全国大会2018 甲信越エリア予選:トップ5カード
九州、北東北&南東北に引き続いて開催された今回の甲信越大会は、メタゲームの移り変わりを感じさせる結果となった。
それを象徴する5枚のカードとともに、今回の大会を振り返ってみよう。
そんな中、代わりにトップ16に3名を送り込むという躍進を遂げたのが『グスタフループ』だ。
通常の殿堂環境と異なりストレートにシールドを巡る攻防がほとんどとなるがゆえに、S・トリガーが厚い2ブロック環境における『グスタフループ』は、トップメタの『赤青覇道』に対しては《“轟轟轟”ブランド》や《》などによる開き直った全力のシールド割りが重いため厳しい戦いを強いられるものの、逆に対『赤青覇道』を意識したその他のデッキとのマッチアップにおいては比較的有利に立ち回れるという、特異なポジションを持っている。
決勝第1回戦で同型同士で潰し合ってしまったこともあり、惜しくも権利獲得はならなかったものの、今後のメタゲームの趨勢次第では目にする機会が増えるかもしれない。続く中四国大会や北海道大会での活躍に期待しよう。
表向きのシールドさえあれば《ドンドン吸い込むナウ》でバトルゾーンを離れず、ドラゴン・W・ブレイカーでシールドを回復できる《煌龍 サッヴァーク》は、『赤青覇道』に対抗するための切り札となる。それゆえに『白零サッヴァーク』で《煌世主 サッヴァーク†》よりも優先して搭載した者もいたことはもちろん、《ドラゴンズ・サイン》とのパッケージで早出しを目論んで好成績を残した者も存在した。
決勝へのシード権を持っていたhiroyasuは白青の『トリガービート』を使用し、目論み通り《ドラゴンズ・サイン》を踏ませて予選16位だったHIDEの『赤白轟轟轟』を見事下してみせた。また、とあるが使用した『4Cチェンジザサッヴァーク』は、その際立った独創性と強さとを両立してみせたという点において秀逸と言うほかない。
2ブロック環境のトップメタが『赤青覇道』である限り、《煌龍 サッヴァーク》はシールドの守護神ならぬ守護龍として、今後も君臨し続けることだろう。
破壊以外で処理できない相手には≪南海の捜索者 モルガラ≫として出し、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》がある『白零サッヴァーク』のような相手には≪トリプル・ブレイン≫として手札の拡充に使う。早い相手にも遅い相手にも対面と状況に応じてそれぞれ最適な使い道が選べるこのカードは、受け側が対応しきれないほどの多様な攻め方を可能にする。
その一例が、Nagumoが組み上げた《月光電人オボロカゲロウ》抜きの『赤青覇道』だ。
対「《煌メク聖戦 絶十》型」『白零サッヴァーク』という観点で見ると、《月光電人オボロカゲロウ》というアクションは所詮《煌メク聖戦 絶十》でも《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》でも対応可能であり、将来的な敗着となる可能性が高い。それくらいなら手札が減らない《エマージェンシー・タイフーン》の方が良い……というのは、この対面をやりこんで様々な手順を試したNagumoだからこそたどり着いた、環境に対する一つの答えだろう。
そして、その代わりに手札を維持して8マナから《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を連打するというNagumoのプランが成立しているのも、間違いなく《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》のおかげと言える。
一見地味な効果だが、実はデッキの縁の下の力持ちとなっている。ツインパクトの持つポテンシャルの高さを改めて感じさせるカードだ。
4 赤青覇道
4 白零サッヴァーク
3 グスタフループ
2 ジョーカーズ
1 デ・スザーク
1 4Cチェンジザサッヴァーク
1 青白トリガービート
トップメタである『赤青覇道』と同数の決勝進出者を輩出したのは『白零サッヴァーク』。そしてその4名ともが、《煌メク聖戦 絶十》と11月上旬に発売したばかりの「超誕!!ツインヒーローデッキ80 Jの超機兵 VS 聖剣神話†」に収録されている《集結ノ正裁Z》を、どちらも4枚搭載した「《煌メク聖戦 絶十》型」だった。
『赤青覇道』が出してくる《異端流し オニカマス》のアタックを《煌メク聖戦 絶十》で咎め、採用枚数を増やした《煌龍 サッヴァーク》からの《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》でドラゴン・W・ブレイカーによるカウンターを一気に仕掛けるというのは、『赤青覇道』に対する十分な対応策と言える。
《集結ノ正裁Z》はその動きを脇でサポートする。マッチアップのキーとなるカードを集めつつ、「サバキZ」でテンポ良く表向きのシールドを用意できるのが強みだ。また《サッヴァークDG》と異なりそれ自体が裁きの紋章であるため、シールドから手札に入れば《煌メク聖戦 絶十》を「サバキZ」で出すための起点ともなる。
本来なら守り主体のデッキとして環境に存在する多彩な攻めに翻弄されてしまうであろう『白零サッヴァーク』が、それでもトップメタである『赤青覇道』と肩を並べられるのは、「サバキZ」が生み出すテンポによる強烈なカウンター性能のおかげと言っても差し支えないのだ。
ばんぱく (白零サッヴァーク) vs. 白梟 (赤青覇道)
てぃけの (白零サッヴァーク) vs. Nagumo (赤青覇道)
『赤青覇道』の隆盛に対抗する形での《煌龍 サッヴァーク》の採用枚数の増加。さらに「《煌メク聖戦 絶十》型」の定着。これらの要因は、『赤青覇道』の文字通り覇道を、脅かすには十分すぎるものだった……本来ならば。
しかし甲信越予選にはNagumoがいた。今後流行するであろう「《煌メク聖戦 絶十》型」『白零サッヴァーク』を先んじて打ち倒そうと『赤青覇道』の研究を重ねたNagumoと、そしてそのエッセンスを余すところなくシェアされた白梟が。
その成果が、《月光電人オボロカゲロウ》を出さずに手札を維持してマナを伸ばし、8マナから《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のB・A・Dを連打するという、≪ジャミング・チャフ≫をも乗り越えるプラン。そのプランが、準決勝で惜しくも敗退したNagumoに代わりその無念を背負った白梟に、ついに勝利をもたらした。
それはNagumoと白梟、どちらが欠けてもなしえなかった2人の勝利だ。
だから。
「勝利」の二文字を冠するこのカードこそ、甲信越大会を最も象徴するのにふさわしいカードと言えるだろう。
それを象徴する5枚のカードとともに、今回の大会を振り返ってみよう。
第5位:《阿修羅サソリムカデ》
11月上旬に発売した「ツインヒーローデッキ」のカードをふんだんに搭載した、北東北で登場した『白緑ツインパクト』は、予選の段階では『赤青覇道』や『白零サッヴァーク』といったトップメタには及ばないまでも、確かに一大勢力を誇っていた……が、結局トップ16に進出することはかなわなかった。そんな中、代わりにトップ16に3名を送り込むという躍進を遂げたのが『グスタフループ』だ。
通常の殿堂環境と異なりストレートにシールドを巡る攻防がほとんどとなるがゆえに、S・トリガーが厚い2ブロック環境における『グスタフループ』は、トップメタの『赤青覇道』に対しては《“轟轟轟”ブランド》や《》などによる開き直った全力のシールド割りが重いため厳しい戦いを強いられるものの、逆に対『赤青覇道』を意識したその他のデッキとのマッチアップにおいては比較的有利に立ち回れるという、特異なポジションを持っている。
決勝第1回戦で同型同士で潰し合ってしまったこともあり、惜しくも権利獲得はならなかったものの、今後のメタゲームの趨勢次第では目にする機会が増えるかもしれない。続く中四国大会や北海道大会での活躍に期待しよう。
第4位:《煌龍 サッヴァーク》
「『赤青覇道』に対して耐性を付けるべし」ということが全参加者の暗黙の共通了解となった今回の甲信越大会。その結果、トップ16までで《“轟轟轟”ブランド》の採用枚数が15枚だったのに対し、《煌龍 サッヴァーク》の採用枚数は21枚にまで達し、《終末の時計 ザ・クロック》の31枚、《》の22枚に次ぐ結果となった。表向きのシールドさえあれば《ドンドン吸い込むナウ》でバトルゾーンを離れず、ドラゴン・W・ブレイカーでシールドを回復できる《煌龍 サッヴァーク》は、『赤青覇道』に対抗するための切り札となる。それゆえに『白零サッヴァーク』で《煌世主 サッヴァーク†》よりも優先して搭載した者もいたことはもちろん、《ドラゴンズ・サイン》とのパッケージで早出しを目論んで好成績を残した者も存在した。
決勝へのシード権を持っていたhiroyasuは白青の『トリガービート』を使用し、目論み通り《ドラゴンズ・サイン》を踏ませて予選16位だったHIDEの『赤白轟轟轟』を見事下してみせた。また、とあるが使用した『4Cチェンジザサッヴァーク』は、その際立った独創性と強さとを両立してみせたという点において秀逸と言うほかない。
2ブロック環境のトップメタが『赤青覇道』である限り、《煌龍 サッヴァーク》はシールドの守護神ならぬ守護龍として、今後も君臨し続けることだろう。
第3位:《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》
『赤青覇道』というデッキは、一体なぜここまでトップメタに君臨し続けることができるのか。ここ最近になって『赤青覇道』というデッキの強さが一段階上がった要因があるとすれば、やはり《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》の登場が挙げられるだろう。破壊以外で処理できない相手には≪南海の捜索者 モルガラ≫として出し、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》がある『白零サッヴァーク』のような相手には≪トリプル・ブレイン≫として手札の拡充に使う。早い相手にも遅い相手にも対面と状況に応じてそれぞれ最適な使い道が選べるこのカードは、受け側が対応しきれないほどの多様な攻め方を可能にする。
その一例が、Nagumoが組み上げた《月光電人オボロカゲロウ》抜きの『赤青覇道』だ。
対「《煌メク聖戦 絶十》型」『白零サッヴァーク』という観点で見ると、《月光電人オボロカゲロウ》というアクションは所詮《煌メク聖戦 絶十》でも《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》でも対応可能であり、将来的な敗着となる可能性が高い。それくらいなら手札が減らない《エマージェンシー・タイフーン》の方が良い……というのは、この対面をやりこんで様々な手順を試したNagumoだからこそたどり着いた、環境に対する一つの答えだろう。
そして、その代わりに手札を維持して8マナから《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を連打するというNagumoのプランが成立しているのも、間違いなく《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》のおかげと言える。
一見地味な効果だが、実はデッキの縁の下の力持ちとなっている。ツインパクトの持つポテンシャルの高さを改めて感じさせるカードだ。
第2位:《集結ノ正裁Z》
ここで、甲信越大会のトップ16におけるメタゲームブレイクダウンを見てみよう。4 赤青覇道
4 白零サッヴァーク
3 グスタフループ
2 ジョーカーズ
1 デ・スザーク
1 4Cチェンジザサッヴァーク
1 青白トリガービート
トップメタである『赤青覇道』と同数の決勝進出者を輩出したのは『白零サッヴァーク』。そしてその4名ともが、《煌メク聖戦 絶十》と11月上旬に発売したばかりの「超誕!!ツインヒーローデッキ80 Jの超機兵 VS 聖剣神話†」に収録されている《集結ノ正裁Z》を、どちらも4枚搭載した「《煌メク聖戦 絶十》型」だった。
『赤青覇道』が出してくる《異端流し オニカマス》のアタックを《煌メク聖戦 絶十》で咎め、採用枚数を増やした《煌龍 サッヴァーク》からの《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》でドラゴン・W・ブレイカーによるカウンターを一気に仕掛けるというのは、『赤青覇道』に対する十分な対応策と言える。
《集結ノ正裁Z》はその動きを脇でサポートする。マッチアップのキーとなるカードを集めつつ、「サバキZ」でテンポ良く表向きのシールドを用意できるのが強みだ。また《サッヴァークDG》と異なりそれ自体が裁きの紋章であるため、シールドから手札に入れば《煌メク聖戦 絶十》を「サバキZ」で出すための起点ともなる。
本来なら守り主体のデッキとして環境に存在する多彩な攻めに翻弄されてしまうであろう『白零サッヴァーク』が、それでもトップメタである『赤青覇道』と肩を並べられるのは、「サバキZ」が生み出すテンポによる強烈なカウンター性能のおかげと言っても差し支えないのだ。
第1位:《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》
今回の甲信越大会でトップ4に残った4つのデッキは、環境の二極化を表していた。ばんぱく (白零サッヴァーク) vs. 白梟 (赤青覇道)
てぃけの (白零サッヴァーク) vs. Nagumo (赤青覇道)
『赤青覇道』の隆盛に対抗する形での《煌龍 サッヴァーク》の採用枚数の増加。さらに「《煌メク聖戦 絶十》型」の定着。これらの要因は、『赤青覇道』の文字通り覇道を、脅かすには十分すぎるものだった……本来ならば。
しかし甲信越予選にはNagumoがいた。今後流行するであろう「《煌メク聖戦 絶十》型」『白零サッヴァーク』を先んじて打ち倒そうと『赤青覇道』の研究を重ねたNagumoと、そしてそのエッセンスを余すところなくシェアされた白梟が。
その成果が、《月光電人オボロカゲロウ》を出さずに手札を維持してマナを伸ばし、8マナから《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のB・A・Dを連打するという、≪ジャミング・チャフ≫をも乗り越えるプラン。そのプランが、準決勝で惜しくも敗退したNagumoに代わりその無念を背負った白梟に、ついに勝利をもたらした。
それはNagumoと白梟、どちらが欠けてもなしえなかった2人の勝利だ。
だから。
「勝利」の二文字を冠するこのカードこそ、甲信越大会を最も象徴するのにふさわしいカードと言えるだろう。
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