デュエル・マスターズ

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DMGP2022 day2 Round 5:dotto vs. ハザマ

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:瀬尾 亜沙子

 全9回戦の予選ラウンドも、早くも折り返し地点。

 このタイミングで満を持してフィーチャーマッチエリアに現れたのは、2017年度全国王者、「魔王」ことdotto。聞くところによると、今回は何やら「かなり自信作」のデッキを持ち込んでいるとか。

 しかも対戦相手は数多くの強豪が所属するチーム「ヘルペンタゴン」のリーダーであり、GP4thで活躍した「自然単サンマッド」をはじめとして数々の独創的なデッキを手がけたデッキビルダーとしても知られるハザマ

 関西と東海を代表する強豪同士が4-0ラインで大激突。全勝を維持できるのは、はたしてどちらになるのか。

Game

 ゲームが開始すると、早速dottoの秘蔵デッキが明らかとなる。ジャンケンで先攻を取ったdottoが迷わずチャージしたのは、《悪灯 トーチ=トートロット》
 そう、dottoのデッキは新主人公・斬札ウィンが使う種族にフィーチャーしたコンセプト、「アビスロイヤル」なのだ。さながら鬼に金棒ならぬ、「魔王」にジャシンといったところだろうか。

 だが「アビスロイヤル」は確かに強力なコンセプトとはいえ、カードプール的にはまだ新弾の「伝説の邪神」が1パック出たのみという状況。それを「自信作」と言い切るレベルにまで仕上げているというのだから、何らかのシークレットテクがあるに違いない。

 一方、ハザマは《灰燼と天門の儀式》をマナチャージ。こちらは比較的オーソドックスな「5Cコントロール」のようだ。
 dottoは2ターン目《ベル=ゲルエール》から3ターン目《邪侵入》と軽快に動いて墓地を肥やしていく。だが6枚の中に《アビスベル=ジャシン帝》《深淵の三咆哮 バウワウジャ》も含まれておらず、やむなく《レター=ジェンゲガー》を蘇生する。だがターン終了時の効果で落ちたのは《龍頭星雲人 / 零誕祭》で、ドローはできない。

ハザマ「ハンドが今2枚?」

dotto「2枚」

 他方、《天災 デドダム》《ドラゴンズ・サイン》とチャージしたハザマは墓地を活用するアビスロイヤルに対して痛撃となる《》!マナ加速しつつ、あとで「アビスラッシュ」により打点になるおそれがなく、むしろ引き直されたくない《邪侵入》2枚を残して(・・・・・・・・・・・)クリーチャー5枚だけを山札に戻させる。

 だが返すdottoも《深淵の三咆哮 バウワウジャ》を出し、再度墓地を肥やしつつ今度は《レター=ジェンゲガー》効果でアビスを落とすことで、1ドローを得てリカバリーする。

 一方5マナに到達したハザマはしかしビッグアクションがなく、《フェアリー・ミラクル》チャージからの《天災 デドダム》でリソースを伸ばしてターンエンド。

 ただ《ロスト・Re:ソウル》などのインパクトあるアクションはとれなかったとはいえ、dottoの盤面には《ベル=ゲルエール》《レター=ジェンゲガー》《深淵の三咆哮 バウワウジャ》が並んでいるのみ。潜在的には5打点あるが、楯も5枚健在の5Cコントロールを駆るハザマにとっては、危機感を覚えるような盤面ではない……そのはずだった

 だが。

dotto「手札今何枚ありますか?」

ハザマ「これで4枚です」

dotto「ありがとうございます」

 ターンが返ってきたdottoは、マナチャージなしでまずは墓地から《ベル=ゲルエール》を「アビスラッシュ」して墓地の枚数を8枚にすると、2マナで《龍頭星雲人 / 零誕祭》を召喚。これでdottoのマナはフルタップとなった。

 そして。
 8枚ピッタリの墓地を使い、「G・ゼロ」で《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》の召喚を宣言!

 そう、これこそがdottoのシークレットテク。《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》《邪侵入》2枚を戻さなかったことがこんな形で仇になるとは、さすがのハザマも予想できなかったに違いない。

 これにより5打点だったのが一気に10打点にまで膨れ上がる。まずは《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》が攻撃し、能力で2体目の《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》こそ落ちなかったものの、W・ブレイク。ここで《ロスト・Re:ソウル》の「G・ストライク」で《深淵の三咆哮 バウワウジャ》が攻撃不能となるが、なおもdottoはスピードアタッカーを獲得した《龍頭星雲人 / 零誕祭》でT・ブレイク。

ハザマ「あと殴れるのは3体?」

dotto「そうですね」

 やがてハザマが諦めたように3枚のシールドを手札に重ねると、《ベル=ゲルエール》がハザマにダイレクトアタックをお見舞いしたのだった。


Winner: dotto

 ゼーロ(《龍頭星雲人 / 零誕祭》)、ジャオウガ(《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》)、そしてジャシン。3代にわたる闇のボスキャラクターの力を一つにまとめあげ、新弾のキャッチコピーを体現するかのごとく"闇に染まった"「魔王」dotto。自前で作り上げたオリジナル構築とのことだが、今回いかなる理由で「アビスロイヤル」を選択したのか。

dotto「新弾のカードでひととおりデッキを作って、その中の一番強いアイデアを持ち込んだ形です。強さのポイントとしては、まず受けがあること。それから《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》によるカウンターギミックが強力で、《龍頭星雲人 / 零誕祭》でコントロールも可能。《レター=ジェンゲガー》でリソースもとれるので継戦能力もあり、環境のほとんどのデッキに対して5割以上の勝率があります。光水ライオネルなどのガン受けデッキ以外は、ほぼほぼプレイと構築で有利がとれるようにしました」

 対し、デッキのポテンシャルを見せる前に負けてしまったハザマ。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》型の「5Cコントロール」というデッキ選択の肝はどういった部分にあったのか。

ハザマリソースが増えることですね。5マナ帯まで伸びると『革命チェンジ』や《ドラゴンズ・サイン》からの《龍風混成 ザーディクリカ》で対応力高く振舞えるので、速攻にも勝てるし遅めのデッキにも柔軟に対応できるということで、このデッキを選びました」

 長い調整時間をかけて練られた珠玉のデッキやテクニック同士がお披露目され、互いに激しくぶつかり合う……これぞグランプリの醍醐味と言えるだろう。

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