DMGP9th 決勝第3回戦:dotto vs. なむなむん
9月21日、『零誕!魔神おこせ ジョルネード1059!!』が発売されて環境は一変。
《マリゴルドⅢ》をはじめとする強力な「場に出たとき」効果を持つマナドライブ(6)持ちのGRクリーチャーや《》、《DROROOON・バックラスター》など多くのGRギミックを強化するカードが追加された。
この影響で、【以下超CSⅢのリンクになります】超CSⅢより公認CS入賞数王者に君臨していた『デッドダムド』を抑え、GP9thで決勝トーナメントの使用者数トップに踊り出たのはGR強化の流れをふんだんに生かした『火水自然ミッツァイル』だった。
だが、相対するdotto、なむなむんのデッキはそのどちらでもない。
『水闇カリヤドネループ』は、『零誕!魔神おこせ ジョルネード1059!!』で追加された大型ツインパクト《》がコンボの核となる新星アーキタイプ。
≪魔導管理室 カリヤドネ≫の「場に出たとき」の能力を≪「大当たり!もう一本!!」≫で倍化、《セイレーン・コンチェルト》でマナを起き上がらせ、《ブラッディ・クロス》で山札を削る。
山札を固定した後は上記の3枚の呪文を、《レスキュー・タイム》などで≪魔導管理室 カリヤドネ≫をバウンスさせながら《ブラッディ・クロス》無限に撃つことでライブラリアウトを狙うデッキだ。
発売当初から多くのビルダーによって、試行錯誤されたこのデッキ。
2017年度DMPランキング1位にしてその年の全国大会優勝のタイトルを持ち、「魔王」の異名を持つdotto(Card Rush Pros所属)がこのデッキを選択する決断をしたのは、ひとえに彼が懇意にしているチーム「マラかっち」の影響が大きい。
何を隠そうこの『水闇カリヤドネループ』こそが、飛ぶ鳥を落とす勢いの大阪と北海道を中心とするインターネット調整チーム「マラかっち」の秘蔵レシピだったのだ。
実際ベスト32の時点でも、イヌ科、末永先パイことよしゆきといった「マラかっち」のメンバーが共有したリストで残っていることからみても、その驚異的な完成度がうかがえるというものだ。
『火水覇道』がデッキとして成立したのは双極篇1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」発売直後だ。
実に1年半ほど前にその頭角を表したこのデッキは、開発された当初、現在の『デッドダムド』、『ミッツァイル』よろしく一躍環境の風雲児となり、それ以降、最前線ないしは最低でもその一歩手前で活躍し続けてきた根強い人気のあるデッキタイプである。
このデッキの基本ギミックは、単純明快「《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》の2枚のパッケージで追加ターンをたったの3コストで得る」というもの。
環境によって多少の相対的な強弱はつくものの、この突破力の高さは依然として揺らぎようがない。
なむなむんは、地元兵庫のドラゴンスター三宮店にてぱわーどぜっとん達と共に調整をしてこのデッキを持ち込んだ。圧倒的な母数を誇るであろう盤面制圧の王者『デッドダムド』に対して、盤面0枚の状態でも上述のパッケージによりワンチャンスを作れるそのポテンシャルを見ての選択だという。
かくして、環境に新しい風を持ち込んだ『カリヤドネ≫と実力が確約され、それを裏付ける実績のある『覇道』の対照的なマッチアップが今始まる。
先攻:dotto
最初に動いたのはdotto。
1ターン目から《ア・ストラ・センサー》で《ブラッディ・タイフーン》を手札に加え、上々の滑り出しを見せる。
いうなれば『カリヤドネ』は呪文版の『墓地ソース』。
《ブラッディ・タイフーン》や《ブラッディ・クロス》は実に1枚で3枚もの呪文を墓地に落とすことができるため、実際に墓地の超えるスピードはクリーチャーを墓地に必要とする『墓地ソース』よりも圧倒的に速い。
これに対し『覇道』側のなむなむんは2、3ターン目と続けて《異端流し オニカマス》を出し、詰めの打点を形成していく。
アンタッチャブル能力に対抗の難しいdotto側は、《ブラッディ・タイフーン》と《ブラッディ・クロス》で墓地を肥やし一撃必殺にかけるしかない。
先攻4ターン目、順調に墓地を肥やしたdotto。その墓地にある呪文枚数は11枚。
3コストで≪魔導管理室 カリヤドネ≫を場に出し、《ブラッディ・タイフーン》2枚と《ブラッディ・クロス》を唱え、一気に墓地の枚数を稼いだ。
相手のコンボ起動前に倒しきらないといけないと踏んだなむなむん。
満を持してなむなむんの手から唱えられたのは《MANGANO-CASTLE!》。
《鋼ド級 ダテンクウェールB》《補充 CL-20》が場に並んだことで《異端流し オニカマス》と合わせて5点。
先のターン、1体目の《異端流し オニカマス》でブレイクされた結果、dottoのシールドは4枚。……ということは、ちょうどdottoにとどめを刺せる打点がそろったことになる。
シールドトリガーがないことを期待して総攻撃にかかるが……
dottoの《知識と流転と時空の決断》を踏み抜いてしまう!
打点を考えつつGRのモードを2回選択。
場に出たのは2体の《バツトラの父》。
……無情にもなむなむんの最後の突撃がいなされた。
万全の状態で訪れたdottoの5ターン目。
果たしてこのターンが、ゲーム決着のターンとなる。
まずは2コスト、≪「大当たり!もう一本!!」≫で次に出すクリーチャーのcipを倍化させると《レスキュー・タイム》で先のターン場に出した≪魔導管理室 カリヤドネ≫をバウンス。
そして、手札に戻した≪魔導管理室 カリヤドネ≫を1コストで場に出し、魔王dottoの独壇場が開演となる。
dotto「1回目」
《エマージェンシー・タイフーン》、《エマージェンシー・タイフーン》、≪終焉の開闢≫
dotto「2回目を処理します」
《ブラッディ・クロス》、《ブラッディ・クロス》、《ブラッディ・タイフーン》
魔王dottoの山札が次々と削られていく。
そして、最後の詰めと言わんばかりに≪「大当たり!もう一本!!」≫を唱えた直後、《次元の嵐 スコーラー》が場に降臨。
dotto「2ターン、追加ターンを得ます」
そして、追加ターン、全ての準備を終えたdottoはなむなむんに宣言した。
dotto 「ループ証明入ります」
なむなむんは粛々とその手順を見守ると、敗北を悟り山札の上に手を置いたのだった。
Winner: dotto
終わってみれば、本GPにおいて彗星のごとくあらわれた『カリヤドネ』が主導権を握る結果となった。
dottoが実況席に勝利者インタビューに赴いた後、ベスト16のトーナメント表を見ると同じく『カリヤドネ』を使用している「マラかっち」所属のイヌ科やよしゆきの名前が。
チームの叡智の粋を極めた『カリヤドネ』の波濤は、まだまだ続く。
《マリゴルドⅢ》をはじめとする強力な「場に出たとき」効果を持つマナドライブ(6)持ちのGRクリーチャーや《》、《DROROOON・バックラスター》など多くのGRギミックを強化するカードが追加された。
この影響で、【以下超CSⅢのリンクになります】超CSⅢより公認CS入賞数王者に君臨していた『デッドダムド』を抑え、GP9thで決勝トーナメントの使用者数トップに踊り出たのはGR強化の流れをふんだんに生かした『火水自然ミッツァイル』だった。
だが、相対するdotto、なむなむんのデッキはそのどちらでもない。
『水闇カリヤドネループ』は、『零誕!魔神おこせ ジョルネード1059!!』で追加された大型ツインパクト《》がコンボの核となる新星アーキタイプ。
≪魔導管理室 カリヤドネ≫の「場に出たとき」の能力を≪「大当たり!もう一本!!」≫で倍化、《セイレーン・コンチェルト》でマナを起き上がらせ、《ブラッディ・クロス》で山札を削る。
山札を固定した後は上記の3枚の呪文を、《レスキュー・タイム》などで≪魔導管理室 カリヤドネ≫をバウンスさせながら《ブラッディ・クロス》無限に撃つことでライブラリアウトを狙うデッキだ。
発売当初から多くのビルダーによって、試行錯誤されたこのデッキ。
2017年度DMPランキング1位にしてその年の全国大会優勝のタイトルを持ち、「魔王」の異名を持つdotto(Card Rush Pros所属)がこのデッキを選択する決断をしたのは、ひとえに彼が懇意にしているチーム「マラかっち」の影響が大きい。
何を隠そうこの『水闇カリヤドネループ』こそが、飛ぶ鳥を落とす勢いの大阪と北海道を中心とするインターネット調整チーム「マラかっち」の秘蔵レシピだったのだ。
実際ベスト32の時点でも、イヌ科、末永先パイことよしゆきといった「マラかっち」のメンバーが共有したリストで残っていることからみても、その驚異的な完成度がうかがえるというものだ。
『火水覇道』がデッキとして成立したのは双極篇1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」発売直後だ。
実に1年半ほど前にその頭角を表したこのデッキは、開発された当初、現在の『デッドダムド』、『ミッツァイル』よろしく一躍環境の風雲児となり、それ以降、最前線ないしは最低でもその一歩手前で活躍し続けてきた根強い人気のあるデッキタイプである。
このデッキの基本ギミックは、単純明快「《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》の2枚のパッケージで追加ターンをたったの3コストで得る」というもの。
環境によって多少の相対的な強弱はつくものの、この突破力の高さは依然として揺らぎようがない。
なむなむんは、地元兵庫のドラゴンスター三宮店にてぱわーどぜっとん達と共に調整をしてこのデッキを持ち込んだ。圧倒的な母数を誇るであろう盤面制圧の王者『デッドダムド』に対して、盤面0枚の状態でも上述のパッケージによりワンチャンスを作れるそのポテンシャルを見ての選択だという。
かくして、環境に新しい風を持ち込んだ『カリヤドネ≫と実力が確約され、それを裏付ける実績のある『覇道』の対照的なマッチアップが今始まる。
先攻:dotto
最初に動いたのはdotto。
1ターン目から《ア・ストラ・センサー》で《ブラッディ・タイフーン》を手札に加え、上々の滑り出しを見せる。
いうなれば『カリヤドネ』は呪文版の『墓地ソース』。
《ブラッディ・タイフーン》や《ブラッディ・クロス》は実に1枚で3枚もの呪文を墓地に落とすことができるため、実際に墓地の超えるスピードはクリーチャーを墓地に必要とする『墓地ソース』よりも圧倒的に速い。
これに対し『覇道』側のなむなむんは2、3ターン目と続けて《異端流し オニカマス》を出し、詰めの打点を形成していく。
アンタッチャブル能力に対抗の難しいdotto側は、《ブラッディ・タイフーン》と《ブラッディ・クロス》で墓地を肥やし一撃必殺にかけるしかない。
先攻4ターン目、順調に墓地を肥やしたdotto。その墓地にある呪文枚数は11枚。
3コストで≪魔導管理室 カリヤドネ≫を場に出し、《ブラッディ・タイフーン》2枚と《ブラッディ・クロス》を唱え、一気に墓地の枚数を稼いだ。
相手のコンボ起動前に倒しきらないといけないと踏んだなむなむん。
満を持してなむなむんの手から唱えられたのは《MANGANO-CASTLE!》。
《鋼ド級 ダテンクウェールB》《補充 CL-20》が場に並んだことで《異端流し オニカマス》と合わせて5点。
先のターン、1体目の《異端流し オニカマス》でブレイクされた結果、dottoのシールドは4枚。……ということは、ちょうどdottoにとどめを刺せる打点がそろったことになる。
シールドトリガーがないことを期待して総攻撃にかかるが……
dottoの《知識と流転と時空の決断》を踏み抜いてしまう!
打点を考えつつGRのモードを2回選択。
場に出たのは2体の《バツトラの父》。
……無情にもなむなむんの最後の突撃がいなされた。
万全の状態で訪れたdottoの5ターン目。
果たしてこのターンが、ゲーム決着のターンとなる。
まずは2コスト、≪「大当たり!もう一本!!」≫で次に出すクリーチャーのcipを倍化させると《レスキュー・タイム》で先のターン場に出した≪魔導管理室 カリヤドネ≫をバウンス。
そして、手札に戻した≪魔導管理室 カリヤドネ≫を1コストで場に出し、魔王dottoの独壇場が開演となる。
dotto「1回目」
《エマージェンシー・タイフーン》、《エマージェンシー・タイフーン》、≪終焉の開闢≫
dotto「2回目を処理します」
《ブラッディ・クロス》、《ブラッディ・クロス》、《ブラッディ・タイフーン》
魔王dottoの山札が次々と削られていく。
そして、最後の詰めと言わんばかりに≪「大当たり!もう一本!!」≫を唱えた直後、《次元の嵐 スコーラー》が場に降臨。
dotto「2ターン、追加ターンを得ます」
そして、追加ターン、全ての準備を終えたdottoはなむなむんに宣言した。
dotto 「ループ証明入ります」
なむなむんは粛々とその手順を見守ると、敗北を悟り山札の上に手を置いたのだった。
Winner: dotto
終わってみれば、本GPにおいて彗星のごとくあらわれた『カリヤドネ』が主導権を握る結果となった。
dottoが実況席に勝利者インタビューに赴いた後、ベスト16のトーナメント表を見ると同じく『カリヤドネ』を使用している「マラかっち」所属のイヌ科やよしゆきの名前が。
チームの叡智の粋を極めた『カリヤドネ』の波濤は、まだまだ続く。
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