の死神フミシュナ≫を破壊してOKAFUKUのリソース源を断ち、その能力で《爆熱剣 バトライ刃》を装備。《ボルシャック・栄光・ルピア》でタップされた《異端流し オニカマス》を攻撃し、ターン終了時に《爆熱剣 バトライ刃》が≪爆熱天守 バトライ閣≫へと龍解する。
OKAFUKUとしては、《ボルシャック・栄光・ルピア》の攻撃をハイパー化してパワー6000となった《冥土人形ヴァミリア・バレル》のブロックで討ち取ることもできた。しかし、ミア..のバトルゾーンにはパワー8000の《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》が睨みを利かせている。相手のリソース拡充を制限する《冥土人形ヴァミリア・バレル》の維持を優先した格好だ。
OKAFUKUも6マナを揃えると、《異端流し オニカマス》で《冥土人形ヴァミリア・バレル》をハイパー化したうえで《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》のクリーチャー側、《カレイコの黒像》と連続でプレイ。
《冥土人形ヴァミリア・バレル》のドロー制限はそのターン中2枚目以降のドローであれば相手ターンでなくとも誘発する。《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》のドローを1枚に抑えつつ、OKAFUKUは異なるタイプのメタを2面並べた。
《冥土人形ヴァミリア・バレル》のドロー制限は手痛いが、それ以上にシステムクリーチャーとしての性能が光る。登場時の能力で装備したのは《銀河大剣 ガイハート》。スピードアタッカー付与は≪ボン・キゴマイム≫により機能しないが、龍解時の7000火力で直接バトルゾーンに触れるのは強力だ。
≪炎龍覇 グレンアイラ≫で《異端流し オニカマス》を攻撃されるも、OKAFUKUはここもスルー。バトル勝利時能力で《爆勇王剣 ラッシュ・ギガハート》を装備。効果で山札の上5枚から《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》を回収し、≪ボン・キゴマイム≫を押し戻す。
構築した盤面が次々に排除され、これにはOKAFUKUも思わず「つえー……」と声を漏らす。
しかし、ここでミア..に小さな小さな……しかし大きなミスが訪れる。
《銀河大剣 ガイハート》を龍解させるべく、《ボルシャック・栄光・ルピア》でプレイヤーへの攻撃すると同時、≪爆熱天守 バトライ刃≫の効果解決を宣言してトップを公開したミア..。
しかし、OKAFUKUのバトルゾーンには《カレイコの黒像》が鎮座していた。その能力により、公開された《時の法皇 ミラダンテⅫ》は墓地に置かれる。
さて、OKAFUKUとしてはこの攻撃をブロックしようがしまいが、≪熱血星龍 ガイギンガ≫の龍解時能力で《冥土人形ヴァミリア・バレル》は破壊されてしまう。しばし悩むも、ここは《ボルシャック・栄光・ルピア》を討ち取ることを選んだOKAFUKU。
予定調和の≪熱血星龍 ガイギンガ≫龍解で《冥土人形ヴァミリア・バレル》が破壊され、ターン終了を宣言するミア..
OKAFUKUは全てのクリーチャーを失い盤面は大きくミア..に傾いた……のは間違いないのだが、この時ミア..の山札は残り6枚となっていた。
《双龍覇王 モルトVERSUS》の2ドロー、そしてドローステップの1ドローで。ただターンを迎えただけで、ミア..の山札は3枚ずつ減っていく。つまり、気付けばミア..に残されたターンは事実上あと1ターンのみとなっていたのだ。
OKAFUKUは《奇天烈 シャッフ》を召喚。コスト6を宣言し、ミア..の≪炎龍覇 グレンアイラ≫、《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》、《双龍覇王 モルトVERSUS》が一瞬にして動きを止める!
さらに《同期の妖精 / ド浮きの動悸》のクリーチャー側を添えて、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》が《双龍覇王 モルトVERSUS》を回収することも許さない。あとは突破されないことを祈るのみだ。
ミア..、最後のターン。
ターン開始時の《双龍覇王 モルトVERSUS》は《闘将銀河城 ハートバーン》。さらに≪「助けて!モルト!!」≫から《夢双龍覇 モルトDREAM》を送り込み、《無敵剣 プロト・ギガハート》を装備、≪爆熱王DX バトガイ銀河≫をクリーチャー側で直接バトルゾーンへ。
ありったけの打点を生成し、《夢双龍覇 モルトDREAM》が走り出す。アンタップして、≪超戦覇龍 ガイNEXT≫が龍解する。
T・ブレイク。
既にマナに2枚は見えていた《忍蛇の聖沌 c0br4》が、しかしOKAFUKUの下へと駆けつけた。しかも2枚だ。
1枚目の《忍蛇の聖沌 c0br4》、山札の上2枚を墓地に、《奇天烈 シャッフ》と《アーテル・ゴルギーニ》。
《アーテル・ゴルギーニ》が《冥土人形ヴァミリア・バレル》と《奇天烈 シャッフ》を呼び起こし、≪爆熱王DX バトガイ銀河≫を除去してコスト14の《夢双龍覇 モルトDREAM》が停止する。
2枚目の《忍蛇の聖沌 c0br4》、山札の上2枚を墓地に、《同期の妖精 / ド浮きの動悸》と《アーテル・ゴルギーニ》。
《アーテル・ゴルギーニ》が≪同期の妖精≫と≪修羅の死神フミシュナ≫を呼び起こし、ブロッカーがさらに並ぶ。
眼前で展開されたあまりの出来事に、ミア..も笑みを浮かべるしかない。攻撃できるクリーチャーは2体いるが、追加の展開を行えるわけでもなく、OKAFUKUのバトルゾーンにはブロッカーの群れ。潔くターン終了を宣言するミア..。
OKAFUKUはダメ押しの≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫2枚で14と6を宣言しターンを返すと、ミア..の山札はターン開始時の処理とともにちょうど0枚となった。
OKAFUKU 1-0 ミア..
たった1枚。
《時の法皇 ミラダンテⅫ》1枚分の山札が、ミア..の選択肢を大きく狭める結果となった。
限界を超えながら戦い続ける3位決定戦。メタクリーチャーの有無や誘発型能力の誘発忘れをはじめとする認識齟齬は、実のところ他にもいくつか発生していた。それはミア..だけでなく、OKAFUKUの方も変わらない。
それでも、起こったことに対してできる限りの最善を。
全力を振り絞りながら、勝負は2ゲーム目へ。
Game2
先攻:ミア..2ゲーム目のスタートは、1ゲーム目とそっくりの形となった。
後攻2ターン目にOKAFUKUが《異端流し オニカマス》を召喚し、返す3ターン目のミア..が《メンデルスゾーン》で2マナブーストして4ターン目の6マナへと繋ぐ。
OKAFUKUは≪ボン・キゴマイム≫を並べてスピードアタッカーを牽制してターン終了。
ミア..は迷いなく6マナをタップし、待ってましたとばかりに《双龍覇王 モルトVERSUS》を召喚する。《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を装備するが、≪ボン・キゴマイム≫の攻撃制限によってお楽しみは次のターンまで持ち越しだ。
OKAFUKUは捲りを封殺する《カレイコの黒像》を的確に差し込んで対応。しかしどうしても手数不足は否めない。
ミア..はターン開始時に《ボルシャック・栄光・ルピア》をバトルゾーンへ。マナブーストは《カレイコの黒像》により阻まれ、《異端流し オニカマス》で手札に戻り、≪ボン・キゴマイム≫でOKAFUKUに1ドロー。しかし、ドラゴンカウントを1進めることのメリットはデメリットに見合うものだった。メインフェイズに6マナで《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》、すなわちそのターン中2体目のドラゴンをバトルゾーンに出したミア..はその手で《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を龍解。
≪爆熱王DX バトガイ銀河≫でプレイヤーを攻撃すると同時、手札の≪炎龍覇 グレンアイラ≫が飛び出して≪ボン・キゴマイム≫を破壊する。バトル勝利時の報酬で《無敵剣 プロト・ギガハート》を装備し、《異端流し オニカマス》のバウンスを耐える≪炎龍覇 グレンアイラ≫。
さらには《双龍覇王 モルトVERSUS》で攻撃、チェンジ《時の法皇 ミラダンテⅫ》! OKAFUKUはほとんどのクリーチャーのプレイを禁じられる。シールドが割り切られないよう《異端流し オニカマス》で《時の法皇 ミラダンテⅫ》を押し返すも、時間の問題だ。
クリーチャーは使えないOKAFUKU、このターンは≪「この先は修羅の道ぞ」≫で≪炎龍覇 グレンアイラ≫と≪最強龍 オウギンガ・ゼロ≫を手札に戻させて打点を削げるだけ削ぎにかかる。
しかしミア..も既に勝ち筋を見据えている。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》のマッハファイターで《異端流し オニカマス》を除去……と、その時。
OKAFUKU「ウラ・ニンジャ・ストライク」
捨てられたのは《アーテル・ゴルギーニ》。6コストの《忍蛇の聖沌 c0br4》ではない!
人心地ついたミア..は《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》で攻撃、と同時に革命チェンジを宣言。未来のファイナル革命の力により、再びOKAFUKUの時が止まる。
ここで奇跡的に呪文のS・トリガーが2枚誘発。≪ド浮きの動機≫と≪「この先は修羅の道ぞ」≫で盤面を一気に押し返すも……。
バトルゾーンには何も送り出せず、ガラ空きで明け渡したミア..のターン。アイラの救援を聞きつけたモルトの姿を見とめると、OKAFUKUは投了を宣言した。
OKAFUKU 1-1 ミア..
Game3
先攻:OKAFUKU
OKAFUKUが2ターン目に≪同期の妖精≫を召喚して、後攻ミア..の2ターン目。ミア..は本マッチで初めての「2ターンメンデル」に成功する。次のターンのビッグアクションは出来れば容赦願いたいOKAFUKU。《冥土人形ヴァミリア・バレル》がミア..の手札の《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》を見事に撃ち抜く。
ミア..はこれにノーチャージ《メンデルスゾーン》で応じる。手札の消耗を最小限に抑えつつ、6マナ域へと足を伸ばす形となった。
しかし、この1ターンでOKAFUKUの盤面に≪ボン・キゴマイム≫が間に合ってしまった。これによりミア..のクリーチャーは出たターンの攻撃が制限される。
返すミア..のアクションは≪「助けて!モルト!!」≫からの《夢双龍覇 モルトDREAM》。《無敵剣 プロト・ギガハート》、《爆銀王剣 バトガイ刃斗》、《爆熱剣 バトライ刃》の3枚を装備し、終了時に≪爆熱天守 バトライ閣≫を建設。
わずか1ターンにして、≪ボン・キゴマイム≫がいなければ一瞬でゲームを終了させたであろう火力がバトルゾーンに居並ぶ。
しかしOKAFUKUは冷静だ。《DARK MATERIAL COMPLEX》をバトルゾーンに送り出すとともに、≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫で14を宣言。《夢双龍覇 モルトDREAM》をバトルゾーンへ釘付けにする。
ミア..も負けじと《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》で盤面を構築し、OKAFUKUの6ターン目へ。
OKAFUKUが召喚したのは《アーテル・ゴルギーニ》。墓地肥やしと蘇生のモードを選択。《奇天烈 シャッフ》で《夢双龍覇 モルトDREAM》を止められるのが望ましいが……残念ながらデッキトップ4枚に姿はなし。
≪修羅の死神フミシュナ≫を蘇生させると、ランダムハンデスで《流星のガイアッシュ・カイザー》が落とされる。これで踏み倒しの心配もなくなったかと《冥土人形ヴァミリア・バレル》のハイパー化を起動してターンを渡すと、
ミア..「終了時、《流星のガイアッシュ・カイザー》宣言で」
生憎と《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》の1ドローが既に解決されていたため《冥土人形ヴァミリア・バレル》によって2ドローののちに2枚捨てる必要があるものの、ミア..の手札の質は大きく向上し、そして《夢双龍覇 モルトDREAM》のコストは4軽減される。
続けてターンをもらったミア..は《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》で《蒼き団長 ドギラゴン剣》を回収。≪同期の妖精≫に吸われるバウンスは能力解決せず、ついに動き出した《夢双龍覇 モルトDREAM》でプレイヤーを攻撃する。
《爆銀王剣 バトガイ刃斗》解決。《時の法皇 ミラダンテⅫ》。
≪爆熱天守 バトライ閣≫解決。《流星のガイアッシュ・カイザー》。
踏み倒しにより飛び出たカードによって、思わぬ形で強制的に3ドローさせられる格好となったミア..。山札は残り4枚、1ゲーム目の幕引きが思い起こされる。
ドラグハート2種を龍解させるミア..だったが、≪爆熱王DX バトガイ銀河≫はともかく、≪爆熱DX バトライ武神≫の攻撃には多大なリスクを伴う。
《アーテル・ゴルギーニ》で攻撃を受け止めたOKAFUKUは置換効果で≪同期の妖精≫を破壊し、メガ・ラスト・バーストで≪爆熱王DX バトガイ銀河≫をバウンス。
どうにかして打点を通そうにも、ブロッカーと≪ボン・キゴマイム≫が行く手を阻む。強引な突破も難しい以上、このターン中ミア..にできることは《夢双龍覇 モルトDREAM》で《アーテル・ゴルギーニ》を攻撃することだけだった。
OKAFUKUは《冥土人形ヴァミリア・バレル》で《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》
を手札に戻させ、《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントを6とする。
さらに≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫で6を宣言し、《流星のガイアッシュ・カイザー》2体の動きを止めた。
そしてここで制限時間終了。全て終わった後のシールド枚数差も考慮すると、お互いに攻めない理由がなくなった。ミア..による猛攻が始まる。
《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を召喚し、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》でプレイヤーを攻撃しながらチェンジ《蒼き団長 ドギラゴン剣》。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を出し、《メンデルスゾーン》を回収しながら≪修羅の死神フミシュナ≫をバウンス。ブロッカーを剥ぎ取っていく。
この3点を受け入れたOKAFUKU、最初の3枚にトリガーはない。
《時の法皇 ミラダンテⅫ》で攻撃すると同時にパラレル革命チェンジ、≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫。ブロッカーをすり抜ける3打点がOKAFUKUに襲いかかる!
残り2枚のシールドを確かめたOKAFUKUは、静かに、カードを公開した。
《無敵剣 プロト・ギガハート》付きの《夢双龍覇 モルトDREAM》に2回バウンスを当てると、ミア..の攻撃できるクリーチャーは≪最強龍 オウギンガ・ゼロ≫と≪爆熱DX バトライ武神≫のみ。仮に≪爆熱DX バトライ武神≫の攻撃で山札がなくならなかったとて、《冥土人形ヴァミリア・バレル》2体の前に阻まれる。
ミア..の一縷の望みは、返しにOKAFUKUが勝ち切れないことだけだ。勝負はここに及んで、OKAFUKUの《DARK MATERIAL COMPLEX》とミア..のシールドに託された。
ターン開始時にカードが入り、《DARK MATERIAL COMPLEX》が起動。攻撃できるのは《DARK MATERIAL COMPLEX》に加えて《冥土人形ヴァミリア・バレル》2体と≪ボン・キゴマイム≫の計3体。
うっかりカードを実行して《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を起動することのないよう、OKAFUKUは墓地を確認すると即座に《DARK MATERIAL COMPLEX》へと手を掛ける。ワールド・ブレイク、蘇生は≪同期の妖精≫。G・ストライクは通用しない。
ミア..は5枚のシールドを一度に掴み、1枚、また1枚と確認していく。そして5枚全てに目を通したのち……。
右手を差し出し、この激戦を共に戦い抜いたOKAFUKUの勝利を讃えた。
OKAFUKU 2-1 ミア..Winner:OKAFUKU
筆者が幻視したのは、大雨の中、泥にまみれながら闘いあう二人の姿だった。それほどまでに、全力を出し尽くした闘いだった。
紙一重、という以外あるまい。ほんのわずかでもボタンがかけ違えば、結果がどうなっていたかわからなかった。陳腐だが、そう表現するほかないマッチだった。
それでもなお、OKAFUKUが僅かの差で勝利を掴んだのは、【水闇COMPLEX】というデッキのスタイルを追い求め、「負けない」ための立ち回りを最後の最後まで徹底し続けたからだと感じている。
全国の舞台でも、彼が最後の最後まで諦めず戦い抜く姿が見られれば、それ以上に嬉しいことはないだろう。
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OKAFUKU DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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ミア.. DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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