デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

全国大会2025 エリア予選ジャッジ大会 決勝戦:箱ペン vs. 柑橘

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:後長 京介

 デュエル・マスターズは最高のカードゲームだ。

 だが、その最高のカードゲームが何によって支えられているのか、普段は意識しないことが多い。

 競技イベントの正常な進行に不可欠の存在……それがジャッジだ。

 一年間に渡りイベントを支え続けてくれた裏方に対し、功労に報いる趣旨もあるジャッジ大会。この日、北は北海道から南は鹿児島まで、ジャッジ試験を通過した認定ジャッジたちが全国から集った。その数、149名。カバレージライターやGPの実況解説陣も含まれているとはいえ10名弱なので、ものの数ではない。第1回戦の「行くぞ!デュエマ、スタート!」は、特別に今日はプレイヤーでもある彼ら全員にセルフで発してもらった。

 それでも、ジャッジ大会も日本一決定戦の権利がかかったエリア予選であることに変わりはない。和やかさと真剣さが程よく入り混じりつつも、プレイヤーの模範たる彼らが大きなトラブルなどを起こすはずもなく(ただし普段からプレイヤーとして遊ぶ頻度は低いため、《ヨビニオン・マルル》の誘発忘れの申告などは多かったそうだが)、予選7回戦をつつがなく終えてトップ16が出揃った。

 この大会には、全国のジャッジが一堂に会するという以外にも特徴的な側面があった。王道篇・王道W環境での、正真正銘最後の2ブロックの大型公式競技大会であるという点だ。149名の参加者のうち、なんと半数強が「光水自然ゴルギーオージャー」を選択した。1ヶ月前の関西エリア予選で、dottoが示した現実。そこから環境は変わっていない……ゆえに、それは必然の帰結に思われた。

 だが。デュエチューブリーガーの◆ドラ焼きフェアリーすら予選落ちを強いられた過酷な7回戦を経て、決勝ラウンドに進出した16名のアーキタイプは以下のようになった。

「ゴルギーオージャー」 5名
「ゴルギーネクスト」 5名
「レッドゾーン」 3名
「4Cアビス」 2名
「GG & GT」 1名

 《「GG」-001》《「GT」-002》とともに予選2位で駆け抜けたFeiがいた。「ゴルギーネクスト」に《LOVE&ABYSS》を入れ込んだほむたろうがいた。《轟く邪道 レッドゾーン》に打開策を見出した「マッチー」ことmachiがいた。そして仲間とともに調整した「4Cアビス」を持ち込んだだぶりゅぅ柑橘がいた。

 この1ヶ月。61人目の、最後の日本一決定戦出場者となるべく、環境の研究はまだまだ進められていた。「ゴルギーオージャー」のその先(ネクスト)へと。そしてその努力は、確かに結実した。DMGP2022 Day1王者のアイタの奮戦もあったが、トップ4の段階で勝ち残ったのは「ゴルギーネクスト」3名に「4Cアビス」が1名。繰り返すが、半数強が「ゴルギーオージャー」を選択した大会である。もはや「ゴルギーオージャー」は、環境によって完全に克服されていた。

 そして、決勝まで勝ち残ったのは。

柑橘「やばっ。お前とここでやる?」

箱ペン「熱いね~」

柑橘「こんなことないよ」

 奇しくもともに岡山勢、西日本で活動するジャッジ2人だった。箱ペン昨年のジャッジ大会でも決勝ラウンドに進出したものの、一回戦敗退を喫している。今年こそは、と期する思いがあった。

箱ペン「めっちゃ緊張する……」

柑橘「そう?お前だったら緊張せんわ」

箱ペン「……でもめっちゃ楽しい」

柑橘「楽しいね。悔いのないようにやろう」

 「ゴルギーネクスト」を駆る箱ペンに対し、柑橘の「4Cアビス」は今大会のために5人でシェアした意欲作だった。その陰には、後期のDMPランキングを14位で権利獲得を逃したるなかすの献身があった。だからこそ、その魂を全国の舞台に届けたいという祈りがあった。
 最後の戦いを、最高の戦いにするために。いまひとたびの「デュエマ・スタート!」とともに、決戦の火蓋が切られた。

Game

 順位先攻で《大集合!アカネ&アサギ&コハク》《ROYAL-減亜5》とチャージした箱ペンが《ROYAL-減亜5》を送り出すと、「黒ダメ!」と言い張る柑橘に対し、箱ペンは「黒!」と言いながら《~世紀末の善悪~》を置きつつ1ドロー。理想的なぶん回り初動を見せられ、柑橘は「もう~」と不満げな声を漏らす。それでも《アビスラブ=ジャシン帝》《フェアリー・Re:ライフ》とチャージした柑橘も《フェアリー・Re:ライフ》でしっかり後手2ブーストを決め、箱ペンの「あるやん」という軽口を「さすがにね?」と受け流す。

 そのまま箱ペンは《剣轟の団長 ドギラゴン王道》チャージから《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を召喚し、見た2枚から《轟速奪取 トップギジャ》をマナに置いてターンエンド。すると返す柑橘は《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》チャージから《堕チシ八叉ノ蛇神》

箱ペン「大事やなー……」

 手札は2枚。《大集合!アカネ&アサギ&コハク》への「マッハファイター」攻撃時、捨てられたのは……《竜社長 ゴルファウンデーション》。これを見て箱ペンは「おっ」と声を漏らす。それは安堵か失望か。はたして、返す箱ペンのアクションは……。

 《ウルの天宝》《~世紀末の善悪~》

柑橘「マジけ!?」

 柑橘の3枚の手札から2枚を奪い去りつつ、《堕チシ八叉ノ蛇神》を上から踏むビッグターンとなる。返す柑橘は残る手札2枚を使って《凶乱タル月光ノ夜鏡》を空置きしつつ《フェアリー・Re:ライフ》を唱えるが、いまだマナにデーモン・コマンドは1枚もなく、リソースをすべて刈り取られてしまった形。
 ここでさらに箱ペンは《~世紀末の善悪~》の2体目を召喚し、3ドロー。一方柑橘は「おそっ」と呟きながら今引きの《ヨビニオン・マルル》で、「これでゴツンマなかったらだいぶ負けやね」「さすがにあるやろ」というやりとりを挟んで「ヨビニオン」から《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》を着地させる。《ヨビニオン・マルル》効果で《魔誕の封殺ディアス Z》だけマナに送り、再び箱ペンのターン。

箱ペン「マナタップインだよね」

 潤沢な手札から、箱ペンは勝負に出る。《竜社長 ゴルファウンデーション》をマナに置くと、《ROYAL-減亜5》でプレイヤーへアタック時、「D・D・D」《「GT」-002》

箱ペン「横で。上から1点行きたいです」

 箱ペンはなおも3枚の手札を抱えている。すなわちこの攻撃が通ってしまえば、《「GT」-002》が「マッハファイター」で《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》を踏み、マナアンタップからさらなる「D・D・D」へとつながる未来は確実。

 はたして柑橘は、ブレイクされたシールドを持ち上げ。

 ……そのカードを、そのまま叩きつけるようにしてバトルゾーンへと放った!

 《魔誕の穿将ベリュガデス》

箱ペンいやマジ!?考えます……え、マジ?本当に言ってる?嘘じゃん

 アンタップ状態のクリーチャー……「D・D・D」で着地したばかりの《「GT」-002》が、横の《~世紀末の善悪~》の上に「G-NEO進化」させられたはずのそれが、そのまま無為に墓地へと送られる。

箱ペン「そっか踏むんだそこ……うわ乗っけりゃよかった……ミスってるわ」

 たかが1点、されど1点。残るは2体の《~世紀末の善悪~》のみでジャスキルもないため、箱ペンはターンを返さざるをえない。
 他方、九死に一生を得た柑橘は、《凶乱タル月光ノ夜鏡》の効果でマナから《魔誕の封殺ディアス Z》を召喚。《魔誕の穿将ベリュガデス》の上に「G-NEO進化」させ、《~世紀末の善悪~》へと「マッハファイター」で攻撃。そしてこれが通ると、攻撃後の効果で着地したのは《アビスラブ=ジャシン帝》

 この《アビスラブ=ジャシン帝》《ROYAL-減亜5》を攻撃する際にもう1体の《~世紀末の善悪~》も「深淵送り」したことで、箱ペンはすべてのクリーチャーを一掃されてしまう。

箱ペン「進化で置ければよかったんか……」

 いまだ1点で踏み抜いたトリガーの衝撃から立ち直れない箱ペンは、《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を2連打するのみ。

 そんな箱ペンに対し、柑橘は容赦なく畳みかける。2体目の《魔誕の封殺ディアス Z》《凶乱タル月光ノ夜鏡》上に進化させ、W・ブレイク。これが通るや、マナから2体目の《アビスラブ=ジャシン帝》。さらに続けて《魔誕の封殺ディアス Z》でW・ブレイク。《ウルの天宝》を踏み抜くが、《BARUGA-雷座87》が立ったのみ。攻撃後効果で《堕チシ八叉ノ蛇神》が着地すると、今出たばかりの《アビスラブ=ジャシン帝》で攻撃時、「ブロッカー」を持った《BARUGA-雷座87》を「深淵送り」しつつ《堕チシ八叉ノ蛇神》効果で最後のシールドをブレイク……S・トリガーは、ない。

 かくして、《アビスラブ=ジャシン帝》による愛のダイレクトアタックが、戦いを終淵へと導いたのだった。

Winner: 柑橘
柑橘っしゃー!!!

箱ペン「……マジ?やらかしたー!いやでも……別にそんなめっちゃミスでもないよな……いやそんなミスか?」

柑橘「ウアラク(《~進封せし大悪魔~》)でも良かったし……」

箱ペン《~進封せし大悪魔~》だったらどうせ殴れなくなるから……」

 すべては、《魔誕の穿将ベリュガデス》という予想外のカード採用がもたらした結末だった。だがそれはすなわち、テンプレートのない「4Cアビス」をこの精度で仕上げてきた、柑橘と仲間たちとの調整が勝利に結びついたのだという、何よりの証明とも言えた。
 「おめでとう!」と口々に祝福を伝える調整相手のジャッジたちと抱擁を交わした柑橘は、感慨深そうに漏らす。「良かった調整して……」

 一方、箱ペンも駆け寄ってきた友人たちに慰めの言葉をかけられながら、「……マジで悔しい」と呟いた。

 その光景が、物語っていた。競技への熱を理解し、仲間とともに目標に挑むかけがえのない時間を共有し、それでもあと一歩届かない悔しさに共感し、自らもまたそこに身を投じることができる……そんな熱い裏方たちが、デュエル・マスターズの競技イベントを支えてくれている。

 だから。

デュエル・マスターズは最高のカードゲームだ。

 「お前それだよ!」「デュエル・マスターズ最高だわ」といったギャラリーの言葉に同意するように、柑橘はこみ上げる思いを自然と口にした。

柑橘……マジでおもろい!
 ジャッジ大会、優勝は柑橘!おめでとう!!


PAGE TOP

©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2026, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY