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全国大会2018 南東北エリア予選 決勝戦:ZweiLance(宮城) vs. アート(福島)

2016年12月12日にひとつのYouTubeチャンネルに最初の動画が投稿された。

宮城のフェアリーと、当時北海道に住んでいたZweiLanceのふたりによって開始された「フェアリープロジェクト」だ。

そのチャンネルの存在を知ったのはもう少し後の事だったのだが、その投稿数の多さと内容のクオリティを見て、どのようなプレイヤーたちがこのチャンネルを運営しているのか興味を持ったので、昨年の北海道エリア予選のカバレージを書きに行った際に、ZweiLanceをフィーチャーする機会はないものだろうかと漠然と考えていた。

だが、その機会は無かった。

昨年のエリア予選で、ZweiLanceは早々に連敗し、フィーチャーされるラインにいなかったのだ。予選ラウンド終了後か大会終了後かは覚えていないが、対戦席に一人座るZweiLanceの姿を見かけたので声をかけてみた。北海道から全国大会に出ることに拘っていたZweiLanceは最後のチャンスであったこの年が、無念の結果に終わったことを嘆いていた。

「最後ですか?」と聞くと、デュエマをやめるわけではないが、就職によって来年からは東北勢となるので、もう、北海道のエリア予選には出れないのだ、と答えた。そして、北海道エリアの決勝に出るのはやりたかったことのひとつだったから、それをするために北海道に残るのもありかもしれませんね、と冗談のように語った。

そして、この決勝の席に座ったZweiLanceはライター席に座る筆者に試合前にこう言った。

ZweiLance「川崎さん、フィーチャーの席に来ましたよ」

ZweiLanceが昨年の会話を覚えていたのかは分からないが、エリア予選の決勝まで来ること、そしてそこでカバレージを書かれることは、ZweiLanceにとってやりたい事のひとつだったのだろう。きっと、ZweiLanceは、ひとつひとつやりたい事を決めて、それを達成していく事をモチベーションとするタイプのプレイヤーなのだろう。

ZweiLanceとその仲間にはデュエマでやりたい事が山ほどあって、全国制覇はそのうちのひとつでしかなく、そしてここでの優勝は、それを達成するための、ひとつの事でしかないのかもしれない。

39枚。ほぼ同じリストの『闇単デ・スザーク』を使い、ZweiLanceに《堕魔 グリペイジ》を入れることを提案した鳶沢は準々決勝ですでに敗北している。だからZweiLanceは、今日、この場所で勝たなければいけない。

対するは福島のアート。使用するのは、すでにこの環境の代名詞となった『火水ブランド』。奇しくも北東北エリアと2日続けて同じマッチアップとなったこの決勝、制するのはどちらか。
先攻:アート

じゃんけんで先手はアート。《終末の時計 ザ・クロック》をマナチャージしてターンエンド。一方のZweiLanceは1ターン目のマナチャージからの長考。そして《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》をマナチャージする。2ターン目もお互いにマナチャージのみのターンエンドなのだが、チャージするマナひとつとっても緩手が勝負を決めかねないだけに熟考が重ねられる。

ここに至るまで、互いに多くの思考が巡らされきているとは思うのだが、実際盤面に影響があるプレイは、ZweiLanceの3ターン目の《堕魔 グリペイジ》となる。そして、ここでディスカードさせられるのが《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》。安定した動きを身上とするように見える『火水ブランド』だが、実際は手札の噛み合いに大きく依存しているデッキでもある。このディスカードには、かなりアートも渋い顔を見せる。

予定が大きく狂った形になったものの、元々火マナも足りなかったアート。ここで《ドンドン吸い込むナウ》を使い《“轟轟轟”ブランド》を手札に加える。火のカードを手札に加えたものの、《堕魔 グリペイジ》を手札に戻すことは当然選択しない。この時点で見えている《ドンドン吸い込むナウ》はマナゾーンも含めて3枚。

返すターンにZweiLanceは《堕魔 ヴォーミラ》を召喚しつつ、手札の《卍 デ・スザーク 卍》の無月の門を宣言する。墓地に落ちるカードに2枚の魔導具があるのを見ると、思わず「よしっ!」と小さくガッツポーズをし、4ターン目に《卍 デ・スザーク 卍》を着地させることに成功する。
『闇単デ・スザーク』が『火水ブランド』に勝つための最低条件である高速無月の門を達成し、一安心といったところのZweiLance。ただし、昨日行われた北東北エリア決勝では、3ターン目に《卍 デ・スザーク 卍》着地させたかじゅある《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を連打されて敗北している。

まだまだ勝負は分からないため、厳しい視線でアートにターンを返す。
しかし、昨日との最大の違いは、アートは3枚目の《終末の時計 ザ・クロック》をマナチャージするくらいに手札の状況が悪く、そして数少ない手札の有効札を《堕魔 グリペイジ》で破壊されているということだ。アートは何もできずにターンエンド。ZweiLanceは《堕魔 グリナイブ》を召喚して盤面を固め、ターンを終える。

アートは《“罰怒“ブランド》をマナチャージして火マナを確保するとB・A・D無しでの《“乱振”舞神 G・W・D》をタップインしつつ、《堕魔 グリナイブ》とバトルし、カードをドローする。

ZweiLanceは2枚目となる《堕魔 グリペイジ》《“轟轟轟”ブランド》を捨てさせると、《“乱振”舞神 G・W・D》へと《卍 デ・スザーク 卍》でアタックし、優位を手放さない。返しのターン、アートはマナチャージするかを考えたのち、すでに2枚の《堕魔 グリペイジ》を見ているので手札を3枚キープするのが重要と考え、ターンエンド。対して、手札にキープしたいものがあると考えてかZweiLanceは早めのプレイで《堕魔 グリペイジ》を召喚。このランダムディスカードが再びの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》

アートは《勇愛の天秤》《異端流し オニカマス》を捨てて手札調整を図る。ZweiLanceは今度は《追憶人形ラビリピト》を召喚し、今度のディスカードは《“必駆”蛮触礼亞》。そして、ついに、ある意味《卍 デ・スザーク 卍》以上にZweiLanceの代名詞と言える《追憶人形ラビリピト》が盤面に出てしまう。

しかし、アートも一方的なゲーム展開を許さない。《ゼンメツー・スクラッパー》をプレイし、《卍 デ・スザーク 卍》以外のクリーチャーを文字通り全滅させる。そして、ZweiLanceの手札の枚数を確認し、それが2枚であることを知ると、複雑な表情で《サイコロプス》をJ・O・Eで呼び出し、《卍 デ・スザーク 卍》を排除する。
互いに、リソースがある程度枯れてきたところで盤面がきれいになった形だが、先に動く権利を持っているのはZweiLance。キープしていた2枚の手札から、まずは《堕魔 グリギャン》を召喚すると、さらに《堕魔 ドゥシーザ》を追加し、再び《卍 デ・スザーク 卍》を呼び出すべく無月の門のカギを開ける。

対するアートは、《異端流し オニカマス》《ダチッコ・チュリス》とタップ状態で召喚、返しでZweiLanceは《異端流し オニカマス》へと殴り返してターン終了。続くターンにアートが召喚したのは《“罰怒“ブランド》

ZweiLanceは《堕魔 ヴォーミラ》を召喚。そして、《堕魔 ヴォーミラ》の能力で墓地から召喚する魔導具を検討する。ここで墓地から《堕魔 ドゥポイズ》を呼び出すと、《堕魔 ドゥポイズ》《卍 デ・スザーク 卍》を破壊し、アートは《ダチッコ・チュリス》を破壊。このターンエンドにZweiLanceは墓地の《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》の無月の門・絶を宣言する。

前のターンに《“罰怒“ブランド》を召喚するために全力のマナを使用していたアートは、このターン3マナしか使用することができない。ドローすると、《“罰怒“ブランド》はW・ブレイクし、トリガーはなくターンエンドとなる。

ZweiLanceは《堕魔 ヴォガイガ》を召喚、2枚目となる《堕魔 ヴォガイガ》を回収し、そして残るマナで《堕魔 グリギャン》を召喚すると《卍 デ・スザーク 卍》の無月の門を宣言し、《“罰怒“ブランド》を破壊してターンエンド。
この時点で、墓地には《追憶人形ラビリピト》《堕魔 ドゥポイズ》があり、バトルゾーンには《堕魔 ヴォーミラ》があるため、次のターンからは毎ターン、墓地から《堕魔 ドゥポイズ》を召喚して≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を破壊し、ターンエンドに無月の門・絶でブレイクした分の手札を捨てさせるというZweiLanceの必殺ムーブが決まってしまう。

こうなってしまったら、もうZweiLanceは最小のリスクで相手のシールドを少しずつブレイクしてはディスカードさせていく『闇単デ・スザーク』のお手本のようなプレイを繰り返すのみ。アートは一刻も早くこの状況を変化させるアクションを起こさなければ、緩やかな敗北が待つのみ。

だが、この返しのターンでアートはアクションを取れない。

手札に残した《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》が、そしてターンエンドに《“轟轟轟”ブランド》が捨てさせられてしまい、手札はゼロに。アートも粘る。返しのターンで《“轟轟轟”ブランド》を引き、さらにドローした《“罰怒“ブランド》を盤面に追加する。

だけど、それでも、しかし。一度開いてしまった絶望の門は、もう閉じない。

ZweiLanceは《堕魔 ヴォガイガ》《追憶人形ラビリピト》を回収し、《堕魔 ヴォーミラ》《堕魔 グリナイブ》を召喚する。そして、2体の火文明のマスターは、2体の闇文明のマスターに打ち取られていく。

アートの盤面にクリーチャーが残る事はなく、そして、シールドは手札を経由してまずは3枚が墓地へと吸い込まれていく。そして、続くZweiLanceのターンに最後の2枚がブレイクされ、ダイレクトアタックが決まる。


Winner:ZweiLance


ダイレクトアタックが決まった瞬間、ZweiLanceは軽く腰をイスから浮かし、小さくガッツポーズをして大きく声をあげた。

そして、観客からの「東北に全国の優勝を持ってきてくださいね!」という言葉に「当然だ!」と返す。

最後に、筆者へと「《堕魔 グリペイジ》が効いた試合でしたね」と語りかけてきた。
このデッキのこの構築で《堕魔 グリペイジ》をリストにねじ込むことができるのは、もしかしたら世界でZweiLanceたちしかいないのかもしれない。

そして、東北勢と「フェアリープロジェクト」の仲間たちの思いを背負って全国大会で戦うことができるのは、ZweiLanceしかいない。

それは、ZweiLanceがデュエマの中で経験したい多くの事のひとつでしかないかもしれないが、でもとても大事なひとつの事だ。

おめでとう、ZweiLance! 南東北エリアチャンピオン!


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