DMGP2026-1st Day1(アドバンス)Round 4:flat- vs. キズナ
ライター:清水 勇貴(yk800)
撮影:瀬尾 亜沙子
例えば、《ジオ・ケラサス》や《セブ・マイパッド》に代表される「エイリアン・一撃奪取」。
例えば、《時空のネビュラ マティーニ》や《時空のコスモ アンタッチャブル》をはじめとした「妨害サイキック」。
彼らは2ターン目のアクションの幅を際限なく広げ、初動の概念を完全に再構築し、デッキビルドに新たな定理を書き加えた。
例えば、《勝首領龍 カツドン》はその圧倒的な打点形成能力でビートダウンデッキの常識を塗り替えた。
例えば、《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》は覚醒すればスピードアタッカーを持つコマンドでありながら、相手ターン中に出さえすれば防御札にもなりうる除去性能で、《超次元サプライズ・ホール》や《死海秘宝ザビ・デモナ》、《流星の逆転撃》とともに様々なデッキで採用されている。
そしてもちろん、その変革の波はリソースゲームにも及んでいる。
4回戦、フィーチャーテーブルで向かい合う両者が見せ合った超次元ゾーンの8枚はそれぞれに異なる。それでも、お互いにリソースゲームを見据えて構成されている点では共通していた。

キズナ選手の超次元ゾーンには《13番目の計画》が採用され、メインデッキ45枚。《モーニング・ABYFLHA・カイザー》に加えて、《千両力士 多禍の泥粋》が2枚。相手の手札を捨てさせながら同時にマナブーストを行い、覚醒後は墓地のクリーチャーの召喚権を得て擬似的な手札リソースにも化ける、ビッグマナデッキのホープだ。

一方のflat-選手の超次元ゾーンにも全体としてロングゲームを見据えたラインナップが揃う中、《モーニング・ABYFLHA・カイザー》の2枚採用が目を惹く。中長期戦デッキならほぼ間違いなく採用されるカードだが、2枚あるとなればやはり《鬼修羅と跳次元の決断》を用いたデッキが筆頭候補となる。
ゲーム開始前から、早くもがっぷり四つの様相が想起されるマッチアップ。果たして、ゲームを制するのはどちらか。
Game
flat-「超次元ゾーン確認いいですか?」先攻2ターン目。flat-は自身のマナセット権を使う前に相手の超次元ゾーンを確認、早速デッキタイプを推測しにかかる。flat-のマナゾーンには《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》。キズナのマナゾーンには《宇宙妖精エリンギ》。
まず頭によぎるのはミラーマッチ。しかしなにせ「光水自然ベースのデッキ」だけでも選択肢が多い環境だ。《ヨビニオン・ハルカス》+《刀志猫のプワソン》? 火文明を入れて《鬼修羅と跳次元の決断》? 小粒クリーチャーを《森仙のJ ロマネスク》でバックアップする構築もあるし、下火ではあるものの【ペテンシーフシギバース】だってパーツは近い。よもや45枚にはしていないだろうが、最近は【ドッコイループ】なんて選択肢も……。
悩みに悩んだうえで危険性は少ないと判断したか、flat-は《流星のガイアッシュ・カイザー》をマナゾーンに置く。相手の踏み倒しに便乗でき、特に2ターン目の《アシダケ・テレポートホール》の返し札としては最上のカードだが、相手がケアしてくるのであれば意味がなく、何より前のターンに自然も水もマナに確保できていない。より確実に、自分のゲームを進行することを優先した形か。返すキズナは《怪盗妖精カサブランカ / 「信じていたのに裏切られるなんて!」》をマナゾーンに置いてターンを返す。
続く3ターン目、flat-が《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》を置いたところからいよいよゲームは動き出す。マナ加速と妨害を両立する新鋭は、シールドゾーンに鎮座するためエレメント除去すら受け付けず、直接シールドを操作するか、あるいはクリーチャーでブレイクするかのどちらかを強要する。
負けじとキズナも動き出す。おもむろに置いた《死神XENARCH・ハンド》から闇マナを捻出し、《天災 デドダム》。ここまで見えたカードは火文明抜きの4cコントロールという様相を呈している。受け札がかなりたっぷりと取られており、ビートダウンデッキに対してしっかりと戦える構成だ。
先攻flat-の4ターン目は《偽りの希望 鬼丸「終斗」》で《天災 デドダム》を除去しつつドロー。
対するキズナは《音奏 ジュリドゥ》をマナチャージ。《~世紀末の善悪~》で手札を回しつつ、flat-の手札を削っていく。一進一退のリソースの取り合い、しかしflat-のトップデックが大きく流れを変えた。

5マナを捻り、もう1枚の手札を犠牲に唱えるは《鬼修羅と跳次元の決断》!
クリーチャーを出すモード2回、超次元ゾーンにきっちり2枚採用した≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫が消耗したリソースを一挙に回復し、さらには4マナがアンタップして追加行動すらも許容される。
これぞ、「パンドラ・ウォーズ」のもたらした新たなサイキックの力。≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫は自分だけでなく、相手のクリーチャーの登場にも反応してドローする。差し引き1マナで爆発的なリソースを稼ぎ続けるエンジンが同時に2枚も戦場に並ぶのだ。
起き上がったマナから《フェアリー・Re:ライフ》をプレイし、さらにマナを伸ばすflat-。ターン終了宣言と同時にキズナは《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚するも、彼の顔から苦々しさが消えない。
キズナは名残惜しそうに、《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》で機能を停止した《超暴淵 ボウダン=ロウ》をマナゾーンに埋める。いわゆる【水闇自然ボウダン=ロウ】をベースに、環境にマッチした光文明のカードを採用する【4cボウダン=ロウ】が彼の使用するデッキの正体だった。相手の踏み倒しに反応して《流星のガイアッシュ・カイザー》召喚→ターンをもらって《超暴淵 ボウダン=ロウ》、墓地から大量のクリーチャーが湧き出し……という流れはこのデッキにおいて鉄板とも言えるコンボだが、最新弾からの刺客がそれを許さない。
ひとまずは《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》を召喚し、アドバンテージを稼ぎ続ける≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫2体を除去。しかし、これにも反応してflat-は合計4枚のドローを獲得する。
さらにキズナは《とこしえの超人》を召喚して次ターンの跳次元召喚にフタをするものの、手札2枚を消耗して一気にリソース差が開いた。
一方、この2ターンで8枚もドローを進めたflat-は止まらない。潤沢なハンドリソースを元手にさらに追加の《鬼修羅と跳次元の決断》。超次元ゾーンへの除去と跳次元召喚を選択して《とこしえの超人》をバトルゾーンから排除し、≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫を戦線に復帰させる。
追い討ちをかけるように《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》までもがflat-の戦線に追加され、ブロッカーである《~世紀末の善悪~》を破壊。同時に次のターン、キズナの展開はクリーチャー1体までに制限される。
キズナの公開領域に多数見えているトリガーに攻め手を躊躇うflat-だが、しかし次ターンでのリーサルを見据えるなら攻めない手はない。ここは勇気の2点を《偽りの希望 鬼丸「終斗」》で刻む。
S・トリガーで《光器ガガ・マドンナ / ホワイト・テレポートホール》のクリーチャー側が出るも、キズナのバトルゾーンには他にメカがおらず、フレンド・バーストは不発。ターンはキズナに渡る。
幾重にも折り重なる行動制限にじわじわと追い詰められ、緊張がキズナの顔に迸る。今のキズナに取れる選択肢はそう多くないが、それでも最善を追い求めて《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚。リソースを広げつつ、flat-の打点追加を多重で食い止める。
トリガーした≪光器ガガ・マドンナ≫で《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》をブレイクし、踏み倒し制限は解除。次のターンへと望みを託す。
さて、盤面を整理しよう。flat-の盤面にはW・ブレイカーが3体。キズナのバトルゾーンには2体の《流星のガイアッシュ・カイザー》があり、除去しなければ打点を追加できない状況。《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》は光のコマンドなので、超次元ゾーンから《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を侵略させればちょうど3枚のシールドを割り切ってさらに2体の打点を残せるが……。防御力十分に見えるキズナのデッキの前に、flat-はしばし立ち止まる。
悩んだ末に取った選択肢は《鬼修羅と跳次元の決断》、モードは跳次元召喚を2回。1回目で2体目の≪ラスト・GOLDEN・カイザー≫を、2回目で≪ガイフレア≫を召喚する。すでにバトルゾーンにいた≪ラスト・GOLDEN・カイザー≫と合わせて2体の能力が誘発し、4ドロー・4マナアンタップ! が……。
flat-「マジで???」
ない。《剣轟の団長 ドギラゴン王道》が、どこにもない!
詰め筋の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》はバトルゾーンに1体、残りのうち2枚はすでにマナに見えている。それもこれもこの4ドローでまだ見ぬ《剣轟の団長 ドギラゴン王道》を引き込み、マナゾーンから引っ張り出す前提ありきだったのだが……しかし、これもまたデュエル・マスターズ。flat-は落胆しつつも不運を割り切り、最も「詰ませる」展開を構築していく。
残り6マナのうち3マナで《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を召喚し《流星のガイアッシュ・カイザー》を1体処理、さらに3マナで《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》を貼り直す。
今し方召喚した《偽りの希望 鬼丸「終斗」》で≪光器ガガ・マドンナ≫を上踏みし、既に出ていた≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫が《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》のクリーチャー側へと革命チェンジして2点。先にシールドを割り切るよりも呪文ロックを優先した形だったが、ここはキズナのG・ストライクがもう1体の《偽りの希望 鬼丸「終斗」》の打点を阻む。
倒し切りはなくなったものの、ここで止まる理由はflat-にない。残る《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》は最後のシールドをブレイクしながら、《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》へとP侵略して《流星のガイアッシュ・カイザー》を磔にする。
キズナの動けるクリーチャーは《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》のみ、さらには≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫の呪文ロックと《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》の踏み倒し制限が重くのしかかる。
万全とは言えないまでも、今できる最善を尽くして要塞を築き上げたflat-。どっしりと腕を組み、キズナのラストターンを座して待つ。
制限時間を迎え、決着はこのターンのキズナに委ねられた。呪文禁止、踏み倒し禁止。バトルゾーンの動けるクリーチャーは1体。
最後の最後まで手札にかじりついて懸命に「城崩し」の方策を模索するキズナだったが……壁は険しい。果たして刀折れ矢尽き、彼は投了をflat-とジャッジに告げた。
Winner:flat-
タフなゲームだった。
結果起こったことをなぞればキズナがflat-の張り巡らせた妨害の前に膝を屈した形となったが、一方でflat-もまたキズナのデッキが読み切れず、見えないカードの幻影に苦しめられた。
しかし、トップデックの《鬼修羅と跳次元の決断》が、そこから呼び出された2体の≪ラスト・GOLDEN・カイザー≫がもたらすリソースが、このゲームの趨勢を大きく傾けた。
「パンドラ・ウォーズ」はアドバンスの在り方を根底から覆した。それでも、「たった1枚のカードがゲームを変える」ことは、これまでもこれからも、きっと変わらない。それこそがデュエル・マスターズの醍醐味なのだから。
|
flat- DMGP2026-1st アドバンス構築 |
|
|
|
キズナ DMGP2026-1st アドバンス構築 |
|
|
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2026, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY









