DMGP2024-1st Day1(アドバンス) 決勝Round 1:monokuro vs. セキボン
ライター:塚本 樹詩
撮影:後長 京介
しかもそれが、ビデオフィーチャーともなると、否が応でも2023年度全国大会の初戦がフラッシュバックするだろう。
そして、一難去ってまた一難、神は再び彼に試練を与えた。
フィーチャーマッチの発表を聞いた時、セキボンはどんな心境だっただろうか? 予選を勝ち上がった彼の前に座ったのはまたしても去年のGP王者monokuro。
去年の活躍により、一気に名前の知れ渡った強豪だ。
実際、プレイヤーたちとの会話の中でも、monokuroは強い、monokuroは巧いと聞く機会が増えた。
試合の準備を進めながら、お互いの外部ゾーンを確認する中で、monokuroの超次元ゾーンを確認すると、これはミノミーとの戦いを想起されるものとなった。
あの時の完全再現とはならなかったものの、現役最強といっても差し支えないミノミーに匹敵するレベルのプレイヤーと対峙することなった。
そういった確認の中で、セキボンはお馴染みであるお手製の《滅亡の起源 零無》セットを展開する。
ローダーがうまいこと組み合わさってパタパタと可変し、それぞれ儀が達成されているかどうかをわかりやすく表すことができるセキボン特製のそれは、全国大会のデッキチェックの際に、ジャッジ達のなかでもお馴染みになっているようで、デッキリストの名前を見なくても、誰のデッキかわかると、話題に挙がっていたのが印象的だった。
そういった彼なりのいつも通りルーティンを行うことによって、精神統一を図っているのか、この舞台を前に、いつものセキボンがそこにはいた。
予選の順位を確認するやりとりの中でも、それが伺える。
そして、予選の順位によりmonokuroが先攻ということがわかり、負けたらそこで脱落の決勝ラウンドがスタートした。
まずは《滅亡の起源 零無》の効果でドローしてから手札の《ヘブンズ・ゲート》をマナにチャージしてターンエンド。
そして後攻のセキボンは《堕呪 ゴンパドゥ》をマナにチャージ。
monokuroが次のターンも《ヘブンズ・ゲート》をマナにチャージしてターンを終えると、ターンが回ってきたセキボンはいきなり分岐点に差し掛かったのか、ゲームプランを練る。
そこから導かれた選択肢は《堕呪 バレッドゥ》チャージからの《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》で1ドローの後に手札から《堕魔 ドゥベル》を捨ててGR召喚。
これにより超GRの上から《堕魔 ドゥザイコ GR》を召喚すると、墓地の《堕魔 ドゥベル》が反応して復活。これにより《復活の儀》の条件も達成したので、山札の上から《「無月」の頂 $スザーク$》と《堕呪 バレッドゥ》が墓地に置かれる。
序盤からコンボの準備を進めるセキボンに対して、monokuroは3ターン目《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》チャージからの《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》を使って、こちらもブロッカー大量展開への準備を進める。
《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》で捲れた3枚のうち《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》と《邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフⅠ世》を回収。 セキボンは後手3ターン目が来ると《堕魔 ドゥベル》チャージからの《堕呪 カージグリ》を空打ちすると、バトルゾーンの《堕魔 ドゥベル》《堕魔 ドゥザイコ GR》墓地の《堕呪 バレッドゥ》《堕呪 カージグリ》をそれぞれ山札の下に戻して《卍夜の降凰祭》を使う。 山札の中身を確認しながら、セキボンは《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》を《堕魔 ザンバリー》と3枚の《堕魔 ドゥベル》を下に敷きながらバトルゾーンに出しGR召喚を4回行う。
4体の《堕魔 ドゥザイコ GR》がバトルゾーンに並ぶと、セキボンの手はそこで止まらず、3体の《堕魔 ドゥザイコ GR》と《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》をタップさせて《暗闇の裏闇市》を使う。
タップ状態の《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》と2体の《堕魔 ドゥザイコ GR》を破壊して一気に6枚ドローする。
この一連の流れで《破壊の儀》が達成され、墓地から《暗闇の裏闇市》を回収してから再び《卍夜の降凰祭》を使う。
バトルゾーンに残った2体の《堕魔 ドゥザイコ GR》と墓地の《堕魔 ドゥベル》《堕魔 ザンバリー》をコストに充てて墓地の《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》をバトルゾーンに出す。
この《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》は《堕呪 カージグリ》《堕呪 ゴンパドゥ》と2枚の《堕魔 ザンバリー》を下に敷いた状態で呼び出され、能力でGR召喚を4回行う。
今度は3体の《堕魔 ドゥザイコ GR》に加えて1体の《ツタンメカーネン》も超GRゾーンから飛び出し、お互いに1ドロー。加えて墓地から《堕魔 ドゥベル》が2体復活。
その後《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》と2体の《堕魔 ドゥベル》そして《ツタンメカーネン》をコストに《ジョルジュ・バタイユ》を召喚。この時点で墓地には11枚のカードがあるので《ジョルジュ・バタイユ》の能力で山札の上から11枚のカードを墓地に送る。
現時点でバトルゾーンには《ジョルジュ・バタイユ》と3体の《堕魔 ドゥザイコ GR》がいるので、この4体をタップさせて《復活の儀》で回収した《暗闇の裏闇市》を使い《ジョルジュ・バタイユ》と《堕魔 ドゥザイコ GR》を破壊する。
《ジョルジュ・バタイユ》には破壊置換の能力があり、山札を修復できるので、《暗闇の裏闇市》《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》《卍夜の降凰祭》といったキーカードを6枚選び山札に戻しながら4枚ドロー。
更にバトルゾーンの《堕魔 ドゥザイコ GR》2体と墓地の《堕呪 カージグリ》《堕呪 ゴンパドゥ》を戻し《卍夜の降凰祭》を使う。
こうしてmonokuroのデッキにクリティカルに刺さる《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》を手札に残った4枚の魔導具を下に敷きながら出すと、EXライフでシールドが1枚増えて、ターンエンドを宣言。
ターン終了時の能力の誘発で、墓地の魔導具6枚を下に敷きながら《「無月」の頂 $スザーク$》を無月の門・絶で出しmonokuroの手札から《闘門の精霊ウェルキウス》を墓地に送り、《手札の儀》も達成したので超GRの上から《堕魔 ドゥザイコ GR》が出た後で墓地から《堕魔 ドゥベル》を1体だけ復活させる。
《墓地の儀》の達成だけを残し、盤面に大量展開をしておいて、先ほど《ジョルジュ・バタイユ》で戻したキーカードたちを再び引くまで待つプランを選択したようだ。
返しのターンにmonokuroは《邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフⅠ世》をチャージのみでターンを返すと、セキボンも墓地から《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》をムゲンクライムで召喚して、超GRの上から4体の《堕魔 ドゥザイコ GR》を追加してターンエンド。
またしてもmonokuroは《竹馬の超人 / テイクバック・チャージャー》チャージのみでターンエンド。
そうするとセキボンは《暗闇の裏闇市》に辿り着き《ジョルジュ・バタイユ》の山札修復能力を絡めながら《暗闇の裏闇市》と《卍夜の降凰祭》を交互に好きなだけ使えるようになる。 ここからまずは超GRから全てのGRクリーチャーを出すと、その後で《ツタンメカーネン》を《暗闇の裏闇市》で破壊して超GRに戻した後で《卍夜の降凰祭》を使って《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》で何度も出すループを証明して、monokuroの山札だけがドローにより無くなり試合が終了。
WINNER:セキボン
2023年度全国大会での初戦、対【光自然巨大天門】を前にビデオフィーチャーで衝撃的なミスを犯してしまったセキボンだったが、これに挫けることなく約1か月研鑽を積み、最高の形で過去を払拭する結果となった。
配信インタビュー終わりに彼に駆け寄ると「緊張しました。」と心境を吐露してくれたその顔は、心底嬉しそうだった。
人間である以上ミスは付きものだ、しかし、セキボンはそれを自力で乗り越えた。
そういった心の強さが垣間見えた印象的な試合となった。
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