DMGP2022 :ジャッジインタビュー~ジャッジに筋肉は必要か?~
ライター:金子 幹
撮影者:後長 京介
ちょうど予選も終わりジャッジチームの業務が一区切りついたようだ。件のジャッジの方がライター班の元へ来られたと聞いたため、すぐさま現場へ…ってあれ?
---……何してるんですか?
???「腕立て伏せです」
---………????? そう、この筋骨隆々のジャッジこそ今回お呼びしたLevel.2ジャッジ 古賀 大地氏その人であった。
インタビュー:Level.2ジャッジ 古賀 大地氏
---なにはともあれ、お忙しいなかお時間をいただき、ありがとうございます。古賀「いえいえ、お久しぶりですね」
---さっそくですが、古賀さんへのインタビューは超CSⅣ京都のマッチカバレージ以来です。その際伺ったように(※当該記事参照)、ジャッジ目線を持ちながら選手として出てみるという試みはいかがでしたか?
古賀「そうですね…色々発見はありましたが、特段気になったのはジャッジの立ち居振る舞いですね。ジャッジ業務中に普段僕も何気なく腕を組んだりしてしまうんですが、選手目線で見ると結構威圧的に感じちゃうなってのは感じました。なんだか監視されてるというか…」 ---なるほど。それは確かにあるかもしれないです。
古賀「なので今回ジャッジをするにあたってその点は特に意識をしましたね。特に3年ぶりに開かれた今回のGPはライトユーザーの方の人数も以前より大きく増えている印象です。競技層が多ければもっと厳格なスタイルでもいいかなとは思ってはいたんですが、その点は僕の中での常識が結構変わりまして…なおさらそういったライトユーザーの方を怖がらせないようにするための立ち居振る舞いは大事なんじゃないかなと今は思っています」
---ありがとうございます。少し話はそれますが、古賀さんは普段はジャッジ活動をメインにしていらっしゃるんですよね?
古賀「そうですね。僕の地元の山口では最近結構CS盛んになってきてて、参加者が100人以上の規模のCSが複数回連続で行われるくらいですし、僕もジャッジとして手伝いに行くことがしばしばです」
---その規模のCSが連続で開催されるのは確かに凄いですね。実際古賀さんは超CSで出場していたように選手としては出たりしないんですか?
古賀「自分が好みのデッキタイプがあったら選手として出てるかなと。最近はクロニクル・ダークサイド・デッキ 「零誕」が気に入ってて、久々にデッキ組んで選手としても参加してます。いやーほんと零龍楽しい笑」
---そういうことだったんですね笑。ちなみに選手としてのイべント参加って、他のジャッジにも勧めたいですか?
古賀「それは是非やってほしいですね。理由は僕の中で2つあって、まず1回でも選手として出ておけば、次回ジャッジをする際フロアにいる選手という存在を意識して見れるようになる点、次にそうした目線で見ていると困ってる選手の判断もつきやすいから、ジャッジとしての自身の対応が早くなる点です。例えばもし2日間のイベントが今後もあるなら、どちらか1日は選手として参加してみるっていうのは結構ありなんじゃないかな」
---ありがとうございます。話はかわりますが、GP6thの際に一度古賀さんにはジャッジインタビューをしています。もう4年近く前の記事にはなりますが、このころと比べて今の自分と変わったことなどありますか?
古賀「まずは筋肉量、体形、それと服のサイズかな……筋肉付きすぎたせいで支給のジャッジシャツのサイズが1つ上になっちゃって…」 ---な、なるほど…ジャッジとしてのスタンスの面では当時と比べてどうでしょう?
古賀「そこは特に変わってないんですよね。自分がLv.2ジャッジとして何か特別なことはしていないし、それまでと同じようなスタンスでこれまでジャッジ活動を続けてきました」
---それは意外です。Lv.2ジャッジの方はそれぞれ特別なことをされているとばかり…
古賀「僕に関して言えば、Lv.2だから特別なことしていたり、他のジャッジから尊敬されるってのはしっくりこなくて。これは持論ですけどジャッジって終わりがないと思うんですよね。終わりが見えないからこそ、とりわけ特別なことをやらず基本的なことを徹底するのは大事だとは常々思っています。こういう所は筋トレにもつながるかな」
---筋トレ、ですか。
古賀「ここ数年ご時世上、出歩かなくなってから少し軽肥満になっちゃって、それで始めたのが筋トレです。最初は身体を少し絞るくらいのつもりだったんですけど…自分の限界を知りたくなっちゃって笑。僕が今目指してるのはジェレミー・ブエンディア(※アメリカのプロボディービルダー)ですし、いつか人を片手で持ち上げたいなーって笑」
古賀「だからジャッジ活動も筋トレも終わりはないし、自分から今ジャッジをしている皆さんに伝えたいのは、なんでも挑戦しようってことです。例えば僕だったら今ジャッジとして挑戦したいのはまだ未経験なスコアキーパー業務だったりします。結局体験しなきゃわからないことだらけなので」
---古賀さんの「終わりがないからこそ、様々なことに挑戦する姿勢」はジャッジ業務に携わるにあたり、ぜひ自分も参考にしたいと思います。最後になりますが、もし他にジャッジの方に伝えたいことがありましたら伺ってもよろしいですか?
古賀「そうだなぁ。先ほどの話にもつながるけど、わからないことあったらわからないことを隠さないようにする癖はつけた方がいいともいます。自分もLv.2ではあるけど、まだまだ勉強不足な面もあって…そういう時にわからないことをわからないとはっきり言うのは大事だと思ってますね。だからこそジャッジのコミュニティ自体もそういったコミュニケーションが取れる場として、運用できるといいかなとは常々思ってます」
---お忙しい中、お時間いただきありがとうございました!
お互いに挨拶を交わし現場に戻ろうとする古賀 大地氏に、筆者は最後にどうしても気になっていた質問を思い出し、とっさに声を掛けた。
---古賀さん、結局ジャッジに筋肉って必要なんですか?
古賀「……そこまではいらないかな」
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