デュエル・マスターズ

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全国大会2019 北海道エリア予選 準決勝:ササ(北海道) vs. なつひこ(北海道)

撮影者:瀬尾 亜沙子
ライター:川崎 大輔

 新千歳空港に降りた時、今年はまだ暖かいなと思った。

 2015年に最初に来た時に、1本目で書いたセキボンは、DMGP-8th準優勝ですでに権利を持っているが、会場に観戦に来ていた。

 北海道エリアでテキストカバレージを書くようになって5年目。2014年エリア代表だった「。りゅう。」をクリップアートが2015年に倒し、翌2016年に2連覇、続く2017年にはまりんかがメタリカでみついのマフィ・ギャングとの激戦を制し、2018年には北のあーさんが念願のエリア代表となった。2018年は記事こそ書いていないものの、この5年間の北海道エリアの歴史を見てきた。

 中でも特に記憶に残っているのが2016年だ。記録的な豪雪により、会場から一歩外にでると、方向が分からなくなるほどに真っ白だった。

 その時の会場が、この2019年北海道エリアの会場だ。設営の前後が逆になっているので記憶間違いだったら申し訳ないが、たしか、2016年も同じ部屋だったと思う。「決勝ラウンド開始時には吹雪いていた雪も、決勝戦を前に止んだ。」と書いて決勝戦の記事を始めたものの、空港に着く頃にはまた吹雪いて帰りの飛行機はなかなか飛ばなかった。

 決勝戦を戦ったのは、2連覇を果たす事となるクリップアートと、2018年には見事リベンジを果たしエリア代表となる北のあーさん。物語をつむぐ事とデュエルをする事は同じだ。僕の中での北海道エリアの物語は、この決勝と表彰式を原風景に前後に広がっている。

 2016年決勝の忘れ物を昨年取り返した北のあーさんは、今年は2連覇をするべくトップ8に入賞した。しかし、その2連覇に立ちはだかったのが、『火水ジョーカーズミッツァイル』を使用するなつひこだった。試合は内容的にはアッという間だった。

 バトンを受け取ったなつひこと準決勝で戦うのは、『光水闇手札破壊』を使用するササ。「自称セキボン世代最弱」こと北のkuroとシェアしたこのアーキタイプは、対ミッツァイル系の急先鋒として人気を集め始めている。実際、準々決勝で戦ったUiharuは、同じく水闇系の手札破壊デッキだった。

 今年は準決勝からのカバレージということで、初のフィーチャーだったのだが「どうせフィーチャーならカバレージが上がるだろ」と誰ともなしに言い出し、筆者がノートを片手に席に座るのを確認すると、北のkuroを含む数名を残して、会場に残る多くのギャラリーは、NJ大谷の準決勝を見にいってしまった。


先攻:なつひこ

 先手をとったなつひこだが、1ターン目のマナチャージからかなりの長考に入る。もともと、序盤の限られたリソースをどう最大化するかというデッキであり、ましてやおそらく対戦相手のササが使用するデッキが手札破壊であることを知っているからだ。この1枚のチャージミスが勝敗をわけてもおかしくない。

 悩みに悩んだ結果、なつひこは《Wave All ウェイボール》をマナチャージ、さらに2ターン目には《花美師ハナコ》を召喚し、その能力で手札を補充した。


 対するササは《乱罪 ダイパ殺デー》を無月の大罪でプレイ。ここでめくれたのは、このデッキの隠れたキーカードでもある《白皇世の意志 御嶺》であり、大罪背負い得の状況となったのだが、しかし、なつひこが捨てたカードは《“魔神轟怒”万軍投》と大変不穏なもの。

 大方の予想通り、なつひこは《ザババン・ジョーカーズ》でディスカードを1回追加で稼ぐと2マナとなったマスターG・O・D・Sで《“魔神轟怒”万軍投》をプレイ。《無限合体 ダンダルダBB》《ツタンメカーネン》《ゴッド・ガヨンダム》とGR召喚され、一気にリソースを稼ぐと、ダメ押しとばかりにこの3体と《花美師ハナコ》をタップして《夢のジョー星》をプレイする。


 後手でこうなってしまうと、もうササにできることはほとんどない。《幽鬼ブチャカティ》をプレイし《補充 CL-20》をGR召喚すると、ターンの終了を宣言する。

 このゲーム、最後のターンの終了宣言を。


 続くターン、なつひこは《オケ狭間 寛兵衛》を召喚し《ツタンメカーネン》をGR召喚すると、バトルゾーンにいる6体のジョーカーズをすべて破壊し、残る1マナで《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する。

 ここでGR召喚されたGRクリーチャーに2体の《パッパラパーリ騎士》がいたことで、墓地から2枚の火マナが確保され、さらに6体破壊の《BAKUOOON・ミッツァイル》を2連発し、その過程で《幽鬼ブチャカティ》《バイナラシャッター》しつつ、再び《パッパラパーリ騎士》で火マナを確保して、ダメ押しの4回目の《BAKUOOON・ミッツァイル》


 6体×4ミッツァイルで12枚の超GRを2周させたなつひこは、《無限合体 ダンダルダBB》でアタックすると、Jトルネードで《ツタンメカーネン》を手札に戻すと≪「本日のラッキーナンバー!」≫で4を宣言する。


ササ「最強だね、そのデッキ」

なつひこ「最強」

Winner:なつひこ


 こちらの試合が終わった空気を察したギャラリーたちは、今度は一部をNJ vs. 大谷卓に残して、叱咤するものや激励するものが集まった。たわいもない話をするものもいれば、真剣な話をするものもいる。エリア戦も終盤だというのに、いや、まだあと1試合残っているから、かなりの人間がまだ会場にいる。そして、仲間の戦いを見守っている。


 これが、僕にとっての北海道エリアの原風景だ。 

 2016年にここで決勝を書いた時、「外は極寒だが、会場の空気は温かい。」と締めた。

 今年の外は極寒ではないが、会場の空気は変わらず暖かい。
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