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DMGP9th 決勝第1回戦:リヒッコチュリス(奈良) vs. ZweiLance(宮城) ~旅路の果て~

 『あれから200年。旅路の果てに、双槍は究極の鋭さを手に入れた。』


 かつて《クリスタル・ツヴァイランサー》憧れた少年は、200年も待たずして、誰もが憧れる存在となった。

 カーナベル所属プロプレイヤー、ZweiLance。デュエル・マスターズの人気YouTubeチャンネル「フェアリープロジェクト」の片割れにして、GP-7thで3位、全国大会2018でトップ8に入賞。さらに今年のDMPランキングでも上位をひた走る、誰もが認めるトッププレイヤーだ。

 今日も前環境から愛用している『アナカラーデッドダムド』を駆って予選ラウンドは8戦全勝の2位通過を果たし、その鋭さにはますます磨きがかかっているように思える。

 他方、そんなZweiLanceの決勝第1回戦目の対戦相手は、なんとCSにもつい先日初出場したばかりの、まだ中学生のデュエマプレイヤーだった。

 名前の通りに火文明を愛するリヒッコチュリスは、同行した家族の応援を受けながら、予選ラウンドを6勝2敗の127位でギリギリ決勝ラウンドに滑り込んだ。

 トップ128……一度でも負けたらその時点で冒険が終わる、グランプリの決勝ラウンド。ここから先は、ZweiLanceにとっては既知の領域である一方で、リヒッコチュリスにとっては未知の領域だ。その意味で、のしかかるプレッシャーや緊張度合いも段違いだろう。

 しかも、いまリヒッコチュリスの目の前にいるのは、憧れという感情を乗り越え、不断の努力で理想を掴み、現実の成果とし続けてきたプレイヤーなのである。

 経験が違う。年季が違う。背負った応援してくれる人の思いも、数で言えばまるでかなわないだろう。

 だが、もしこんなシチュエーションで、自分が憧れのキャラクターだったなら?

 己の苦境さえも、「マジでBADだぜ!」と笑って乗り越えるに違いないのだ。

 男は、一年前の限界を乗り越えるために。少年は、自分の憧れに少しでも近づくために。

 自分という物語の続きを紡ぐ権利をかけ、2人の主人公が激突した。


先攻:リヒッコチュリス

 ジャンケンで先攻を獲得したのはリヒッコチュリス。その先攻は、まさしく値千金だった……というのも、そのデッキは純正の火文明。いわゆる『赤単ブランド』なのだ。

 《TOKKO-BOON!》を置きながらの初動は、最高の1マナ域である《凶戦士ブレイズ・クロー》


 対し、これを見て覚悟を決めたZweiLanceは《天災 デドダム》をチャージ。赤単ブランド相手に先手で継続アタッカーとなる1マナ域を展開された以上、どのみち相手の展開が微妙であることを祈るしかない。

 だが、この日のリヒッコチュリスのギアは全開だった。

 《KAMASE-BURN!》をチャージしたリヒッコチュリスは《TOKKO-BOON!》を唱えると、GR召喚されてきたのは《ロッキーロック》

 スピードアタッカーで1枚ブレイクを入れ、攻撃終了後になおも《グッドルッキン・ブラボー》がタップ状態でGR召喚される。さらに《凶戦士ブレイズ・クロー》で1枚ブレイク。ターンエンド!


 先攻での超ブン回り。対し、『アナカラーデッドダムド』というデッキが2ターン目にできることは基本的にはマナ加速くらいしかない。ZweiLanceは意を決した様子で《悪魔妖精ベラドンナ》でブーストを選択、マナゾーンに落ちたのは《虹速 ザ・ヴェルデ》

 これが出せれば、あるいは。次のターンが無事返ってくることを祈りつつ、ZweiLanceは自らのターンを終える。

 しかし。

 リヒッコチュリスのアクションはマナチャージから、《GIRIGIRI・チクタック》


 GR召喚……《“魔神轟怒”ブランド》

 その時点でZweiLanceは、既に苦笑を隠さなかった。どちらがこの試合の主人公かは、もはや明らかだったからだ。


 リヒッコチュリスの残る手札は1枚。そしてその1枚は、主人公であるならば当然。

リヒッコチュリス「バッドアクションダイナマイト」

 《“罰怒“ブランド》……そう言い終わるか終わらないかの刹那。

 リヒッコチュリスの目の前に、ZweiLanceの右手が差し出される。

 シールドブレイクを待たずとも、もはやこの状況を返せるS・トリガーはデッキに入っていなかった。

ZweiLance「対戦ありがとうございました」

Winner:リヒッコチュリス


 先攻3ターンキル。言葉にしてみれば、ひどい負け方かもしれない。

 だが、それでもZweiLanceは決して、後悔や苛立ちの態度を見せることはなかった。

 「意地でも《SSS級天災 デッドダムド》を握ると決めた時点で、この負け方は受け入れていた」……赤単ブランドを握る主人公が目の前に座ったならば仕方がない。それも含めての『アナカラーデッドダムド』というデッキ選択だったからだ。

 その上でZweiLanceは、今や憧れの対象になった者としての務めを、最後まで立派に果たして見せた。

『その二本の槍は、貫通の槍。名うての防御網を数々打ち破り、今もその名を歴史に残す。』

 旅路の果てに敗れた男は、かつて自分を育ててくれた槍を次代に手渡すように告げる。

ZweiLance「がんばってください」

リヒッコチュリス「ありがとうございました!」

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