DMGP6th 準々決勝:ヤクザブラザーズ vs. 一瞬のやつ
熱い。ひたすらにアツい。DMGP6thも8チームまで絞られたが、チーム数は減っても、プレイヤーたちの熱量は相反するように増している。
頂点を目指し、戦い続ける2つのチームを紹介しよう。
ここで激突するのは、chaser/hiroyasu/ゆうせいの「ヤクザブラザーズ」とYY/N1KOPOR1S/どいしんの「一瞬のやつ」だ。
「ヤクザブラザーズ」となかなかに厳つい名前の3人組は、関東のCSを中心に活動するプレイヤーたちだ。全員が同じ県には住んでいないが、CSでは必ずと言っていいほど顔を突き合わせ、上位賞を獲得している。
福島県1位chaser、エターナルリーグで全国大会出場経験を持つhiroyasuという2人のベテランを、最年少であるゆうせいが引っ張るバランスの取れたチームだ。経歴だけではなく、互いに実力を認め合える仲であり、チームワークの優れた3人だからこそ、結成に至った。
デッキは三者三様、各々が最も得意とし、二つ名とも言えるほど使い込んだものを選択している。chaserは環境が変われど愛用し続けている『ハンデス』を、hiroyasuはCSで磨き続けた『デ・スザーク』を、ゆうせいはカラーコンビネーションこそ変更しているが一貫して『バスター』だ。
対して「一瞬のやつ」は愛媛県のカードショップ「CARDBOX 宇和島店」を中心に活動する3人組だ。チーム名の由来を聞くと「束の間の仲と思い、一瞬だけしか使わないだろうということで“一瞬のやつ”というLINEのグループ名にしたんですよね。」と教えてくれた。
しかし、一瞬かと思われた仲も、気が付けば1年になる。DMGP6thがチーム戦と分かると、3人で出場することを決め、自分たちの繋がりであるLINEのグループ名からチーム名を『一瞬のやつ』とした。
「一瞬のやつ」は、3人ともに『赤黒バスター』を使用している。どういった思考過程で3人が同じデッキを選択するに至ったか尋ねると、N1KOPOR1Sが不眠不休で調整した結果、メタカードを採用しつつ最も勝率が高いデッキが『赤黒バスター』であったためと教えてくれた。N1KOPOR1Sはどいしんへデッキをシェアし、YYは元々大会等で『赤黒バスター』を愛機としていたため、この提案を受け入れた。かくして3人ともに同じデッキを使用することに至る。
今回はC卓のゆうせいとどいしんによる「バスター」デッキ同士の対戦をお届けしよう。
C卓:ゆうせい vs. どいしん
対戦を前にジャッジから説明があり、デッキチェックの結果、どいしんのデッキリストのカード名の記入間違いが発覚する。そのペナルティにより開始時の手札枚数は4枚、先手も相まってゆうせいとの手札の差は2枚となった。ゆうせいは、その差を活かすべく《月光電人オボロカゲロウ》で手札3枚を入れ替えるスタートを切っていく。
対するどいしんは少ない手札を検討し、速やかにゲームを終えることを選択する。3ターン目にB・A・D2で《“龍装”チュリス》を召喚すると、アタックに合わせ《武闘世代 カツキングJr.》へ革命チェンジ。自分のシールドを1枚増やしつつ、合計3枚のシールドをブレイクすることに成功する。
ゆうせいも同じくB・A・D2で《“龍装”チュリス》を召喚すると、悩みに悩む。
どいしんの手札の枚数を確認し指折り数えると、《武闘世代 カツキングJr.》へアタックし《蒼き団長 ドギラゴン剣》へ革命チェンジ、《勝利のアパッチ・ウララー》をバトルゾーンに出すと《ガイアール・カイザー》を呼び込む。
ここではブレイクしてどいしんの手札を増やすことを嫌い、《武闘世代 カツキングJr.》の処理に留まるのみ。
だが、どいしんはその隙を見逃さない。
《“龍装”チュリス》を再び走らせると、トップデッキした《蒼き団長 ドギラゴン剣》へ革命チェンジする。ファイナル革命で呼び出すのは1ターン目にチャージした《勝利のアパッチ・ウララー》だ。
ここで超次元ゾーンより《勝利のプリンプリン》を呼び出すと、トリガーからの逆転負けをケアし、反撃の芽を摘むべく《蒼き団長 ドギラゴン剣》を縛る光の枷となる。
2点、1点と打点を刻むとゆうせいの手にカウンターカードはなく、先手4枚のハンデを覆し、どいしんが勝利した。
Winner:どいしん
A卓:chaser vs. YY
ここで他の卓に目をやると、A卓のchaser vs. YYはシールドを4枚残しながら《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》をコントロールしているchaserが有利に試合を進めている。どうやら勝負の鍵はhiroyasu vs. N1KOPOR1Sの対戦が握りそうだ。
B卓:hiroyasu vs. N1KOPOR1S
状況はN1KOPOR1Sの《勝利のアパッチ・ウララー》により、hiroyasuの最後のシールドが破られたところだ。バトルゾーンを見ると前述の《勝利のアパッチ・ウララー》に対し、hiroyasuは《卍 デ・スザーク 卍》と《爆霊魔 タイガニトロ》を含む多数の魔導具たち。
やはりこのB卓でも、死んでもなお影響を及ぼす《勝利のアパッチ・ウララー》がポイントとなりそうだ。
hiroyasuは考えをまとめると、先ずは《堕魔 ドゥポイズ》で《勝利のアパッチ・ウララー》を破壊。破壊時の効果で超次元より《勝利のリュウセイ・カイザー》が現れるが、そこは魔導具と合わせ、デッキ名を冠した《卍 デ・スザーク 卍》で対処する。
このタイミングでA卓が終了、chaserが勝利し、チームスコアは1-1のタイに。やはり勝敗の行方はB卓へ委ねられた。
盤面に並ぶ大量の魔導具と、カウンターアタックを封じる2体の《卍 デ・スザーク 卍》。hiroyasuは慎重に、しかし1枚1枚着実にブレイクする。ブレイク過程で《SMAPON》がトリガーするが、大事には至らない。残ったクリーチャーで確実に対処する。
N1KOPOR1Sは5マナから《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を召喚し、《ボルシャック・ドギラゴン》を回収するが、そこに突き刺さる《堕魔 グリペイジ》。手札は無く、逆転の可能性はほぼ0だ。
それでもhiroyasuは万が一すらもケアし、ブロッカーとして《堕魔 グリギャン》を召喚すると、《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》をアタックで討ち取る。
hiroyasuの行く手を阻むものはいない。無人の荒野を《卍 デ・スザーク 卍》がアタックすると、自身の手で勝利を掴みとった。
Winner:hiroyasu
1つ前の決勝第3回戦でチームの勝利が決まった際、感極まりhiroyasuは涙を流した。
今大会のチームだけでなく、栃木コミュニティーの屋台骨である裏方気質の彼は、これまで不運に見舞われることが多々あった。直近のCSでもあと1勝が足らず、TOP16止まりの姿を見た記憶がある。
それでも不平不満を言わず、愚直にデュエル・マスターズと向き合ってきた。
勝者は称え、自身の結果は真摯に受け止める。
自分に厳しい彼だからこそ、TOP8という1つの目標を達した今、思わず涙が零れたのだろう。
そして何より、チーム戦だからだ。運命共同体である3人が噛み合わなければ、勝利することはできない。3人で掴み取った勝利は、個人戦の何倍もの重みと喜びを有している。その涙を茶化すことなく寄り添うchaserとゆうせいの姿を見た時、上辺ではなく本当に良いチームワークを持った者達だと思い知らされ、チーム戦の良さを改めて実感させられた。
しかし、今回は勝利しても涙を見せない。なぜなら3人で次の目標を見据えているから。
残り2勝。3人は揃って席を後にすると、次の対戦へと向かう。
最高の仲間と最も高い頂へ辿り着くために。
Winner:ヤクザブラザーズ (chaser/hiroyasu/ゆうせい)
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